赤平市議会 平成29年第3回定例会 2017年9月13日
炭鉱遺産活用について
2017年9月13日、赤平市議会の一般質問で、若山武信議員が「炭鉱遺産活用について」質問し、企画課長 畠山渉、市長 菊島好孝が答弁しました。
- 質問者
- 若山武信 議員
- 答弁者
- 企画課長 畠山渉、市長 菊島好孝
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の議事日程の表記です。
質問 5番 若山武信
通告に基づき一般質問を行いますので、答弁のほどよろしくお願いいたします。大綱1、炭鉱遺産活用について、①、炭鉱遺産活用政策の遂行について、ア、政策会議の経過についてであります。現在炭鉱遺産活用の政策は、ガイダンスの建設が来年3月に完成予定として推移しておりますが、まだ私なりに合点のいかないところがありますので、再度質問してみたいと思います。平成28年の新年交礼会で、市長の挨拶の中に赤平炭鉱立坑やぐら取得の話があり、そこに端を発し、現在炭鉱遺産活用政策が遂行されておりますが、当時市長部局と住石マテリアルズ社との間で内々で譲渡交渉が行われ、結果解体費用は当市負担が予想される譲渡に至ったわけでありますけれども、課長クラス全員参加による庁議での立坑やぐらの譲渡に関する政策会議がなかったようであり、また市議会には正式提案として諮られず、うやむやのうちに譲渡となったところであります。結果として、無償譲渡と言いながら解体費用推定約2億円から2億5,000万円が当市負担と予想されるわけでありますけれども、内々での交渉だっただけに足元を見られ、解体費用は押しつけられたかにも思えるところでございます。また、課長の全体会議とも言える庁議がなかったことは、私が後から調べた結果わかったことではありますが、なぜ一部の市長部局だけの取得作業となったのか、経過について改めて伺いたいと思います。
答弁 企画課長 畠山渉(企画課長は2018年12月まで)
炭鉱遺産活用政策の遂行について、政策会議の経過についてお答えいたします。赤平市しごと・ひと・まち創生総合戦略の中で炭鉱遺産公園整備が重点施策として位置づけられ、行政内部の連携も重要となることから、施策ごとの主管及び副主管担当課を決定いたしまして、関係する全ての課長へ経過等を十分協議、確認し、総合戦略として取り組んできたところでございます。また、炭鉱遺産活用基本構想案の策定に当たりましては、市民説明会のご意見等を踏まえた関係3課と理事者によります打ち合わせも複数回にわたり適宜開催し、基本構想が完成したところでございます。
質問 5番 若山武信
ただいまの説明の中で、施策ごとに会議は開催したということでございますけれども、肝心の全体での政策会議とはならなかったようでありますし、そのことから市長への不信感や不協和音が私には感じ取られたところでございます。地方自治法第96条第1項9号に、普通地方公共団体の議会は次に掲げる事件を議決しなければならないとしており、その9番目に負担付きの寄附又は贈与を受けることとあります。わかりやすく言いますと、住石マテリアルズ社に解体費用ができたので、立坑を解体しようとした。その住石マテリアルズから譲渡されたということは、その会社の解体費用を赤平市が肩がわりしたということになるわけでありまして、これは市民に大変な負担義務がかかるわけでございます。議会の承認が得られなかった場合は、この譲渡は無効になるのかどうかということであります。また、自治体が民間会社と譲渡契約を結ぶ場合、契約締結に当たっては議会の議決が必要になる場合がありますが、立坑譲渡の場合はこれに該当しないのかどうかをあわせて伺います。
答弁 企画課長 畠山渉(企画課長は2018年12月まで)
住石マテリアルズと赤平市によります立坑やぐらの譲渡契約については、無償譲渡の契約となってございます。議会の議決が必要となる契約や財産の取得または処分につきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例に規定されておりまして、予定価格2,000万円以上の規定とされておりますことから議会の議決を要しないと認識してございます。
質問 5番 若山武信
ただいまの答弁で、議会決議を必要とする場合は取得価格を2,000万円以上という規定条例のみを今強調されておりますけれども、それは本当に木で鼻をくくったような納得のいかない答弁であります。無償譲渡のその先には、重要文化財を目指して実現した場合は推定約10億円前後かかると。実際には8億8,000万円がここで計画されているわけでございますけれども、それ以上の出費を伴う事業が待ち受けているということでございまして、そのことが実現なき場合は10年、20年先の市民が推定2億円という解体費用を負担することになるわけであります。立坑やぐらを当市名義とすることにより、超高齢化と人口急減が避けられない当市において管理費用と将来の膨大な除却費用を負担しなければならなくなることは確かであります。無償で譲り受けるからとして、譲渡後に発生する費用負担をあえて伏せ、第三者機関による費用鑑定の公表もなく、市議会に正式提案せずに取得契約を結んだということは市民の目から見て不自然な動きに映り、いろいろな憶測、疑惑を持たれても反論できないのではと思われます。立坑やぐらという大型物件の無償譲渡については、将来的な維持管理に莫大な費用を伴うことはわかり切っていることでございまして、ましてや壮大な夢を持って取りかかる構想を持っているのであれば、条例を度外視しても市議会に正式提案するべきであったのではと思われるところでございます。このことは、市民を代表する市議会への信義則であり、議会軽視ではないでしょうか。私は、この信義則を守ってほしいということを訴えているところでございます。市民に最初から情報が開示されていれば、高額な公費負担や維持費の伴う事業には当然反対されていたことと思われます。このことは、市民説明会に如実にあらわれております。行政として庁議に諮れない何か特別な理由があったのでしょうか。譲渡調印の前に議会で議論されると都合の悪い理由があったのでしょうか。また、市民に十分情報が開示されないままに議論が進められたことについては、議会もチェック不足、議論不足として反省しなければならなかったことと私自身も反省しながら思っているところでございます。しかし、健全な市政執行において行政と議会は1軸両輪と言いますが、法律や議会対策を熟知しているはずの所管の課長がおりながら、このような経過をたどったという理由は何だったのかお尋ねいたします。
答弁 企画課長 畠山渉(企画課長は2018年12月まで)
赤平市しごと・ひと・まち創生総合戦略でございますが、市民の政策提言や中学生のアンケートを参考にいたしまして、有識者を含めた市民代表者の会議で協議いたしまして炭鉱遺産公園整備が重点施策として位置づけられ、炭鉱遺産の世界遺産登録等の研究が中長期施策として位置づけられました。その公園整備の中で、立坑はメインとなる施設でございます。総合戦略の中でも市民の皆さんにお諮りしております概要版につきましても全戸配布をいたしまして周知をさせていただいており、一定のご理解はいただいていると考えているところでございます。
質問 5番 若山武信
ただいまの答弁は、その言い分はそのように私も受けとめておりますけれども、しかし非常に上手な言い回しをしておりますけれども、行政上の手続、手順を省略し、とどのつまりは事案を拙速に取り組み、急ぎ過ぎたのではないかということではないでしょうか。私はそう思っております。次に、市民説明会の経過を無視したような取り組みに庁議の過程でどのような議論がなされたのか伺います。市民説明会では、国が赤平市の政策を認めてくれたのだから何が何でもやらせてくださいという市長の説明ではありましたが、市民の強い反対に遭い、市長は5億円を削除したわけであります。しかし、文化財指定を目指すということから8億8,000万円は据え置かれ、市長の事業計画は貫き通すということになったわけであります。4会場における市長の説明内容に賛成の意見はなく、ガイダンスの建設さえも反対されている、なのになぜであります。市民の声も市長答弁も会場に居合わせた全ての課長さんたち、皆さんは聞いていたはずです。このときの庁議の内容は、どのような議論であったかは私も知るよしはありませんけれども、広報あかびら5月号に「地方創生炭鉱遺産の継承と活用」と題して市民説明会の特集が組まれました。反対意見とともに財政、財源を中心にほとんどが事業に対しての先行き不安や疑問の声が多いわけであります。これは、5月号の広報に載っているわけであります。市長は、市民の声を受け入れ、今後の炭鉱遺産に関する計画は白紙に戻し、立坑やぐらの見守り保存に徹する決断をするのではと私は思っておりました。がしかし、広報あかびらの質問において総事業費17億円をかけてまで行う事業かと、そのような市民の質問にというくだりの答弁でありますが、まずはガイダンス施設の建設、その後は市民の意見をしっかり伺いますとしております。市民の声を聞く説明会の機会をどのような形でこれから広げていくのでしょうか。このときは4カ所でありました。さらにふやして、いろいろと説明していかなければならないかと思っております。市民から信頼される市役所となるためには、何事にも情報の開示と説明は欠かせないわけでございます。ここのところは、市長答弁をお願いいたします。
答弁 市長 菊島好孝(市長は2019年3月まで)
炭鉱遺産の活用基本構想につきましては、基本方針として10年後に目指すべき姿を具体化するため、5つの基本方針を記載しております。5年間の成果と反省を検証いたしまして、6年目以降に新たな整備方針を検討するということにしております。立坑とその周辺施設を含めた炭鉱遺産につきましては、最終的には重要文化財の指定を目指すものでございますが、この重要文化財指定につきましては最短でも5年はかかるというふうにされておりまして、基本方針にある5年間の成果と反省の検証の中でも議論をさせていただき、あわせて住民懇談会等においても情報等について可能な限り開示をさせていただきます。十分説明した上で市民のご意見をしっかり伺ってまいりたいというふうに考えてございます。
質問 5番 若山武信
今の説明でわかりますけれども、重要文化財、これは5年ごとですよね。5年、10年先の検証ということで必要になってまいりますけれども、この結果責任は10年後、それ以上のことになりますと誰が責任をとるのでしょうかと、このようなことであります。このたびは、市民にとっていかに情報の開示、情報提供の大切さを感じさせる事象ではなかったでしょうか。大切な市民の税金を使うことに内々での交渉事は、絶対にあるべきことではありません。市民の声にしっかりと耳を傾けての行政判断を要請して、この項の質問を終わります。
質問 5番 若山武信
はい、わかりました。
質問 5番 若山武信
引き続き質問させていただきます。イ、炭鉱遺産の所管課についてであります。炭鉱遺産の当初の取り組みにおける所管課は企画財政課、機構改革後の人事異動後は企画課であったはずであります。なぜ途中から社会教育課なのか。私も仕事の内容によっては、関係する所管がその都度変わるのは一定程度理解しておりますけれども、このたびは仕事が人について回っている感じがしてならないわけでございます。今後の炭鉱遺産活用において、私個人では将来への展望は難しいと判断しておりますけれども、しかし遠大な事業計画でありますので、仕事の所管や内容が複数にわたるわけでありますが、失敗しても責任は誰もとらないという仕組みにならないよう、このことを気をつけるべきではないかと思っております。市民への最終責任は市長にあるわけでありますけれども、取り組み事業への総合的責任所管課を明確にしておくべきであると思いますので、この辺についてはいかがでしょうか。
答弁 企画課長 畠山渉(企画課長は2018年12月まで)
炭鉱遺産の所管課についてお答えいたします。炭鉱遺産活用基本構想の策定につきましては、企画課が中心となって取り組んできたところでございます。個別具体的な取り組みとなります立坑等周辺施設などの炭鉱遺産とガイダンス施設につきましては、基本構想の中にも当然記載されている箇所がございますけれども、立坑等につきましては重要文化財の指定を目指すことやガイダンス施設という性質上、炭鉱遺産活用基本構想に基づきまして社会教育課が所管となり、文化財化に向けての具体的な作業やガイダンス施設の開設準備を進めているところでございます。
質問 5番 若山武信
立坑やぐら取得問題が発生してから、当初より文化遺産への取り組み構想があったわけでありますから、本来社会教育課が責任所管課となるべきではとの思いがありましたけれども、筋道が違うような気がしております。そういう意味では、企画課が中心となって事業を推進していくということで決まったのであれば、それもやむなしということで理解いたします。②、遺産活用への判断と住民合意についてであります。立坑やぐらは、炭鉱のシンボルでもあると同時に、その歴史において殉職された人たちの墓標である、墓という意味、墓標であると言う人たちもおります。炭鉱で働いてきた人たちから見ますと、産業遺産としての扱いであれば理解できるわけでありますけれども、多額な投資をし、文化財として観光に利用するということでは全く意味が違ってまいります。当市には、4つの大手炭鉱がありました。その中で、豊里炭鉱の遺産が私の町内、宮下町の生活館にパノラマとして展示されております。閉山当時のヤマの仲間たちが大変な金額を集め、制作したとのことで今でも大事にしており、これが本当に魂のこもった炭鉱遺産であり、将来的には市が管理するべきものだとも思っております。住友の立坑は閉山当時、会社に処理能力がなく、現在に至り解体費用の工面ができたので、やっと処理することになっただけで、残すべくして残っていたわけではありません。群馬県富岡製糸工場跡のように、創立者の意思を重んじた会社が莫大な私費を投じ、保存したわけと全く違います。多くのヤマの仲間やもとの会社幹部、また職員の方々にも意見を聞いてみましたが、皆さんは私と同じ意見でありました。ただ、ヤマの思い出を大切にしている人たちも少数ではありますが、いることは事実でありまして、これは私も認めているところでございます。ガイダンス建設では、市議会は5対4の僅差で可決、4カ所の市民説明会では全てが説明内容に反対でした。現在提起されております炭鉱遺産活用の事業は、将来への夢はあっても根拠の定まらない事業であり、維持費などを含め財政負担が大き過ぎるわけでございます。夢を語る学者とそのリスクを心配する学者がいます。先月の私たちの議員研修会では、講師は観光事業というのは利益なくてはあり得ないと言っております。生産性の問題だと思っています。炭鉱遺産活用事業は、将来にリスクだけが残ることになるのではないでしょうか。大きな荒波にもまれ、やっと脱出できたばかりのこの赤平丸を新しい船長さんは多くの市民の声を振り切り、進路を誤ったと思いつつもかじをとり直せず、あえて荒波へ向かっている、そんな気がしてなりません。炭鉱遺産活用に対する市長の政治的判断と住民の考え方には大きな隔たりがあり、合意には達しないと思われます。来年ガイダンスができ、今の状況での見守り保存であれば皆さんはそれでよしとすることでしょう。市民生活の安全、安心の基本である企業対策、これは雇用対策にもなるわけです。そのほかに子育て支援、高齢者福祉、教育環境の整備などが優先され、充実した上での提案であれば住民の合意が得られるはずでございます。しかし、今回のような強引な遺産活用への政策判断には、議会は認めたかもしれないが、俺たちは認めない、住民投票が必要であるという声もそれなりに聞こえてまいりますが、このことについて政治生命をかけて取り組まれている菊島市長の考え方を伺いたいと思います。
答弁 市長 菊島好孝(市長は2019年3月まで)
遺産活用への判断と住民合意についてということでございます。遺産活用への判断と住民合意については、立坑やぐらにつきましては炭鉱のシンボルとして、ふるさとを認識する市民のランドマークという認識のほかに危険を伴う炭鉱労働により殉職された方々や家族の皆様にとりましては察するに違ったお気持ちにあると感じているところでございます。赤平市炭鉱遺産活用基本構想にかかわる市民説明会を開催いたしまして、厳しいご指摘、厳しいご意見を頂戴いたしました。当初の計画案の事業費総額は17億5,663万円で、この点が市民の皆様方の不安が大きかったものというふうに考えてございます。しかし、市民説明会の中では立坑、坑口浴場、ガイダンス施設も含めて、この部分は理解するけれども、周りのスポーツゾーン、遊びのゾーン、パークゴルフ場など総額5億100万円をかけて炭鉱遺産周辺に整備しなければならないものなのかということが総体的なご意見だったのではないかと考えたところでございます。そこで、いただいたご意見と炭鉱遺産活用検討協議会の考え方を踏まえまして、総額5億100万円の事業費を全額削除をいたしまして基本構想が完成したところでございます。議員のご指摘のとおり、炭鉱遺産活用に関する政策判断に対する違ったご意見があることも十分承知しておりますけれども、今後の経過を見守ってまいりたいというふうに考えてございます。
質問 5番 若山武信
今の答弁、一定程度の理解はできますけれども、しかし私は炭鉱で働いてきた人間であります。自分たちの仕事をしてきたスクラップに莫大な税金を投入し、将来の赤平市民の皆さんに迷惑をかけられないというのが基本でありまして、炭鉱遺産活用については炭鉱閉山時の組合執行委員を代表して私はここに立っているつもりでございます。元組合役員の皆さんは、立坑に金をかけるのは全員が反対であります。ですから、炭鉱遺産活用計画に関しては私の責務としてしっかりと見きわめていかなければならないと思っており、今後も引き続き議論を重ねてまいりますので、よろしくお願いいたします。