深川市議会 令和3年第2回定例会 2021年6月18日
家族の介護や世話をするヤングケアラーの実態と支援
2021年6月18日、深川市議会の一般質問で、松本雅祐議員が「家族の介護や世話をするヤングケアラーの実態と支援」について質問し、教育長 吉村理明が答弁しました。
- 質問者
- 松本雅祐 議員
- 答弁者
- 教育長 吉村理明
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 8番 松本雅祐
続きまして、3点目、家族の介護や世話をするヤングケアラーの実態と支援についてでありますが、これは午前中の太田議員の質問と同じヤングケアラーでありますが、私からは違った視点で質問させていただきます。近年、ヤングケアラーという言葉を耳にするようになりました。ヤングケアラーとは、日本ケアラー連盟では、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子供と定義しております。ケアが必要なのは、主に病気や障がいのある親、祖父母などですが、そのほかにも、家族に代わり、幼い兄弟の世話をしていることも含まれます。しかし、ヤングケアラーの実態については不明でありました。厚生労働省と文部科学省は、初の全国調査を昨年12月から今年1月にかけて、公立中学校と全日制高校の2年生や通信制の高校生たちを対象とし、調査を行いました。そして、実態が明らかになりましたので、少し紹介させていただきます。今回の調査には、介護の世話をしている場合と、親に代わって幼い兄弟の面倒を見ているケースも含まれます。そして、中学校2年生では約17人に1人、高校2年生では約24人に1人が、世話をしている家族がいると答え、1学級に1人から2人のヤングケアラーがいるという結果が出ました。その世話の内容は、祖父母の身体介護や兄弟の保育園への送迎、家族の料理や掃除、洗濯など、いわゆる家事全般を一人で担い、お手伝いと呼べる範囲を超えたものが多かったそうです。ヤングケアラーが生まれた背景には、在宅福祉が基本となったこともありますが、ケアを必要としている人や高齢者が増え、核家族化や共働き、ひとり親家族が増えたことが要因と挙げられております。子供にとって、最初は家族のお手伝いだったつもりが、次第にその役割が固定化され、自分がやらなければ家族の負担になると思い込んでしまうケースや、介護する相手の状況によっては、命に直結するもので、断れないといった心情もあると思います。そして、世話をする頻度でありますが、ほぼ毎日が中学2年生でも高校2年生でも約半分の方がおりました。そして、平日では一日4時間、多い方は一日7時間以上、世話に費やしている子供がいたという結果も出ております。ヤングケアラーは、自分の時間が取れない、宿題や勉強する時間が取れないなど、子供たちの窮状が明らかになり、これは勉強はもちろん、クラブ活動や友人と遊ぶことも難しく、心身への影響が心配されております。そして、さらに深刻なことは、4割近くの子供たちが、自分がヤングケアラーだと自覚できないということです。家族の介護などを経験した子供たちの中には、友達に言えなかった、言って引かれるのが嫌だったという言葉が驚くほど共通しており、必死にほかの子供と同じであるように演じていた経験を持っているとお話しておりました。子供たちの声なき声をキャッチして、実態を掌握し、問題を共有してあげることが重要であり、ヤングケアラーへの支援の在り方が問われると思います。そこで、お伺いします。1点目、今回実施されたヤングケアラーの実態調査の本市の結果についてお聞かせください。2点目、ヤングケアラーの半数以上が、学校をはじめ誰にも相談できなかった。また、先ほども言いましたけれども、そもそも自分がヤングケアラーだと認識できない子供たちがいることが今回の実態調査で浮き彫りになりました。ですから、ヤングケアラーの掌握や相談、そしてヤングケアラーとは何かということを多くの方に知っていただき、寄り添える支援体制を構築していくことが大事だと思います。ヤングケアラーの支援と周知について、本市の考えをお聞かせください。
答弁 教育長 吉村理明(教育長は2024年3月まで)
家族の介護や世話をするヤングケアラーの実態と支援について、2点の質問をいただきましたので、順次お答え申し上げます。ヤングケアラーの対応につきましては、令和元年7月に北海道教育委員会からの通知におきまして、関係機関と連携の上、適切に対応するよう求めることと併せまして、ヤングケアラーの概念として、議員の質問の中にもございましたけれども、「年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来大人が担うような家族の介護や世話をすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている18歳未満の子供」と示されておりまして、市内小中学校に対しましても、この通知を周知させていただいているところでございます。そこで、質問の1点目、ヤングケアラーの実態調査についてでございます。質問にありました実態調査につきましては、令和2年度に厚生労働省が文部科学省と協力して実施いたしました、中高生の生活実態に関するアンケート調査でございまして、この調査は、全国で無作為に1割程度の学校を選び、その学校の中学2年生と高校2年生を対象にインターネットで回答する方式により実施されており、その結果につきましては、議員の御指摘のとおりでございます。本市におきましては、一已中学校が対象となりましたけれども、教育委員会を経由しない調査方法のため、一已中学校の結果につきましては、私どもも把握できていないところでございます。また、本市独自の調査につきましては実施しておりませんけれども、各学校に確認いたしましたところ、学校が関われる範囲において、ヤングケアラーの概念が十分に浸透していない現状では、正確な状況把握は困難と考えているところでございます。なお、現在のところ、学校から個別案件といたしまして、ヤングケアラーと思われる報告は上がっておりません。次に、2点目のヤングケアラーの支援と周知についてでございます。まず、周知につきましては、厚生労働省と文部科学省が連携して設置いたしました、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームの本年5月の報告によりますと、ヤングケアラーの名称や概念など、社会的認知度の向上を重要視しておりまして、来年度から3年間を認知度向上のための集中取組期間として取り組むこととしているところでございます。一方で、「家族のケアやお手伝いをすること自体は、本来すばらしい行為であるが、過度な負担により、学業等に支障が生じたり、子供らしい生活が送れなかったりすることが課題であるという点を理解した上で、ヤングケアラーイコール悪いことというイメージとならないよう留意する必要がある」との記載もございますことから、適切な周知が重要と考えておりますので、本市といたしましては、国の動向を注視し、周知の際には教育委員会のほか、関係する所管と連携いたしまして、広く周知を図ってまいりたいと考えております。また、支援につきましては、現状、児童生徒の多様化する悩みに対応するため、教職員のほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置いたしまして、対応する事案が発生した場合には、その内容に応じて、各所管とのケース会議を開催するなど、適宜対応しておりますので、今後、ヤングケアラーと思われる事案が発生した場合につきましても、既存の体制の中でしっかりとした認識を持って対応するとともに、必要な支援につながるよう関係所管と連携してまいりたいと考えております。