江別市議会 令和6年第3回定例会 2024年9月11日
(1)江別市の農業について/(2)食農教育について
2024年9月11日、江別市議会の一般質問で、藤城正興議員が「江別市の農業について」「食農教育について」について質問し、市長 後藤好人、教育長 黒川淳司、経済部長 石田賢治が答弁しました。
- 質問者
- 藤城正興 議員
- 答弁者
- 市長 後藤好人、教育長 黒川淳司、経済部長 石田賢治
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次ではこの議員の件名が 2 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の表記です。
質問 藤城正興
議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。件名1、江別市の農業について、項目1、地域計画策定についてです。農政の憲法と言われる食料・農業・農村基本法の改正が、令和6年5月29日の参議院本会議にて成立いたしました。そこでは食料安全保障がうたわれており、この25年間で起きた日本や世界での災害や気候変動、国家間の紛争、それに伴う物資の問題、円安等の経済問題など、農業を取り巻く環境は、これまでどおりの進め方では立ち行かなくなってきており、農業に関係しているあらゆる人が、この大変な現状をしっかりと把握することが求められております。それに伴い、農業経営基盤強化促進法により、従来、人・農地プランと呼ばれていたものが地域計画として法定化され、令和7年3月までに策定する必要が出てまいりました。地域計画とは、5年後、10年後においても、地域の農業を維持、発展させるために、地域の農地は、誰が利用し、どう農地をまとめていくか、どんな作物をどのように栽培するかを計画するものになります。これは、幅広い意見を聴きながら、農業者のみならず、市町村、農業委員会、土地改良区など、年齢、性別を問わず、地域が一体となって話合いをする必要があります。しかし、北海道内でも地域に温度差があり、説明会は行っているにもかかわらず、案内が不十分なため参加できない方や内容すら聞いていない市町村もあり、結果として地域計画に対する理解が不十分であるがために、残り期間が7か月を切っているにもかかわらず、全道179市町村のうち、策定が終了したのは、令和6年8月末現在でまだ3市町村となっております。この計画は、見直しをすることができますが、それを前提にではなく、しっかりと考えた上で策定してスタートを切らなければ、そのときそのときの状況にのっとって改めて見直しをする場合、大変な作業になることは想像に難くありません。その上、万が一策定を怠った場合は、今後、国や金融機関からの補助や支援が受けられなくなる可能性も示されています。江別市においては、この地域計画を策定するに当たり、どのような認識を持ち、どういった手順で地域と話し合い、今現在の状況はどうなっているかをお聞かせ願います。件名2、食農教育について、項目1、小・中学校における食農教育の在り方についてです。食農教育という言葉は、あまり皆様になじみがないかもしれませんが、食育と農業を組み合わせた言葉になります。一般的な食育活動に加えて、それを支える農業や地域、自然との関わりにも着目し、私たちの食を支える地域の様々な形の農業活動を知り、体験することで、これらが担う様々な価値を学びます。江別市の食農教育は、全国的にまだ普及が進んでいない平成11年頃から始まり、当時は、農業を教育現場で教えることは、敷地が潤沢にある農村部の学校農園等ではありましたが、人数の多い中心部の学校では、農園を所有していても全ての生徒が体験することができず、学校内でのプランター栽培や花壇の手入れをするにとどまっており、実際、農地へ出向いての農作業体験はありませんでした。その現状を危惧した当時のJA青年部が、江別の子供たちに実際に生産者の圃場に来てもらい、一緒に種まきから収穫、そして、食べるところまでを体験し、食の大切さや命のありがたさを知る機会にしたいと考えました。最初はなかなか話を聞いていただけなかったのですが、この取組の趣旨を説明しに学校や教育委員会へと直接交渉に足しげく通った結果、徐々に理解を示していただき、現在では、毎年体験校を1校選択していただくまでとなっております。小学生では、三・四年生の社会科副読本わたしたちの江別にて、農業を選択して学ぶ機会がありますが、中学生になると、農業について教わること、携わることが極端に少なくなります。江別市においては、小中一貫教育という取組をはじめ、授業に小・中学生が一緒に参加する機会もあるので、農業に関する教育も小中一貫教育とし、中学生にも江別の農業について学ぶ機会を全市的に与えてもよいと思います。小学生では、農業の入り口と歴史的な側面を学ぶことが多いので、中学生では、ドローンや自動操舵などを用いたスマート農業など、現代に即した発展的な部分について学んでほしいとも考えます。そこで、提案ですが、農村の学校を農業特認校等に選定し、総合的な学習の中で農業を学ぶ時間を厚くし、そこに市内全域からも通える環境をつくることはできないでしょうか。生産の難しさ、収穫の喜びや食品ロスへの意識、充実した学校給食、地元で育てられている農畜産物のおいしさ、それを身近で学び取ることができる環境が、まちと農村部の距離が近い江別市の子供たちには、ほかの市町村よりも整っています。その中から江別市の基幹産業を守る次世代を担う生産者も生まれるかもしれません。食農教育の先進的な例として、福島県喜多方市の小学校では、平成18年に、国の構造改革特別区域として教育特区の認定を受け、次の年に農業という科目が新たにカリキュラムとして始動し、現在は、総合的な学習の時間の中で農業科を実施しています。昨年は、美唄市でも、福島県喜多方市に次いで全国2番目に農業副読本を作成し、農業科が始まりました。農業を教科とした場合、体験、経験することが中心となり、それを基盤として成長を促すための教育内容を設定するために、授業の成果が曖昧となってしまい、評価をするということが大変難しいので、取り入れるのは容易でないことも十分に理解しております。そのため、江別市では、特認校や専門教科ではなく、もっとハードルを下げた形で学校教育に農業を取り入れていただきたいと考えます。近年、気候変動や国際紛争により、食料安全保障の大切さや農畜産物の需給が見直されております。食農教育をしっかりと受けることによって、最近話題に上っている米不足やバターの緊急輸入等の問題も正しく理解し、適切に対処することが可能となります。江別市として、小・中学校における食農教育の在り方に関して、どのような考えであるかをお聞かせ願います。これで、1回目の質問を終わります。
答弁 市長 後藤好人
藤城議員の一般質問に御答弁を申し上げます。江別市の農業に関しまして、地域計画の策定についてでありますが、国は、高齢化や人口減少による農業者の減少や耕作放棄地の拡大を防ぐため、農業経営基盤強化促進法を改正し、各市町村に対して令和7年3月までに地域計画を策定することを義務づけたところであります。地域計画は、今後の地域農業を維持、発展していくために、地域の農地を誰が利用し、どうまとめていくのかなど、地域農業の将来の在り方について取りまとめたものであり、また、計画を策定している区域等を対象とする補助金等の要件の厳格化についても併せて定められたところであります。計画策定の手順と致しましては、関係機関や地域の農業者で構成する協議の場を設置し、制度の説明や農地の利用についての協議を進め、その結果により計画を策定するものと国は示しております。市では、市域の約4割を占める農地を今後も維持していくためには、地域協議の下で、10年後の農地の将来像についての方向性等を定めることは重要であると認識しておりますことから、令和5年度から、法改正に係る情報収集のほか、関係機関である農業委員会やJA、各土地改良区、公益財団法人北海道農業公社と協議を行ったほか、市内12の農村地区ごとに計画策定の進め方についての説明と協議の場を設け、地域の農業者の意向把握に努めてまいりました。現在、計画案を作成しているところでありますが、今後におきましても、地域の農業者に対して丁寧な説明と周知に努めながら、引き続き策定作業を進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、教育長からお答え申し上げます。
答弁 教育長 黒川淳司
私から、食農教育について御答弁を申し上げます。小・中学校における食農教育の在り方についてでありますが、当市においては、平成23年に江別市食育推進計画を策定して以来、これまで食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育の推進を図ってまいりました。これまでの計画における教育分野の取組として、小・中学校では、栄養教諭による食に関する指導、学校給食での地場産農畜産物の積極的な使用等を進めてきたところであります。さらに、農業法人等に御協力いただき、田植え・稲刈り体験や小麦追跡学習、酪農体験など、様々な形での農業体験学習が行われております。また、最近では、単なる農作業体験にとどまらず、収穫した野菜の販売等を通じ、起業や金融の学習につなげるよう取り組んでいる中学校もあり、このような取組には、都市と農村が調和した江別市の特色が表れているものと考えているところであります。議員が御質問のいわゆる食農教育に関する先進的な取組につきましては、農業に関する学習を学年ごとの系統性に配慮しながら総合的な学習の時間において重点的に授業時数を確保し、取り組んでいるものと承知しております。総合的な学習の時間は、学習指導要領において、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標としており、各学校がその地域や児童生徒の実態に応じて学習内容を定めることとされております。そのため、総合的な学習の時間の中で、どのような課題について重点的に取り組むべきか、その決定は各学校が独自に行っておりますことから、直ちに市内学校のカリキュラムを画一化して食農教育に取り組むことは難しいものと考えております。また、農村地区の学校を特認校に指定し、市内全域から児童を受け入れることにつきましては、通学手段として公共交通の確保が必要となるなど、様々な課題があるものと考えているところであります。いずれに致しましても、児童生徒が当市の基幹産業である農業を身近なものとして学習することは重要であると考えておりますことから、教育委員会と致しましては、今年度からスタートした第4次江別市食育推進計画を踏まえ、引き続き学校における様々な食や農業体験に関する取組を進めていくなど、他の部局や関係機関と連携して、子供たちが農業と触れ合う機会の充実に努めてまいります。以上であります。
再質問 藤城正興
それでは、それぞれに対しまして再質問と要望をさせていただきます。1件目の江別市の農業についての1項目、地域計画策定についてですが、3点再質問させていただきます。1点目、いろいろな地域の農村部で聞き取りをしたところ、まだまだ地域計画という名前すら知らない方が多数いらっしゃるのが現状でした。御答弁の中で、令和5年より、地域計画の策定に関し、農業委員会、JA、土地改良区、公益財団法人北海道農業公社と協議を行ったとありますが、その関連団体においてはどのような方と協議を行ったのか、そして、農村12地区では、どのような周知方法で、どれぐらいの規模で、どのような方を対象に協議と説明を行ったのか、お伺いします。2点目は、地域の農業者の意向把握に努めてまいりましたとありますが、市としては、現段階の説明や協議内容で、農業者の意向が十分把握できていると認識されているのか。そして、現在はどのような考え方、方向性であるか、教えてください。3点目に、今後におきまして、地域の農業者に対して丁寧な説明と周知とありますが、どのような手法であるかを御教示ください。この計画は、御答弁にもあるとおり、補助金等の厳格化にも定められており、江別市の4割を占める農業地域の将来を考える大切な計画であるので、ぜひ詳しい御回答をお願いいたします。2件目の食農教育についての小・中学校における食農教育の在り方については、要望とさせていただきます。農業を身近なものとして学習することは重要であるとの見解を頂き、安心いたしました。カリキュラムの画一化が難しいからこそ、農村の学校のよさをもっとまちの学校の方々にも知っていただきたく、機会を持つことや、小・中学校が一貫して取り組める江別市だからこその食農教育の在り方についても、今後検討していただくことを要望いたします。農業者の側からも可能な限りのバックアップを致しますので、よろしくお願いいたします。これで、2回目の質問と要望を終わります。
答弁 経済部長 石田賢治
再質問に御答弁を申し上げます。地域計画の策定に関しまして、まず、関係機関との協議の相手方についてでありますが、令和5年12月から令和6年1月までの間、農業委員会については、全農業委員、JAについては、江別営農センターの営農振興に係る担当者、各土地改良区及び公益財団法人北海道農業公社については、江別市内の構成員に関わる業務担当者に対して協議を行ってまいりました。また、農村12地区においては、各地区の連合農事組合長に対し事前に協議の場に係る説明を行い、各構成員へ周知をしていただくよう依頼し、令和6年1月から3月の間に、農業者及び農業に関わる全ての方を対象として協議と説明を行ったところであり、合同開催も含め計9回開催し、177名の出席があったところであります。次に、農業者の意向把握に係る認識についてでありますが、協議の場に加え、令和6年2月に、認定農業者及び認定新規就農者に対し、今後の農業経営の意向に関するアンケートを実施し、134名から回答があったことなども踏まえ、一定以上の農業者の意向は把握できたものと認識しております。なお、今後の説明と周知の手法についてでありますが、これまでも協議の場等を通じて説明と周知に努めてきたところでありますが、当初協議の場に参加できなかった方やアンケートに御回答いただけなかった方も含め、できる限り多くの関係者に対し地域計画に係る情報が行き渡るよう、効果的な手法について、関係機関とも相談しながら進めてまいりたいと考えております。以上であります。
再質問 藤城正興
地域計画についておおむね理解いたしましたが、2点目についてのみ要望させていただきます。御答弁の中に、一定以上の農業者の意向を把握できたとありますが、経営者だけではなく、これからの担い手を含め、地域全体で考慮しなければならない計画としては、まだまだ不足しているように思います。今後も、何らかの集会や講習会等の機会を利用し、なるべく多くの方の意見を聴取し、地域農業を考える機会を与え、策定に反映できるように御尽力いただくことを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。