浦幌町議会 平成20年第1回定例会 2008年3月7日
本定例会において、新薬tPA(脳梗塞治療薬)の救急救命対応について
2008年3月7日、浦幌町議会の一般質問で、河内富喜議員が「本定例会において、新薬tPA(脳梗塞治療薬)の救急救命対応について」質問し、町長 水澤、保健福祉課長 上村が答弁しました。
- 質問者
- 河内富喜 議員
- 答弁者
- 町長 水澤、保健福祉課長 上村
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 河内富喜
私は、本定例会において、新薬tPA(脳梗塞治療薬)の救急救命対応について一般質問をさせていただきます。近年、救急救命において、2 年ほど前に認められた新薬、血栓溶解薬「組織プラスミノゲン活性因子」通称tPAの劇的効果を発揮するための体制づくりが急務になっています。脳梗塞治療をほどこす限界時間、いわゆる超急性期は 3 時間以内とされており、早ければ早いほど完治の可能性が高くなっています。一方、制限時間以内での治療ができなければ、結果として重篤な後遺症、最悪命すら危ぶまれることは周知の事実であります。脳梗塞により、毎年全国で約 8 万人以上の命が失われ、多くの患者が後遺症により社会復帰できない現状があります。残念ながら、我が町においても多くの実例をみてきたところであります。tPAの承認により、従来の対処療法から積極療法が可能になった現在、一刻一秒を争う体制づくりが求められています。ただし、MRIやCT画像の的確な判断と医療スタッフ数、または 24 時間体制などの対応が前提となるため病院は限られております。1 点目としてお聞きしますが、我が町の町民は地理的条件により、tPA対応に時間的ハンデをかかえております。現在、tPAについての町民への周知・啓蒙、また救急救命対応はどのようになっていますか。2 点目、tPA対応には、十勝圏としての医療等の条件整備が必要不可欠でありますが、現状と今後についてのお考えをお伺いしたいと思います。以上、2 点についてお聞きしたいと思います。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
河内議員の質問にお答えいたします。新薬tPAの救急対応についてでありますが、ご質問のとおり脳血管が血栓によって詰まる脳梗塞は、全国で毎年 8 万人以上の命を奪う怖い病気であることはご承知の通りであります。そこで、本町の救急出動件数は、年間約 200 件程度でありますが、そのうち「脳血管障害」での搬送は、約 25 件となっております。第 1 点目の救急救命対応でありますが、要請により救急隊が傷病者接触時に、脳血管障害の疑う兆候がある傷病者は、帯広市の専門医療機関に直接搬送しております。この時、一刻も早く専門の医師の治療を受けることが救命率の向上、そして完治の可能性が高く、「近所に迷惑がかかる」と 119 番をちゅうちょする人もみられますが、脳梗塞などでは、このためらいが命取りになりかねないとされています。「もしもの時」の心構えとして、救急車の正しい利用について、広報うらほろで既に周知をしているところでありますが、さらに啓蒙に努めてまいります。第 2 点目の十勝圏の医療対応等の条件整備でありますが、浦幌消防署の対応としては、1 点目でも申し上げましたとおり、脳血管障害の疑わしきあるときは、救急救命士の判断により、なすべき観察、評価、処置などをすべて実施し、適切な病院選定により帯広市の専門医療機関への搬送を行っております。なお、tPA治療を行う医療機関の条件として、日本脳卒中学会で条件を挙げていることから、それを満たす医療機関は十勝管内で 2 病院と聞いております。今後においても、管内医療機関との医療連携を綿密にし、迅速な救急救命活動に万全を期すよう努めてまいりたいと考えております。以上、河内議員の答弁といたします。
質問 河内富喜
大変わかりやすくご説明をいただいたわけですが、確認の意味も含めまして再質問をさせていただきます。我が町における脳血管障害での搬送が年間約 25 件あると聞いて、私が想像していたより意外に多いという感想を持っているわけですが、また、救命士の判断でtPA対応の病院については、把握している中で、直接脳神経外科病院に搬送しているということを確認させていただいたところであります。脳梗塞の全国の患者数は、先ほども触れましたけれども、死者は 8 万人、患者数は年間100 万人以上ということであります。その中で、7 割から 8 割の人が元の生活に戻れないという厳しい現実があるそうであります。このことは、患者自身にとっても、社会にとっても大変な損失であります。当然、我が町にも同じようなことが言えるわけであります。いずれにせよ、日ごろよりそれぞれが予防に努めなければならないわけですが、脳梗塞の中でも無症候性脳梗塞というのがあるそうですが、全く症状がないうちに脳梗塞に変化していくという病気だそうですが、現在の高度化した検査機器によっては、早期発見が可能だということで、脳ドックは非常に有効であるということで、これらの症例にも、今後努めていただきたいと思うわけであります。血栓溶解薬「組織プラスミノゲン活性因子」、tPAについては、昨年、保険適用にもなりまして、現在では利用しやすい環境にあるようでございます。救急救命においては、近年AED、気管内送管と並びに喫緊の課題でありましたが、このことについては、随分前から要望があったわけですが、米国企業との特許トラブルのために、日本では 10 年ほど遅れて、この薬の認可になったようであります。そういうことも含めまして、今後、これらの薬を有効に活用できるような、やはり心がけをそれぞれがしていかなければならないと考えるわけであります。ある病院の臨床試験ではですね、脳梗塞の症状が出ても、とりあえず様子をみてしまうために、3 時間以内での治療の条件がクリアできないというケースが非常に多いそうです。せっかく治療薬が認可になっているわけですから、くれぐれもこの辺の 3 時間の条件をクリアできるような形に持っていかなければならないと考えるわけであります。今後ですね、このtPAが 3 時間以内に処置することで、完治する可能性も非常に以前とは違って脳梗塞の場合、条件が変わってきたということでございますので、このことについてはですね、案外町民の中でも知られていない方がいるように思います。今後、広報誌、また保健師など機会あるごとにですね、町民に周知・啓蒙をしていただきたいと思いますが、その辺についてお聞きしたいと思います。
答弁 保健福祉課長 上村(保健福祉課長は2009年3月まで)
ただいまの再質問でございますが、この薬を使う・使わないという判断については、お医者さんが判断するということでございますので、ご理解を賜りたいというふうに思います。なお、脳ドック、生活習慣病の予防については、随時、広報等含め年次の中で実施しております。今後もそれらの予防対策については、力を入れていきたいというふうに考えております。ただ、先ほど言ったように、河内議員の質問の中にございました、3 時間以内に服用とか、そういうものについては、あくまでも医者の判断というふうに思っております。ただ、管内に 2 カ所ございます。そういったことで、利用は可能だというふうに思っていますけど、それらの啓蒙ということにはちょっとならないというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
質問 河内富喜
課長からそういう答弁があったわけですが、私の考え方としては、当然、最終的には医師が判断することであるけれども、これについては、それぞれの病院の置かれた環境がありますから、例えば、脳神経外科についても管内では取り扱っている所と取り扱っていない所があります。そのこと自体がですね、どこの病院が取り扱っている、取り扱っていないということを固有名詞的にいうことには問題があると思いますけれども、3時間以内でのこういう薬品の溶解薬を使うということでの状況は、今までとは変わってきているのだということでの、私は周知という意味で、町民には理解を示してもらうということは、大事であると。例えば、今までの考え方の中では、2 年前にこの薬が出る前と出てからの考え方というのは、やはり 3 時間以内に治療が可能で、早くその治療を受ければですね、完治の可能性があるのだということをですね、やはり知らしめることは町民にとって有益だと、そのことを知らないということ、知るということは、私は救急救命士に身を委ねる立場になったとしても、救急車を呼ぶまでの判断、例えば、それが脳梗塞であるか、脳梗塞でないかという判断、その時であっても疑いがあった場合は、早く救急車を呼んで、その対応をしていただくということの意味での私は啓蒙ということで、ご理解をいただきたいなと思うわけですが、その辺についてはどうでしょうか。
答弁 町長 水澤(町長は2023年3月まで)
河内議員の啓蒙についての考え方でありますけれども、今のtPAの治療を行う医療機関の条件として、CTかMRIによる検査が常時可能であると、またこの治療に熟知した医師がおり、なおかつ看護師や診療放射線技師と連携したチーム医療ができること、さらに脳卒中の急性期患者数が一定数以上で、経験のある施設であるということが医療機関の条件として、日本脳卒中学会で取り上げられているところであります。そういう病院が管内に 2 カ所、現在あるということであります。3 時間以内の救急活動ができれば、このtPAを受けられるということであります。最初にお答えいたしましたとおり、もしもの時に救急医療ができるよということについては、広報うらほろでも既に広報しているところでありますけれども、今後あらゆる機会をつかいながら、こういう新薬が保険適用になったということも含めて、啓蒙活動に努めてまいりたいというふうに思っているところであります。その点、ご理解をいただきたいというふうに思います。