富良野市議会 平成27年第4回定例会 2015年12月14日
(1)環太平洋連携協定(TPP)交渉大筋合意について/(2)地域医療計画指針について/(3)公共交通について
2015年12月14日、富良野市議会の一般質問で、岡本俊議員が「環太平洋連携協定(TPP)交渉大筋合意について」「地域医療計画指針について」「公共交通について」について質問し、市長 能登芳昭、保健福祉部長 鎌田忠男が答弁しました。
- 質問者
- 岡本俊 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、保健福祉部長 鎌田忠男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 岡本俊
-登壇-通告に従いまして、順次、質問してまいります。1点目は、環太平洋連携協定、TPP交渉大筋合意に対する見解と今後の対応について伺います。日本が環太平洋連携協定に正式に参加して2年、北海道の基幹産業である主食米の特別枠設定、乳製品の低関税率枠設定、牛肉、豚肉などの大幅な関税引き下げ、小麦にかかわる輸入差益、いわゆるマークアップの大幅削減、砂糖、でん粉などに大きな影響を与え、世界最低水準の自給率をさらに低下させ、日本農業を根本から脅かせ、北海道農業、富良野農業、さらに、農業生産、やる気をそぐばかりで、担い手の減少、地域の活力の衰退となると強く危惧し、農業生産、農業経営に大きな打撃を与えるものとして、今日まで農民団体、知事や首長、議会は、反対や慎重な対応を求めてきました。この間、富良野市長自身も、私たち議会も、TPP反対決起集会に参加するなど、富良野市を挙げて反対活動を行い、富良野市議会も、ことし第1回定例会において、TPPに対する慎重な対応を求める意見書を国に提出したところであります。残念なことに、10月5日、アトランタにおける参加12カ国閣僚会合において、政府は早期妥結を優先し、農産物で軒並み大幅譲歩し、重要5品目を聖域と位置づけて、その確保を目指してきた国会決議に反し、日本が大幅譲歩することによって大筋合意が、急転直下、成立したわけであります。甘利大臣は、交渉の中で、日本の果たした役割を強調するものの、多国間交渉過程も不透明で、日本がどのような要求をしたか、相手側の要求をどこまで妥協したかも完全に明らかになっていない中、さらに、農業以外の製造業、医療、知的財産、雇用など、生活に密着する事項や海外の企業が投資先の国を訴えることができるISD条項を初め、命にかかわる食の安全や医療などの国民の暮らしなどが多く含まれているにもかかわらず、安倍政権はその詳細を国会に報告せず、十分に報告、議論のないまま、TPP協定を公表し、11月25日、TPP関連対策要綱を決定し、既成事実として動き出し、提供緩和対策に万全を期す、丁寧に粛々とを説明すると言うが、現段階では、到底、理解できる状況ではありません。安倍首相は、会見で、農業は国のもとであり、美しい田園風景を守っていくことは政治の責任だ、農林水産業を、意欲ある生産者が安心して再生産に取り組むことができる、若い皆さんにとって夢のある分野にしていくと聞こえのよいことを述べております。しかし、日本の食料自給率は、先ほど言ったようにカロリーベースで39%、先進国で最低であり、今月27日に農水省が発表した2015年農林センサスでは、農家戸数は全国で215万3,000戸、10年前の前回の調査に比べて14.8%減り、農家戸数は30年間で半減し、道内農家戸数は前回より14%少ない4万4,000戸となっております。日本農業の実態とかけ離れた空虚な言葉でしかないわけであります。富良野農業の主要農産物タマネギ8.5%の関税は、順調に行けば、2年半後の協定発効の6年後には撤廃、ニンジンなど生鮮野菜は即時撤廃されるなど、関連産業に与える影響は大きく、富良野の基幹産業である農業に大きな打撃を与え、農家人口の減少となれば地域の暮らしが成り立たなくなる危惧も考えられることから、環太平洋連携協定大筋合意に対する見解と今後の市の対応についてお伺いいたします。2点目に、地域医療計画(指針)の改定についてお伺いいたします。地域医療計画(指針)が策定された平成19年前後は、少子高齢化社会、在宅介護や在宅医療の時代を迎え、地域医療、介護、予防医療体制づくりは最重要な行政課題であり、同時に、富良野市として山部厚生病院の存続問題、地域センター病院の新築移転など、地域医療体制の根幹にかかわる課題が山積しておりました。同時に、議会においても、地域医療体制について多くの議論があったところであります。富良野市議会において、地域医療に向け、地域医療計画の策定の重要性が議論されたところであり、市も平成18年に独自の医療計画策定の検討に向け、北海道の協力を得て道外類似都市自治体を調査し、医師会との協議、北海道とも協議を行い、平成19年3月に地域医療計画(指針)を策定したところであります。地域医療計画は、本市の医療の現状を市民に知らせるとともに、市の医療政策を今後どのように進めていくのか、北海道医療計画を基本としながら、市の基本方向を計画の指針としてあらわし、それに基づく具体的な施策を市民の皆さんに示すことが必要としており、市民ニーズに適正に対応できる保健、医療、福祉の各サービスが総合的かつ持続的に展開できる体制を充実していく必要性をあらわし、富良野市はもとより、圏域全体の住民が安心して暮らせる地域医療の体制が確立されるものとしております。地域医療計画も、平成29年で10年を迎えようとしております。この間、市も地域センター病院の医療機器の助成、研修医への支援、山部厚生病院閉院に伴う山部消防署への救急車の配備、山部診療所の開設などを行ってきましたが、現在、高齢化社会における健康寿命の延伸、安心して産み育てる環境、市民の健康保持と予防医療体制の充実は、行政にとって最重要課題であります。今後の富良野市の医療体制の総合的な推進に向けた新たな地域医療計画が必要と考えておりますが、市長の考えをお伺いいたします。次に、JR根室線利用促進についてお伺いいたします。富良野市は、道央と道東を結ぶ根室線と、旭川に通ずる富良野線が分岐する交通の要衝として大きな役割を果たし、市民の通院・通学の手段として、貨物輸送は産地と消費地を結ぶ重要な役割を果たしております。富良野観光においても、JR北海道では、JRで行く富良野・美瑛2015を実施し、臨時列車、特急フラノラベンダーエクスプレス、富良野・美瑛ノロッコ号の運行は、富良野の観光の集客に大きく貢献しております。しかし、富良野駅は、昭和40年代には100万人以上の利用がありましたが、減少し続け、「北の国から」の放映で増加に転じ、近年は年間50万人ほどとなっております。市民生活、地域経済の重要な鉄路を「乗って守ろう根室本線・富良野線」を掲げ、市民総意で富良野市根室本線富良野線利用推進協議会が運動を行い、市民の利用促進と要請活動を行ってまいりました。しかし、先月、JR北海道は、7路線、10区間について、100円の営業利益を得るのにかかる費用を示す営業係数を発表し、採算性の悪い路線10路線として根室本線の富良野-新得間、滝川-富良野間が公表されました。改めて、公共交通機関としてのJR北海道の果たす役割と必要性、利用について一石投じたものと理解しておりますが、余りにも衝撃が強いものであり、将来の路線の存続に危惧するものであります。改めて、市民の利用促進の働きかけ、国に対して、自然環境の厳しい北海道での運行に対する支援など、さらなる要請活動が重要と思いますが、今後の市の取り組みについてお伺いいたします。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-岡本議員の御質問にお答えいたします。1件目の環太平洋連携協定交渉大筋合意について、環太平洋連携協定交渉大筋合意に対する見解と今後の対応についてであります。環太平洋連携協定、いわゆるTPP協定は、アジア太平洋地域における高い水準の貿易自由化を目標に進められているもので、農林漁業関連等の市場アクセス、投資分野や金融サービス、知的財産等に関する交渉が進められ、去る10月5日に大筋合意に至ったものであります。TPPにつきましては、平成25年第2回定例会で、本市農業においても、輪作体系の崩壊や耕作意欲の減退などが懸念される状況にあるため、TPP交渉参加に反対の姿勢であることを答弁しております。また、大筋合意前から、国民生活に大きな影響があるにもかかわらず、政府の国民に対する情報提供や説明が不十分であり、国民的議論が行われない中で交渉が進まれていたことを正すよう、全国市長会、北海道市長会や北海道農業会議を通じて要請してきたところであります。大筋合意の内容に関しては、政府は、完全撤廃を原則とするTPP交渉に当たっても、重要5品目を中心に、関税撤廃の例外に加えて、国家貿易制度、関税割り当ての維持、セーフガードの確保、関税削減期間の長期化等の有効な措置を獲得できたと発表しているところであります。また、大筋合意の内容を踏まえて、将来的には価格が下がる懸念があるものの、国内農業への影響は少ないという見通しを公表しているところであります。しかしながら、大筋合意によって農業者を初めとして将来に対する不安や懸念があることから、関税の撤廃や削減について、年次ごとの影響をきめ細かに評価し、国民に情報公開するとともに、国会でしっかりと審議をいただく必要があると考えております。大筋合意を受けて、11月11日には北海道農業会議で、11月12日には全国市長会として、さらに、11月24日には北海道市長会として緊急要請を行ってきているところであります。この要請活動の中で、大筋合意への経過や理由、具体的な協定案等に関する十分な情報提供を求めるとともに、影響額を年次ごと、品目ごとに明らかにすることを求め、さらに、将来にわたって希望を持って経営に取り組むことができるような担い手対策、土地改良事業を初めとした生産性向上対策について、財源の裏づけを持って実施することを求めてきているところであります。今後も、将来にわたり、本市農業が維持、発展できるように、また、若い農業者や就農を希望している人が夢を持てるように、引き続き、全国市長会、北海道市長会、北海道農業会議を通じて、慎重な国会審議と適切な情報提供による国民の合意形成を求めるとともに、国民の食料を生産、供給する農業分野において国内対策をしっかり措置することを求めてまいりたい、このように考えているところであります。次に、2件目の地域医療計画(指針)について、地域医療計画(指針)の改定についてであります。本市におきましては、安心して暮らせる医療の体制づくりを基本目標として、市独自の指針である富良野市地域医療計画(指針)を平成19年3月に策定し、11の個別・分野別項目に示された方向性に沿って本市の地域医療が推進されてきたところであります。一方、医療提供体制は、国民の健康を確保し、国民が安心して生活を送るための重要な基盤であり、医療法では、厚生労働大臣の定める基本方針に即して、地域実情に応じた医療提供体制の確保を図るため、都道府県に医療計画の策定を義務づけているところであります。このため、北海道では、国の医療法第5次改正を踏まえて策定いたしました北海道医療計画を平成25年3月に改定するとともに、2次医療圏ごとの地域における医療連携体制の構築のため、富良野2次医療圏では、富良野保健所が北海道医療計画富良野地域推進方針を策定し、現在、計画が推進されているところであります。このため、医療提供体制の確保は、北海道の責務として、市町村との連携のもと、広域的な取り組みが基本になるものと認識をしているところであります。また、市民の健康づくりでは、平成25年3月に健康増進法に基づいて策定した第2次富良野市健康増進計画により推進をしているところであります。このため、富良野市地域医療計画(指針)の改定につきましては、一つには、保健・医療分野における計画については、各関係法令に基づき、既に計画が策定され、推進されていること、二つには、地域医療計画(指針)の内容は、救急医療の分野に見直しがあるものの、個別・分野別指針は医療体制の現状を明記した形で整理されたものであること、三つには、医療の直面する課題として、医師の不足から地域医療を守る取り組みに重点を置いて進める必要があることから、現在、地域医療計画(指針)につきまして改定を行う考えはございません。次に、3件目の公共交通についてのJR根室本線利用推進についてであります。JR根室本線の1列車当たりの平均乗車人員は、人口減少や少子高齢化、マイカーの普及により、昭和62年度の44人から平成25年度には20人まで減少しているところであります。一方、富良野駅取り扱いの荷物輸送は、平成25年度の7万8,619トンから平成26年度は8万2,811トン(45ページで訂正)と農作物による取り扱いが増加をしているところであります。鉄路維持に向けた取り組みにつきましては、滝川市、赤平市、芦別市、富良野市、南富良野町の4市1町で構成する根室本線対策協議会において、毎年、要請運動を行っているところであり、本年度も、8月26日に、JR北海道本社に対し、根室本線の運行体系改善に関する要請を行っております。また、市、市議会、農業団体、商工団体、地域代表などで構成する富良野市根室本線富良野線利用推進協議会においては、「乗って守ろう根室本線・富良野線」を合い言葉に、市民みずから積極的に鉄路を利用する働きかけを行うとともに、本年度の「市長と語ろう」地域懇談会においても、JR根室本線の状況を説明し、積極的な利用推進を市民に呼びかけてきたところであります。11月6日にJR北海道が公表した輸送密度500人未満の線区における100円の営業収入を得るためにかかる費用を示す営業係数では、富良野-新得間で1,430円、富良野-滝川間で827円となっており、不採算路線であることが明らかとされたところであります。本市といたしましても、今後、根室本線対策協議会による要請活動を粘り強く継続するとともに、国や北海道に対して、道内における公共交通体系のあり方を示すよう強く要請をしていきたい、このように考えているところであります。あわせて、JR貨物につきましては、本市の農産物輸送にとって重要でありますので、今後とも情報収集する中で鉄路維持に向けた取り組みを図ってまいります。以上です。ただいま答弁いたしました貨物輸送の関係で、数値に読み違いがございましたので、御訂正を願いたいと思います。答弁の中で、8万2,811トンと申し上げるところを、8,281トンとお答えしましたので、御訂正をいたしたいと思います。
質問 7番 岡本俊
まず、TPP交渉大筋合意についてお伺いいたします。私は、こうした状況というのは、富良野農業、日本農業にとって厳しい結果だというふうに思っております。また、今回の大筋合意に至るまで、国会は休会中でありまして、は何ら議論されませんでした。一般的に、こういう政府間の合意は国会の中で議論されるものですが、それをしなかった、なおかつ、情報が開示されていないという中で、ある部分では、その影響に関する政府の評価は限定的であり、見込みとして少ない形での評価でしかないわけであります。改めて申し上げますが、農業を経営している多くの皆さんは、政府のTPPに関する影響評価に危惧を持っており、富良野の農家の皆さんも同様であります。そういう点では、早急に政府に開示を求めていく必要性があるというふうに思っております。先ほどの答弁にありましたように、やはり、こういう情報開示をしっかりとやることが、富良野農業、そして北海道農業の将来につながるというふうに思います。市長自身もそれぞれの役割の中で要請行動を行っているというふうに思いますが、富良野市長として、独自に、農水省、そして官邸等にも行って我々の声を届ける必要性があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員のTPPに対する再質問にお答えをさせていただきたいと思います。第1回目の御答弁で申し上げましたとおり、私は、いま、全道市長会の副会長ですが、過日、TPPに対する特別対策委員会が市長会に設置されました。一つは農業部会、一つは畜産部会、もう一つは水産部会ですが、この三つの対策部会を設けまして、現在、その対策特別委員長に深川市の山下さん、そして、私は農業関係の副部会長として、これらへの緊急対応として、政府に対する要請を行うため、状況の推移を見ながら準備をいたしているところであります。その中身につきましては、御質問の中にもありましたように、北海道の専業農家の状況を理解していない方々が多いのではないかということも含めて、これから、国会あるいは政府間の状況の推移を見ながら要請活動を進めていく、そのために設置した対策協議会でございます。ただいま。富良野市長としてやるべきではないかということで御質問がありました。私も、ことし6月、北海道を代表して全国市長会の副会長に選出されましたが、一人の力、一市町村の力では、残念ながら強力な状況づくりはできないのでございます。そこで、地方6団体、俗に言う都道府県知事会、都道府県議会議長会、市長会、市議会議長会、町村会、町村議会議長会ですが、それぞれの団体からもこの問題を含めて国に要請活動を行っているところでございますので、私としては、そういう役職を含めた形で今後も強力に推進をしてまいりたい、このように決意をいたしているところであります。以上であります。
質問 7番 岡本俊
我々は、そういう立場を最大限に生かして、北海道農業、富良野農業の将来につながるような要請活動等を含めてやっていく必要性を改めて感じているところでございます。この2年半の暫定合意という中で、やはり、これはもう合意するしかないのだというような、どちらかというと精神的なダメージが大きいのです。ある部分では諦めみたいなところがあって、これからは、それがより一層、強くなるのでないかと感じております。しかし、そういうものを払拭するために、試案等を含めて考えながら、今日まで地方自治体としても反対行動をとってきて、総決起集会等に参加してきたわけでありますから、やはり、いまはまだその旗印をおろすわけにはいかないのでないかと思っております。私は、TPPに対して大筋合意したとはいえども、今後も反対の旗印をおろすべきでないというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員の再々質問にお答えをさせていただきたいと思います。大筋合意を得た後、現在、最大の農業団体である北海道中央会では、残念ながら、推移を見ながら今後の対策を重視する方向ということが過日の新聞報道でありました。私ども地方自体を預かる者としての考え方は、大筋合意を得た後に北海道の農業がこうむる弊害に対してどのような対策を行っていくか、さらに、特に、農業基盤が弱い北海道では、主に専業農家が多いことから、農業基盤を強化して生産性の高い土地をつくっていかなければなりませんし、あるいは、機械力をどう導入していくかといったことなど、そうした課題に取り組んでいく必要性があるだろうと思います。こういうことで、現在、北海道の市長会においても、それらへの対応のために特別委員会を設置して進めていこうという状況でございますから、私もそれに参加する一人としてさらに意見を反映させていきたい、このように考えているところであります。以上であります。
質問 7番 岡本俊
そういう機会を通じながら基盤整備などいろいろな形の農業支援を訴えるのも当然ですが、そういうことは、結果的にTPPを認めるという土俵の上に乗ってしまうのではないかと思っております。それは条件闘争でしかないような気がいたします。先ほど言ったように、本来ならば、TPPは、日本農業、そして、地域農業に大きく影響します。それは、これからやろうとする担い手の皆さんに対しても大きなマイナスイメージになりますし、さらには、もうちょっと農業を頑張ってみようという思いの人たちにとっても、農業の魅力が減退し、離農者がふえていくと私は思います。先ほどお話があったように、富良野の農業者人口も652戸、農地面積9,200ヘクタール、1戸当たりの平均面積は14ヘクタールです。このペースで行くと、本当に富良野の1戸当たりの農業は平均20ヘクタールというような時代もそう遠くない時期に来ます。では、この気象条件の厳しい中で農業収入を得るためには、機械力だとかいろいろな投資がかかって、やはり生産意欲は落ちていきます。そういうことを考えれば、いまの農家人口の水準を下げないような努力を基本として、このTPPに向かっていかなければいけないというふうに思います。ですから、なおさらTPPノーということをしっかり伝えていく必要性があるというふうに私は思うのです。先ほど、市長は、そういうことではなくて、いろいろな基盤整備等を含めて努力していくということでした。しかし、その前提にはやはりTPPに対する基本的な姿勢が必要だというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員の熱意ある再々質問にお答えをさせていただきたいと思います。当然、私ども自治体を預かる者として、このTPP問題については、最初から反対運動の先頭になってやってきておりまして、一自治体の首長が状況を左右できるのであれば、当然、そういう状況づくりをさらに進めなければならないと思っています。しかし、残念ながら、12カ国といういろいろな国が集まって、なおかつ、スムーズな中で環太平洋の協定が行われたのではなく、それぞれの国の利益擁護の関係も含めた中での大筋後合意という中身であったと記憶しております。いま、岡本議員の御質問の中でありましたが、私は、最初から反対の意思というのは当然であります。しかし、これをただ反対だと言うだけで進めることがいいのかと考えたときに、自治体の首長として、現実に事象が変わった場合の対応ということでそういう方向に合った農業政策を市独自でつくり上げなければなりません。あるいはまた、北海道、国に対しても、前段で申し上げたように、生産基盤の弱い北海道であれば、基盤整備を重視するような方向づけの予算を獲得するような運動展開を関連する関係団体とともにやるという状況づくりがなければなりません。ただ、反対の声明だけをして、それで済まされるものではないと私は考えます。自治体を預かる者の責任として、そういう状況も十分踏まえながら、次の段階の状況づくりを考えていかなければない、このように考えているところであります。
質問 7番 岡本俊
この問題は、この段階では、自治体の長としての考え方等を含めてありますから、水かけ論となってなかなか埋まらないと思います。しかし、半年前まで、そして、暫定となる前までは、基本的には皆さん反対だったのです。でも、こういう状況になって、中央会等を含めて農協も一気に条件闘争に入りました。やはり、こういうイメージというのは大きいと思うのです。先ほど市長の言った部分でいくと、即応した対応が必要だということですが、ただ、基本的には、今日まで続けてきた反対ということはやはり心の中にしっかりとめて当たっていただきたいと思っております。先ほど言ったように、TPP問題というのは、富良野農業を大きく変え、そして、富良野の生産形態である野菜等を中心とした農業基盤を大きく揺るがすものだというふうに私は思っておりますので、その点にも十分に留意して、中央等を含めて要請行動を行っていただきたいと考えております。次に、地域医療計画についてお伺いいたします。先ほど、道の医療計画等含めて、それぞれの中で富良野の医療体制を行っているというお話がありました。この問題は、今回の富良野の地域医療計画をつくる段において大分議論されたところであります。やはり、それを踏襲して、乗り越えて今回の医療計画ができ上がったというふうに思っております。いま現在、富良野の地域医療という部分でいくと、やはり医師確保ということが大きな問題だと思っております。この点を含めて、富良野の医療体制をどう守っていくのかということについて、富良野市として市民にしっかり情報提供する、そして、それを守るのだと表明するという部分では、地域医療計画というのは大変価値のあるものだと私は思っているわけであります。先ほど市長も言われたように、高齢化社会における医療体制、そして、介護の地域包括支援に対する医療の果たす役割とか、いろいろな部分で医療体制の強化が求められております。子育てについても、富良野市として、医師確保等を含め、地域医療を守るということをしっかり盛り込んだ地域医療計画とすることによって、安心して産み育てられる環境を守っていく姿勢を表明すべきだと私は思っております。富良野市は、地元で分娩できる環境があるということで、道内でも大変少ない地域の一つであります。旭川医大においては、産科の先生は4人しかいません。でも、富良野には現在2人おられます。そういう部分では、いま、大変安心して産み育てられるような環境になっていると思っております。こういう環境を継続するためにも、ぜひ、地域医療を守るということをしっかりと市民と約束する地域医療計画を新たにつくるべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
答弁 保健福祉部長 鎌田忠男(保健福祉部長は2018年3月まで)
岡本議員の再質問にお答えいたします。質問は、ただいまありましたとおり、医療体制を守っていく決意表明としての指針ということであるかと思います。現在つくられております地域医療計画(指針)については、在宅医療、各診療科目の関係、さらには、行政の役割、地域センター病院の役割ということが大きく示されております。基本的には、医師を確保していまの医療体制を守っていくということはこの指針の中で示されているということで、今回、見直しをしないという説明をさせていただきました。これまでの市の取り組みとしましては、やはり、医療体制を守ることは最重点課題ですので、平成25年には「市長と語ろう」地域懇談会におきまして、富良野市の医療の現状を説明させていただき、また、意見をいただいてきたところでございます。やはり、医療の状況を市民に知っていただくことが非常に重要となっておりますので、それ以降についても、広報等でいろいろな説明をさせていただき、また、医療講演会ということで、地域医療の課題を説明させていただくような取り組みをしております。基本的には、この計画で示すというよりは、実際にどういうふうに市民に知っていただくか、それを運動としてどう発展させていくか、課題解決につなげていくかということが重要であると考えておりますので、指針にこだわらず、行動で市民と一緒に守る体制をつくっていきたいと思っております。以上でございます。
質問 7番 岡本俊
行動で示すということですが、つい最近も、西脇市から来ていただいて医療講演会があったり、毎年いろいろな形で医療講演会を開催して、我々議会のメンバーも大変多く参加しております。ただ、そういうことをやることをしっかりと担保することが求められているのでないかと思っております。いままでの事業継続というのは当然のことであります。でも、先ほど言ったように、これから、高齢化社会における医療、そして医師確保の問題、医師をどういうふうに招聘していくかなど、いろいろな課題が出てきます。そういうことに積極的に取り組むという部分では、今後しっかりとした地域医療施策をどう進めていくかということについて、やはり、富良野市の計画なり指針として、その方向性を市民の皆さんに具体的に示すことがいま改めて求められているのではないかというふうに私は思っていますが、いかがでしょうか。
答弁 保健福祉部長 鎌田忠男(保健福祉部長は2018年3月まで)
岡本議員の再々質問にお答えいたします。改めて、富良野市の医療計画(指針)をつくり直して、その方向性を示すべきではないかという御質問かと思います。現計画の指針の中でも、地域医療体制づくりを進めることが基本になっております。また、分野別といいますか、生活習慣病、僻地医療、救急医療等の具体的な取り組みについては、富良野保健所が示しております富良野地域推進方針ということで、富良野圏域の取り組みを明確に示されてきているところであります。そういう中では、個々について富良野市が示すよりは、医療体制を確保する上で最も重要な課題となっておりますのは、いわゆる医師の確保をどうしていくかということだと思います。これについては、これまでもその方向性を市民とも共有していることが確認されてきております。また、道内、全国でも、医師確保については非常に難しい問題ということで、それぞれの自治体の中では一つ一つ積み上げながら進んできている状況でございます。ですから、改めて指針をつくるよりは、医療体制を確保する上では、各団体、市民の皆さんと情報を共有しながら、医師確保を中心とした取り組みの積み上げを一つ一つこつこつと進めていきたいという考え方でありますので、よろしくお願いいたします。
質問 7番 岡本俊
地域医療計画は、年が明ければ10年目を迎えます。私は、逆に、この10年間における地域医療計画というのは何だったのかと疑問に思ったわけです。前市長の時代ですが、この議場でも地域医療計画に対する必要性については大変議論されました。ただ、この医療計画を提案したのは、平成19年3月ということですから、能登市長ということであります。そのときの議論経過はもちろん市長自身も知っていると思いますが、必要性の議論についても十分理解されていると思います。私は、その基本的な部分はいまも何ら変わってなくて、医療体制について市民の皆さんとしっかり共有するためには、こういう医療計画というのはむしろ一つの大きなツールになるのではないかというふうに思います。このことについては、これ以上、話していてもきっと埋まらないのではないかというふうに思っておりますけれども、改めて、市民と行政のしっかりとした橋渡しを果たす医療計画という視点と、もう一つは、この10年間の医療計画に対してある一定の総括する必要性があると思いますが、その辺はいかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員の地域医療計画(指針)についての再々質問に、私から、先ほどの保健福祉部長の答弁に一部補足をしてお答えいたしたいと存じます。御承知のとおり、平成19年に指針ができて、この10年間、地域医療というのは、富良野だけではなく、富良野圏域全体で地域医療を守るということが現在の基本方針の課題に対する喫緊の取り組みであります。いま御質問を受けておりますが、富良野市の計画をつくるということで、一例を挙げれば、富良野の場合は基幹病院として協会病院があり、それから、中富、上富についてはそれぞれ市町村立の病院を持っております。そういう中で、個々のまちだけのことをやろうとすれば、先ほど御提示があった産婦人科の例でも、一口では言いあらわせない並々ならぬ努力で現在の2名体制にしているわけであります。これは、議会の皆様方の御承認を得て、医師を確保するための資金手当ても現実にさせていただきました。しかし、現実的に、21圏あるいまの北海道医療圏の中で、産婦人科はもう市でも持てません。小樽市の市立病院もそのとおりであります。全道に179の市町村がありますが、個々の市町村で医療計画を持ってやるという自治体は、恐らく札幌市、旭川市しかできないでしょう。ですから、北海道の指定する21圏域において、それぞれの地域をどう守っていくか、住民にどう説明して協力を願うか、こういう状況づくりをしながら進めていくのが現在の医療のあり方だというふうに認識しています。ですから、岡本議員の言うように個々の市町村で計画をつくって着実にやることは、いまはなかなか難しいのが実態であります。この辺は、岡本議員においても御理解をお願いしたい、このように思います。北海道の中では、いまは、札幌、旭川以外では産婦人科医を確保するのはもうほとんど困難という実情であります。こういう状況の中で、富良野圏域の1市3町1村においては何とか産婦人科を確保するということで、毎年、北大の産科・婦人科のほうに要請を行っております。そういう地味な活動をしながら、次の確保のために努力をしていくというのが現況でして、これは、一市町村が動いてもなかなか影響力は弱いわけでありますから、そういう点は岡本議員にも御理解を得たいと思います。そして、今後、この圏域の医療体制をどう考えていくか、あるいは、これから課題になる介護保険、あるいは、国民健康保険、後期高齢者医療についても、全てこういう圏域で進めていくという方向づけがなされなければ、一市町村だけで解決することはなかなか難しいだろうと私は思っております。そういう意味で、圏域における医療体制にしても、そのほかの福祉計画についても、それぞれの圏域でできるものから力を合わせてつくり上げていく、こういう状況づくりがこれから求められるだろうと思います。個々の市町村で計画をつくっても、それが絵に描いた餅に終わる状況であれば、少し広げて、北海道医療計画の指針に基づいてそれぞれの圏域でやっていく必要性が大である、私はこのように強く認識をいたしているところでございます。そういうことで、平成19年に作成いたしました医療の状況については、そんなに大幅に変わっていないという現状を捉えてお答えをさせていただいているところでございますので、あわせて御理解を賜りたいと思うところであります。
質問 7番 岡本俊
医師確保等を含めて、地域センター病院の果たす役割というのは、富良野圏域全体に及ぼすものというふうに理解しております。今後、地域医療という部分でいくと、いまの市長の答弁を受けて、やはり、圏域の中での医療体制の充実については、首長を含めて、各自治体とのさらなる協議を進めていただきたいというふうに改めて思ったところであります。地域住民の皆さんの安心・安全は医療ということですから、行政として医師確保のために改めて邁進していただきたいと思っております。次に、JR線についてお伺いいたします。なぜ、今回、JR北海道はあえてこのような形で不採算路線を公表したのかということですが、いま、私は、JR北海道は路線の選択と集中を行うのではないかと思っております。そのための一つの呼び水として、あえてこういう情報を公表したのでないかというふうに勝手に思っているところでございます。やはり、富良野にとって、鉄路というのは大変大切な路線であります。現在、富良野市では、根室本線を含めて、滝川、赤平、芦別、富良野、南富で推進協議会をつくっております。ただ、根室本線全体で考えると、鉄路を守る運動としては、やはり、新得とかいろいろな自治体と一体になってJR北海道に要請活動をしていく必要性を感じております。いままでの推進協議会の範囲をより広げて活動することに対して御意見があるならば、お聞かせ願いたいと思います。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
岡本議員の根室本線の関係についての御質問にお答えをさせていただきたいと思います。御承知のとおり、根室本線というのは、北海道の鉄道網の中でも歴史のある本線だというふうに強く認識いたしておりますが、鉄道の役割というものは時代とともに変化してきております。貨物輸送については、昭和40年代、50年代には最重要な輸送体制として大きな役割を果たしてきました。それぞれの地域の農家の方が畑作に転作した中で、北海道で畑作物と言えば、北見、十勝、富良野の3地域では特にタマネギの輸送ということで小さいときから貨物列車をよく見ておりますが、6線ある線路のうちの2線を貨物列車が専用するような状況でした。しかし、残念ながら、時代の進展とともに、まず自動車の発達から始まりまして、いまは自家用車も個人で2台あるいは3台と持てる時代ですから、鉄路を使って用を足しに出ていくということはもうほとんどなくなり、通学する生徒諸君、あるいは、富良野で言えば、布部、山部に住んでいるお年寄りが基幹病院である協会病院に来るための利用にとどまってしまっているのが現況だと認識しております。ただ、通学列車の確保については、人数の多い少ないにかかわらず、自治体とJRが協力して進めていくことが基本であろう、このように私は強く感じております。そういう中で、根室本線については、滝川から南富良野までの間における市町村長の考え方がもうまちまちでありまして、これを一つにまとめて要請するということもなかなか難しいわけであります。なぜ、一つになれないのか。それは、いま申し上げましたが、学生だけしか乗らない地域、一部のお年寄りが乗る地域、あるいは、交通網が発達して自動車やバスでそれぞれの目的を達することのできる地域がそれぞれできましたから、一体となって根室本線を守るということは難しいのであります。いま、地域住民と共闘しながら懇談会を通してやっているのは富良野だけであります。ほかの市町村は全くやっておりません。こういう状況が現実にあることも認識しなければならないというふうに痛感いたしております。しかし、鉄路を守るという大義から言うと、ここに住んでいる地域の方々にそういう安心を与える意味からも、やはり、これからも要請活動を続けていって、線路をなくさないという運動をこれからも展開し続けていきたい、このように考えております。根室本線でも、新得以上の道東部に行く鉄路もございますから、今後はそういったところとも話し合いをする機会をつくっていく必要性があるという感じを持っているところであります。以上です。