広尾町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月9日
(1)第8期介護保険事業計画に向けての対策について/(2)介護従事者の処遇改善について
2020年12月9日、広尾町議会の一般質問で、旗手恵子議員が「第8期介護保険事業計画に向けての対策について」「介護従事者の処遇改善について」について質問し、町長 村瀨が答弁しました。
- 質問者
- 旗手恵子 議員
- 答弁者
- 町長 村瀨
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は質問の本文をもとに当サイトで付けたものです
この議員がこの登壇で質問した件は 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。
質問 11番 旗手恵子
介護保険が始まって20年になります。第8期に向けての対策について町長に質問します。介護保険は2000年に創設され、来年度から第8期に入ります。65歳以上が支払う保険料は、3年ごとの保険料改定で全国平均保険料は第1期2,911円、これが第7期2018年には5,869円と2倍になっています。本町は、第5期平成24年から月額4,400円を維持し、管内では中札内村の4,000円に次いで低い保険料となっています。要介護認定率は令和2年3月末現在15.1%と、十勝管内最低となっています。それでも介護サービスを利用している人の中には、利用回数を減らすなど調整をしながら利用している実態があります。年金暮らし高齢者の負担は限界に来ているのではないでしょうか。一方で、介護のための退職や、特別養護老人ホームに入りたくても待機しなければならない深刻な事態も続いています。これら高齢者の置かれている実態調査は行っているのでしょうか。来年度予算編成に向けて、財政制度等審議会が建議を発表しました。その内容は、介護事業所の経営にコロナは大きな影響を及ぼしていないと主張しているとの報道がありました。介護現場の人手不足の原因となっている介護職員の処遇改善についても、進める環境にはないと突き放しているといいます。政府は、社会保障・税一体改革に続いて、全世代型社会保障改革を進めようとしています。医療から介護へ、施設から地域へ、川上から川下へを目指し、病床再編・縮小、介護の重点化(中重度者へのシフト)、要支援者から要介護1、2の保険給付外し、市町村事業化による自助・互助への置き換え、利用者負担率、定率負担1割を2割にしようとしています。また、施設等の部屋代・食事代補助の縮小、ケアプランの有料化など、2年後に本格的に行おうとしています。団塊の世代が後期高齢者になる日も目前です。健康であり続けることが望ましいことは言うまでもありません。しかし、介護の必要性が高まることは否定できない事実です。このことを見通した計画をつくるべきではないでしょうか。給付削減一辺倒の制度改革は町民は望んでいませんと、町長自ら発信すべきと思います。町長の答弁を求めます。次に、介護従事者の処遇改善について質問します。総務常任委員会の所管事務調査の際にも、介護従事者の確保に苦労されているとの説明がありました。待機者の解消が課題になっていることに加え、新型コロナウイルス感染症対策もしながらの介護は、困難さが一段と強まっていると思われます。度重なる介護報酬引き下げで、介護事業者の2019年度の経営はどこも過去最悪となり、さらにコロナが追い打ちをかけています。大幅な報酬引き上げが求められる中、財政制度等審議会の建議は、介護事業所の経営にコロナは大きな影響を及ぼしていないと主張しています。介護現場の人手不足の原因となっている介護職員の処遇改善についても、進める環境にないと突き放しています。2000年から2020年までの介護報酬の実質改定率を調べてみました。プラス改定は2回で4.74%、マイナス改定は6回で12.74%と、老人福祉・介護事業者の倒産件数は2000年3件、2001年3件、2002年8件、年々増えて、過去最大の引き下げ幅だった2015年の報酬改定後、介護事業所の倒産が急増しています。76件、2016年は108件、2017年は111件、2018年106件、2019年は111件と急増しています。中でも、居宅介護支援のマイナスが大きいことが分かります。これは全ての自治体に関わる案件です。町村会等でもしっかり国に要望すべきではないでしょうか。要支援者等に限定されている介護予防・日常生活支援総合事業の対象者について、2021年度から、市町村の判断により要介護者についても総合事業の対象にすることが可能になりました。広尾町はどのような形で運用するのでしょうか。これが進むと、なし崩し的に要介護も総合事業になってしまう危険があるのではないでしょうか。2022年、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げることも検討されています。病床削減も緩めていません。自助の押しつけを強める動きもあります。町民を守るため、国に対し発信を強めるべきではないでしょうか。町長の答弁を求めます。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
旗手議員の質問にお答えをいたします。第8期広尾町介護保険事業計画につきましては、計画運営推進委員会で審議を重ね、令和3年度から5年度までの3か年における事業の実施に向けて、今、策定作業を進めているところであります。最初に、介護サービスを利用される方の自己負担についてであります。自己負担が重荷になり、介護サービスの利用を控える方がいるというご指摘につきまして、そのことに関する実態調査は行っておりませんけれども、町内の居宅介護支援事業所に確認したところ、介護サービスの前提となるケアプランの作成段階で、担当のケアマネージャーが利用者本人やその家族と話し合い、サービスの内容や利用の頻度などを決定し、利用に係る自己負担についても説明の上、理解を得ることとしているため、自己負担を理由に利用を控える方は見受けられないとのことでありました。介護制度の枠組みの中で、介護サービス費や高額医療合算介護サービス費の給付、施設サービスにおいて保険給付の対象外である居住費や食費などについても、所得区分に応じた負担限度額の設定など、所得の低い方への負担軽減が図られております。また、介護保険料につきましても、令和元年度と2年度の2か年で所得階層の第1段階から第3段階までの所得の低い方の軽減強化を行っており、これからも所得の低い方に配慮しながら、健全な介護保険運営を進めてまいります。次に、介護従事者の処遇改善であります。介護人材が不足している現状は、我が国における深刻な課題でもあります。とりわけ地域包括ケアシステムの充実と深化に向けてこの問題を避けては通れず、介護従事者の処遇改善が課題解決の肝要な手段の一つであることに疑いはありません。養護老人ホーム、特別養護老人ホームにおきましては、会計年度任用職員制度への移行により、月給制と昇給の付与、通勤手当の支給や休暇の繰越しなど、待遇を改善してまいりました。また、特別養護老人ホームでは、本年11月に入所者のベッドに見守りセンサーを設置し、職員の介護業務の負担軽減を図っております。町内の居宅介護支援事業所におきましても、介護報酬における特定事業所加算や処遇改善加算を獲得し、それらを介護従事者の人件費に充てるなど、処遇改善の取組が進められております。次に、介護予防・日常生活支援総合事業の対象者の弾力化についてであります。本年10月の介護保険法施行規則の改正により、総合事業の対象者の弾力化が図られ、要介護者もその対象になりました。具体的には、要支援者を対象とする総合事業の介護予防・生活サービス支援事業を利用している方が、介護度の進行により要支援から要介護になっても、引き続き同じサービスを利用できるようになったものであります。総合事業の介護予防・生活サービス支援事業は、訪問型サービス、通所型サービス、その他の生活支援サービスに分類され、訪問型サービスが訪問介護ほか4種類のサービス、通所型サービスが通所介護ほか3種類のサービス、その他の生活支援サービスがボランティアによる見守りサービスのほか2種類のサービスと多岐にわたり、その大半が介護給付では提供できないサービスでありますが、このうち本町が提供しているサービスは、訪問型サービスの訪問介護と通所型サービスの通所介護の2つだけであります。これらのサービスは介護給付を基本としているものであるため、要支援から要介護になられた場合は、これまでどおり総合事業から介護給付に切り替えてサービスを提供してまいります。最後に、後期高齢者医療保険の自己負担と国保病院の病床の削減についてであります。政府の全世代型社会保障検討会議で、後期高齢者医療保険の自己負担を1割から2割へ引き上げる検討がなされております。増え続ける社会保障費を抑えるため、一定の所得のある高齢者に負担を求めるものでありますけれども、このことは現役世代に偏っている負担を見直し、高齢者との負担の均衡を図るためのものと理解をしておりまして、今後の行方を注視してまいります。国が推し進めようとしている地域医療の病床削減につきましては、国の財政支援があるからといって安易にベッドを減らしたり、その機能を見直したりすることはありません。国保病院は町民の皆さんの命と健康を守る唯一の有床医療機関として、その役割を果たしていくという理念を常に念頭に置き、今後も地域のニーズに的確に応えられる医療を提供していきたいと考えているところであります。以上、答弁とさせていただきます。
質問 11番 旗手恵子
先ほどの1次質問の中で、介護認定率、それから介護保険料が広尾は管内でも低いということを言いました。これは認定の仕方が悪いとか、そういうことを言っているわけではなくて、やっぱり元気な高齢者が多いのかなというふうに私も日頃から思っているところなのです。それで、介護サービスを利用している人の中でも、低年金の人は利用回数を減らしている、そういう実例もあるということで、町長は今そういうことは聞いていないというふうにおっしゃいましたけれども、これは認定の仕方が悪いとか、そういうことを言っているのではないのです。きちんと認定されてサービスを受けているのだけれども、例えばデイサービスだと1回行くと幾らというふうにかかるわけでしょう。それの負担がやっぱり大変に感じている高齢者の方というのは実際にいるのです。ですから、3回行くところを2回にしたりとか、実際そういうふうに調整しているのだという話も私は聞いています。ですから、介護保険料のほかに利用料もかかるということで、実際にはそういう高齢の方もいらっしゃるということを頭に置きながら、これからどうするかということも検討していかないとならないのではないかなと思うのです。その点についてはどうでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
保険料もかかる、それから利用料もかかる、そのとおりだというふうに思っていまして、そういう仕組みの中で介護保険、行政が行われておりますので、なかなかどうしたらいいのだと言われても答えようがないのですけれども、そんな現実があるのはありますけれども、しっかりと利用していただいて、介護度が上がらないようなことをしていただければというふうに思っているところであります。
質問 11番 旗手恵子
元気なうちは全て自分で何でもできるけれども、やはり年を重ねてだんだん日常の動作も鈍くなったり、やっぱりちょっと手伝ってもらわないと一人で暮らせないという、そういう高齢者が増えるということはもうそのとおりだと思うのです。そこを援助して、介助をして、そして自宅で過ごす期間が長くなるようにというために介護保険もつくられていると思うのですが、やはりそこが今、負担との関係で、ひずみができてきているということが言えるのではないかと思います。それで、私は実態調査は行っているのでしょうかと、これは個々のということよりも、介護を受けている方だとか、これから受けようと思っている方たちの実態調査をしているのかどうかということをお聞きしたのです。それで、根室市で日常生活圏のニーズ調査というのをやっていると聞きました。介護施設への入所が必要になった場合に、経済的な負担について質問した項目があるのですけれども、それに対して7割の方が毎月の入所費用というのは困難だというふうに回答しているという、そういうことを聞きました。利用料のほかに食事代、部屋代、これも大きな負担になっていますし、そういうことに対して独自の助成制度を行っている自治体もあるのです。ですから、そういうこともやはり今後考えていく必要があるのではないかと思いますが、町長はどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
介護保険制度を運用していく上で、所得の少ない方、これも国のほうでしっかりとした軽減対策を行っているところでありまして、さらに令和2年度におきましても、それぞれ保険料の引き下げなど行っているところでありまして、そういった方々にも対策を講じているところであります。実際に議員がおっしゃった声があるというところも、改めて認識をさせていただければと思っております。
質問 11番 旗手恵子
そういう町民の実際の、なかなか役場の方が来たとか、そういうふうになったときには、そこまでお話をできるかどうかということも町民感情としてはあるかと思うのですけれども、でも実際に歩いてみるとそういう声もあるということで、ぜひ認識をしていただきたいなというふうに思います。それと、国はとにかくもう介護保険に出すお金をどういうふうにして少なくしていくかということで様々考えますので、やはり矛盾というのは出てきていると思うのです。介護従事者の処遇改善ということも、本当に大事なことだと思うのです。所管事務調査のときもいろいろ聞きまして、本当に一生懸命やっているのですけれども、払われる給料というのは一定程度で抑えられているということで、仕事の割にしたら決して高い給料というふうには言えないと思うのです。ですから、介護従事している方の処遇改善ということはぜひ必要だと思いますし、独自の給与の補助というものをしているところもありますので、ぜひそのことも含めて考えていかないと、介護の職員をきちんとそろえていくということが難しいのではないかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
本当に介護の現場で働く職員の方々は大変な状況にあるというところ、認識をしているところであります。前段、1次質問でもお答えをいたしましたけれども、やはり会計年度任用職員の制度に移行するというところ、大変大きな改革だというふうに思っております。今まで臨時職員として、なかなか給与の改定もままならない状態で勤務もしていただいたところであります。今度は毎年給料が上がっていく制度でありますし、月給制でもありますし、そういったところでは、今までよりかは安定的な職場になっているのではないかというふうに思っているところであります。今後は、やはり介護の現場と十分意思疎通を図りながら、運営してまいりたいというふうに思っております。
質問 11番 旗手恵子
あともう一点だけ、1次質問でも言いましたけれども、介護サービス事業をやっている方たちが、本当に運営そのものが大変な状況になっているのです。それは、やり方が悪いということよりも、国が介護事業者に対して出しているお金を本当に削ってきているのですよ。介護がこれだけ大事だと言われて利用される方も増えてきている割には、倒産件数もどんどん増えているのです。私も本当に調べてみてびっくりしたのですが、2000年始まって倒産件数は3件だったのが、2019年には全国で111件。そういうふうにやはり採算が合わない、そういう中で頑張っていらっしゃるということですから、国に対しても、水準を落とさなければならないような制度設計ではなく、やはりきちんとやっていけるような制度にするべきだということで、町長からも声を上げるということが大事ではないかと思うのです。国から示されたその案で、その中で何とかしようとしても限界があると思うのですよ。ですから、私たちも国に対しての要望事項もいろんな形で上げていますけれども、町長としても、やっぱり介護というのは大事ですから、そこの制度設計をもっと変えてほしいということで声を上げるべきだと思いますが、どうでしょうか。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
この関係につきましては、この関係ばかりではないのですけれども、十勝の期成会として、この問題も国のほうに要望項目として上げているところであります。今後につきましても、引き続きこの要望等について提案をしていきたいというふうに思っております。