網走市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月12日
国保料について
2023年9月12日、網走市議会の一般質問で、村椿敏章議員が「国保料について」質問し、市民環境部長 田邊雄三が答弁しました。
- 質問者
- 村椿敏章 議員
- 答弁者
- 市民環境部長 田邊雄三
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 村椿敏章
日本共産党議員団の村椿敏章です。通告に従い質問いたします。まず一つ目ですが、国保料についてです。国保の現状について伺いたいと思います。日本の公的医療制度では、公務員、それから会社員とその扶養家族は協会けんぽ、組合健保、共済組合などの被用者健康保険、いわゆる健保に加入し医療を受けます。また、75歳以上の高齢者と65歳から74歳の障がい者は後期高齢者医療制度に加入させられます。国保は、これらの制度に入らない全ての国民のための医療制度です。現役世代に健保に入っていた人も、年金生活者になると多くは国保に加入します。国保は誰もが一度はお世話になる医療保険であり、国民皆保険を土台から支える制度と言えます。現時点では、被保険者は全国で2,600万人になります。国保の保険料は市町村ごとに決められ、世帯単位で徴収されます。この保険料が高すぎて払えないことが全国各地で問題になっています。そこでお聞きしますが、網走市が保険料を示す資料では、夫婦と子供2人の4人世帯では41万6,400円となるとしております。同じ世帯が中小企業の労働者が加入する協会けんぽの場合、幾らになるのか伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
協会けんぽに加入している場合の保険料の比較ですが、他保険者の保険料の計算方法につきましては市では把握はしておりません。協会けんぽをはじめとする、いわゆる雇用されている人が加入する被用者保険と国保については、保険料の算出方法をはじめ、事業主負担や各種手当金などの給付の有無など、制度的に異なりますので、一概に比較することは難しいものと考えます。
質問 村椿敏章
算出方法とか違うということで把握していないということですが、私が他の自治体の状況を調べると、札幌市は20万780円、大阪市が20万4,400円、福岡市は20万4,200円と、協会けんぽの保険料は労使折半となっていて、本人負担は約20万円ですから、国保の高さは明瞭です。網走市でも同じようになると思いますが、同じ年収、家族構成で、倍の保険料になるのは、制度の格差、不公平と言えると思います。この高すぎる保険料を払えない滞納は、2021年6月時点では全国で208万世帯、全加入世帯の12%に上ります。法定の軽減制度がある中で、この事態は深刻です。そこでお聞きします。網走の滞納世帯数の状況はどうなっているのか。その推移はどうなっているのか伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
滞納世帯の状況及び推移ですが、令和2年度406世帯、割合は7.2%、令和3年度339世帯、割合は6.2%、令和4年度323世帯、割合は6.0%と、世帯数、割合とも減少している状況となっています。
質問 村椿敏章
令和4年度が320世帯と、年々減少になっているということですが、所得が増えたとか、また、なぜこう減ってきているのか、その理由がありますか、伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
滞納世帯数の減の理由ですけれども、納付相談の際には細やかな対応を行い、年度内完納を基本とした納付折衝や、未納者に対しては電話及び文書等による積極的な督励を行い、新規滞納者の増加を抑制するなどの取組の成果として考えております。
質問 村椿敏章
納税の取組を強化しているということですね。理解しました。網走でも、それでも要は340世帯の方が滞納をせざるを得ない状況であります。また、滞納に至らなくても大変苦労されていて納付している状況だと思います。国保には滞納世帯から正規の保険証を取り上げ、3か月などの期限を区切った短期保険証や医療機関の窓口で医療費を全額支払わせる資格証明書に置き換えるペナルティーがあります。21年6月時点では、短期保険証は全国で47万7,000世帯、資格証明書は9万9,000世帯となっています。そうした中、無保険になった人が受診遅れのために死亡した事例が、全日本民医連に加盟する医療機関だけでも1年間に45人に上る深刻な事態になっています。網走市の短期保険証、それから資格保険証の件数は何件あるのか。またその推移はどうなっているのか、伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
短期保険証及び資格証明書の件数ですが、令和2年度では短期保険証が237世帯、資格証明書が28世帯、令和3年度では短期保険証が223世帯、資格証明書が17世帯、令和4年度では短期保険証が187世帯、資格証明書が16世帯となっております。
質問 村椿敏章
令和4年度が187世帯とかなり減っていると思いますが、その減った理由というのは何なのか、伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
短期証が減った理由でありますけれども、短期証につきましては滞納者との接触が図られ、納入相談につながったことにより減ったというふうに考えております。
質問 村椿敏章
ここもやっぱり納税の相談で減っているということですね。理解しました。こうした短期保険証、資格証明書が発行されるなどに至るこうした問題がなぜ起きるのか。この国保料の高騰を招いた大きな要因は、国の予算削減と加入者の貧困化、高齢化、重症化だと考えます。国保制度がスタートした1961年ですが、その当時は保険料を低く抑える必要があるという考えがありました。そして相当額を国庫が負担する必要があるとして、総医療費の45%を国が負担していました。しかし、自民党政権は、1984年に法律を変えて総医療費の38.5%に国庫負担を削減しました。そしてその一方で、国保加入者の状況が大きく変化しました。1960年代、国保加入世帯の構成は、農林水産業が4割を超え、二、三割が自営業で7割を占めておりました。しかし、2020年度は年金生活者など無職が43.5%、非正規労働者などの被用者が33.2%で、合わせて8割弱となっています。網走市の国保加入世帯の構成の状況がどう変化しているのか、伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
議員御案内の数値は、国で実施している国民健康保険実態調査の令和2年度の全国の数値と思いますが、この調査は、当市では国保加入の約5,000世帯のうち100世帯を抽出して回答する方法であり、全世帯の業種を集計したものではないため、実際の数値とは異なる可能性はありますが、当市が回答した数値は農林水産業が100世帯のうち7件、その他自営業が11件、被用者が43件、無職などが37件となっております。なお、国保では業務を行う上で、業種による制度や給付の内容に違いがないため、全世帯の業種の集計はしておりません。
質問 村椿敏章
やはり網走の状況も農林世帯が7世帯、また自営業者が11世帯とかなり減っている状況だと思います。そして、こうした中で加入世帯の平均所得、これも全国の調査ですが、1990年度は240万5,000円でした。2020年度は136万円となっています。網走の場合はどう変化しているのか、伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
平均所得の変化ですが、国保では所得から基礎控除を差し引いた基準総所得金額を使用していますことから、基準総所得金額の変化でお答えをさせていただきます。基準総所得金額は1990年度、令和2年度219万460円、2020年度、令和2年度では182万5,263円となっています。すみません、1990年度、平成2年度290万460円、2020年度、令和2年度182万5,263円となっています。また、令和3年度は195万3,350円、令和4年度248万7,935円となっており、現在は上昇している状況にあります。
質問 村椿敏章
現在は上昇しているというのは、やはり農業関係者や漁業関係者の方の収入が上がっているという部分もあるのかなと思いますが、平成の290万円のところから182万円まで落ちてきているというところでいくと、やはり加入者の平均所得というのは下がってきているのではないかと思います。加入者の多数が年金生活の高齢者となることで、また医療給付費は高齢者となることで年々増加しています。現役世代でも、会社員として健保に加入していた人が病気で辞めざるを得なくなったときに加入するのが国保であることなどもあり、神経系の疾患や精神及び高度の障がいで受診する人の割合は、国保は健保の数倍となっています。網走の医療給付費の推移は1人当たりでどうなっているのか伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
先ほど答弁しました基準総所得金額の1990年度、平成2年度の金額ですけれども219万460円でありますので、訂正をいたします。医療給付費の推移でありますけれども、平成31年度で1人当たり37万6,109円、令和2年度34万9,598円、令和3年度36万1,837円、令和4年度36万4,367円となっており、令和2年度では新型コロナウイルス感染症による受診控えの影響で下がっておりますが、その後は徐々に戻りつつあります。医療費の上昇は、被保険者の高齢化や高額な新薬などの医療技術の進歩など、様々な要因があると考えております。
質問 村椿敏章
やはり高齢化、それから技術進歩ということで、医療費は上がっているということです。私たち日本共産党は、1980年代以来、高すぎる国保料が住民の暮らしを圧迫し多くの滞納者を生み出していること、それから保険証の取上げや差押えなど悲惨な実態を引き起こしていることを国政地方政治の大問題として追求してきました。そして、民商などをはじめとする業者団体、医療社会保障の関係団体、貧困打開を目指す市民運動などと共同しながら、高すぎる保険料の引下げと無慈悲な保険証の取上げや非道な差押えの中止を求める論戦と運動に取り組んできました。自公政権の構造改革によって格差と貧困が社会問題化した2000年代後半には、保険証の取上げが国民の強い批判を浴び、政府厚労省も従来のやり方を軌道修正する通達事務連絡を出さざるを得なくなったということです。そこで、次に国保の課題についてですが、今年度の国保料金は所得割の率が0.25%上昇し、1人当たり9,500円、1世帯当たり1万2,000円の上昇となるという答弁が先日の文教民生委員会でありました。私は、今でも国保料が高いことから基金を使うべきではと文教民生委員会で発言しましたが、市は北海道の示す標準率は12%だとし、今回10.2%にしたことが、この後12%にしていくために、急激に上げることのないように少しずつ上げていくという方針を示しました。今回の上昇により被保険者の負担はさらに増すばかりです。このままで行くと、未納者が増え国民健康保険制度の継続が危ぶまれることになるのではと考えますが、今後の国保の課題について市の認識を伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
今後の国保の課題についてでありますが、さきの答弁で申し上げたとおり、当市の未納者については近年減少傾向にあり、議員のおっしゃっている未納者の増加を要因とは考えておりませんが、制度継続に対する課題は感じているところです。今後、人口減少、他保険制度の加入資格拡大により、被保険者数は減少してまいりますが、反対に1人当たりの医療費は上昇傾向にあることから、市町村などの小さい単位では、制度の維持に限界があり、その課題を解決するため、平成30年度から北海道全体で都道府県化を実施しているところであります。
質問 村椿敏章
2014年に国保の都道府県化に向けて、国と地方の代表が国保の制度改革を議論する場、ここでは全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体から、加入者の所得の低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっているのは国保の構造問題であるとし、国保を持続可能とするには、被用者保険との格差、健保との格差を縮小するような抜本的な財政基盤の強化が必要という主張が出されました。全国知事会はその議論の中で、国保料を協会けんぽ並みに引き下げるため1兆円の公費負担を行うよう、政府与党に要望しました。網走市も同じ考えだと思いますが、見解を伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
国への要請事項についてでありますが、当市としても、被保険者の高齢化に伴う医療費の増加や所得の減少などは国保の構造的な問題と捉えており、財政は引き続き厳しい状況であることから、他制度との負担の公平を図り、またさらなる財政基盤の強化を図るための財政支援を引き続き全国市長会を通じて要望してまいります。
質問 村椿敏章
私たちと、そこは同じ考えだということだと思います。引き続き、要望していただきたいと思います。そこで、持続可能な保険事業にしていくためには、被保険者の負担を下げることが必要だと思います。先ほどの答弁では、未納者の世帯数、率、未納額の世帯数、率などになっているとのことですが、そのうち子育て世帯の世帯数、率はどのようになっているのか伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
子育て世帯の未納世帯数についてでありますが、令和3年度で54世帯、割合で15.9%となっております。
質問 村椿敏章
子育て世帯が54世帯で、滞納者の15.9%になるということですが、令和3年度の未納者339世帯、これは全世帯数5,492世帯の6.2%であります。子育て世帯は、今度滞納者の15%になっている。そして54世帯もあるということは、子育て世帯への負担が重いと考えていいと思います。国保料は所得に保険料率を掛ける所得割、そして世帯員に掛ける均等割、各世帯に掛ける平等割を合算しています。その均等割が重くのしかかっていると思います。子育て世帯の負担を減らすべきと考えますが、市の認識を伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
子育て世帯の負担軽減についてでありますが、国保としては令和4年度から未就学児の均等割の半額を開始をしております。また、医療費の負担軽減としては、中学生以下の医療費の無償化を行っており、それ以外にも給食費の無償化など、子育て世帯への支援として市全体で様々な施策を行っているところであります。
質問 村椿敏章
子育て世帯への支援が様々されているということはわかります。それでも滞納者がいて、そして子育て世帯に負担がやはりかかっていると、私たちは受け止めているところです。今年6月7日に全国市長会が決定した国民健康保険制度などに関する重点提言には、4番目に、子供に係る均等割保険料を軽減する支援制度については、必要な財源を確保し、対象年齢や軽減割合を拡大するなど、制度を拡充することとしています。市長、全国市長会の重点提言を実現するときではないでしょうか、見解を伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
全国市長会の重点提言の見解についてでありますが、市としては、子供の均等割の減免につきましては、国が制度として整備すべきもので、市単独で実施するべきではないと考えておりますので、これまでも市長会を通じて国に要請をしているところです。また、国も対象範囲の拡大については、財源等の課題があると認識しており、地方団体の皆様と引き続き協議を行いたいとしていることから、今後も引き続き子供の均等割軽減の対象範囲拡大につきましては、市長会や北海道国民健康保険団体連合会を通じて国に働きかけてまいります。
質問 村椿敏章
今の答弁では、今までどおり、国に対して要請を出していくと、引き続き要請していくということでありますね。そこで、私たちが提案していきたいなと思っているのは、国保法77条、ここでは被保険者に被災、病気、事業の休止など特別の事情がある場合に、市町村が条例を定めて国保料を減免できることを規定しています。何を特別な事情とみなすかは政令省令の定めはなくて、自治体の首長の裁量に委ねられています。条例減免を行うための自治体の公費投入は、政府の区分では、決算補塡など目的以外の法定繰入れと扱われます。すなわち、国保運営方針でいう削減・解消するべき赤字とはみなされません。保険者努力支援制度の減点の理由にもならないことになります。18歳までは無料にすると条例で定めることができると考えますが、市の考えを伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
均等割の18歳までの無料化についてでありますが、国保法で定める減免基準は、議員がおっしゃるとおり、被災、病気、事業の休止などであり、市としては子供の有無がこれらと並ぶ特別な事情に該当すると判断は難しいと考えております。しかし、国が示しております未就学児の均等割保険料の軽減措置に関わる考え方では、国民健康保険では全ての世帯員が等しく保険給付を受ける権利があるため、原則として均等割保険料として世帯の人数に応じた応分の保険料の御負担をいただく必要があるとしており、市としても基本的な考え方は国と同様であります。また、市独自の対象年齢や軽減割合を拡大することは国保料に影響があると考えますことから、国が制度を改正して必要な額を補塡していただくことが必要と考えております。このことから、市長会等を通じて国に働きかけをしてまいります。なお、保険者努力支援制度の減点対象とはなりませんが、令和9年度から減免制度も道内で統一される予定であり、オール北海道で取り組んでいる観点でも、網走市単独での減免制度は望ましくないと考えているところです。
質問 村椿敏章
まず、子供がいるということを特別な事情として扱わないという考えがあるということですね。ただそういう部分で、適切ではないというところで言っておりますが、それは厚労省の考えにすぎません。自治体にそれを押しつける法的な根拠はないわけです。条例減免の対象を決める裁量は自治体の首長にあり、国は介入することができません。ぜひ検討していただきたいと思います。国保を利用する世帯に子供は何人いるのか、伺います。もし、18歳まで均等割をゼロにした場合、一体幾らの予算が必要なのか伺います。
答弁 市民環境部長 田邊雄三
18歳まで均等割を無料化した場合についてでありますが、18歳までの子供の数は約780名となっており、予算額は2,497万5,000円となります。
質問 村椿敏章
約2,500万円あれば、この均等割をなくすことができるというふうに認識します。先ほど都道府県化のほうで道と合わせていかなければならないというようなことですが、やはり前回の文教民生委員会で言っていた、令和12年度までに率を12%していくという考えがあります。これによって、大幅な国保料の値上げは必至となります。住民の生活、そして命を守るという自治権を奪うことになってしまうのかと思います。これは都道府県化の弊害です。国保料金軽減のため、引き続き、子供均等割の減免を求めて、私たちは行くことを表明してこの質問は終わります。