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江別市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月9日

夫婦の別居・離婚後における児童の権利について

2021年9月9日、江別市議会の一般質問で、芳賀理己議員が「夫婦の別居・離婚後における児童の権利について」質問し、市長 三好昇、健康福祉部長 白崎敬浩が答弁しました。

質問者
芳賀理己 議員
答弁者
市長 三好昇、健康福祉部長 白崎敬浩

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

件名は会議録の目次の表記です。

質問 芳賀理己

ただいま議長の許可を頂きましたので、通告に従いまして質問させていただきます。本日は緊急事態宣言下での一般質問ということもありますので、できるだけ簡潔に述べさせていただきます。私からの質問は、夫婦の別居・離婚後における児童の権利についてです。厚生労働省の人口動態調査による昭和25年以降の離婚件数の年次推移をみると、昭和42年までは約6万9,000組から約8万4,000組までで推移していましたが、昭和59年から昭和63年に減少し、平成14年の約29万組まで増加傾向となっています。平成15年以降は減少に転じ、平成20年は約25万1,000組となっています。そのうち未成年の子供がいる離婚は約14万4,000組で全体の約6割となっております。児童福祉法等では出生時から18歳未満を児童と表しているため、以下、児童と致します。日本においては、離婚後の父母のどちらかが親権者となる単独親権制度を採用しており、近年は母性優先、子供の養育環境の継続性という理由から、離婚後の親権は9割近くが母親という状況にあります。子供の福祉の観点から、虐待や暴力などの理由がある場合でない限り、子供の養育は夫婦が離婚し別居したとしても、双方が関わって行うべきものと考えます。平成28年度の全国ひとり親世帯等調査では、回答のあった独り親世帯で、継続して離婚相手と子供の面会交流を行っている世帯は全体の3割でした。面会交流の取決めをしている母子家庭24.1%、父子家庭27.3%。うち取決めの文書ありは、母子家庭96.8%、父子家庭72.6%と平成23年度の統計より大きく伸びている傾向にあります。また、面会交流の取決めをしていない理由として、母子家庭では、相手と関わり合いたくないが25%、取決めをしなくても交流できるが18.9%、相手が面会交流を希望しないが13.6%、子供が会いたがらないが7.3%となっており、父子家庭では、取決めをしなくても交流できているが29.1%、相手と関わり合いたくないが18.4%、子供が会いたがらないが10.2%、相手が面会交流を希望しないが7.3%となっております。実際に、母子家庭の子供が父親に会えている割合は49%、父子家庭の子供が母親と会えている割合は61.6%であります。親の都合で関わり合いたくない、一方が希望していなくてももう一方は希望している場合もあるため、約半数は面会希望であっても会えていない可能性があります。また、同統計では、養育費の支払い状況についての調査が行われています。養育費の取決めをしている家庭は、母子家庭で約43%、父子家庭で約21%でした。また、養育費の支払率で養育費の取決めをしない最大の原因は、相手と関わりたくないが約31%となっております。子供の面会交流をサポートする他市事例として、兵庫県明石市では、別居・離婚を経験した親子のために、面会交流をサポートしますという事業が行われています。多くの児童は、父親にも母親にも愛されたいと願っています。面会交流は、その願いに応えるチャンスですとうたい、専門のスタッフがお手伝いをしています。また、静岡県藤枝市では、保育園や小・中学校での面会交流を支援しているという事例がありました。日本の民法では、父母の婚姻中親権は父母が共同して行う(民法第818条第3項)と定めており、婚姻中の共同親権を規定しています。しかし、離婚する場合は、協議上の離婚の際に、その一方を親権者と定めなければならない(民法第819条第1項)と定められており、単独親権が規定されていますが、児童を連れて家を出てしまう子の連れ去り問題など、親権をめぐるトラブルが頻発しています。特に問題視されている事案として、隠れた誘拐大国日本と言われ、近年夫婦が別離した際など、片方の親が子供を連れ去り、もう片親が会えないという問題がメディアなどでも取り上げられるようになっています。実際、配偶者と別れることを考えている相談者から、子供の親権を確実に取るにはどうしたらよいかと聞かれたら、日本では子供を連れて家を出るのが一番だとアドバイスせざるを得ないとある弁護士は明かしているほどです。日本の伝統的家族観は母親が子供の面倒を見て、父親が働いてお金を持ってくるというものです。そのため、日本には両親の別離後も両親が子供を共同で監護するという発想がなく、日本の警察や司法は片方の親による子供の連れ去りを事実上容認している状態にあります。片方の親が子供を連れ去った場合、裁判所や警察は介入しません。しかし、連れ去られた側が子供を取り戻した場合、介入が起こります。このシステムでは、子供を最初に連れ去った親が有利となり、連れ去った期間が長ければ長いほど、連れ去られた側の立場は弱くなります。こうした連れ去りでは、多くの場合、別居を通じ、子供を連れ去られた親は子供へのアクセスを失ってしまいます。連れ去った親は事実上、残された親への訪問をどの程度許可するか、あるいは訪問を認めないかなども決めることができます。連れ去った親が面会を拒否した場合、残された親が面会権を得られたとしても、1か月に二、三時間、場合によっては連れ去った親の監視下でしか面会できないなど、とんでもなく厳しい条件下での面会となる場合があります。親権や面会をめぐって係争中の場合は、面会はさらに制限的にしか認められないことが多いようです。このような現状を踏まえますと、果たして児童の権利が守られているかどうか疑問が生じます。児童は養護が必要とされていることから弱者です。もし、我慢を強いられたり、事実と異なった情報を与えられたりしているために、離れて暮らす親に会えないとしたらどうでしょう。恐らくこのようなケースは少なくなく、暴力・虐待がない限り、児童が親に会いたいときに会う、また逆の権利も認めていく必要があるのではないでしょうか。児童の同意なく連れ去ることは心理的な虐待につながることも分かっていただきたいことの一つであります。ただ、今の共同親権の論争については、本質的な児童の視点からずれてしまっていることも否めません。心からお子さんを愛して育ててきたのに、突然子供を奪われた親御さんの心情を思うと、心からいたたまれない気持ちになります。また、児童にとっては思いもよらずある日突然、生活環境が変わってしまい、選択の権利がないということも往々にして存在します。親権制度に係る法整備が国において進められることを期待するものですが、各自治体においても、夫婦が離婚したときに最も影響を受ける児童が、双方の親から愛情と養育を受けるために、両親との交流が促進され、充分な養育費を受けることができる共同養育の考え方も重要となってくるのではないでしょうか。近年では、国際カップルの離婚後の子の連れ去り問題が取り沙汰されており、日本でも共同親権の導入が検討されています。離婚後共同親権の制度取り入れが議論されている背景には、以下のような意見があるためです。離婚後に元妻が子供に会わせてくれない、親権がないため、子供の教育に口を出せない、離婚後に子供と関わることを制限された、このような問題をなくすために、共同親権の取り入れが検討されています。最近では2020年7月に欧州連合の欧州議会本会議にて、日本の親が日本国内で子供を連れ去る事例についてハーグ条約を履行する措置を講ずるように日本政府に要請したのがきっかけです。これを受けて、法務大臣が共同親権の導入について検討していることを明かしました。離婚後の共同親権を導入するメリットとして、離婚後も育児を平等に分担できる、シングルマザーの貧困化の問題解消にもつながりやすい、親権争いの激化を防げる、両親のもめごとが減ることは子供にとってもメリットがある、子供の自己肯定感が高まり親和不全が低下する、親子の関わりを失わずに済む、一緒に住まずとも面会の権利の実効性は高まる、子供も親との関わりを続けられる、養育費の支払いが今より実行力を持つ、父親の親権獲得が難しいという問題を解消できる、ジェンダー的役割解消のきっかけになる可能性もある。一方、離婚後の共同親権を導入するデメリットとしては、子供はどこに自分の居場所があるのか把握できなくなってしまう、両親双方の住居を行き来することで子供の生活に負担がかかる可能性がある、教育方針で裁判沙汰になってしまうことがある、ということも実際に起こっている事例として挙げられています。しかし、視点を児童に向けて考えることは、最も重要であることに間違いありません。夫婦の別居・離婚には様々な事情があると思いますが、忘れてはならないこととして、児童の視点に立ち、児童が健やかに育まれることです。令和3年3月、法務省の未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書では、父母の離婚を経験した20歳から39歳、1,000人を対象にアンケート調査が行われております。この結果の中で、自身の経験を踏まえて今後父母の離婚または別居を経験する子供たちについて、どのような支援や配慮をしていくことが望ましいと思いますかの問いに比較的多数が回答したのは、離婚または別居の前後に子供の精神面・健康面に問題が生じていないかをチェックする制度44.3%、子供のための身近な相談窓口の設置42.9%、子供の権利を尊重する法律の整備37.4%、父母の離婚または別居時には子供の権利を尊重しなければならないことについての広報・啓蒙活動30.9%、子供の気持ちを父母や裁判所に伝える制度26.7%という報告がなされています。江別市でも、子どもの権利条約として4つの権利を唱えております。一つ、生きる権利、全ての子供の命が守られること。一つ、育つ権利、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりすること。一つ、守られる権利、暴力や搾取、有害な労働から守られること。一つ、参加する権利、自由に意見したり団体を作ったりできることとされ、子育て世代サポートえべつとして支援しておりますが、これらの権利を一層具現化していくことが望まれます。以上のことを踏まえて、1項目め、親子の面会交流については、一方の親に会えない児童の面会交流の支援に対する市のお考えをお聞かせください。2項目め、単独親権制度と養育については、現在の日本では単独親権制度となっていますが、そのデメリットを踏まえ、対象児童が健全に養育されるような支援方法について、江別市としてのお考えをお聞かせください。3項目め、連れ去りの実態把握については、現在江別市で、このような連れ去り案件での児童に関する相談事例の有無と相談内容及び対処方法について、事例があればお聞かせください。4項目め、児童の権利を守るための支援については、弱者である児童を擁護する義務がある中で、市としてどのように支援していく体制であるのかお聞かせください。以上で、1回目の質問とさせていただきます。

答弁 市長 三好昇(市長は2023年3月まで)

芳賀議員の一般質問にお答え申し上げます。夫婦の別居・離婚後における児童の権利に関しまして、まず親子の面会交流についてでございますが、国におきましては面会交流について、別居や離婚によって子供と離れて暮らしている父母の一方が、子供と定期的・継続的に会って話をしたり、電話や手紙などの方法で交流することと定義をされております。また、一般的には親が別居や離婚をしても、両親から愛されていると感じることにより、子供の安心感や自尊心が育まれることから、国は面会交流について子供にとって大切なものであるとの考えを示しており、市と致しても同様と考えております。こうした考え方の下、別居や離婚をされる方から子供への影響や養育について、母子・父子福祉相談などで面会交流についての相談を受けた際には、相談者の心情に寄り添いながら、適切な助言や法律相談につなげるなどの支援、各種情報提供を行っているところでございます。今後におきましても、市と致しましては、子供の利益が守られるよう面会交流の支援について、各自治体の事例を研究してまいりたいと考えております。次に、単独親権制度と養育についてでございますが、一般論としまして単独親権制度は同居親が子供を別居親に会わせようとしないことがあること、養育費を支払う意欲が希薄になりがちであることなどが挙げられておりまして、特に母子家庭においては、経済的に困窮する場合が多いと言われております。国は子供の利益を擁護する観点から、平成24年に民法を改正しまして、父母が協議離婚するときには、面会交流や養育費について協議で定めることとしまして、その取決めに当たりましては、子供の利益を最も優先して考慮しなければならないとしたところでございます。市では、児童が健全に養育されるよう離婚届の様式を配布する際には、離婚届に伴う関連手続の案内のほか、養育費と面会交流の取決め方をお知らせする法務省発行の冊子も一緒に配布するなどの工夫をしているところでございます。さらに市では、独り親世帯向けの事業としまして、児童扶養手当の支給や医療費の助成、経済的に自立するための資格取得を支援する事業などを行っているほか、独り親家庭の児童の修学資金などにつきまして、北海道の母子・父子・寡婦福祉資金貸付の申請を受け付けております。いずれに致しましても、市と致しましては、国が研究を進めております共同親権制度に関する動向を注視しつつ、独り親世帯の児童が健全に養育されるよう、各種事業を通じまして直接的・間接的に支援をしてまいりたいと考えております。次に、児童の権利を守るための支援についてでございますが、平成元年の国連総会におきまして採択されました子どもの権利条約を日本は平成6年に批准しておりまして、その中には議員お示しの4つの権利が定められております。市では、これまでも条約の理念を施策に反映し、公園造りや中学生サミット、スマートフォンの利用に関するルールづくりなどに、子供たちの意見を取り入れてきたところでございます。また、児童福祉法に基づき、児童を虐待から守るため、児童相談所や学校、保育所、警察、医療機関など様々な関係機関とネットワークを構築しまして、日頃から連携する体制を整えております。令和2年3月に策定しましたえべつ・安心子育てプラン第2期江別市子ども・子育て支援事業計画におきましても、基本施策の一つに子どもの育ちの保障を掲げ、子どもの権利条約の普及や子供の意見が社会に反映される環境づくりを促進することとしたところでございます。いずれにしましても、市と致しましては、児童に係るあらゆる事業を推進していくことが、児童の権利の具現化につながるものと考えておりまして、今後とも条約の理念を施策に反映させるよう、より一層進めてまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。

答弁 健康福祉部長 白崎敬浩(健康福祉部長は2023年6月まで)

私から、夫婦の別居・離婚後における児童の権利についてのうち、連れ去りの実態把握について御答弁申し上げます。一般的に連れ去りとは、配偶者のどちらかが相手の合意なく、子供を連れて勝手に別居してしまうことを指します。当市におきまして、連れ去りの当事者となった児童に関する相談事例はございませんが、そのような相談があった際には、児童の利益を最優先とする考えの下、子供家庭支援員やスクールソーシャルワーカーが児童や保護者と面談し、個々の事例に応じて関係機関との連携を図るほか、よりよい解決策について助言できる体制を整えております。以上でございます。

出典:江別市議会 令和3年第3回定例会 2021年9月9日 議事録 PDF(1ページ) 間違いを知らせる