網走市議会 令和4年第2回定例会 2022年6月22日
物価高騰への対応について
2022年6月22日、網走市議会の一般質問で、松浦敏司議員が「物価高騰への対応について」質問し、観光商工部長 伊倉直樹、農林水産部長 川合正人、健康福祉部長 桶屋盛樹が答弁しました。
- 質問者
- 松浦敏司 議員
- 答弁者
- 観光商工部長 伊倉直樹、農林水産部長 川合正人、健康福祉部長 桶屋盛樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 松浦敏司
-登壇- 日本共産党議員団の松浦敏司でございます。通告に従って質問を行います。初めに、物価高騰への対応についてであります。日本経済は半世紀ぶりの円安に襲われております。輸入物価が高騰し、輸入に依存した食料品・日用品・ガソリンなど、生活必需品の値上がりが相次いでおります。主要国の中で長期的な経済停滞が続く日本、物価高にも直撃されております。その上、物価が上がっているのに労働者の賃金は相変わらず上がらない。賃金水準はOECD平均を下回り、隣の韓国にも追い越されました。生活が苦しくなり、生活費に占める食費の割合が40年前に戻ってしまっていると言われています。他方で、大企業・投資家・富裕層の富は増大し続けております。大企業の利益剰余金は毎年増え続け、2020年度には466兆円もの内部留保がある状況であります。投資家も同様に国内の株式配当金で毎年30兆円前後、海外投資からも20兆円前後の利子・配当金を受け取っている、こういう状況で、純金融資産1億円以上を持つ富裕層世帯は、333兆円の純金融資産を保有しております。しかし、全世帯の3割は、そもそも金融資産を持っていないというのが現状です。昔、「1億総中流社会」というふうに言われた時期がありましたが、今や「貧困・格差社会」に転落したことになります。なぜ、このような事態になったのかという観点から何点か質問をしていきたいというふうに思います。急激な物価高騰による市民影響についてでありますが、アベノミクスが継承され9年が経過しました。そこで何が起きたか。第一に、日本経済は2012年には世界経済の8.3%を占めておりましたが、2021年度には5.3%にまで低下しました。成長戦略どころか「衰退戦略」だったことになってしまいます。日銀の黒田総裁が6月6日の講演の中で、「家計の値上げ許容度が高まっている」「日本の家計が値上げを受け入れている」と発言し、国民から総反発、厳しい批判を受けました。8日に発言を撤回しましたが、これは単なる失言だと私は思っていません。本音が出たというふうに思っています。国民の生活実態を知らない、実に恥ずかしい発言だと私は強く感じています。SNSの中で、「値上げを受け入れているのではなく、受け入れざるを得ないのだ」「物価が高くても買わなければ生きていけないのだ」と、こういう怒りの声です。黒田日銀総裁の発言は、物価高騰で国民が苦しんでいても、物価上昇を目指すというアベノミクスの本末転倒の考えであります。岸田政権は、7日に閣議決定した骨太の方針で、アベノミクスの3本の矢、この枠組みを堅持するというふうに明記しました。日銀に対して、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現するよう迫りました。これは、物価上昇を目指す金融政策の堅持を明確にしたことになります。そこで、何点か伺います。網走市は、比較的公務員の多いまちと言われておりますが、公務員の賃金も上がらない状況、民間の賃金は下げられたまま、多くの市民は苦しい暮らしが続いております。また、働き手が足りないと言われているのに、非正規労働者が増えている状況も問題があります。加えて、少子高齢化が続く中で、年金生活者が増え続けている状況、4月から0.4%の年金が引き下げられております。つまり、この6月15日の支給の年金から0.4%減額されております。私も念のために通帳を見てみましたら、確かに0.4引かれておりました。ですから、こういった中で、市民は大変な物価高騰という点では影響を受けているというふうに思います。そこで、市の認識について、この市民の状況をどのように認識しているのか、対応について伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
物価高騰による市民生活への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和されつつありますが、感染症の影響を受けた企業や、そこで働く人々など、市民生活や経済活動への影響が今なお続いている中、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、原油や穀物等の国際価格は高い水準で推移し、市民生活やあらゆる産業へさらに影響を及ぼしております。このような状況の中、市では、コロナ禍において、物価高騰や原油高騰などに直面する市民の生活支援及び負担軽減並びに地域経済の落ち込みに対する事業者への消費喚起を図るため、本年5月20日の第4回臨時会で議決を頂きましたプレミアム付商品券を7月1日から販売することとして、現在準備を進めているところでございます。
質問 松浦敏司
取りあえずわかりました。次に、より具体的な問題で質問していきたいと思います。肥料の高騰による農業への影響と対策についてであります。農業も大変な事態になっております。日本農業新聞や道新でも報道されておりますが、全国農業協同組合連合会(JA全農)は、地方組織に6月から10月に販売する肥料について、前期、つまり昨年11月から今年5月に比べ最大94%値上げすると発表しました。主要品目平均で191.9%の値上げがされるというふうになっているようです。理由として、ロシアによるウクライナ侵略などが影響したというふうに言われております。また、原油高騰に伴う肥料原料価格や輸送費の値上がり、円安の進行も価格を押し上げている要因だと言われています。客観的に見て、肥料が2倍近い値上がりをすれば、農業経営が成り立たないことは火を見るより明らかであります。JA全農がなぜこのような形で発表するようになったのか理由は私はわかりませんが、農業へのショックは大変大きいものだというふうに思います。昨日の立崎議員の質問もありましたけれども、この間、燃油高騰でも経費がかさんで所得が減少することが続いている下で、今回の肥料の約2倍という値上げというのはあまりにも大きな打撃になるものと考えます。市はこの状況をどのように認識しているか、今後の対応についても伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
肥料高騰による農業への影響についての市の認識と対応についてでありますが、肥料価格につきましてはアメリカやブラジルなどのバイオ燃料仕向けの資源作物の作付の増大や中国が自国向け肥料を優先し輸出規制を行ったことにより、肥料全般の需要の増加から価格が上昇しております。さらに、原油や原料価格の高騰、輸送コストの上昇、そしてロシアのウクライナ侵攻による肥料の原料産出国からの輸出停滞、また大幅な円安など様々な要因によりまして、肥料価格は高騰して農業者の経営に大きな影響を与えているというふうに認識をしております。肥料の供給と価格の安定対策につきましては、基本的に国が進めていく課題であると考えておりますが、当市としても安全・安心な農作物生産事業によりまして、環境負荷の低減と併せ土壌分析による適正施肥による減肥の推進、さらにスマート農業を実践する一つとして産地パワーアップ事業を活用し、自動操舵や可変施肥対応機械の導入によりまして、化学肥料の低減に向けた取組も進めております。そして、今後も堆肥の活用など農業の基本となる土づくり、地力アップなどを実践していくことにより、化学肥料の依存度を減らしていく取組をこれからも進めていくということが必要であるというふうに考えております。
質問 松浦敏司
基本的にはわかりました。次に移りますけれども、第1次オイルショックと第2次オイルショックの経験をしている方も多くいるかと思いますけれども、今回の物価上昇は記録的で異常な値上がりだというふうに思いますし、そのときを私は思い出しました。6月1日、ホクレンは2022肥料年度、6月から翌来年の5月について、肥料価格を21肥料年度比で平均78.5%値上げするというふうに発表しました。肥料メーカーとの交渉や61億円の独自の資金を活用して大幅な上昇を圧縮したというふうに言っております。しかし、急騰した08肥料年度価格の上げ幅をも上回っているのも現実であります。肥料価格の値上げの原因は、新聞報道によると、先ほど来言われているように、ロシアのウクライナへの侵略、原油の高騰、それに伴う肥料原料価格の輸送費の値上がり、円安の進行と、こんなふうに言われております。日本は、肥料の多くは海外からの輸入に頼っているのが現実であります。このような事態に対して、国の基幹産業だと私は思っていますが、日本の国は果たしてどうかという点は私は疑問に思っていますが、農業をしっかり守る姿勢というのが私は必要だと思います。この異常な事態に対して、国として財政支援をすべきというふうに思いますが、どのような対応をしようとしているのか、わかる範囲でお答えいただきたいと思います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
肥料高騰に対する国の対応についてでありますが、国としましても本年度100億円の予備費を活用しまして、肥料輸入国の多元化により安定供給を図るため、化学肥料原料調達支援緊急対策事業を実施しまして、これにより対応しているところでもあるというふうに報道でも聞いております。また、中長期的にはみどりの食料システム戦略を策定し、国内未利用汚泥の活用によりまして、堆肥の有効活用や化学肥料の低減を促進することとしておりまして、新たに2030年を中間目標として化学肥料の使用量を2割、化学農薬の使用量を1割削減する取組を進めることとしております。国におきましては、今回の化学肥料の大幅な値上げを受けて、農家支援策について現在検討しているというふうにも聞いておりますので、今後の動向については注視をしていきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
国会も今閉じてしまっていますから、私は注視していきたいというふうに思いますが、これまでの経験からしますと、燃料価格というのは以前の価格に戻ることはまずないのだろうなというふうに思います。肥料原価、原料価格についても同様に以前の価格には戻るというふうにはなかなかならないだろうなというふうに思わざるを得ません。それでは、農作物の価格に転嫁できるかといえば、これもまたそんな簡単ではないと。つまり国の責任で農業を守るということがやはり重要だというふうに思います。食料自給率を前政権あたりから50%に引き上げるのだというようなことを言っておりましたけれども、それからすると、しかるべき支援をするというのが当然でありますし、そのことをしなければ農業経営そのものが成り立たないと、こんなふうに思います。そのことをやっぱり国の責任というのを求めていくべきだというふうに思いますが、見解を伺います。
答弁 農林水産部長 川合正人(農林水産部長は2023年12月まで)
肥料高騰に対する支援について国に求めるべきだというお話でございますが、国の対策につきましては、先ほども申し上げましたが、注視をしていく考えであるということでありますが、政府では昨日、物価・賃金・生活総合対策本部の初会合を開きまして、農産品の生産コストを1割削減するための支援金創設の方針が出されたところでもあります。内容的には、グリーン農業の推進と肥料高騰への対応を組み合わせた制度だというふうにも聞いております。市としましては、この政策の内容、そしてこの地域でこの高騰対策への効果などについて、強い関心を持ちながら、その動向には注視していきたいというふうにも考えておりまして、必要であれば市長会、オホーツク圏活性化期成会を通じまして、要望についても検討していきたいというふうに考えております。
質問 松浦敏司
私も69年生きてきておりますが、私の強い思いというのは、私の子供の頃は自給率70%でした。農家もたくさんありました。しかし、今はもう見る影もない。私が生まれ育ったところは見る影もないぐらい農家戸数が減って、数戸しかもう残っていないというようなところもあります。いずれにしても、農業というのはなぜか大企業、輸出産業の、何といいますかね、犠牲になっていると私なんか感じていまして、これ以上農業者を減らすというようなことはしてはならないというふうに強く思っているところです。そういう意味では、国がしっかり農業を守るための政策を取る必要があるというふうに思います。次に移ります。次に、中小・零細企業、飲食業等への影響と対応についてであります。新型コロナ感染拡大が続いてきた中で、中小・零細企業、飲食業の経営は言いようのないほど厳しい経営が余儀なくされております。この間、事業をやめずにあるのは、蔓延防止の休業支援金や国の月次支援金などで何とかやりくりしているのが実情だというふうに私は聞いている範囲では感じています。それで、しかし、ガソリン・灯油の価格が高止まりしている状況で経営をさらに圧迫しているというふうに言われています。そんな中で、物価の高騰が続いていて、今年になってからさらに物価が上がり、4月から食料品・日用品・ガソリン・灯油・電気料など値上げが続いております。第2次オイルショックの影響で高騰していた1981年1月以来、41年2か月ぶりの記録的な上昇となっております。6月からは食品主要105社が今年中に値上げ、または予定している商品は1万789品目。そのうち、既に値上げしたのは6,285品目で、この先少なくとも4,504品目の値上げが予定されております。7月はパン、サバ缶の値上げ、8月はカレーのルー、10月はビールや清涼飲料水の値上げが予定されていると言われています。建設業の資材高騰をはじめ、中小・零細企業、飲食業への影響は大きく経営が大変だというふうに聞いております。市はこの状況をどのように認識しているのか伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
中小・零細企業、飲食業等への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、原油をはじめ日常生活に欠かせない食料品や流通、建設資材など、様々な分野で物価高騰が続いているほか、今後値上げとなる品目がさらに拡大する見通しになっているなど、物価高騰は市民生活やあらゆる事業所に大きな影響を与えていると認識しております。本来であれば、販売価格への転嫁を進めるべきと考えるところですが、実情との乖離が企業や個人事業者の経営に影響があるものと考えます。
質問 松浦敏司
問題は、それぞれの業界の事業者が価格に値上げできる業種とできない業種というのがあるというふうに私は思っています。値上げができない事業者は結局赤字になり、倒産、廃業という事態に追い込まれる。そうならないようにするためには、当面のつなぎの資金というのが必要になるのだろうというふうに私は思います。コロナのときは融資の条件を緩和した資金というのがありました。その資金が使えるかどうかは現時点で私は把握しておりませんが、政府系の金融機関をはじめ、地方の金融機関による融資の条件を緩和した資金が必要になるのではないかと私は考えますが見解を伺います。
答弁 観光商工部長 伊倉直樹(観光商工部長は2024年12月まで)
資金繰りのお尋ねでございますが、国では本年4月26日に決定した原油価格物価高騰等総合緊急対策において、中小・小規模事業者等に対する資金繰り支援に万全を期すため、セーフティーネット貸付のさらなる金利引下げや政府系金融機関による実質無利子・無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資の9月末までの延長等も盛り込み、5月11日付で官民の金融機関等に対し、返済猶予や条件変更を含む資金繰り相談に丁寧かつ適切に対応するなど、事業者に寄り添ったきめ細かな支援を徹底することなどを要請したところでございます。また、市内金融機関においても、資金繰りについては借換えや貸付条件変更など、柔軟に相談に応じると伺っている状況でございます。
質問 松浦敏司
ぜひ網走市にとっても中小・零細業というのは大事なものですから、倒産するようなことがないような、地元の金融機関などでもそういう様々な取組を考えているようですから。ただ、なかなか簡単ではないのですね、融資を受けるというのは、いろいろな条件がありますから。ぜひ融資されるように注視していきたいというふうに思います。次に移ります。次に、低所得世帯への対応についてです。労働者の賃金が上がらない、最低賃金は 889円で、非正規の労働者が多い状況にありますが、これでは食べていくことができない状況にあります。また、年金生活者は、マクロスライド制のため年金は毎年のように引き下げられているということで、今年10月からは、年金が年間200万円、月額にすると16万6,666円を超えると、医療費の窓口負担が2倍に引き上がることになります。前段でも質問をしておりますが、食料品・日用品・ガソリン・灯油・電気代など値上がりがあります。これまでも大変であったけれども、さらに可処分所得が減るため生活が厳しくなっているというふうに私は思っています。市としてのこの現状認識と今後の対応について伺います。
答弁 健康福祉部長 桶屋盛樹(健康福祉部長は2023年3月まで)
低所得世帯への現状認識と今後の対応についてでありますが、昨今の国際情勢等を背景といたしまして、原油をはじめ日常生活に欠かせない食料品など様々な分野で物価高騰が続いております。当市における5月の灯油・ガソリン価格につきましては、前年同期との比較で20円以上の上昇となり、さらには食料品等の生活必需品の価格が高騰しているため、コロナ禍による影響に加え、物価高騰が少なからず市民生活に影響を与えていると認識をしているところでございます。このような状況を踏まえまして、市としてコロナ禍における原油価格や物価高騰の負担軽減を図るため、所得の少ない世帯にプレミアム付商品券を交付する住民税非課税世帯等物価高騰緊急支援事業を実施することとし、7月の交付開始に向けた事務を進めているところでございます。また、これまでに住民税非課税世帯等臨時特別給付金をはじめ、生活困窮者自立支援金や住宅確保給付金の支給など、国のコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策が講じられ、市としても取り組んでいるところでございます。今後におきましても、物価の推移や生活に及ぼす影響、さらには国による支援策の動向を注視しながら、必要に応じて対応してまいりたいと考えてございます。
質問 松浦敏司
この間の住民税非課税世帯への支援というのは評価するものだと私は思います。特に問題なのは、賃金が下がったままで上がる見通しが立っていないということが問題だというふうに思います。この物価高騰は一時的なものではないというふうに思います。そして、下がる要素もなかなか見つからないということで、生活必需品は年内は続くというふうに言われていますから、答弁では必要に応じて対応していくということでありますから、そこに期待をしたいというふうに思いますが、なかなかこれからもこの物価が下がる要素がないという点ではしっかりとその点を見て、今後の対応にしていってほしいというふうに思います。