洞爺湖町議会 令和3年9月会議 2021年9月10日
生活保護の扶養照会に関する厚生労働省通知の運用について
2021年9月10日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「生活保護の扶養照会に関する厚生労働省通知の運用について」質問し、健康福祉課長 高橋憲史、町長 真屋敏春が答えました。
- 聞いた人
- 立野広志 議員
- 答えた人
- 健康福祉課長 高橋憲史、町長 真屋敏春
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 5番 立野広志
二つ目に移ります。生活保護の扶養照会に関する厚生労働省通知の運用についてということで、二つ目に質問をさせていただきたいと思います。これは、厚生労働省が今年の3月30日付で「生活保護問答集についての一部改正」と題する事務連絡を発出しました。この施行は、今年4月1日です。どんな内容かというと、コロナ禍の下で、いろいろな支援策を活用してもなお困窮に至る人が出ることが避け難い状況があるということで、厚労省は、国会での、我が党の追及もありましたが、今年3月30日で「生活保護問答集についての一部改正」と題する事務連絡を発出したのですが、これは、これまで扶養照会を行うに当たって、要保護者の意向は無視されてきました。要保護者、分かりますよね。扶養照会をしてほしくないという要保護者の意向を尊重すべき旨の規定が追加され、実際の窓口での対応がどうなっているかと、どう生かされているかということについて伺いたいと思います。生活保護の要保護者の扶養照会は、厚労省の事務連絡が現状で生かされる形となっているのかどうか、まず、これについてお答えをいただきたいと思います。
町の答え 健康福祉課長 高橋憲史
ただいまのご質問で、生活保護の要保護者の扶養照会の件について、厚労省の事務連絡が生かされたものとなっているのかということかと思われます。まず、生活保護の申請に当たりまして、生活保護の認定につきましては、福祉事務所が設置されていない町村においては、都道府県の所管事務とされておりますことから、北海道が所管しているところであり、町におきましては、申請書類の申達について代行をしているところでございます。こうしたことから、町は生活保護の認定機関ではないといったことから、町における窓口での対応におきましては、このたびの改正に関わることなく、扶養義務者の申告の有無のほうも含めまして、全ての申請書類の記載事項の取扱いにつきましては、申請者のご意向をあくまでも確認させていただいた上で、ご質問のありました扶養照会を望まれないなど、同意の得られない事項につきまして記載を求めるような対応は、これまでも行っていないところでございます。以上でございます。
議員の質問 5番 立野広志
うちは町ということですから、福祉事務所を置いているわけではありませんので、今言われたように、生活保護の認定の所管は北海道、そして胆振振興局が行うということでありますけれども、ここの町に住む住民の生活、そして福祉を担っているのは、当然、町であります。ですから、町の対応として、全て振興局に任せるなどということは当然していないと思います。今、説明がありましたように、扶養照会を必要としないというか求めない方については、その旨、例えば振興局のほうにしっかりと伝えているのだと思うのですが、振興局としての対応は、その後どうなっているかの把握はしているのでしょうか。
町の答え 健康福祉課長 高橋憲史
ただいま、振興局におけるその後の、町から引き継ぎが行われた後の対応について、どういった対応がなされているのかといったところかと思います。このたびの質問を受けた中で、町といたしましても、振興局に詳細な取扱いを確認すべく電話等におきまして担当者のほうに確認をさせていただきました。得られた回答でございますけれども、国からの取扱い改正後における指導の下に、扶養義務者が判明した場合には、まず被保護者から扶養の可能性について、あくまでも被保護者本人の面談時に確認をさせていただいた上で、基本的に被保護者の同意を得た上で調査を実施しているという対応を行っているということでございます。実績のほうはどうなのだということで確認をさせていただきました。令和元年度、令和2年度、それから今年度におきましても、洞爺湖町における新規申請者のうち扶養調査までに至っているケースはございませんという回答でございました。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
分かりました。それで、先に聞くべきだったのでしょうけれども、コロナ禍が始まる前の2019年から、今年度はまだ年度途中ですけれども、生活保護等の相談件数や、それから、それによって実際に申請した件数、そして支給決定となった件数などについて、町自身でも把握しているのではないかと思うのです。それと、2019年度の生活保護の捕捉率、そして2020年度、できれば2021年度途中ですが、分かれば、その辺ちょっと出していただけないでしょうか。
町の答え 健康福祉課長 高橋憲史
ただいまの令和元年度から最近までの生活保護の相談、申請、支給等の件数についてというご質問かと思います。まず、生活保護に係ります、町の窓口と胆振総合振興局の窓口とを合わせました洞爺湖町の方の相談、申請、支給決定の件数についてでございますが、まず、令和元年度におきましては、相談のほうが30件程度、それから申請が22件、支給決定が16件となっております。令和2年度におきましては、相談が25件程度、申請が17件、支給決定が16件となっているところでございます。また、令和3年度8月末現在の件数でございますけれども、申請のほうが5件ございまして、支給決定のほうは4件となっているところでございます。令和元年度におけます生活保護世帯の保護率というところで、令和元年度末におきましては161世帯、206人ということで、町全体では24.0パーミル、それから令和2年度末におきましては158世帯、196人ということで、23.4パーミルという実績となっているところでございます。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
人口の減少もあるのでしょうけれども、実際的にコロナ禍になっても生活保護の、いわゆる捕捉率が逆に下がってきているという状況なのですよね。実は、これが国会でもやっぱり問題になっておりまして、生活保護を受けたくても、結局は扶養照会もそうなのですけれども、様々な条件があって、そして、まずは相談段階でほとんどはじかれてしまうというような状況が全国的には多く発生しているということなのですね。本来は、生活保護は権利なのです。ですから、中には、どうしたらいいだろうかと最初から保護を受けたいと来る人以外の人もいるのかもしれませんけれども、本来は、相談件数や申請件数がほぼ同じぐらいの数になるのが普通なのです。本来は、申請してから中身を本人から話を聞いて、支給決定するかどうかを決めるのが手順なのですね。ですから、本当なら申請件数と書類上しっかり申請を受けてから、そして、その後の対応を進めるというのが手順なのだけれども、結局、相談、そして申請というふうに手順を踏んで、相談の段階では、あなたは生活保護ではなくて、こういう支援があるから、こちらをまず受けなさいというふうにして、それで持てればいいのですけれども、それだけではなくて、保護を受けるためにはこういう条件をクリアしなければなりませんよということになったときに、それではちょっと申請はできません、しませんということで、実はやめる方もいるのだそうです。ですから、今回、厚労省が問答集を一部改正したのも、こういう生活保護に対する誤解とか、あるいは対応の問題点をしっかりと是正するということのために、実は出されたということでもあります。今、町として、憲法25条に基づく生活保護の理念は、どのように困窮する町民生活に生かす工夫がされているのかということをちょっと改めて伺いたいと思います。
町の答え 健康福祉課長 高橋憲史
今、お話しございました憲法25条に基づく生活保護の理念といったところが、町でどのような形で生かされているのかということです。まず、憲法25条では、全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があると規定され、国は、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないとされているところでございます。町といたしましては、生活に困窮される町民の方について、こうした層の方々を見逃すことのないよう、また、確実に支援につながるよう関係機関と連携しながら、あらゆる策を講ずる責務があるものと認識しているところでございます。このことを踏まえまして、町といたしましては、民生委員・児童委員との連携による地域での活動はもとより、北海道が実施している生活困窮者自立支援業者や社会福祉協議会が実施している福祉資金の貸付制度に基づきます支援の普及・啓発を図ってきたところでございます。また、生活保護制度につきましては、基本的には申請主義とされているものではございますが、相談者の方々に対しましては、憲法5条にあるところの国民が当然受けられるべき権利であり、人命の尊厳が重要であるとの理解を町側のほうからご説明申し上げ、さらにこの部分につきまして十分に理解を求めた上で、決して申請についてためらわれることのないように、ご意向を尊重いたしまして、必要に応じた対応を図りますとともに、確実に支援が行き届くよう努めているところでございます。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
厚労省のホームページをご覧になったと思うのですが、このホームページには、中身が大分変わりまして、生活保護について、こういうふうに書いてあります。「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」というふうにホームページで紹介しながら、これは札幌市が今年8月にポスターを作りまして、公共施設に一斉に貼り出しました。何と書いてあるかというと「生活保護の申請は国民の権利です」と。どうして今、こういうものを積極的にやらなければならないかというと、最初に紹介しましたように、今のコロナ禍で、様々な支援を受けてもなお立ち直れない。営業も含めて、再開できない、生活もできないという状況が今広がっているのだということなのですよ。今、北海道も緊急事態宣言が今月30日まで延長になりましたけれども、当然、事業者含めて事業活動ができなくなってきている、制限されてきているというようなこともあって、そもそも生活保護というのは、何もかもみんな処分して、そして保護を受けなければならない制度ではないのだよということなのです。そのことを窓口も含めて、行政として、しっかり位置づけていただければというふうに思います。そのために、札幌市もそうです、深川も20年前からこういうポスターを作って貼り出しているそうですが、いろいろ問題の多かった札幌でも、こういう生活保護の申請についてポスターにして、まず住民に知らせると、こういう制度があるということを。そして、困ったらまず相談してくださいというふうに呼びかけていくことをしているのだということなのですね。これもやはり、憲法25条に基づく住民の暮らしを守るということの一つの方法だというふうに思うわけです。町としても、こういった周知も含めて、考えていくことをしていただきたいと思うのですが、ポスターもそうですし、ホームページにもこういった内容を掲示していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
町の答え 健康福祉課長 高橋憲史
ただいまの、町として広く周知をしていく、生活困窮者の方々のために、いかに周知を図っていくのかといったところかと思います。繰り返しになりますけれども、町民から生活相談を受けた場合は、まず困窮の原因を十分把握した上で、活用できる適切な制度説明を行っているところであり、北海道が実施している生活困窮者自立支援制度や社会福祉協議会が実施しております福祉資金の貸付制度に基づく支援をはじめといたしまして、必要に応じて、生活保護制度につきましても当然説明をさせていただきまして、関係機関につながることによりまして、相談者の方に対しまして確実に支援が行き届くよう現在も努めているところでございます。こちらのほうの制度につきましては、当然ながら民生委員にも広く周知がなされており、まず、町といたしましては、民生委員・児童委員の日(活動強化週間)とされております毎年5月には町広報紙を通じまして、最も身近な相談員として気兼ねなくご相談いただけるよう、周知を図ってきたところでございます。また、民生委員・児童委員には、個別にPRカードのほうも町のほうから配布させていただきまして、世帯訪問の際に必要に応じてお配りをいただくなど、活用いただいているところでもございます。今後におきましても、まず、民生委員や社会福祉協議会、さらには生活困窮者自立支援事業者などとも連携強化の上、現在もこれまで一昨年、昨年と町の会議室のほうにおきまして相談会や何かもいろいろな形の中でそういう場を設けまして困窮者の方のために資する取組を行ってきているところでございますけれども、議員のほうからもお話のありましたポスターやチラシの作成等、こういった部分につきましても、今後、北海道への働きかけを行うなど困窮者の方々に寄り添う、より効果的な制度の周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。以上です。
議員の質問 5番 立野広志
ぜひ、本当に、町の場合は福祉事務所を持っていないというのもあるのですが、やはり道への働きかけ、こういったポスターを作って、チラシもそうですが、道としても積極的に生活保護の制度について周知をするということが大事かというふうに思います。それで、ふだんから職員の皆さんはいろいろ研修もされ、勉強もしているから、よくご存じだとは思うのですけれども、被保護者を希望する人にとって、これから生きていく上で本当に力になる支援は何なのかと。個別のケースごとに対応できれば、どんどん希望が見えてくるのだと思うのです。それが本来の生活保護の行政ではないかなと思います。今はただ担当の課も職員が減らされ、また、コロナ禍もあってなかなか研修も行き届かないというところもあるかもしれませんが、今回の厚労省の通知や、そしてホームページに掲載の本質というのは、コロナ禍などで突然の収入減、そして収入が途絶えるという、まさに未曽有の事態の中で、一時的な収入減の状態から、もう一度働いて自立するという道の最短距離を考えれば、持っているものを処分しろとはならないはずです。この人が立ち上がって、また仕事ができたり、よりよく生きたりすることを考えての最短の道を行くための通知が、この厚労省のホームページであり、また、生活保護の申請そのものを周知することにつながるのかと思います。今回、新型コロナの問題で、政治とか自治体や国の仕事とは何なのかという問い直しが全国的に大規模に今問われているのではないかと思います。誰にでも起こり得るということをみんなが経験しているのだと思います。突然収入がなくなってしまうとか、仕事を失ってしまうとか、急に生活困窮に陥ることがあるのだということにみんなが気づいているのではないかと。そのときに、大丈夫と言える仕組みをつくることが政治の仕事だと。そういうことにみんなが気づき始めていると思います。ある意味、生活保護に対する理解を深められる契機が今、訪れているのだと思います。そういう意味で、本当に担当者含めて、町も振興局に対しても生活保護行政を憲法の25条に基づく最低限の生活を保障する制度と。そして、今のコロナ禍で立ち直るための、立ち上がるための最短の支援なのだということを、ぜひ取り組んでいただきたいと思うのです。当町では、こういった事例はありませんけれども、漁師の方でいえば、船を売れと言われたとか、あるいは建設業の方でいえば、資材を処分しなさいと言われたとか、あるいは住んでいる家を処分してからだとか、車の所有も含めて、これも処分しなければ受けられませんとかという窓口での冷たい対応によって、生活保護を受けられないでいるという方も、これまでも随分いましたし、ましてや、離れた親族などに扶養照会をする。今までは、本人の意思に関係なく、扶養できませんかという通知が来るのですね。そうなると、その人の所在が実はいろいろ理由があって途絶えていたのが分かってしまう。DVで離れていた相手の方に住所が分かってしまうといったことも起こり得るのだそうです。いずれにしても、これも本人の意思を尊重するということでありますから、ぜひ、そういう方向で、町としても取り組んでいただきたい。そのことを、町長も、先ほどからうなずいておられるので、取り組んでいっていただけるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
私も、前に、たしかテレビの画面だったと思うのですが、田村厚生労働大臣が「国民の権利です。ぜひ、こういうのをご利用してください」という発言をされておりました。それを聞いていて、コロナ禍でうちの町も大分増えているのだろうなというふうな思いが実はあったのですけれども、担当に聞いてみたら、そうでもないのですというふうなことで、本当に皆さん頑張ってくれているのだなというふうな思いでおりました。ただ、やはりこれは制度ですから、せっかくこういうふうな制度になりましたので、本当にお困りの方は、町のほうに相談していただければなというふうに思っております。議員の皆様も、近くにそういう方がいらっしゃいましたら、「役場へ行って、一回相談してみなさい」というふうに言っていただければなと思いますので、よろしくお願いします。
議員の質問 5番 立野広志
今、町長にお答えいただきましたけれども、生活保護については、まず積極的に行政が、先ほど言いましたように、チラシやポスター、ホームページ等々、こういった制度を知らない、あるいは制度の申請の方法も、こういったコロナ禍での対応としてもこういうふうになっているのだということも知らない方も多くおいでだと思うのです。ぜひ、まず周知すること。このことに力を注いでいただきたいというふうに思います。それで、3件目の質問に移ります。