みんなの議会

江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日

江別市の農業について

2023年9月13日、江別市議会の一般質問で、藤城正興議員が「江別市の農業について」質問し、市長 後藤好人が答弁しました。

質問者
藤城正興 議員
答弁者
市長 後藤好人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 藤城正興

議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。4月に行われました市議会議員選挙において初当選し、議員としての負託を頂きました、政和会、藤城正興でございます。この愛する江別をもっとよいまちにするため、初心を忘れることなく、農業者代表として市民目線で努力してまいりたいと思いますので、市民の皆様、市長をはじめ市職員の皆様、議員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、質問に移りたいと思います。件名1、江別市の農業についてです。世界では、2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻から1年半がたち、いまだに停戦の糸口さえ見えないという深刻な情勢の中、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延もようやく収束に向かいつつありますが、まだまだ感染は予断を許さない状況にあります。そのような中、農業もこの不安定な情勢を受け、肥料や資材、燃料、飼料を輸入に依存している現状が、昨今の未曾有の価格高騰から強く再認識されることとなっております。農畜産物においては、価格転嫁されにくく、農業者は、高騰した価格分を収益から削られるしかない状況にあります。気象状況においては、異常が起こり過ぎて、それが通常になってしまうほどの変動が起こり、北海道の天候とは思えない温度や雨量、従来にない降雪量になっているのが近年の傾向であります。今年は、北海道でも例がないほどの高温、干ばつにより、8月のお盆明けから9月前半までの野菜が高温障害を受け、成長を阻害され、収穫直前にて全く収穫に至らず、廃棄せざるを得ない状況が続いております。キャベツやレタス、ブロッコリーなど、ひどいものは例年の半分に満たない収穫量になっております。米の収穫量は、平年よりはよい傾向にありますが、高温障害により品質に影響を受けております。酪農畜産でも、異常高温により、乳牛は、政策により減産を余儀なくされているにもかかわらず、さらに乳量が落ち、収入に大きく影響しております。肉牛も、食欲不振により成長に影響を与え、鶏に関しては、最も高温に弱い経済動物であるため、死んでしまう事態となっております。農産物は、安定供給するために生産する期間が長くあるため、生育のどの段階で成長阻害の影響を受けるかで、形がよくないことや品質低下により、店舗の棚に全く並ばなくなる可能性があります。つまり、現在の条件だけではなく、生育に関わる全ての期間の天候が後になって影響してくることも、消費者の方に理解していただくことが不可欠であります。このような農業の状況に対し、食料安全保障の強化に向け、25年ぶりに食料・農業・農村基本法も改正される運びとなり、現状に合った方針が示されることとなりました。しかし、常に変化し続けることを即時に政策に反映することが大変なのは、想像に難くありません。水田活用の直接支払交付金、畑地化、酪農問題等、政策方針に従い生産物にも変化を求められ、気象条件も踏まえながらの生産は過酷を極めておりますが、次世代に農業をつなげるため、江別市において、農業が時代の波に後れを取ることなく発展し続けるために、新たに就任された後藤市長におかれましては、農業にも職員時代から御精通されておりますので、大変御期待申し上げるところでございます。そこで、1項目めとして、基幹産業に対する市長の認識と方針についてお聞かせください。2項目め、土地改良の考え方についてです。石狩平野における土地改良の歴史は、昭和30年代に遡り、泥炭地という水田には向かない土地を、国の政策により、主食である米生産を増やすことを目的として、栽培に適した土を別の場所から搬入し、排水対策をし、水を引く設備を造り、土地改良を重ねてきました。幾度となく水害や冷害など天候の影響を受け、そのたびに試行錯誤し、効率と需給に合わせた生産を続けてまいりました。江別も例外なく、土地改良事業が必要な泥炭土壌が多く、一刻も早く改善しなくては生産が困難を極めるため、土地改良区を中心として、国営や道営の事業、そして、農家の自己負担にて土地改良を進めて、何とか生産してきました。しかし、土地改良には多くの機械や資材などの財源が必要であるにもかかわらず、例を挙げますと、近年は、特に計画年と実行年までに10年ほど、工事完了までにまた10年と、それぞれの10年が経過していく間に、諸費用が高騰し、当初計画予定費用の数倍の施行費用がかかり、とても自分自身が農業を行う時代には、自己負担分が返済できない金額となってまいりました。担い手に多額の返済を残したまま施行することはできないと、改良が必要であるにもかかわらず、やむを得ず断念するケースも多く見られます。江別市において、土地改良の道営事業を受託するに当たり、複数の市町村の土地が絡む改良区が存在するため、用水路施行費用の均衡化を図ることが求められています。複数の近隣の市町村においては、過疎地域指定や特別豪雪指定を受け、土地改良費用の負担軽減に活用されています。一方、江別市では、地域指定を受けられないため、農家の自己負担率が近隣地域よりも平均して5%ほど高く、道営事業の実行に移れないケースがあります。農業は江別市の基幹産業であると位置づけている中で、市の財政を考えると、この5%を負担することが大変なことは十分承知しておりますが、ぜひ、この自己負担割合を、少しでも市として軽減する方策を検討いただけないでしょうか。土地の整備や排水、用水の整備は、防災・減災にもつながり、地域の安全を担保するためにも必要であります。選ばれる農地、選ばれる農業を実現させるため、今後の土地改良についての考え方をお聞かせ願います。3項目め、ゼロカーボンに向けた取組と今後の見通しについてです。世界的にカーボンニュートラルの取組、つまり温室効果ガスの削減が求められ、日本でも2050年までの目標として掲げられている中、当市でも、6月の第2回定例会において、市長がゼロカーボンシティの宣言をし、積極的に取組を進める意向を表明されておりました。北海道内でも数多くの市町村が宣言をしておりますが、取組に関しては、まだ手探りの状態の自治体が多いと耳にしています。そんな中ではありますが、農業分野では、環境に配慮した取組を評価し、その付加価値を農業者に還元する仕組みができ、認証が始められております。J―クレジットと呼ばれる温室効果ガスの排出権を農業者が創出し、それを企業が、削減目標を達成するために実際の排出量削減に加えてクレジットを購入し、相殺することで、排出量がプラス・マイナス・ゼロ、すなわちゼロカーボンになります。クレジットを創出した側である農業者は、それを利用し、新たな設備の導入や企業間の脱炭素に関わるネットワークの構築など、より一層の省エネルギー投資に活用が可能です。農業において分かりやすい例を挙げますと、畑や水田から排出されるメタンガスや牛のげっぷから出るメタンガスが、ニュース等でたくさん取り沙汰されるようになりました。特に、水田に対しては、国内のメタンガス排出量の4割を占めていると言われております。メタンガスは、水田に水を張った後に、気温が上がって土の中の有機物が腐敗分解することにおいてできるものです。農業用語で、わきと呼ばれるその現象は、稲作においても成長を阻害する現象です。従来であれば、この現象を少なくするために、中干しという、ある一定期間田んぼの水を抜き、田面を乾燥させることでメタンガスの発生を抑える作業を行うのですが、この中干し期間を例年より意図的に7日延長することで、メタンガスの3割抑制が可能になることが全国的に実証されております。この削減されたメタンガス排気量がJ―クレジットとなります。中干し延長は出穂前とし、品種や栽培地域により時期は異なり、米の収量性促進とは相反することもありますが、数%の微々たるものであり、おおむね栽培に影響がない範囲であることが示されております。何よりも、この制度自体の知名度がまだ低いために、普及率は高くありませんが、今後は、水田だけではなく、畑作や畜産など、農業の別な分野でも、このJ―クレジットに取り組まれることが予想されます。企業や地方自治体がこのJ―クレジットを購入し、単独では達成できない削減目標をこの仕組みによって循環させることで、農業者の経費軽減の一端を担い、企業はその資金を用いて、脱炭素の取組を継続させ、拡大させることができます。江別市において、行く行くは市が購入者として、自然由来のクレジットや市内で行われるお祭りやイベント時に排出される温室効果ガスの使用分のクレジットを購入し、相殺することで、江別循環型の取組となり、ゼロカーボンシティの理想の形になるように思います。市としても、企業や関係機関と情報共有し、いち早く取り組む必要性があると考えます。このような具体的な施策が必要に思いますが、市としてはどのように認識しているか、お聞かせ願います。4項目め、スマート農業に対する考え方についてです。今までお伝えしてきたとおり、農業を取り巻く環境は目まぐるしく変化をしている中で、未来永劫、食料の安定した生産と供給をし、持続可能かつ再生可能な農地を維持していく必要に迫られております。そのため、近年では、圃場整備と農業のICT化は両輪であり、不可欠であると考え、継続して行う必要性があると考えます。農林水産省農産局や北海道農政部の研究結果を見てみると、最先端技術の導入により、農業ドローンでの散布作業時間が無人ヘリと比べても約50%減となるケースや、搾乳ロボットの導入により、従来普及していたミルキングパーラーから比べて労働時間が約20%減となり、乳量も10%前後増加するケースもあります。江別市では、個々の農家単位では最先端技術が導入されているところもございますが、これらのシステムや機械を導入するには多額のコスト負担が生じるため、生産者の負担もスマートにしていただく市としての方策も必要と考えます。労働者不足や担い手不足は業種を問わず起こっておりますので、取組を早めることが急務であります。恵庭市など近隣の市町村でも、人工衛星を使った圃場管理や水田の温度や生育管理等、農業へのICT導入の取組が始まっておりますが、特筆すべきは、岩見沢市が、産学官連携の下、スマート農業を全国に先駆けて着手し、導入しております。農業ICT化先進地のため、最先端のシステムが導入されており、平成25年から省力化や作業の効率化を進め、現在では、自動化によりトラクターの作業時間を有人の場合より約50%も軽減できたり、40キロ先から機械操作できることが示されております。このシステムは、農業だけではなく、冬の除雪作業にも取り入れられており、スムーズな除排雪作業にも応用されております。江別市が学園都市だからこそ、産学官連携できる大学が複数あると思いますので、それを生かさない手はないと考えます。地域や業界を越えて意見交換をし、連携を深め、取組を進めるためにも、スマート農業に関して、江別市としての現在までの検証と展望をお聞かせください。これで、1回目の質問を終わります。

答弁 市長 後藤好人

藤城議員の一般質問にお答え申し上げます。江別市の農業に関しまして、まず、基幹産業に対する私の認識と方針についてでありますが、市では、国の食料・農業・農村基本計画及び北海道の第5期北海道農業・農村振興推進計画を踏まえ、第4次江別市農業振興計画を策定し、基本方針であります都市型農業の推進に向けて、農業経営の安定化、農畜産物の高付加価値化、次世代へ引き継ぐ農村環境づくり、地産地消の推進の4本を柱に各種農業施策を進めてきたところであります。当市の農業は、市の面積の約40%を占める優良な農地を生かし、稲作や酪農のほか、畑作、肉用牛、露地野菜や施設園芸など、様々な経営形態が展開されております。中でも、江別産小麦ハルユタカの農商工連携が全国的に評価されているほか、ブロッコリーやレタスについては北海道内でも主要な産地となっており、農業は重要な基幹産業であると認識しております。新型コロナウイルス感染症の蔓延やロシアによるウクライナ侵攻、円安などの影響に伴うエネルギーや物価高騰が続く中、全国的にも食料需給の重要性が改めて見直されているところであり、市民の食を守る上でも、その食料を生産する農業は非常に大切なものであると考えています。今後におきましても、道央農業協同組合などの関係機関と連携しながら、スマート農業や地産地消の推進など、各種農業施策について進めてまいりたいと考えております。次に、土地改良に対する考え方についてでありますが、土地改良事業は、農業生産基盤の整備を目的に、排水対策をはじめ、農地整備、用水施設整備等を行う農業農村整備事業であり、国が実施する国営事業、北海道が実施する道営事業、市町村及び土地改良区等が実施する団体営事業に区分され、各事業ともに、土地改良法令により国の費用負担割合が定められております。都市近郊の平坦地に比べ、自然条件、社会条件が不利となる過疎、山村、離島等の一定要件に該当する地域においては、道営事業における国の費用負担率が5%加算され、その分の地元負担率が低減される事業制度となっておりますが、当市は、この要件に該当せず、適用されておりません。市と致しましては、質の高い農産物を栽培する上で、土地改良事業は重要な役割を果たしているものと認識しており、国、北海道、土地改良区等と連携の上、市内各所で国営事業、道営事業による揚水機場、排水機場の施設整備など、農業生産基盤整備に資する事業を実施してまいりました。現在も、国営篠津運河中流地区をはじめ、市内各所で土地改良事業が実施されているほか、今後におきましても、国営篠津運河下流地区等が計画されており、事業の推進に尽力するとともに、排水対策に係る事業費を市が負担することで、農業者の受益者負担を軽減しているところであります。いずれに致しましても、持続可能な農業生産基盤を確保するためには、計画的な土地改良事業を実施することが重要であると考えておりますことから、引き続き、国、北海道、土地改良区等と連携の上、各種事業を推進してまいりたいと考えております。次に、ゼロカーボンに向けた取組と今後の見通しについてでありますが、国は、2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言しております。これを受けて、市では、本年6月にゼロカーボンシティを宣言し、脱炭素社会の実現に向けた取組を実質的に進めるに当たり、次期の環境管理計画及び地球温暖化対策実施計画の策定作業を進めているところであります。J―クレジット制度は、削減・吸収した温室効果ガスをクレジットとして国が認証し、購入・売却できるようにした制度であり、国は、地球温暖化対策計画の中で分野横断的な施策と位置づけ、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指す上でも必要な制度としております。御質問にありました水稲栽培における中干し期間の延長につきましては、本年3月にJ―クレジットの新たな取組として登録されたところでありまして、実際の削減量の算定なども含め、国の正式な認証に向けて取組が進められていると聞いております。市と致しましては、J―クレジットの活用は、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を目指す上で効果的な取組の一つであると考えておりますことから、引き続き、制度の動向を注視しながら調査研究を進めてまいります。次に、スマート農業に対する考え方についてでありますが、人口減少・少子高齢化に伴う農業分野の担い手不足、高齢化は、重要な課題であると考えており、人手に頼る作業や熟練を要することが多い農作業の省力化、効率化を図る手法として、スマート農業を推進することが重要な取組であると認識しております。市内においては、既に農業者の個々の取組としてスマート農業技術の導入が始まっておりますが、スマート農業は、ロボット技術を活用したトラクターの自動操舵、ドローンによる農薬散布、センサー技術を活用した施設園芸における環境整備等、多岐にわたる分野で展開されていることから、市では、農業者との意見交換を重ね、スマート農業に係る課題や市内ニーズに関する調査を進めているところであります。また、新たな取組として、北海道情報大学の協力の下、ドローンを用いたリモートセンシングによって小麦の収穫適期を予測するスマート農業技術の検証を進め、生産者を支援する仕組みの構築を目指しているところであります。さらには、スマート農業に係る農林水産省主催の官民連携の研究会に参加し、全国先進事例を調査するとともに、同研究会に所属する民間事業者のサポートを得ながら、当市における最適なスマート農業の推進手法について研究を進めているところであります。市と致しましては、スマート農業をはじめとするデジタル技術の活用により、人口減少・少子高齢化社会における持続可能な農業生産体制の構築が重要と考えておりますことから、引き続き有効な方策を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

再質問 藤城正興

御答弁ありがとうございました。再質問は行いませんが、本日質問させていただいた項目につきまして要望させていただきます。1項目めの基幹産業に対する市長の認識と方針について、おおむね理解は致しました。後藤市長自らが旗振り役となり、江別産農畜産物の消費者へのPR活動や北海道や国への積極的な政策要請活動を、関係機関や農業者との連携を密にして行っていただきたく、お願いいたします。2項目めの土地改良に対する考え方について、市の財政には限りがあることは承知しておりますが、環境の変化に即座に対応できる農地やスマート農業を取り組みやすくするためにも、引き続き、排水対策の継続と用水路等に関わる負担軽減をよろしくお願いいたします。3項目めのゼロカーボンに向けた取組と今後の見通しについては、J―クレジット活用はまだ始まったばかりの事業でありますので、国をはじめとするどこの自治体でも手探りの中、いち早く導入することは、江別市にとっての強み、一つの武器になり得ます。大昔からある堅牢な制度と違い、検証すること、実証することのハードルがまだそこまで高くないうちに、取組を進めることはチャンスであると考えています。今後、柔軟に対応できるよう、高いアンテナを張って情報を収集していただきますよう、よろしくお願いいたします。4項目めのスマート農業に対する考え方についてですが、検討から実証までにスピード感を持って取り組んでいただきますように、ぜひともお願い申し上げます。今年の江別市の農業は厳しい状況でありますが、生産者と一緒に頑張って農業を守ってまいりますので、今後も、市として、お力添えをどうぞよろしくお願い申し上げまして、以上で一般質問を終わらせていただきます。

出典:江別市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる