洞爺湖町議会 平成30年9月会議 2018年9月19日
町政運営に対する真屋町長の政治姿勢、住民自治のあり方について
2018年9月19日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「町政運営に対する真屋町長の政治姿勢、住民自治のあり方について」質問し、町長 真屋敏春が答えました。
- 聞いた人
- 立野広志 議員
- 答えた人
- 町長 真屋敏春
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 立野広志
6番、立野広志でございます。初めに、西日本を中心とした豪雨や強力な台風21号が列島各地に大きな傷跡を残し、当町においても数千万円を超える被害が想定されております。さらにその直後、北海道胆振東部地方を震源とする大きな地震が発生し、大規模な土砂崩れで家屋が埋まり、これまで胆振管内の厚真町でも36名を含めて、道内の死者が41名、負傷者は681人に上ると報道されています。この場を借りて、被災され亡くなられたご家族にお悔やみを申し上げるとともに、特に18日の時点、昨日では、厚真町とかむかわ、安平などでも地震による避難者が6市町の22カ所で958人になっているという報道もありました。被災住民の一刻も早い復興と生活再建に向けて、私たち日本共産党も震災直後から現地で支援活動を行うとともに、被災された方々の命と暮らしを守るために、被災者対策の充実に向け、関係機関への要請行動を行っているところであります。私も今議会終了後には被災地に入り、支援活動に参加する予定にしております。さて、本来ならここで動画をユーチューブにアップしてというお話もするところでありますけれども、機器に不具合が起こって同時中継ができておりませんけれども、いずれにしても、今議会から洞爺湖町の議会の内容がネットで視聴することができるという状況になりました。洞爺湖町議会での質問内容、答弁内容が、今、世界から注目されていると言っても過言ではありません。そういう認識を持って、これから一般質問を行いたいと思います。まず、町政運営に対する真屋町長の政治姿勢、住民自治のあり方について、先の6月議会でも一般質問させていただきましたけれども、町主催の町政懇談会での参加状況を見ても、町民の町政への関心や、自らの町や地域を自ら考えて、創り出していこうという意識がまだまだ薄れているという感じがします。その一方で、行政に対する批判の声は多く聞かれるところであります。それはなぜかということなのですが、一つは、町民が自ら考え行動する、この自治を機能させるには、やはり町側からしっかりと考える材料となる情報が提供されているかどうかということになるのだと思います。役場が持つ情報と同じ質、同じ量の情報が町民に正しく伝わるならば、そこにさまざまな知恵が加わり、自治が機能し始めると考えられます。要は、情報共有が目的ではなくて、その共有した情報を使って、町民みんなで誇りの持てる町をつくることが、この自治の目的であり形であると考えますが、町長はどのようにお考えなのか、町長自身にお答えをいただきたいと思います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
私、平成22年、町長に就任して以来一貫して、町民の皆様の活力ある参加、あるいは物事を決めるときに、公平・公正、これを一貫して貫いてきたつもりでございます。また、その気持ちは今現在も変わっておりません。また、町のほうからの情報手段といたしまして、ただいま広報「あぶた」を毎月発刊させていただいておりますが、なかなか、地域住民の皆様のお手元に届くように配布しているわけでございますが、中身をしっかり読んでいただける方が今なお少ない。これは非常に残念なことだというふうにも思っています。ただ、まちづくりを進める上で、やはり行政だけが勝手に進めるのではなくて、就任した当初から、第1次洞爺湖町まちづくり総合計画、これに基づきまして、この総合計画そのものは、町民の皆様、そして、そのできた素案を議会にお諮りし、そして定めた10カ年の計画でございました。さらには、この10カ年計画が終了と同時に、第2期の洞爺湖町まちづくり総合計画を立てまして、これも同様の手法で、この計画を作成させていただいたわけでございますけれども、それに基づき、今現在、行政運営をさせていただいているところでございます。そして、庁内には、今までよりも広く行政委員を設置して、そこでいろいろなご意見を伺いながら、町の発展に寄与してきたところでございます。おかげさまで、今、議員のほうから、なかなか住民参加の意識が芽生えていないというお話もありましたが、私ども行政を携わっている者のほうからすると、行政の言わんとしていることにご理解はある程度皆様いただいて、今日まで来ているかな、さらには、町内の団体で、自らが自主的に取り組みをする団体が、ここ数年非常に増えてきているなという感がいたします。特に、産業団体のほうからも、地域活性化特別委員会なるものを設置して、地域の声を行政に反映できないか、行政のほうもその計画をいただきまして、できるところから取り組んでいこうというスタンスで今まで来ているところでございまして、これからもその方針は一貫して貫いてまいりたいというふうに考えております。今ちょっと私の発言の中で、広報「あぶた」と言いましたが、広報「とうや湖」の誤りでございましたので、大変申しわけありません。修正させていただきます。
議員の質問 6番 立野広志
今、町長は、これまでになく行政委員会を数多くつくって、その委員会の方々の意見も聞きながら、まちづくりを進めているというようなお話を中心とされていましたけれども、実は、私ども共産党の町議団として、今年7月から取り組んでおります町民要求アンケートというのがございます。町政や国政問題に対する町民の率直な意見や感想が、これには数多く寄せられています。国保、介護、後期高齢者医療などの保険料の負担額を具体的に明記して、介護保険は何の目的なのかわからなくなってくるとか、引き下げてほしいなど、切実な思いが込められておりますが、また、町民参加のまちづくりとして不足していると思うことは何ですかという問いかけには、まず一つが、計画から決定までの情報提供、そして、住民の意思表明の機会、三つ目には、事業の実施後の効果などの検証、これらの3項目については、ほとんどの方が「ない」あるいは「少ない」と、こんなふうに答えられております。まちづくりに関して、これまで町長に対しても求めてまいりました。住民参加の町政、住民自治に徹することの必要性について、町長は先の議会で、町民に開かれた町政の理念は変わらないと。今もそのようにお答えになっております。しかし、町民の受け止めは、町長が思うほど開かれたものとは感じていないのではないでしょうか。多くの場合、実質的には、行政主導のもとで開催される○○審議会、○○協議会と、あるいは庁舎内の検討などを通じて、行政が事業の方向性や内部協議の結果を固めてから、ようやく町民にその内容を知らされると。その段階では、修正も変更もままならない、こういう状況にあるなどということになってしまいます。町政運営に町民の声を取り上げること、そのためには行政側から、初動の段階から積極的に情報を提供する義務と責任があると思います。そのためのしっかりとしたルールづくりが必要なのではないでしょうか。これが何よりも大事なのではないかというふうに思います。その点について、町長はどのようにお考えでしょうか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
ルールづくりにつきましては、各それぞれの個別条例になりますが、それに基づいて運用をさせていただいているところでございまして、何か情報が公開されていないだとか、あるいはなかなか町民の皆様に知られていないなどということは、行政のほうとしてはそんなに考えていないかな。私もいろいろな場面に出向いて、いろいろな方とお話をさせていただきますけれども、なかなか、今、議員がおっしゃられた、共産党議員団として、今年7月から取り組んでいる町民要求アンケートには、これ確か私も読ませていただきましたけれども、全家庭に入っているわけではなくて、特定の家庭の中に入っている部分というふうに理解しておりましたけれども、町民の皆様には、やはりいろいろな考え方の方がいらっしゃいます。多くの町民の皆様の、私どもが今耳にしている話では、洞爺湖町は非常に今住みやすくなってきているというお話も聞かせていただいておりまして、特に、大家が町である公営住宅等々については、「何かご不自由な点がございませんか」なんていうことのお話をさせていただきますと、「今、大変良くしていただいております」。ただ、この住宅で一部雨漏りがしていて、今そこのところに、雨漏りというよりも、聞きますと、吹きつけの雨が窓から入ってくるというふうな状況でございましたけれども、そういうところも町の職員がすぐに来て直していただいておりまして、安心して暮らしておりますというお話も聞きます。そんな中で、それぞれの方のご意見、あるいは考え方がありますから、一概に、全部が全部そうだとは私も理解しておりませんし、今後も開かれた町政運営をしてまいりたいというふうに考えております。
議員の質問 6番 立野広志
実はこの後に、いろいろ取り上げたいと思っている先進的な自治体の例などもあるのですが、基本は、何のために、誰のために、どのようにして情報管理して、それを開示していくのかということなのだと思うのです。行政の意思決定の流れの中で、住民への情報提供と、それから意思確認、そしてともに検討し、方向を固めていく仕組みがなければ、町長が言われるような開かれた町政も、これはスローガンでしかないというふうに思います。前回の議会、あるいはその前の議会でもそうですが、庁舎内で検討されているまちづくりの課題、例えば洞爺地域で言えば、例のサンシャイン跡地の問題であったり、あるいは高校跡地の利活用の問題であったり、あるいは本町地区でもそうですが、まだ、多分、町長は、それは外に出すべきものではないよと、検討段階だから、それは庁舎内で十分検討して方向性を出してから町民に示していったほうがいいよと、多分そういうような判断を今までもされてきたことだと思うのです。ところが、そうではなくて、まさに今、行政が持っている情報、まだ方向性も確定していない段階で町民にその内容を開示し、一緒にまちづくりを進めていくために検討していく、そういう機会を設けていくということが大事だと思うのです。ここで言う、いわゆる行政の意思決定のプロセスに、住民の情報提供と意思確認、そして、ともに検討していこうという、そういう姿勢がそこに表れていかなくてはいけないのだと思うのです。町民一人一人が自ら考え、行動することによる自治の実現を通じて、住むことが誇りに思える町、町民が自ら考え行動する自治を機能させるには、こうした考える材料を与えること、提供することです。行政が与えるのではなくて、行政はそれを住民に開示する責任があるのだということを、町長自身はどういうふうに認識しているのかということを伺いたいと思うのです。例えば、これは国政の問題でもよく取り上げられることです。最近の国政問題からいっても、情報の公開という点では、例えば南スーダンのPKOの日報問題、森友学園問題、加計学園問題が相次いで、先の通常国会で問題になりました。共通するのは、現政権のもとの決め方と行政文書の問題でした。そして、南スーダンやPKO日報問題は、情報公開請求に対して、不存在決定したこと。また、森友学園問題は、国有地の売却金額を、情報公開請求に対して非公開としたこと。これらがきっかけとなって、その後さまざまな問題が明らかになったわけです。この問題では、情報公開制度は重要な役割を果たしました。情報公開制度と公文書の管理制度、車の両輪とも考えられると言われるわけですが、こういうことがしっかりと行われるかどうかということなのです。情報は、そもそも主権者である町民の財産だと、このために情報は積極的に開示すべきものだと私は思います。行政には情報を開示する責任があると。町長の認識を伺います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
国政と町政は、やはり大きな開きがあると思いますけれども、国政に対しての話は、私も私なりの考え方を持っておりますけれども、町政はそうではなく、そこに住む地域住民の皆様の、やはり暮らしと幸せ、これを安定していかなければならないものだと、常日ごろそう思っております。また、先ほど議員のほうから出てまいりましたサンシャイン、あるいはいこいの家問題、さらには高校の跡地問題、これらにつきましても地域住民にまずは投げかけをさせていただきました。特に高校問題については、地域の方々から多くの方々に参加していただいて、その跡地対策につき、いろいろご検討をしていただいた結果、今年、洞爺保育所の建設に結びついておりまして、残り半分の用地については、地域の方々の憩いの場ということで、これも議会の議決をいただいて予算計上をさせていただき、今進めているところでございます。また、いこいの家、あるいはサンシャイン跡地については、なかなか相手もあることでございますし、話が途切れ途切れになっている部分もございましたが、その都度、地域住民の皆様には、知り得る情報をご提供しているところでございます。また、その提供の最初の前段で、多くの住民の皆様が参加していただいて、いろいろなお話し合いをさせていただきましたが、まず、住民の皆様の中には、やはり最初に、こういう問題については、こういう答えありき的な発言があり、なかなか先に進まないという部分もございました。今になってみますと、多くの地域の方々は、やはりやってもらうべきだ、地域振興のためには、それは必要なことだというふうな声をよく聞きますが、まだ先方との話が具体的に詰まっていないということもございますので、今の段階では、まだ、いつ、こうこうこういうふうにしますという段階まで行っていないのが現状でございます。また、国政の場のことは、よく私も承知していない、話、新聞紙上あるいはメディア等で情報を耳にしておりますけれども、町政運営、特に市町村運営、地方自治体におきましては、隠し事が一切ないというのが原則でございますので、今そういうふうな体制。それに、いかに住民の皆様にご理解をしていただくか、それに行政は努めていかなければならないなというふうに考えております。
議員の質問 6番 立野広志
町長は、今の現状を当然納得しているし、これ以上のものはないというふうに考えておられると思うのですが、実は、「住民と自治」という月刊誌があるのですが、別にこれは共産党の発行しているものでないです。これは、保守であろうと、あるいは野党であろうと、議員だけではなくて、住民自治について研究をされている専門の先生方も含めて、一緒に入っている、全国自治体問題研究所というのが発行している雑誌なのですが。実は、この中で、全国的にも非常に評価をされている一つの実例が紹介されています。それは、北海道の、皆さんよくご存じのニセコ町です。先進的な取り組みの自治体として紹介されています。町長は、今のやり方が十分だという受け止めのようですけれども、実は、ニセコ町には優れた情報公開条例というのがありまして、紛らわしい申請手続をしないで、開示請求を受けたらすぐに開示すると。これは、入手したい文書が、入手したいというのは町民側です。入手したい文書が開示情報に位置づけられていれば、手続不要で即座に開示している。例えば職員などの旅行の復命書の類などはここに入るということです。それから二つ目は、情報の開示を行政文書に限っていないということです。これは、むしろ国などは、行政文書に限るというような位置づけをしているのですが、このニセコ町の場合は、情報公開条例によって、公開する情報を、行政文書であり組織的に用いるものとした縛りを設けていないと。それはどういうことかというと、公開する情報、つまり職員個人が書いたメモ、こういうものも情報公開の対象にしているということなのです。なぜならば、行政の持つ情報というのは、そもそも主権者である町民の財産だという考えに立脚しているからだと。このために情報は積極的に開示すべきものだと。行政には情報を開示する責任があるのだというふうに、ニセコ町の情報公開条例には定められています。そして、ニセコ町の役場、企画課長は、「本町では、これまで続けてきたまちづくりに関するさまざまな取り組みを通じて、情報共有は町民との信頼を醸成し、自治の源泉となることを学んだ」というふうに断言しているのです。ですから、今まで町長は、当然、町長になる前は行政職員でした。長年行政職員として、行政とはこうあるべきという認識を持ってされてきたと思うのです。そういう姿勢に立って、今度は首長になられたわけですけれども、まだまだこの洞爺湖町の場合には、行政の開示の中身も、そして開示の仕方も、これはニセコ町だけではなくて、こういった情報公開条例は、今、全国各地で広がりつつあるわけです。そのことをしっかりと考えるべきではないのかなというふうに思うのですが、町長はどのようにお考えなのかということ。町民参加のまちづくりとするならば、こういう情報共有と、住民参加のための具体策として、これまでの取り組みと課題、今後の施策についても伺いたいと思います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
ニセコ町は、北海道の中、あるいは日本国内の自治体の中でも積極的な情報公開あるいは開示、あるいは住民参加の催し物等々をやっているというのは私も承知しているところでございます。遅ればせながらと言いましょうか、私どもの町も平成18年3月に、洞爺湖町情報公開条例を制定させていただきました。それ以前から、何回も言うようでございますけれども、私どもの町には、まちづくり総合計画、いつも議会で私は言わせてもらっていることでございますが、私どもの町のまちづくりについては、このまちづくり総合計画を基本として、まちづくりを進めていますというお話をさせていただいておりますが、ニセコ町の条例、また、まちづくりの基本となる中身を読ませていただきましたけれども、私どもの今やっていること、内容等々についてはそんなに差異はないかな。ただ、ニセコ町まちづくり基本条例を制定し、それに附随する条例等を並べていっているかな。そんな中では、そんなに遜色はないかなというふうには思っておりますけれども、ただ、一つ違う点は、ニセコ町の場合には、外部に発信する情報伝達、これが非常に優れているなという部分は、私どもの町も謙虚にそれは考えなければならないなというふうに思っているところでございます。
議員の質問 6番 立野広志
読んだらさほど変わりがないと言われますけれども、その運用の方法ですよね。条例で定め、それをどう運用するかということの問題はかなり違うなという気がします。当然、国が基本的な様式を定めて、それに基づいてそれぞれの自治体がつくる、いわゆる情報公開条例ですから、さほど違いがないのは当たり前です。その中に表現される文言というのはかなり違ってきている。例えば、今言われるように、情報は、いわゆる町民の財産なのだと。町は、その情報を町民に開示する責任があるのだという点については、表現の仕方が全然違っているなと私は思うのです。同じような表現を使っていますよ、うちの町でも。ところが、それをかなり重く受け止めていると。そして、実際にそれを実施に移しているというところが大きな違いがあるのかなというふうに思います。町民参加のまちづくりとしての仕組みをしっかり、そういった点では、つくるべきだと思うのですが、まちづくりは、さっきも言いましたけれども、町民一人一人が自ら考える、考えるためには考える材料が必要なのです。そして、行動する、そのためにも、行動するためにも材料が必要だ。そういう自治が基本であります。この自治をより本物の自治に発展させるためには、基本となる条例をつくること。例えば町民自身のツールとして、道具として、これが使われていくようにしていかなければならないというふうに思うのです。主体的に考え、主体的に行動する。町民のまちづくりへの参加が自治を守り、自治を進めるというふうに思うわけです。同じように、ここの冊子に出ているニセコ町の企画担当の職員の方のお話があるのですが、実は、各種統計調査でも、ニセコ町の人口が増加傾向にあると。それは、起業や雇用が増えていることなどの背景には、こういう自治の基盤が大きく影響しているというふうに述べられております。そして、今、町長が言われましたニセコ町のまちづくり基本条例。これは、さらに、内容的には非常に評価できる中身だと私は思います。これは職員が投稿している中身ですが、ニセコ町には、「ニセコ町まちづくり基本条例」という町の憲法とも言える条例があると。この条例は、情報共有と住民参加を町民の権利として位置づけている。明確に位置づけているのです。自治を実現するため、さまざまな取り組みの根拠となっていると。また、最近では、立憲主義という言葉をよく耳にするようになりましたと。主権者である国民が憲法を通じて権力をコントロールするように、私たち町民はまちづくり基本条例を介して、町や議会に情報共有、住民参加を約束させているという点で、この条例を町の憲法と読んでいると。ですから、町長が就任する時には、そのまちづくり基本条例に手を当てて、そして宣誓をすると、こんなことまでされているのだそうです。町長初め職員、議員、町民が一致して、まちづくりの基本となるルールを認めて、これに基づいて、共有した情報を使って、町民みんなで誇りの持てる町をつくるために、実践できるようにしているということであります。その点では、洞爺湖町としても、こういった、いわば時の首長が考えて、まちづくりの基本を定めるのではなくて、あるいは町民への情報提供であったり、あるいはまちづくりのための参加であったりということを、首長自身の判断ではなくて、こういうきちんとしたルールを確立した中でこれを進めていくということが大事だと思うのです。そういった点では、例えば洞爺湖町でも、自治あるいはまちづくりと言える基本政策、基本条例をしっかりと考えていく必要があるのではないかと思うのですが、町長はいかがお考えでしょうか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
そこに住んでいる地域住民の皆様が、やはり喜びと、いわゆるそこに住んでよかったと思われるような類の条例制定には、私どもも十分検討してまいりたいというふうに思っております。ただ、今、条例だけの話で進んでおりましたけれども、私どもが今ニセコ町の内部の話として聞いている話と若干違っている部分があるかなというふうに思っておりますので、その部分だけちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、確かに、お金を持っている方がたくさん入ってこられて、新しい建物、それに土地も非常に高くなってきていると。しかし、昔から住んでいるニセコの人間にとってみたら、なかなか家は建てづらくなった、土地は求めづらくなった。新しい人が入ってきて、新しい事業を展開するときには、ニセコというところは非常に全国からも注目されているが、しかし、昔から住んでいる地域住民にとってみれば、非常に住みづらいところになってきている。それは、私があの地域の方から聞いた言葉でございますけれども、ただ単に条例をつくればいいだけではなくて、いわゆる町の状況、そして、町のこれからの未来の姿、それらを総合勘案しながら、しっかりした政策をとっていかなければならないかなというふうに思っております。
議員の質問 6番 立野広志
今、町長が言われたことというのは、そういうふうに意見を述べられた方の声だということのようですが、これはネット配信もされますので、十分お考えの上で発言されたのだと思うのです。実は、なぜ条例化、あるいはそういうルールをつくる必要があるかということで、一つ例を挙げたいと思うのです。実はこれまでも私、歴代首長、町長に対して、町民への情報開示、そして十分な説明を求めてまいりました。その中で実行されたことがあるのは、例えば、平成11年度、これは真屋さんが町長をやっている時ではありません。虻田町時代です。平成11年度の予算説明資料というのがあります。こういう表、冊子のものですが、これ全町民に配布された平成11年度予算説明資料、これは、その1年間の事業の内容について事細かに、冊子にして町民に配布されたものです。ところがこれ、この1年だけで終わってしまったのです。それから、平成29年度、昨年、「予算から見る洞爺湖町の仕事」というのが、財政課のほうでつくって出していただきました。大変苦労されたというふうに聞いています。これは昨年の5月に発行されています。ところがまだ、30年度、もう5月も過ぎましたけれども、いろいろ忙しかったのでしょう、出ていません。これも先ほどよりも、今度はカラー写真も入って、町の仕事の中身、全部ではないのですが、ピンポイントで紹介されています。実は、大変良いことをやっているのです。やってきているのだけれども、これが続いていかない。なぜ続かないか。これは、継続できないのは、町民との情報共有によるまちづくりについて、規範やルール化がされていないからです。行政にとっての縛りがないからです。出すか出さないかは、その時の、いわゆる町長の認識や担当者の仕事の忙しさ、これもあって、出せるときもあれば出せないときもあるという、こんな格好です。だから、こういうことができたり、できなかったりではなくて、例えばこういう1年間の町の予算、これをしっかりと、これは議会での説明とか広報紙での概要説明だけでは伝わらない詳細な予算内容を掲載して、町のいわば説明責任を果たしているというふうに言えることだと思うのです。まちづくりを自ら考えてもらうきっかけとしていくためのものでもある。その点では、せっかくこういうものを出しているわけですから、毎年出すということが大事だ。そういうことも含めて考えると、やはり町民に情報を積極的に提供する。そして、町民とともに情報を共有しよう、こういう姿勢が行政に十分備わっていないし、それがルール化されていないからだと私は思うのです。そのことを改めて強調しておきたいなと思っています。さっきニセコの話がありました。まちづくり基本条例をつくって、どこの町でもいろいろと問題を抱えていたり、行政上の、町民から批判をされる材料になるものはあるのです。そういうときにこそ、まちづくり基本条例というのは生きてくるのです。例えばニセコなどでは、5名以上が集まれば、どんなグループや団体に対しても、まちづくり町民講座というのを開催することになっているのだそうです。5人が集まって、町職員にこの問題についてちょっと説明してほしいと。私たちとしても多くの町民を呼んで説明を聞きたいので実施したいのだと、こういうふうに要請があれば、職員は必ず派遣されなければならない。こういうまちづくり町民講座というのが開催されているのだそうです。この講座をスタートしたころは、参加する町民から、役場に対する不信感からか、厳しい叱責が多く、説明する職員も、また緊張からか議論をうまくコーディネートできない雰囲気もあったそうです。しかし、回を重ねるごとに町民も職員も肩の力が抜け、議論ができるようになってきたと、こんなふうに言われています。講座は、情報共有や住民参加の実践という本来の目的のほかに、隠れた目的として、それはまさに職員の説明と議論を通じて、職員のプレゼンテーション能力や、町民の皆さんと対話する力の向上にもなっていると、こういうことなのです。だから、地域の住民の人たち、どんなグループでもいいのです。そういうところから、この問題についてどうなっているのか知りたいと、ぜひ教えてほしいということで、町職員に来てもらうということは自由にできるわけです。これは、基本的には5人以上ということになっているようですけれども、そしてそれを、その人たちだけではなくて、声をかけて、10人、20人と人を集めて、町のことを知りたいという、積極的に住民自身も動くことができるというふうになっているそうです。もう一つ紹介します。これ非常にすごいなと思って見ていたのですが、役場会議の原則公開なのだそうです。ニセコ町の情報共有が進んだ実績として、これは、役場では、その仕事に応じてさまざまな会議が開かれます。庁舎の中でもそうです。ニセコの町では、役場が開く会議は、原則公開しているそうです。例えばどんなことが公開されているかというと、新年度予算を決める際は、予算の策定過程にさまざまな住民参加の機会を設けています。まずは、新年度予算の編成方針を町長から職員に説明する「予算編成方針説明会」、これは10月にあるそうです。これをまず公開しているそうです。うちの町では、私が担当課のところに行って、町長の新年度の方針はどういう方針になっているのか、プリントをもらえないかと言ってもらっているぐらいでしかありません。方針を受けた役場担当者が、現時点での予算の方向性を町長に報告する「事業ヒアリング」、これは10月から11月にやるのだそうですが、これを町内13会場に町長が直接出向いて、町民の皆さんからも新年度予算の要望を聞く「まちづくり懇談会」というのを11月~12月にかけてやっています。これらの議論の過程を通じて、翌年3月議会の審議まで、政策の形成経過は全て公開する。これって、うちの町は全くやっていません。そういった点では、ただ要望を聞く、町政懇談会はありますけれども、実際にこうやって新年度予算に向けて作業をするその過程の中で、その時々で町民に公開し、地域ごとにそういった機会を設けていく、こういうことを実はやっております。町長がニセコの町のことを盛んに言われましたけれども、私は、こういった点での進んだ教訓、経験というのは、うちの町でも十分考えていくべきものではないのかなと。それともう一つは、条例をつくったらそれで終わりではないのです。ニセコの町はまちづくり条例をつくって20年になりますが、まちづくり条例の中には、4年ごとに見直しをするというふうに定めているのです。昨年がちょうど4年目の条例見直しを、町民目線での見直し作業ということで行ったそうであります。ここまで徹底して行政の、いわば役場の中での議論の中身、それ自身も町民に公開をする。そして、町民からさまざまな意見も求めて聞いていく。こういうふうにして、情報は町民に開示する責任があるのだということを、そこで徹底しているわけです。そして住民の声をしっかり受け止めるという基本的な考え方があるのです。そういった取り組みをしているわけですが、その点で町長は、実際にこれまでの町政を考えると、そこまでは決して行っていないなと。少なくてもそういうところが取り組まれるような状況に、これから検討していくべきではないのかというふうに思っておりますが、町長はいかがですか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
率直に、ニセコは本当に情報公開にかけては、国内でも本当に有数の手腕を発揮されているな、これは事実であろうかというふうに思っております。また、私どもの町も、その中なのですが、例えば出前講座の話が一つありました。私どもの町も実際にやっております。ただ、それがなかなか私どもの町は、そのことをあまり表に出していない部分がある。PRがちょっと不足しているかなという部分はありますけれども、それはそれとして、やっていることは事実でございます。また、予算の編成の関係でございますが、平成11年でしたか、1冊目ができ上がったのが、11年でしたよね。議員もご承知のとおり、平成11年はちょうど噴火前の年でございました。平成12年から噴火災害、職員も相当、それぞれの職員が疲弊しておったということもございまして、それが長く続かなかったということは、これは私ども遺憾なことでございますが、改めてまた平成29年、これは特に、議会のほうからも予算の細部についてもっとわかりやすくしていただきたいというご要望もございましたので、それをすぐ取り上げさせていただいたところでございます。これは、できれば毎年のように続けていかなければならない。ただ、不慮の災害等があった時には、これはもう、大変申しわけないけれども、その時はご勘弁をお願いしたいなというふうにも思っております。また、今、先進の事例のお話、いくつも出していただきましたけれども、私どもの町も、やはり地方自治は住民あっての自治でございます。私どもよく職員と雑談をする中で、この地域に住民がいなければ我々の職場はないのだということで話をするわけでございますけれども、まさにそのとおりでございまして、住民の皆様の、地域に暮らしてよかったと思われるような行政運営、そのためには、何が今後さらにできるかということをいま一度、やはり検証しなければならないな、これは改めて検証してまいりたいというふうに考えております。
議員の質問 6番 立野広志
1問目だけで結構時間を使ってしまいました。先ほど町長が答弁された中で、私どもが取り組んでいる町民要求アンケート、特定の人だけに配っているのではないかというような言い方をされましたが、財政的なこともあるものですから、全町民にはなかなかできませんけれども、例えば団地ごとにとか、地域を決めて、封筒も中に入れているものですから、その封筒代もあります。受取人払いの料金もかかりますけれども、それもこちらが負担をしながら、実は、もう全部で700通以上、町民の皆さんには配布させていただいています。そういう中で、今、切実な町民の皆さんの声が寄せられてきていると。それも、昔から比べれば、本当に項目一つ一つにぴっちり書いてあるのです。中には、ご自分の住所や名前まで書いて、あるいは、時には、ここの箇所がこうだよと、何とかならないだろうかということで、プリントまで添付していただいたりしています。町のように全町民に向けて配布するほどの財政的なゆとりはありませんので、ましてや受取人払いの封筒ですから、制限もありますけれども、700通を超える人たちに現在配布されているという状況であります。さて、皆さん、町長、改めて行政と住民との関係、住民自治とは、このように互いに切磋琢磨しながらつくり上げていくのだと。そのために、町政が上から目線で町民に情報を知らせてあげましょうとか、あるいは何か上から目線で物を言うような、そういう対応ではなくて、町民と本当に同じレベルで意見を交換し合う。そして、町民から要望があれば、いつでもそれに応えて、必要な情報を提供すると、こういうような姿勢で進めていくことが大事だと思うのです。そのためには、改めて情報共有と住民参加をルール化する、住民自治を醸成するための基本条例を町としてぜひ検討するというふうにお答えをいただきたいと思いますが、いかがですか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
先ほども若干述べさせてもらったつもりですが、やはりいいものは、住民のためになるものについては、それは十分検討していかなければならないし、当然やっていかなければならないというふうに思っております。ただ、やはりいろいろなことの情報収集、そして、住民の皆様と、いわゆる声をさらに近くするための、いわゆる手法等々は、どんな手法でできるのか、条例を制定すれば、ただそれで済むという問題でないというふうに理解しておりますので、そこら辺は十分検証しながら、それらに向かってまいりたいというふうに思っております。
議員の質問 6番 立野広志
どうも町長の言っていること、最後はよくわからないのですが、条例でなくてもと言うのですが、要は縛りなのですよ、行政に対する。憲法と同じだと、それこそニセコもそうです。縛りなのです。だから、条例と言わずではなくて、条例化して、そのもとでしっかりと実践すると、このことが大事だと思うのです。それが、真屋町長が何期されるかわかりませんけれども、真屋町長に代わる町長が次に出たとしても、あるいは担当する職員が代わったとしても、その条例があくまでも基本となって、住民への情報共有、そして、まちづくりへの参加、このことをしっかりと保障していくのだということの制度をルール化するということなのです。そのことを改めて私は求めて、次の質問に移りたいと思います。