富良野市議会 平成18年第4回定例会 2006年12月19日
(1)本市の医療サービス提供体制について/(2)救急医療対策について/(3)介護保険について
2006年12月19日、富良野市議会の一般質問で、横山久仁雄議員が「本市の医療サービス提供体制について」「救急医療対策について」「介護保険について」について質問し、市長 能登芳昭、助役 石井隆、保健福祉部長 高野知一が答弁しました。
- 質問者
- 横山久仁雄 議員
- 答弁者
- 市長 能登芳昭、助役 石井隆、保健福祉部長 高野知一
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 7番 横山久仁雄
-登壇-それでは、さきに通告してあります順に従って質問をいたしてまいります。まず、第1点目は、本市の医療サービス提供体制についてであります。富良野圏域の医療拠点であります地域センター病院の移転新築工事が順調に進められ、これまで工事現場を覆っていたベールが取り除かれ、来年の5月の新病院での診療開始に向けて、その建物の全貌が、いよいよ市民の前に姿をあらわしてきました。外形から見る限りでは、床面積―21だけでも現在の病院の2倍近いものであろうと思うのであります。その一方で、現在の病床数からおよそ40床程度削減されることになっておりますから、入院利用者の居住性や医療設備の充実に大きな期待を寄せるものであります。多くの市民もまた、私と同じ思いで新病院を眺めていることと思うのであります。このセンター病院整備には、本市を初め圏域自治体からも支援を行っていることから、センター病院の今後の医療活動に大きな期待を寄せているものであります。しかし、そうした折、市長も御承知のとおり、今日の地方の医師不足は深刻な状況であり、大きな社会問題となり、連日マスコミをにぎわせています。先日、私は、医療の現場に働く看護師を初め、さまざまな職種の労働者の全国集会に参加をする機会を得ました。その集会の中でも、医師不足から起きているさまざまな事例の報告がされておりました。特に産婦人科、小児科の医師不足は深刻でした。ある地方都市では、産婦人科診療をしていた唯一の病院が、医師の確保ができずに産婦人科の閉鎖を余儀なくされ、出産は、一番近いところでも車で1時間以上先の都市まで行かなくてはならなくなったそうであります。そうした実情にあって、陣痛が起きて病院に行く途中のタクシーの中で、もう一つは、救急車の中で生まれてしまったという事例が報告をされていました。幸い、どちらも母子は無事であったということであります。このような事例を聞くと、豊かな国と言われる日本、外国に経済援助までしている日本で、救急隊員やタクシーの運転手までがお産の救急措置を会得していなければならない時代なのかと、肌寒い思いがいたします。また、先日のテレビで、根室では産婦人科医師不在によって、出産は2時間近くかけて釧路まで行かなければならず、妊産婦のみならず、家族にまた不安を与えて毎日を送っているとの報道がされていました。―本市においては、現在のところ、そのような事例は発生していないと思いますが、今日の医師不足を見るとき、やがて本市にも医師不足の波が押し寄せてくるのではないかと心配するのであります。それは、医師の養成数の減少によるものではなく、医師の新研修制度の導入によって、地域偏在、診療科偏在、大学医局の影響力低下など、厚生労働省の医療政策によって引き起こされた事態であると思うからであります。新研修制度そのものは、目的においては否定されるべきものではありませんが、その方法、時期については、慎重に行われるべきであったと思うのであります。今日の地方における医師不足の現状は、医療に経済性や採算性を必要以上に強調し、集中と選択、拠点病院の整備などの言葉でごまかしつつ、都市と地方の医療格差を助長させた厚生労働省の医療政策の失敗にあると私は断じざるを得ません。私は、これまでも国の医療行政について、地域住民と自治体が今日まで厳しい自治体財政の中で、営々として築いてきた地域医療が崩壊しようとしていると、議会の中で再三にわたり訴えてまいりました。まさに今日、現実のものになろうとしているのであります。さきにも述べてきましたが、今、センター病院の施設の充実が図られようとしていますが、深刻な医師不足の事態の中で、市民のための医療がこの先しっかり確保されるのか、安心してこの地域で暮らしていくことができるのか、不安に思っているのは私だけではありません。また、我が国は今、急速に進行する少子社会からの脱却を目指し、さまざまな施策を動員して子育て支援をし、子供を産み育てる環境を整える努力をしております。厚生労働省は、この13日、雇用保険を財源として育児休業中の所得の保障を50%に引き上げる方針を発表しました。早ければ、来年度から実施される見通しとなっています。働きながら子育てのできる環境を整えることがねらいと―22されているのであります。しかし、その一方で、産婦人科の医師不足は深刻であり、子育て以前に、子供を安心して出産できる環境がなくなりつつあるのではないかと思うのであります。そこで、市長にお伺いをいたしますが、先ほども申し上げましたように、今日の地方の医師不足は、国の医療政策によってもたらされたものであることを考えるとき、一自治体や一病院の努力だけで医師確保問題を解決することは困難であることを理解しつつも、今日の医師不足の現況をどのように認識をされているのか、さらに、こうした事態を招いた国の医療行政に対して、首長としてどのように対応してきたのか。そして、今後どのように対応されるのかをお伺いをいたします。また、本市にも押し寄せてくることが懸念される医師不足に対する対策をどのように考えておられるのか。さらに、少子化に歯どめをかけ、出生率を向上させようと子育て支援施策の一方で、医師不足から各地で産婦人科の閉鎖や休診が相次ぎ、地域から出産の場所がなくなっていく今日の社会情勢があります。子育て支援と産婦人科の閉鎖、この整合性についてどのように考えておられるのか、あわせて対策についてもお伺いをいたします。次に、救急医療についてお伺いをいたします。さきにも述べましたように、今日の医師不足の要因の一つに、診療科の偏在という問題があります。特に小児科、産婦人科医師の救急医療に対する激務は、小児科や産婦人科を目指す医師の意欲さえも減退をさせるとまで言われております。新研修制度の導入によって、医師の診療科の偏在が顕著になった要因の一つに、救急診療の激務を敬遠したことにあるとも言われております。特に今日の核家族化の進行に伴っての小児救急、さらに高齢化に伴う救急と、夜間休日の救急医療の需要は増加しています。地域センター病院である協会病院において―は、休日の救急で来院する患者は、1日平均で40人に上ると言われております。事態は、医師会の医療機関にあっても同様であろうと思います。救急診療に当たった医師は、翌日も通常診療を担当するわけですから、いかに激務であるかを想像できると思います。これでは、救急診療に当たった医師も悲鳴を上げざるを得ないと思うのであります。このような事態を軽減するために、市民に対する救急医療についての啓蒙活動が必要ではないかと思うのであります。もちろん、それでも真に救急医療を必要とする事態は発生するわけですから、その場合は遅滞なく救急の医療が提供されなければなりません。そのためにも、医師の救急に対応できる体制が常に温存されていなければなりません。あくまで救急医療の軽減を図るために、一方法として救急に対する基本的な家庭での対応についての市民への啓蒙活動が必要であることを提言するものであります。市長にその考えはないか、お伺いをいたします。次に、介護保険に係る新予防給付についてお伺いをいたします。2000年に介護保険が創設されて5年が経過した昨年、介護保険の制度見直しがなされました。介護保険制度の見直しは3年ごとに行うことになっておりますから、予定されたことではありますが、その結果、介護保険制度が大幅な改正がされました。問題は、改正の目的が介護サービスの抑制に置かれたことにあります。介護保険創設当時から4年を経過した16年度は、要介護認定者が400万人に達し、不要不急のサービス受給者が増加し、制度の存続が危ぶまれるという理由から、介護サービス給付の抑制を図ることをその目的としたのであります。そもそも介護保険制度がスタートしたとき、要介護認定者の数は急激な増加をするであろうことは言われていたのであります。ですから、むしろ、この4年間の間での制度の浸透を喜ぶべきことであります。このように考えると、介護給付の抑制を図―23ることを目的とした認定基準の変更を含めた今回の制度改正は本末転倒と言わざるを得ません。また、介護保険創設の目的には、これまでの家族介護から、家族を解放するために社会的介護システムを整備し、住みなれた地域で、そして、自宅で安心して老いていくことのできる社会をつくることにあったのであります。しかし、在宅での社会的介護システムはいまだ未整備であり、相変わらず家族介護に頼らざるを得ず、今日に至るも、施設の入所待機が半年あるいは1年と言われていることにこそ問題があることを指摘しなければなりません。このことは、家族介護に疲れた介護者が、施設介護による介護負担の軽減を求めていることにほかならないからであります。このような背景に何らの検討も加えず、財政論から出発した制度改正は、国民の制度不信につながるのではないかと心配するのであります。立て直すべきは、介護保険財政よりも国民の制度に対する不信ではないかと思うのであります。そのような中で、ことし4月から新介護予防給付が実施されています。新予防給付の対象者は、これまで要介護1という軽度の介護認定者の多くの部分を、さらに要介護支援1、2に細分化し、介護給付対象から外し、かわりに筋力トレーニングや栄養指導などの介護予防を提供しようというものですが、その一方で、これまで居宅サービスのメニューとして介護保険の給付対象となっていた自立支援のための福祉用具の貸与が、今回の制度改正で支援1、2になった方は対象から外れることになります。介護用ベッドや車いすなどの貸与によって自立しようとしていた人からこれを取り上げて、どうしようというのか。自立を阻害する施策であり、本末転倒の施策と言わざるを得ません。そこで、市長にお伺いをいたします。1点目は、認定基準が変更された制度改正後の要介護、要支援認定状況について、国の試算では、要介護から要支援1、2に移行す―るのはおよそ60%と見込まれていますが、本市ではどのような状況になっているのか。さらに、移行した件数と新規の認定件数についてお伺いをいたします。2点目に、制度改正によって福祉用具の貸し付けが保険給付の対象から外された方について、本市としてどのような対策を考えているのかをお伺いをいたします。3点目、これからもまだ高齢社会が進行する本市にとって、高齢者介護について今後の見通しをどのように考えておられるのか。以上をお伺いして、私の1回目の質問を終わります。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
-登壇-横山議員の御質問にお答えをいたします。1件目の本市の医療サービス提供体制についての地方における医師不足対策についてお答えをいたします。地域医療の充実は、本市並びに圏域にとっても大きな課題であります。このためにも、医師の確保は大変重要と認識をいたしているところでございます。地域での医師確保は、平成16年度から始まった臨床研修医制度の影響により、研修医が都市部の大病院へ集中する傾向が見られ、このことにより医局の在籍者が激減し、医局から地域へ送り出す医師が不足となり、地域における医師確保が非常に厳しくなっている現状でございます。このことは、結果的に都市型に集中するための臨床研修医制度であったものと認識しているところでございます。特に産婦人科医師は365日24時間体制を強いられ、さらに、1人の医師では限界があるなどから、確保はより厳しい実態により、加えて、産婦人科医を目指す医師が減少しているところにも起因しているところでございます。このような現状から、総体的に本市といたしましては、いち早く医師の確保に向けて、旭川医科大学を初め北海道大学等に、富良野医師会会長とともに要請を重ねているところ―24でございますが、地域住民が安心してかかれる診療体制を構築するため、今後におきましても引き続き医師確保に向け努力をしてまいりたいと考えているところでございます。また、地域センター病院といたしましても、道内道外の大学病院、さらには民間病院に対して、医師確保に向けた独自の行動の展開とともに、ホームページによる啓蒙を行っているところでございます。また、地方への医師確保を図るため、北海道市長会としても医師の確保対策に関する決議を行い、全国的な展開として、全国市長会とともに衆参両議院及び厚生労働省等に対し要望書を提出いたしているところでございます。2件目の救急医療対策についての救急医療に対する市の考え方と啓蒙についてお答えをいたします。救急外来は現在、地域センター病院が365日救急対応しておりますが、平成17年度の救急患者数は、圏域外も含めて5,048名となっているところでございます。そこで、安易に救急にかからないための、病状に応じた基本マニュアルを作成し、地域住民に対し啓蒙し、基本的な対応をした後、救急対応をすべきではないかという御質問でございますが、現状、乳児・幼児等への健診の際に、保護者に対しては問診を通して保健指導をしている現状でございます。現在、市が策定を進めております地域医療計画は、市の役割や地域センター病院の役割等も盛り込む予定をしておりますので、この中で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。次に、救急患者に対する医師の負担をどう考えているかについてでございますが、地域センター病院は365日救急対応をしていただき、特に産科、小児科につきましては、専門医師の対応のニーズが高く、24時間対応で努力をいただいているところでございます。このことが過重労働につながり、結果的には医師の確保が困難になっていると伺っているところでございます。―このようなことから、行政といたしましても医師の定着を図るため、医師会の全面的な協力をお願いしながら、医師確保に向けて努力を現在しているところでございます。現場医師に対する行政の対応といたしましては今後の課題であり、医師会の協力を得ながら、その対策を見出していかなければならないと、このようにも考えているところでございます。3件目の介護保険について、新予防給付の実施状況についてお答えをいたします。介護保険制度につきましては、施行後5年目を目途に介護保険制度の基本理念でございます高齢者の自立支援と尊厳の保持の徹底が図られ、制度の持続可能性を高めるための制度改革が全般にわたって行われました。改革の柱の一つとして予防重視型システムへの転換があり、要介護状態等の軽減、悪化防止に効果的な軽度者を対象として創設されたのが新予防給付でございます。新制度に切りかわった平成18年4月1日から11月1日現在の認定状況につきましては、更新認定件数は315件で、要介護1から要介護2以上に認定された方が33名、要介護1の方がそのまま要介護1になった方が33名、要支援2に移行された方が38名、要支援1に移行された方は10名となっている状況でございます。また、新規認定件数は140件で、要介護1から5までの認定者は92名、要支援2の認定者が25名、要支援1の認定者23名となっているところでございます。要支援2または要支援1の方々のケアマネジメントは地域包括支援センター等が実施し、ケアプランに基づき介護予防サービスの提供を行っているところでございます。次に、福祉用具の貸与についてでございますが、平成18年4月から新たな給付対象判断基準が国から示されました。要介護1、要支援2または要支援1の方から、利用が想定しにくい種目として、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊―25感知器、移動リフト等について、保険給付の対象から除外をされました。貸与の実態といたしましては、車いす11件、特殊寝台が26件、床ずれ防止用具1件の合計38件がございました。制度改正によって、特殊寝台の場合、介護度が上がったことにより継続できた方、車いすの場合、長時間歩行が困難であれば利用が可能となった方もおりましたし、改正の内容を理解を示していただいた方も多くおったところでございます。今後の対応につきましては、制度の内容が状態増に合わせた貸与となっておりますので、国の判断基準に準じてサービスの提供を行ってまいります。次に、今後の高齢者介護の見通しについてお答えいたしますが、介護保険制度の改正は、将来展望に立って、新たな課題に対応するものとして改正が行われております。将来展望に立った課題としては、高齢者の人口の増加、高齢者独居世帯の増加、認知症高齢者の増加等がございます。高齢者人口の増加につきましては、2015年にはベビーブーム世代が高齢期に達し、その10年後の2025年には高齢者人口はピークとなり、3,500万人となり、日本は高齢化の最後の急な上り坂の時期を迎えることになります。2015年には、高齢者の独居世帯が約570万世帯、高齢者世帯の3分の1に増加し、高齢者夫婦のみの世帯も610万世帯になると見込まれているところでございます。加えて、現在約150万人である認知症高齢者が、2015年には約250万人に増加すると予測をされているところでございます。富良野市の現状は、65歳以上のひとり暮らしをしている方は1,308人、夫婦世帯は1,467世帯で、高齢人口率24.3%となっております。認知症高齢者についても、国の予測では、平成27年には現在の1.6倍に急増すると推計をされているところでございます。本市においても、介護認定者995人のおおよそ6割から7割の方が認知症と―なっております。こうした状況を踏まえて、介護予防の推進、認知症ケアの推進、地域ケア体制の整備がますます必要になるものと考えておりますので、各関係機関との連携を図りながら、新たな仕組みづくりの取り組みと各種事業の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。以上であります。
質問 7番 横山久仁雄
今、市長から答弁をいただきましたが、このことについて、私は、市長が初当選をされて最初の議会でありました6月議会でも、この医師不足の問題については質問をいたしました。そのときから、およそ社会情勢、あるいは医師不足の状況については、そう大きく変わっておりませんので、当然同じような答弁にならざるを得なかったということは十分理解をいたします。しかし、一方で、今回も言われておりますのは、国や道に全国自治会等を通じて要請をしていると、こういうお話であります。このことについて私なりの考え方をお話をしたいと思うのですが、今この地方分権の時代にあって、国と地方自治体は対等の関係で今後それぞれの任務を全うしていくと、そして、その中で、地方は国に対しても言うべきことをきちんと言っていかなければいけないという立場にあるのだろうというふうに思います。先ほど午前中の答弁の中でも、市長は国に対して、地方から声を出していくという話をされておりました。私はまさにそうだと思うのです。しかし、そのときに、私は要請ではなくて、あるいは要請とか要望ということではなくて、対等な関係として住民の権利を主張していくという立場から地方自治体の首長として、そのまず姿勢を変えるべきだろうと、こんなふうに思うのです。そうしたときに、地域の医師配置を国の責任でやるべきである、あるいは、その場合に、地方が立てた―26計画を国の責任でそれを保証していく、こういうことが必要なのではないかというふうに思うのです。そして、医師配置についても、それぞれの、今の医療法等に基づけば、医師がどこで開業し、どこで医療行為を行うかということについては、自由開業医制のもとで自由にできることになっているわけですから、配置をコントロールするというのは非常に難しい問題でもあります。しかし、それも国の施策として、責任で、きちんと医師が地方にも配置できる、あるいは、地方に配置するそういうコントロールのできるシステムをつくるべきであるということを、地方自治体の首長として主張していく、このことが大事なのではないかというふうに思いますが、この辺について市長の見解をお伺いをしたいと思います。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
横山議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。医師不足対策の中で、それぞれの自治体で、これからどうこの医師不足の対策を考えているのかと、その姿勢をという御質問だったというふうに思いますけれども、私は就任以来、半年たちましたけれども、この間、非常に協会病院のこれからの運営状況、あるいは医師不足の対応について真剣に考えてきた一人でございます。そういう中で、研修医制度が平成16年度にできたということが、これからの地方の医師のあり方ということが非常に大きな課題となって出てきたわけでございます。過日、旭川医大の方の第一内科、あるいは旭川医科大学の病院長のところにも行ってお話しした中で、研修医で大学に戻ってくる方々がほとんどいないような状況になりつつあると、こういうお話を教授の方からなされたという状況でございます。しかし、それはどういう現象でそういう形になるかということで、お話を聞いている範囲の中では、何といっても、昔はそれぞれの研修医時代でなく、それぞれの内科教授の中―で医師の派遣的なものが行われていた状況でございますけれども、研修医制度ができてからは、そういう教授の、俗に言う権限というものが非常に弱まってきたと、こういうことが一つあると。もう一つは、今の若い研修医の方々は、俗に言う9時から5時までと、その時間内勤務を、そういうことをやはり望んでいらっしゃる。それからもう一つは、待遇によって、それぞれ研修医が決められると。こういうことが、それぞれ地方に、なかなか行きにくい、こういう状況が私はあるというふうにお聞きをしてきたところでございます。そういう状況を踏まえながら、今日、協会病院が来年の5月にそれぞれ29名の医師を確保できるような状況の中で進めてきたということは、これはもちろん地域センター病院の院長ほかお医者さんの努力のたまものであり、さらに医師会含めた行政の力も大きなものがあったと、こういう認識を私はいたしているところでございます。それで、御質問の関係に移りますけれども、私は、それぞれ自治体病院を持っているところ、あるいは公的病院として位置づけられる市町村があるところ、あるいは、それぞれ公的以外の個人あるいはまた法人組織でされている病院を持っているそれぞれの市町村、こういう状況の中で、現実的にお聞きしますと、やはりどうも医科大学においても、北海道医科大学についても、そういう一つの基準的なものをつくられるように聞いておりますので、なお範囲が狭められてくるような状況に私は今後なっていくのでないかと、そういう危惧を大きくいたしているところでございます。そういう中で、自治体がそれぞれ公的病院という位置づけの中で、センター病院の今後の医師確保、あるいは、それぞれ医療体制の中での状況を考えてみるときに、私はやはり、今、御質問、横山議員からお話がありましたとおり、やはり国民の健康を守る、医療を守るという立場からいけば、国である程度―27のそういう施策、方針というのは、明確にしなければならないと。それから、地方における分権のあり方の中で、地方自治体の役目というものは、それぞれ住民の立場に立った中で判断をしていかなければならないと、このように私は判断をいたしているところでございますので、こういう基本的な考えを持ちながら、これから私も進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
質問 7番 横山久仁雄
先ほど市長が答弁ありましたように、これまでの行政報告等でも市長が言われましたように、医師確保について、これまで以上に努力をしていただいていることについては、市民の皆さんはもう十分理解をしているところだというふうに思っております。しかし、その一方で、先ほど言った国の施策によって医師の確保がなかなかままならない時代を今迎えつつあるのではないのかなという、現実にはまだそれほど、根室だとか、あるいは紋別だとか、そういった地方のように、今影響は直接的には出てきていないというか、少ないのではないかというふうに思いますが、しかし、そう遠くない時期に同じようなことが起きてくるのではないかという心配をするわけであります。そうしたときに、先ほど言われた研修医制度という、この制度がつくられたことによって、医師の偏在が言われるようになってきました。このことが、新研修制度というのができた背景の中には、医療ミスの問題であるとか、あるいは名義貸しの問題であるとか、そういった背景があって、そしてあともう一つは、地域での救急対応が専門分野に分かれていて、たらい回しの事件だとかですね、そういったことが大きな背景にあって、そして研修制度というのをつくられてきた、そういうふうに思っております。その中で、結局、お医者さん方が研修を通じてさまざまな診療科を渡ってあるく、このときに、研修のために診療科を行くことによって、その診療科の実態がお医者さんの目に明らかになり、これで―は救急に対応するということが、みずからの医師生命を奪ってしまうと、こういう危機感から救急医療に対する敬遠ということが起きてき、救急医療の対応する診療科にお医者さんが集まらなくなってしまうと、こういう実態が生まれてきたのも事実であります。ですから、そういった意味では、今回の医師の新研修医制度がそういう偏在を招く大きな要因になっていることについて、市長が答弁をされたことと大きな認識の差はないというふうに思うのです。これを奨励したのが、先ほど言いましたように、法律的にこれを決めた国の制度ではないのかということですね。ですから、そのことに対して、国はやっぱり責任を持つべきだろうと。先ほど言ったように、だとすれば、国との、これまでの関係の、上下関係ではない、あくまでも地方分権時代における水平の関係として、権利としての主張をすべきだという、このことが、私はこれから重要になってくるだろうと。そして、各自治体の首長たちが、そうした立場で国に物を言っていくという時代を迎えたときに、私は地方分権というのが大きな成果を上げてくるのではないかというふうに思うのです。ですから、そういった意味で、私は、市長の姿勢について、そのことについて共感できるのかどうかということをお伺いをしたいと思っているところであります。以上です。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
横山議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。現在、医療そのものという形の中で、国においては、それぞれの形の中で、大きく大別しますと医療審議会、そういう媒体的な機関を通じて医療行政のあり方を決めていっている状況ではないかと、このように感じているところでございます。やはり国は、国策的なものについて、当然私たちが選んでいる国会議員の方々にゆだねる形の中で現実的に法律―28を施行、あるいはその中での運用が図られているというふうに私は認識をいたしておりますけれども、今、分権の時代の中で、それぞれ市町村に与えられる権限というものは、物によっては、現在のところ、私は多少なりとも少ないという感じをいたしております。先ほど御答弁させていただいた中で、要望、要請という形の中で御指摘をされたような感じを受けましたけれども、私は、全国のそれぞれ自治体、市で言えば779市ぐらいございます、そういう一つの結集体が、要望なり、あるいは要請なりすることが、一つの集団の力となって国に働きかけるということは、私はこれは大変大きな力というふうに私は考えているところでございます。さらにもう一方、それぞれ自治体の首長に与えられた権限の中で、それは住民の意思決定の中で判断を当然していかなければならないのが、今、地方分権の首長の責任であると、こういう認識のもとで、私は、今後も行政につきましては、医療行政ばかりでなく、他の行政についても、基本的な考え方をそういうものに置きながら行政の運営を図っていかなければならないと、このように感じているところでございますので、その点でひとつ御理解を賜りたいと存じます。
質問 7番 横山久仁雄
若干の考え方の相違があるようでありますけれども、次に移らせていただきたいと思います。救急医療の関係についてお伺いをしたいと思うのです。答弁の中では、救急にかからないための病状に応じた救急マニュアルを作成しというふうに先ほど答弁をされました。私が申し上げたいのは、救急にかからなくてもいいようにという意味で、ストレートな、救急にかかることが悪であるかのような印象を受けますので、改めてそこら辺について弁明をしておきたいと思いますが、救急が必要になるということについて、一般の人たちについては、これはお医者さんではないわけですから、通―常、医療の知識を持っている人以外は、自分で救急か救急でないかということについて判断をする知識を持たせるということではなくて、ですから、かからなくていいとか、かかるべきだとかという問題ではなくて、一般的に家庭で応急的な処置のできる範囲、する範囲というのを啓蒙していけば、もう少し救急というのが軽減をされるのではないかと。そのことが、お医者さん方の救急の激務から少しでも軽減する方向にならないだろうか。そして、そのことが、場合によっては、例えば相談窓口をどこかに、救急に対する相談窓口をどこかで設ける、あるいは町内会やいろいろな団体を通じてそういった講習、こういう場合にはこの程度の、例えば水枕が必要であるとか、そういうような、私が言いたいのは、ごく家庭でできる一般的なことをきちんと啓蒙していくことによって、核家族化したことによってなかなかお年寄りの知恵が若い人たちに伝承していないという、そういう嫌いもあります。そういった意味では、改めてそういった啓蒙活動が必要になってやしないだろうかということであります。ですから、そういった意味では、決して救急にかからなくてもいいようにということではなくて、できるだけそういった家庭内での対応を教えていくべきではないだろうか。そのことを通じて軽減がされていくのではないのかということであります。それともう一つは、救急の、本当の意味でのですね、例えば交通事故であるとか、あるいは心臓発作であるとか、本当の救急の状態になったときに、お医者さんが、先ほど言った通常の診療であるかのような状況の中で、くたくたの状態の中で、本当の意味での重篤な救急診療に携わらなければいけない、このことについては、やはり医療を社会資源として考えたときに、資源の大きなロスにつながらないかということであります。ですから、そういった意味での救急ということの啓蒙が、一方では市民に知らせていくことが必要なのではないかと、そういう意味であります―29ので、その辺についての見解も改めてお伺いをしたいと思います。以上です。
答弁 助役 石井隆
御答弁させていただきます。今、横山議員がおっしゃられたように、救急対応をしている医者の方に、荷が重くなっているといいますか、労働が過重になっているという点で、予防法を周知することによって軽減が図られるのではないかという内容だということだと思います。そういう点で、先ほどもちょっと説明をさせていただいておりますとおり、病気に対する対応については、おっしゃられたように個々違う状況になっておりますので、素人が判断して、それを救急に当てはまるかどうかというのは大変難しい状況だというふうに認識をしているところでございます。それで、先ほど答弁させていただきましたように、乳児だとか幼児等につきましては、一番親が見て救急のところに走りやすいという点からいたしまして、この健康診断等に来られました際に、応急措置等については説明をさせていただいているという状況にございます。それと、先ほどの説明の中でまた入ってございますけれども、その医者の方の労働過重になっている部分については、少しでも軽減する必要があるということで、医師会の方とも話をしてございまして、非常に厳しいものだというのも、私も実際お話をさせていただいて承知をしているところでございます。そういう点から、今後、どうあるべきかというのを医師会とも協議をさせていただきたいということで先ほど答弁させていただいているところでございます。また、周知につきましては、流行性感冒、風邪だとかいう場合は、広報で、こういう状況になっているので、手洗いだとかうがいの励行という形で周知を図っているところでご―ざいます。以上でございます。
質問 7番 横山久仁雄
それでは、次に、介護保険についてお伺いをいたしたいと思います。答弁では、今回の新介護制度の変更によって、さしたる大きな問題は発生していないかのように聞こえますが、本当にそうなのかなという気がいたします。私は富良野市内のやつをまだ調査をしていませんので、断じることはできませんけれども、しかし、多くのところで聞く限りでは、実際に車いすや何かがなくなって、閉じこもりが心配されるとか、あるいは、介護ベッドが取り払われたことによって寝起きが不便になって、そして、改めて、寝たきりとまでは言いませんけれども、自立が逆に遠ざかってしまったというようなことも何度か聞いたことがあります。ですから、そういった意味では、ただ制度を理解してもらって、そしてベッドの貸与ができなくなっても、理解をしてもらったからいいという、あるいは車いすの貸与がだめになったということで、それも制度を理解してもらったからいいのだというようなことではないというふうに私は思っています。そういった意味では、もう少し実態を、それぞれの、個々人の、要支援の方々に移行された、そして、今まで使っていた人たちからベッドや車いすが引き揚げられた、この人たちの生活実態を追跡をしてみる必要があるのではないのかなというふうに思いますが、その辺について十分今後とも配慮をしていくべきだというふうに思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。
答弁 市長 能登芳昭(市長は2018年3月まで)
横山議員の介護保険についての新予防給付の状況についてのお答えをさせていただきますけれども、具体的な内容については保健福祉部長の方から御説明―30をさせていただきますけれども、私は、この新予防給付実施状況の中について、介護保険が5年をたったと、5年経過の中で、反省する点、あるいは、新たに起こり得る状況等も含めた中で、ある程度国は示したと、こういうことの中で、やっていって、その中で、どう悪いところ、あるいは是正しなければならない、そういう問題を、これからやはり完璧なものにしていくというのは、ある程度年数を要するのではないかと、このように考えているところでございますので、具体的な事例も含めて、保健福祉部長の方からお答えをさせていただきたいと思います。
答弁 保健福祉部長 高野知一(保健福祉部長は2010年3月まで)
福祉貸与の関係についてお答えをいたします。先ほどお答えの中にありましたとおり、平成18年4月段階で一応判断基準が示されまして、10月1日から実施をされております。実態としては、先ほど答えたとおり、特殊ベッドが26件の実態、車いすが11件の実態、床ずれが1件の実態ということがございましたので、10月1日までの間、いわゆるこの制度改正の中身の問題がいろいろありますので、これは制度前に利用者に対しての具体的な説明の問題、それから、貸与されたやつを、いわゆる引き下げるという問題と、引き続き個人の負担を持って引き続き利用できるという状況、こういったことも詳しく説明をしながらこの間来てございます。また、改めて、貸与事業者、いわゆるレンタルをしている事業者がございますから、レンタル事業者に対しましても、こういった詳しいお話をしながら説明をしてきて現実に至っていると、こういう状況でございます。最終的には、それぞれ利用者の意思の確認をしながらやってきたと、こういう状況にございます。先ほど議員からありましたとおり、この制度、せっかくやっていたやつを、いわゆる対象外になるということについては、私どもとしても非常に残念な制度かなと、こう思いま―す。しかし、今、市長からもありましたとおり、5年を経過いたしまして対象者が増大をしているという反面、一つの事例として、この利用制度が利用の実態像に合わない不適切な事例が全国各地に多く見られているということの指摘がありました。このことが大きく改正された点なのかなと、こう思います。いずれにしても、これから改めてこの制度が適用されてくることになりますので、この方々が、言ってみれば要介護になれば、また適用開始と、こういう状況になるわけですけれども、この間、対象者になる方々について、これからも詳しく説明をしながら理解を深めていただきたいと、このように思っております。以上でございます。