みんなの議会

深川市議会 平成25年第1回定例会 2013年3月5日

「先日、道東、道北を中心に3月の暴風雪がありました」

2013年3月5日、深川市議会の一般質問で、辻本智議員が質問し、市長 山下貴史が答弁しました。

質問者
辻本智 議員
答弁者
市長 山下貴史

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 3番 辻本智

先日、道東、道北を中心に3月の暴風雪がありました。9人の方が亡くなったという大変痛ましい事故と言いますか、自然災害であります。けさほどの話ですと、深川市民に深くゆかりのあるご家族の方も、車の中で亡くなられたということを確認しております。心からご冥福をお祈りしたいと思います。けさの新聞を見ていますと、いろいろな記事が書いてありまして、中には、9歳の一人娘を守るためにみずから命を落とされたお父様の話も書かれておりました。今回の事故に関しては、今後、さまざまな形で検証されると思っておりますが、私は、けさの新聞を見て、改めて自分として考えることは、なぜ私たち北海道人はこうまでして、この雪の中で暮らすのだろうか、自分に対することも含めた問いかけであります。北海道人の気質としてよく言われることに、忍耐強いでありますとか開放的という言葉があります。私もそのように思っております。なぜ私たちが、こういった雪の中であえて苦労して生活を組み立てているのかを考えてみますと、目の前の雪は必ず解ける、春は必ずやってくる、そういった確信が私たちの中にあるからだと思うわけでありますし、やがて山々の木々も芽吹いて、大地一面緑になって、大地全体が踊り出すような、そういった暖かな日には隣近所みんなが笑い合える、そんな日があることを、私たちは生活上経験的に知っているわけであります。ですから、やはり雪の時期を乗り越えられると思うところであります。今、国益という正体不明の言葉を口にして浮足立った世論というものがあります。そういった世論を聞くにつけ、私たちがこうして立っている日本という国、歴史的に積み重ねられた文化、伝統、そして先人たちがこの土地で築いた国土形成と言いますか、そこに託された力、そういったものを私は多くの国民の皆さんとひとしく思いを共有したいと改めて思うところであります。ちなみに、今回、お父さんが命を賭して守られた娘さんの名前は、「夏の音」と書いて「なつね」と、そのように両親は名前を託されたということであります。それでは、通告に従い一般質問を行います。まず初めに、安倍内閣の経済政策についてです。昨年暮れの総選挙結果を受けて、自公連立政権が誕生しました。安倍内閣は、いわゆる3本の矢を打ち出し、2%の物価上昇目標を明示しながらの積極的な金融緩和を行うとしており、そのことが投資家の間に期待感をもたらし、市場の過剰とも言える反応を引き出しております。連日のテレビは、株価の上昇とともに円安を加速させている動きを熱っぽく報道していますが、果たしてこれは実体経済を伴っているのか、私はそのことを危惧しております。とりわけ、この冬の灯油の値上がりは市民生活を圧迫していますし、今後、石油を原材料とした農業ハウスのビニールなど農業資材の高騰、並びに畜産農家にあっては、外国にその大部分を頼っている家畜配合飼料の高どまりなどの懸念も心配されるところであります。そこで1点目として、2月26日に参議院で平成24年度補正予算が可決、成立しましたが、このことを受けて、本市ではどのような事業などが予定されているのか、その規模、内容など、可能な範囲でお示しいただきたいと思います。また、今回の経済政策全体を市としてはどのように評価しているのか。特に、市民生活とのかかわりで注視すべき観点とその対応等をどのように考えているのか、あわせてお答えください。2点目に、政府は今後においても切れ目のない財政出動を行うと報道されております。こうした大型の公共事業等が市内経済に与える影響、とりわけ市内事業者の設備投資を初め雇用、賃金にどのような波及効果を及ぼすと見ているのか。現状での地域内での動向など、今後の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。3点目に、TPP参加に向けた政府の動きについてですが、この点は、今ほどの太田議員の質問にもありました。当然このことについては、私も、現政権が昨年暮れの総選挙での国民に対する公約を曖昧にしたままで詭弁を弄しながら、一気呵成に物事を進めようとしていることに対して、満身の怒りをもって抗議するものであります。と同時に、一方では、各種世論調査の結果を見ますと、全国レベルでは交渉賛成派がふえており、道内においてもTPP交渉賛成・反対派が拮抗、特に都市部においては賛成派が上回る、そういった報道がなされているところであります。今後、交渉参加を阻止するための運動をこれまで以上のテンポと規模をもって押し広げることが当然必要になってきていると感じております。そうした上に立っての今後における運動の工夫になろうかと思いますけれども、私は、この問題は、必ずしも米もしくは畑作における重要品目を中心とした農業に関しての農業者だけの問題ではない、そういった点にもっと注意を傾けることが大切だと思います。私は、聖域なき関税撤廃を前提云々というような文言だけに目を奪われることは、一歩間違うと、関税数値であるとか重要品目の品定めという相手方の土俵にみずから上がることとなる危険をはらんでいると考えております。言うまでもなく、先ほど市長の答弁にもございましたが、包括的で高い水準での自由貿易協定を最大の目標とするTPP交渉は、農業以外にも、国民皆保険制度を初めとする医療や保険の分野、さらには食の安全基準などを外国に向けて丸裸にしかねない危険なものでありますし、現在、隣の韓国の国内において大きな問題となっている投資家・国家訴訟、いわゆるISD条項など、知的財産権を含む国家主権にかかわる点については、全く何の保障もないわけであります。そうした視点から、このTPP問題の議論は、もっと国民各階層に向けた情報の発信、国民全てが共有すべき価値の啓発といった部分にこそ力を注ぐべきと考えております。私たちはこれまでも、郵政民営化を掲げた小泉政権においては、つくり出された国民同士の分断と対立といったことを経験しております。今回も早速、政府の産業競争力会議においては、TPP推進の立場から、農地法の改正であるとか農協解体論など、経済成長のための障害と称して、農業分野での規制緩和を取り上げた勇ましい論議が進められております。自由な競争が成長を促すという新自由主義的経済政策は、その都度、地方を疲弊させ、至るところに格差を生み出してきました。そういったことを念頭に置き、運動を展開すべきだと考えております。具体的な提案でありますが、従来は、農業団体との集会やデモといったことが反対運動の中心だったかと思います。それに加えて、対外的な啓発活動を、もっと幅広い層、いわゆる都市の皆さん方であるとか、あらゆる階層、職業の方々に重層的に、かつ切れ目なく行うことが大切だと考えております。現在、道内では、各種各団体が連携しておりますが、そういった団体が独自にその役割を発揮する可能性がどこにあるかを探求することが必要だと思います。例えば、可能な媒体での意見広告、市役所のホームページであるとか、職員の皆さんが庁内のパソコンから対外的に日常的に発信する業務用メールの末尾にTPPに関するメッセージを自動的に添付する、私は技術的には可能ではないかと思っております。あるいは市が発送する広報、郵便物等でのさまざまな形、それは、先ほど市長の答弁では、局面は常に変わってきている、新しい段階に入ったという答弁もございました。1度、印刷物をつくるというのはなかなか、果たしてそれが市民の皆さんに届くときに、状況に合わせてどうかという懸念は当然あります。しかしながら、その局面、局面に合わせた情報発信を、例えば枚数の限られたシールみたいなものを添付して市民に啓発していく、そういったことなどもぜひ検討すべきと提案したいと思います。やはりポイントは、スピード感を持って、行政が各種団体を牽引する形の中で対外的に情報を発信していく、そういった点が必要であると思いますので、山下市長の見解を求めたいと思います。

答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)

1番目の安倍内閣の経済政策についてということで、3点ありましたので順次お答えいたします。初めに、1点目の政府の経済再生・緊急経済対策に対する評価と対応についてであります。これはご指摘のように、国は日本経済再生に向けた緊急経済対策、俗にアベノミクスと言われておりますが、この経済対策を去る1月11日に閣議決定いたしております。この中で、特に財政面では、円高是正、デフレからの早期脱却のため、いわゆる15カ月予算の考え方で、平成24年度補正予算と25年度予算を合わせ、切れ目のない財政運営、経済対策を実行するとしており、2月26日には24年度の補正予算が成立したところでございます。この補正予算のうち、緊急経済対策に係る予算として、復興・防災対策経費3兆7,889億円、成長による富の創出関連経費ということで3兆1,373億円、そして暮らしの安心・地域活性化関連経費3兆1,024億円などとなっておりまして、合わせて10兆2,815億円の規模となっております。この中で特筆すべきと思われますのは、追加でいろいろ実施される公共投資の地方負担を軽減するために、今回限りの特別措置として、各地方公共団体の追加的な公共投資にかかわる負担額に応じて、その負担額の8割ないし9割に相当する交付金を国が配分する、そして地域経済の活性化や雇用の創出を図るという目的を持った地域の元気臨時交付金が1兆3,980億円盛り込まれている、これが特筆すべきことと私どもは思っております。そこで、これら国の補正予算などを受け、本市としても、この有利な財源を最大限活用することとしまして、道路や公園、下水道の整備、それから学校校舎等の大規模改修などの公共事業に取り組んでまいりたいと考えておりますし、またあわせて公共施設の改修など、これまで多額の費用が要るということでなかなか手がつかなかった、実施を見送ってきた単独事業についても、この際、地域の元気臨時交付金を充当して、一定程度積み残し分、やりたかった部分の実施を図ってまいりたいと考えているところです。これら市が取り組みます事業規模、市が取り組むと言うと余り正しくないかもしれませんけれども、要するに深川市で行われる事業規模としては、現在のところ、補助事業分では10億2,000万円程度を予定しておりますし、単独事業についても、これはまだ未確定の部分がございますので、数億円程度を予定しているところです。我々としましては、これらの公共事業の実施により、快適な市民生活基盤の整備が進みますとともに、地域経済の活性化に資することが期待できると思っており、全体として一定の期待を補正予算対応ということで寄せているところです。また、市民生活とのかかわりで注視すべき観点と対応についてということで質問がございましたが、今回の緊急経済対策は公共事業が中心であり、その効果は建設業からあらわれてくるものと思っておりますが、資材等の域内調達あるいは雇用の増大などを通じ、速やかにかつ幅広く経済効果が地域に波及することが本当に望ましいと考えているところです。ぜひ期待もしたいと思っております。なお、議員がご心配されております、例えば円安などが市民生活あるいは経済活動に及ぼすであろう負の影響などについての対応という点では、これは市単独でそれらに取り組むというのは難しいものと思いますが、そうしたマイナスの影響を極力避けるような、仮にあるとしたら、国における緩和政策などというものが求められる状況にも今後なってくる場合もあるかもしれないと一部心配もいたしているところです。いずれにしても、せっかく組まれる補正予算措置等でありますので、これらをしっかり生かして地域経済の活性化につなげていきたい、強くそのことを考え、期待もいたしているところです。同じように、質問の2点目で、今後想定される国の大型公共事業予算が市内経済に与える効果について、どのような見通しを持っているかということについてでありますが、今、若干お答えしてしまったような気もいたしますが、公共事業の拡大というのはいろいろな見方がありますけれども、やはり疲弊している地域経済の回復に一定の効果を発揮するということは申し上げるまでもないと思います。本市においても、地域にお金が回り、雇用にもその効果があらわれてくると、ぜひそうなってほしいと期待しているところでありますが、定量的に、では幾ら幾ら、何億円分という経済効果を予測するというのは、残念ながら困難かと思います。いずれにしましても、現実問題として、長引く不況、景気低迷といったことの影響から、地場にあります企業の皆さん方も、技術者不足などにより地域としての受注力、仕事を受ける力が落ちているといったことも言われておりますので、公共事業による経済対策の効果があらわれるまでには多少の時間を要するものと考えますが、市としては、いずれにしても市民生活の向上、地域経済の活性化に資する公共投資の事業を選択し、また活用させてもらい、できるだけ早く事業者の皆さん方にも業績回復の手応えを感じていただいて、地域全体としてその効果が実感できるようにしていきたい、積極的に各種の事業の推進に取り組んでいきたいと考えています。3点目、TPPの交渉阻止に向けた啓発、情報発信について、辻本議員から大変力の入った質問をいただきました。先ほどの太田議員のお尋ねにも申し上げまして、若干重なるかと思いますが、日米首脳会談後、安倍総理は、TPPでは聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった、このように総理は明確に表明されました。しかし、ご承知のように、共同声明では、全ての物品が関税撤廃に向けた交渉の対象になるということ、それからまた交渉全体も包括的で高い水準の協定を目指すということが確認されておりますので、仮に言うとおりに聖域なき関税撤廃が前提ではないとしても、北海道が重要に感じている重要品目の全てが関税撤廃の対象から除外されるのかはよくわかりませんし、また食の安全や医療、公共事業などへの影響はどうなるのかといった点についても、具体的な情報がないに等しい状況で、国民的な議論も全く尽くされていない状況にあるだろうと言わざるを得ないわけであります。しかし、ともあれ、今回の経過を受けて、TPP交渉の参加問題は新たな局面を迎えることになるわけです。私たちとしては、今後、TPP問題がいろいろな展開を見せるだろうと、いろいろな変化と言いましょうか、予測のつかない動きになっていくといったこともあろうかと思いますが、いずれにしても、米などの重要品目をしっかり守るということ、それから地域経済や地域社会を守る、そのために今後とも道内の関係機関や団体とより一層連携を密にして、これまでも、今現在もしっかりスクラムが組めておりますけれども、オール北海道という体制でこの問題について対応していく、その足並みを乱さないで、しっかり一致結束してやっていくということが最も重要なことと考えております。そこで、議員のご提言なども踏まえ、本市としても、JAの皆さん方などとより一層連携を密にし、また国内の動きなどもしっかり見きわめながら、しかるべく対応に努めてまいりたいと思っております。適切かつ効果的な対応に精いっぱい努めてまいりたいと考えています。

再質問 3番 辻本智

1点再質問をさせていただきます。TPPに関する対応ということであります。市長の答弁、先ほどの太田議員への答弁でもそうでありましたが、TPPが、農業のみならず地域経済、そして地域のあり方そのものを根本から危険にさらす、崩壊に導くというような認識を持っておられるというのは、一貫していると私も感じておりました。ただ、市長も言われておりましたが、今後、局面というのは次々と変わっていくのだろうと思っています。変わっていくという意味は、首相がというか、政府が、どういう時期にどういう発表をするのかということを待つということが、局面を見ている、変わった局面に対応するということではないのだろうと思っております。局面というのは、常に国民の声、そして農業地帯はもちろんでありますけれども、医療ですとか食の安全ですとか、そういったことを危惧するさまざまな階層の人の心配、声、そうしたものの流れの中で、局面というのは変わり得るし、つくられていくのだろうと思います。そういったことで言うと、行政としてできることは慎重に考えておられるのだろうということは感じますけれども、もっと、例えば市のホームページという提案をさせていただきましたが、きのうも市のホームページを見ていますと、必ずしもTPPに関しての、何かしらそれを想起させるようなシグナルというのは感じませんでした。私は、TPPに反対というのは当然でありますけれども、そのことを市民に押しつけろというような言い方はしておりません。ただ、多くの市民の皆さん、地域の皆さんと共有できる普遍的な価値、繰り返しますけれども、食の問題であるとか医療の問題であるとか、農業の問題は当然であります。普遍的な価値について、もっともっと市としてのできる範疇の中での啓発活動をスピーディーに立ち上げる必要があるのではないかというような質問でございましたので、もう一度市長のお考えを確認させてください。

答弁 市長 山下貴史(市長は2022年12月まで)

今の再質問で辻本議員が述べられたことに大部分は同意をするものであります。ただ、このTPP問題というのは、議員も力説されたように、本当に幅広く、根っこの深い一大問題でございます。ですから、この問題について対応していく、闘っていくというのは、やはり一大国民運動ということになるでしょうし、一大政治運動だろうと私は思っております。行政もその中で役割を果たさねばならないことは多々ありますけれども、行政が前面に出て闘いを進める、そういうものかどうかはこの場ではよくわからない。ただ、議員がおっしゃったように、行政もやれることはしっかりやるべきだということには同意をいたしますので、JAなどともよく相談して、しっかり対応に努めていきたいと考えております。

出典:深川市議会 平成25年第1回定例会 2013年3月5日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる