広尾町議会 平成29年第3回定例会 2017年9月12日
(1)「核のごみ」処分最適地にノーをについて/(2)日欧EPAの影響試算と対策について
2017年9月12日、広尾町議会の一般質問で、前崎茂議員が「「核のごみ」処分最適地にノーをについて」「日欧EPAの影響試算と対策について」について質問し、町長 村瀨が答弁しました。
- 質問者
- 前崎茂 議員
- 答弁者
- 町長 村瀨
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
町のサイトの一般質問の一覧ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は町のサイトの一般質問の一覧の表記です。
質問 4番 前崎茂
2点について質問をいたします。1つ目は、「核のごみ」処分最適地にノーをということで質問いたします。政府は7月28日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に適した地域を示した日本地図「科学的特性マップ」、いわゆる核のごみマップを公表しました。火山や活断層が周囲になく海岸からも近い、処分場の候補地となり得る最適地と分類した地域は、国土の3割が該当しております。加えて、海上輸送に都合がよく海岸から20キロ以内の地域を輸送面でも好ましい地域としており、十勝管内でも本町をはじめ幕別、浦幌、豊頃、大樹町の5町が最適地とされております。「核のごみ」は、まさしく「トイレなきマンション」と呼ばれる原発の行き詰まりの現状をあらわしております。政府の最終処分地候補になり得る今回の公表は、国が前面に立つとして2014年、平成26年4月にエネルギー基本計画が示された、地方への核のごみの押しつけではないかとの指摘もあります。核のごみは、原子力発電所の使用済み核燃料の再処理で、ウランやプルトニウムを取り出した後に残る高レベル放射性廃棄物で、10万年にわたり強い放射能を出すため、政府はガラスとまぜて固体にし、深地層に埋めて最終処分をするとしております。政府は、2002年に核のごみ最終処分場の公募を始めたところ、2007年に高知県東洋町が応募をしましたが、議会や住民の反対を無視した町長に批判が強まり、辞任をいたしました。結局、3か月後には応募を取り下げた経緯があります。その後、応募の意向について、幾つかの自治体が取り沙汰されましたが、その都度、住民の反対で応募には至らず、一向に進まないまま今日まで来たところであります。そのような状況のもとで、現在、国内の原発に保管されている使用済み核燃料は約1万8,000トンに達し、原発の再稼働などで今後さらに増加することが予測されるところであります。したがって、政府としては「核のごみマップ」の公表した後、事業主体の原子力発電環境整備機構とともに候補地選定を進めたいとしております。文献調査2年、概要調査4年、精密調査14年の3段階の調査を20年かけて行い、候補地を絞り込むとしております。政府は、第一段階の文献調査に応じるだけで自治体には2年間で最大20億円を交付するとしております。金で誘導することは容認できるものではありません。さらに、政府・経済産業省は、処分地選定の進め方について理解が深まり、誇りを持って調査を受け入れてくれる自治体があらわれてくることに期待をしたいとしております。しかも、経産省は、早ければ今月9月以降、最適地である地域で重点的に住民向け説明会などを開き、地質調査などにも理解を求めるとしております。10万年近くも危険な放射能を出し続ける高レベル放射性廃棄物の最終処分地の受け入れは、到底、容認できないものであります。核のごみを増やし続ける原発再稼働をやめることが先決であります。ほかの市町村とも連携して国に対し正式に処分地受け入れを拒否するとともに、あわせて住民説明会の開催及び地質調査なども必要がない旨、通知をすることも肝要であると思いますが、町長の見解を求めます。2点目は、日欧EPAの影響試算と対策についてであります。7月6日、ベルギー・ブリュッセルで、安倍首相は、EU(欧州連合)のトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長と共同記者会見を行い、日欧経済連携協定(日欧EPA)交渉の大枠合意を発表いたしました。多くの国民や農業関係者の反対の声を無視し、交渉経過や影響試算を一切明らかにしないまま大枠合意に至ったことは認めがたいものであります。日本と欧州連合(EU)は、世界の人口の1割、国内総生産(GDP)の3割、貿易では4割を占めており、TPPと並ぶメガ自由貿易協定となると言われております。政府が発表した合意内容によると、全部で27の交渉分野に及び、国民生活全般に影響をもたらすと懸念されております。とりわけ農産品分野では、日欧EPAではTPPでさえ守ったカマンベールチーズなど、ソフト系チーズも初年度2万トン、16年後には3万1,000トン、関税輸入枠を設定いたしました。また、関税を今の29.8%をゼロにすることや、世界的に競争力のあるワイン、パスタ、木材などの関税を撤廃するなど、TPPを上回る内容となっております。北海道大学の小林国之准教授は、国産チーズの生産量が4万6,000トンに対し3万1,000トンの輸入枠は国産生産量の約7割、67%になりますが、この設定は相当大きな規模であり、EUから関税のかからないチーズが輸入されることとなる、日本人好みの製品を開発し積極的に進出してくるだろうと懸念をされております。さらに、EPAによってEU産チーズとの価格競争が激しくなると同時に、EUからチーズの加工原料を安く仕入れできることとなり、乳業メーカーが国内乳価の引き下げにより酪農家の収入減となり、経営が厳しくなる可能性があると指摘しております。一方で、EU欧州委員会は、対日輸出に関し、チーズや肉類などの農産加工品の輸出が最大180%、金額で100億ユーロ、1兆3,000億円増えると見ており、EUの農村部は大きな成果があると農業担当委員は表明しております。また、肉類関係では、豚肉の低価格帯の関税を現在の1キロ当たり482円を、10年かけて約1割の50円までに段階的に引き下げる内容となっております。牛肉では現行38.5%の関税を段階的に引き下げ、16年目には9%まで下げるとしており、十勝の酪農及び畜産にとっては避けられない問題であります。東京大学の鈴木宣弘教授は、大手乳業メーカーは50万トンの国産チーズ向けの生乳が行き場を失い、北海道生乳が本州に押し寄せ、飲用乳価が下がり、共倒れになるのではないかと懸念を示し、さらに日本の食と農と暮らしの将来を犠牲にしたツケもはかり知れないと指摘をしております。もともと日欧EPA交渉は2013年、平成25年から始まり、2015年中の大筋合意を目指していたものであります。しかし、農産物や自動車などの関税で隔たりが埋まらず、目標年限をさらに1年先送りしても合意できないでいたものであります。ところが、今年に入ってから大枠合意に向けて急展開しましたが、TPPの大筋合意と比べて粗略なものと言われております。政府はこの秋に影響試算を公表するとしておりますが、日本農業新聞で、政府は影響試算の公表を急ぐべきだ、政府が行うべきは過小評価することなく、ありのままの影響試算を公表することと論評しております。また、北海道農業の衰退の懸念とあわせて、食料自給率の低下も不安であると言われております。TPPの際には、自治体独自の影響試算を行った例もありますが、日欧EPAでの本町の影響試算はどのようにされているのか、また、今後の対策について町長の見解を求めます。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
前崎議員の質問にお答えをさせていただきます。1点目の核のごみ処分についてであります。高レベル放射性廃棄物の科学的特性マップにつきましては、最終処分場に関する国民の関心や理解を深めることを目的として政府が示したものであります。高レベル放射性廃棄物の最終処分については、一たび事故が起きると二度とその土地に住むことができなくなるおそれがあるところであります。本町のあずかり知らぬところで高レベル放射性廃棄物の最終処分地の候補地となることはもちろん、地質調査の対象地となることはないものと考えております。管内においても、ほかに最適地として選定された地域と連携しながら、最終処分場の受け入れを断固反対をしていきます。また、あわせて、今後、国からの説明、情報提供があった場合には、速やかに議会、町民の皆様に公表していきたいと考えております。2点目の日欧EPA大枠合意の影響と対策についてであります。この内容等については、議員がるるご説明をいただいたとおりであります。この国際交渉等については利益と損失の両面があるわけでありますけれども、損失面において大きな影響があるところであります。議員のお尋ねにありました、今回の大枠合意に対し本町独自の影響試算ということであります。議員からもありましたように、政府においては、EUとの経済連携など国際交渉を進めるところでありますけれども、交渉の具体的な内容は明らかにされておりません。また、今月に入り、北海道が中間まとめを行った旨の報道がありましたが、やはり具体的な内容は示されておりません。EPAの影響については、長期に及ぶ中で今後も状況の変化や新たな課題が明らかになるところも考えられるところであります。国においては、この秋に農業支援を柱とする国内対策をまとめ、その効果を折り込んだ影響試算が公表されるということもあり、町といたしましては最終的にどのような展開になるのか、まずはそこをしっかり見ていき、今後とも町村会あるいは農業団体などと十分連携をとりながら、本町への影響について継続的に把握、分析をしてまいる考えであります。また、今後の対応についてでありますけれども、いかなる国際交渉にあっても、基幹産業である農林水産業が再生産が可能で将来にわたって持続的に発展していくことが何より重要と考えているところであります。今後とも国際情勢や国の動きなどを注視するとともに、引き続き関係団体と一体となって、国に対し万全な対応を強く求めながら国費事業を積極的に活用し、収益性の高い力強い第1次産業づくりに向けた必要な対策に取り組んでまいりたいと思っているところであります。以上、答弁とさせていただきます。
質問 4番 前崎茂
核のごみの最終処分地の部分でありますけれども、受け入れについては断固反対ということでありますからあれなのですけれども、今回のこの新聞報道、政府・経産省が一方的にマスメディアを通じて公表したものでありますけれども、今のメッセージをやっぱり広尾町として、広尾町独自といいますか、他の町村あるいは北海道全体としてあれですけれども、国に対してしっかりとした発信をしていかなければならないのではないかというふうに思うわけであります。所管課のほうにお尋ねしますと、いわゆるこの核のごみの最終処分地については正式に経産省からも通知をいただいていないというようなことですから、どういう形がいいかということについては具体的なお話はいただけなかったのですけれども、いずれにいたしましても国に対しては正式な何らかの形で広尾町のメッセージを発信すると、そういったことが必要ではないかと思いますけれども、その点についてお答えをいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
核のごみの処分場に関しては、以前も議員さんのほうから質問があって、そこでも明確に断固反対、容認ができないという答弁をさせていただきました。この広尾町議会で一般質問を受けて答弁をしているということは、国内外にわたってそれぞれ広尾町が反対の表明をしたという点でご理解をいただければというふうに思っているところであります。
質問 4番 前崎茂
先ほどの質問の中でも触れましたけれども、高知県の東洋町、ここは人口3,500人、予算規模が約20億円程度なのですね。そういった中で、この町も非常に当時財政が厳しいということで、町の財政を立て直したいという思いから、いわゆる文献調査2年、それから概要調査4年、合わせて6年間で60億円の交付金をもらえるということで、町長が住民、議会に相談しないで手を挙げたということであります。これは後日談ですけれども、文献調査なり概要調査をして、その後に住民投票をして反対であればそのときやめればいいのでないかというようなことで、それはできないだろうという論評をしていましたけれども、いずれにいたしましても、国はもうありとあらゆる手段でそういった形で積極的に応募してくる自治体を探しているという実態でありますけれども、実際なかなか、先ほども言いましたけれども、10万年にわたり強い放射能を放出するということですから、そういった自治体があらわれないということで、逆な言い方をすれば、この地図の公表について上からの押しつけを強める危険性もあるということが懸念をされております。そういった中で、実は北海道にこれに関する条例がございます。「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」でありますけれども、「特定放射性廃棄物は、長期間にわたり人間環境から隔離する必要がある。現時点では、処分方法が十分確立されておらず、試験研究を進める必要がある」として、「現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れがたいことを宣言する」ということで、これは平成12年10月に公布されておりますけれども、やはり今回公表された中で、北海道はいわゆる人口密度が低い、それから過疎化が進んでいるというようなことを含めて、やはり人口密度の少ないところをターゲットにして国は今後進めるという、そういったものを危惧する部分もありますけれども、十勝は5町村でありますけれども、町村会あるいは北海道町村会ともども含めて強く国に対して、こういった断固反対の意思表示、発信をすべきでないかと思いますけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
繰り返しの答弁になろうかと思いますけれども、核のごみについては今までも、そしてこれからも受け入れは考えていないところでありますし、打診があったとしても断固反対を貫いていく決意でございます。このことも町村会等について反映をさせていきたいというふうに思っております。
質問 4番 前崎茂
今、この核のごみマップについては、いわゆる海岸から20キロの地域という形でありますけれども、実は産業技術総合研究所では、既に1月以降、地下350メートルの坑道などで地質や地下水の流れなどを調査していると。それで、より海に近い場所、さらには海底の下を調べる調査もするとして、陸から15キロ以内の沿岸海底下に核のごみの処分場を建設する案が有力視されていると。なぜ海岸の海底かということを言いますと、陸地に比べて海底下は地下水の流れが遅く影響を受けにくい、それから処分場を建設する場合、大半が公有地のため用地を確保しやすい利点があるというようなことで、現にそういった沿岸の地下水調査を含めて、これから海底下のそういったことを展望しながら調査研究をしているということでありますけれども、広尾町は重要港湾十勝港ということで、冒頭申し上げましたけれども、非常に運用しやすいという、そういった部分とあわせて海底調査、こういった部分ではますます最適地の候補地として有力になるおそれがありますので、これらについてはあらゆる観点から、やっぱり例えば住民説明会にしても地質調査にしても、今から国、政府に対して行う必要ないというようなことを発信し続けることが必要だと思いますけれども、改めてお答えをいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
繰り返しになりますけれども、この核のごみの受け入れ断固反対の姿勢、今後も貫いてまいりたいというふうに思っております。
再質問 4番 前崎茂
続いて、日欧EPAの影響試算、対策について、再質問をいたします。この間の日欧EPAの関係で、多くの関係機関等から反対あるいは今後の北海道農業を危惧する、そういった声が出されております。実際、十勝の酪農畜産対策協議会の会長であります坂井正喜JA大樹町組合長でありますけれども、チーズの輸入が増えれば国産チーズが売れなくなり、加工用の生乳が余る心配があると、北海道の生乳が本州の飲用向けに流れれば、新たな北海道と本州の競争になると、南北戦争になるというふうな言い方をしております。今の生乳の需給バランスで言えば、いつ余って生産調整になるかわからない、農家は生産量を増やすそういった規模拡大に投資をしていると、そういった意味では国はしっかりとした対策を進めてほしいと言っております。また、十勝町村会の会長であります髙橋本別町長は、本場のヨーロッパからチーズを安く輸入され、十勝の生産現場を直撃すると、加工を含め広く十勝経済にかかわる問題であると、このように指摘をされております。いずれにいたしましても、とりわけ酪農・畜産に関して北海道に大きな影響を与えるということでありますから、そういった意味で、例えばあくまでも今回は大枠合意ということで、実際、協定発効までにはEU各国の承認が数年、4、5年かかるというふうに言われておりますけれども、その間に今回の部分について、例えば撤回を求める、あるいは対策を強く求めるなり、そういった動きがこれから必要になるかと思うのですけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
このEPAの関係につきましては、以前、TPPのときには、内容等が非常に不透明な中にあっても、全国的な運動の中にあってそれぞれ議論をされてきたところであります。今回のEPAについては、議論がないまま、情報提供もないまま、大枠で合意だという報道がされたところでありまして、困惑をしているところであります。議員のほうからそれぞれ関係機関のコメントを発表されましたが、全く私もそのとおりだというふうに思っているところであります。こういったことにつきましても、今後も関係団体ときっちり情報交換しながら、それぞれ注視をしていきたい、このように考えているところであります。
再質問 4番 前崎茂
よく農家の皆さんがご購読なされています日本農業新聞、さっき一部紹介をいただきましたけれども、この中でもJA全中の奥野会長は、農業経営や生産基盤の確保の取り組みに影響が出ないか徹底した検証をすべきであると、国内農業がどのような影響を受けるのか徹底した分析のないまま議論を重ねても、効果的な対策を打てるのか疑問が拭えない、ましてや政府が今回の基本方針で打ち出した再生産可能な万全な対策は困難であるというような指摘をされております。そういった意味では、農業関係者も含めて非常に懸念をしておりますけれども、やはり1次質問で言いましたけれども、いわゆる農業影響試算が先だということがまず大前提でありますし、これらをもとに今後どういった形で対策を講ずるのかとか出てくると思うのですけれども、これが秋口とか11月ごろというふうに言われているのですけれども、これらについてあと2か月ぐらいありますけれども、例えば、今、各団体の会長さん等々からいろんな懸念する声が出ておりますけれども、本町における産業団体との情報交換とか、そういった部分でどのような形で、現在、対策を講ずる、そういった協議をされているのか、この点についてもお答えいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
対策等については、現在のところいろんな情報交換はしておりますけれども、具体的なこういう対策をするというところに至っていないところであります。国におきまして、議員がおっしゃったように、いろんな影響試算、これはまだ出ていないわけでありまして、国の対策を待ってそれぞれ情報交換しながら対策を講じていきたいなというふうに思っているところであります。何といっても国際交渉でありますから、特に関税の部分、関税措置については、利益を受ける団体、品目もあるわけでありまして、また、損失を受ける面、議員が今おっしゃったように、農業分野で多くの損失を受けるだろうと影響が懸念をされているところであります。利益を受ける部分についてはいいのですけれども、損失を受ける部分については国がしっかりとした対策を示すこと、何よりだというふうに思っているところであります。しっかりと国が出す影響試算、影響等について、農業団体と連携をしながら対応してまいりたいというふうに思っております。
再質問 4番 前崎茂
日本経済全体で見れば、この日欧EPAを推進すべきという立場の方もおられますし、実際、EUに対する自動車の関税が10%ということで、例えばアメリカに対して現行2.5%ですけれども、それから見たらはるかに高いということと、韓国は既にEUとの関税ではゼロということで、そういった部分で、自動車産業にとっては、言ってみればこれを推し進めるという立場でありますけれども、いわゆる酪農・畜産農家の皆さんの立場から見れば、自動車ですとかそういった部分で農業が犠牲になるということは認めがたいということでありますし、とりわけここでは余り触れていませんけれども、食料自給率の低下も懸念されると。これについても、当然、試算はされておりませんけれども、やはり今一番問題になっている部分では、食料自給率の向上ということが我が国のそういった部分ではあるとは思うのですけれども、それに逆行する内容であるということであります。実は、広尾町も例えば生乳だけで言えば、昨年度ようやく6万トン近くになっております。5、6年前に5万トンを超えたという形で、今、毎年2トンから3トンずつ増加しておりますけれども、例えば十勝全体で見ると28年度では117万トン、全道では386万トンという形で、十勝も全道も含めて毎年2%前後の増加をしております。そういった意味では、先ほど言いましたように規模拡大をしながら生産量の拡大を図っているということでありますけれども、これが先ほど言ったように、要するに欧州のチーズが入ってくれば当然国産チーズの需要が、消費が減少するわけですから、先ほど言ったように、加工用の生乳の50万トンの行き場が本州のほうに向かって全体の価格低下といいますか、そういったところに結びつくのではないかなと。実際、欧州の委員会の方の発言では、現在やっぱり欧州のEUのチーズが関税がかかっているので、現在は高級スーパーにしか出回っていないと、要するに富裕層しか買えない状況であると。これを関税がなくなることによって安くなれば、コンビニで置いていただけると。そうなれば、先ほど言ったように、大幅な消費拡大、EUからの輸出拡大につながるというような言い方をしておりますし、そういった意味では、非常にとりわけ広尾町の場合は畑作の比重よりも酪農・畜産の比重が多いわけですから、他の町村から見てもその影響というのは非常に大きいのかなというふうに推測をするわけでありますけれども、そういった意味では高橋知事も本道農業への大きな影響を危惧していると、これからも本道の農業を守るために国に対して積極的に発信していきたいというようなことを述べておりますし、あと7月6日に大枠合意が発表されてから北海道議会でも日欧EPAに係る意見書、これ可決されておりますけれども、やはり広尾町の酪農・畜産にとって非常に大きな影響を受けるという部分では、これから対策も含めて非常に重要かと思うのですけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。
答弁 町長 村瀨(町長は2024年3月まで)
これらの関係につきましては、当然、容認できませんし、強く反対の姿勢、農業団体も示しているところでありまして、本町も歩調を合わせながらやっていきたいなというふうに思っているところであります。また、当然これ発効がされれば、やはりTPPのときもそうでしょうけれども、国に対する対策等も求めなければなりませんし、また、農業者自身も、それぞれJAグループがいろんなところで懸念の対策として言われているところでありますけれども、優良乳用牛を増やしていくだとか、それから国産チーズの競争力を強化するだとか、品質面も含めて、さらにはやはり厳しい状況のところには国のいろんな補填をさらに求めていくだとかというところを農業団体も打ち出しておりますので、しっかり歩調を合わせながら取り組みをしていきたいと思っております。