みんなの議会

洞爺湖町議会 平成30年6月会議 2018年6月15日

3期目となる真屋町政の政治姿勢、町長が強調されている産業振興の陰で、これを支えている就業者に対する行政の下支え

2018年6月15日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「3期目となる真屋町政の政治姿勢、町長が強調されている産業振興の陰で、これを支えている就業者に対する行政の下支え」について質問し、町長 真屋敏春、産業振興課長 佐藤孝之が答えました。

聞いた人
立野広志 議員
答えた人
町長 真屋敏春、産業振興課長 佐藤孝之

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

議員の質問 6番 立野広志

6番、立野広志でございます。今回、町長のほうに3件の一般質問の通告をさせていただきましたが、1件目については、3期目となる真屋町政の政治姿勢、町長が強調されている産業振興の陰で、これを支えている就業者に対する行政の下支えを求めて質問をさせていただきたいと思います。初めに、さきの町長選挙で真屋町長が再選されましたことをお祝い申し上げたいと思います。今回の町長選挙は、真屋町長にとって、率直に言って、1期目の選挙と比べてどのような印象を持たれたのかということだけ最初にお伺いしたいと思います。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

今回の選挙は、皆さん知ってのとおり、3人の方が立候補したところでございます。それぞれの方々が洞爺湖町を住みよいまちにしていきたいとの思い、その決意で立候補されたと思いますし、一緒に戦った者として、その勇気と熱い思いに敬意を表するところでございます。三人三様で、自分たちの思いを有権者の皆様に訴えてきたところでございますが、それを聞いた有権者の皆様お一人お一人の受けとめ方の結果がこういうふうな結果になったのだなというふうにも思っておりますが、正直言いまして、町長選挙は本当に大変な選挙だなというふうなものを感じているところでございます。1回目にしても、3回目にしても、選挙というのは本当に大変なものだなというふうな感じがしているところでございます。期間中は、町民の皆様より数々のご意見を賜りました。改めて町政を担う責任の重たさを感じているところでございまして、職員と一丸となって未来につなげるまちづくりに取り組む所存でございます。

議員の質問 6番 立野広志

今回の選挙では、町長が1期目に立たれたときに比べますと、得票そのものも少なくなっておりますし、逆に、対立候補の二人の候補者の得票を合わせますと町長の得票を上回ると、こういう結果ともなっています。その点についてどんなふうに受けとめているのかということもちょっとお伺いしたいのですが、これは真屋町長が就任直後、今年の5月の執行方針では、選挙戦を通じて町民の皆様の生の声を改めて伺い、気持ちを新たにしておりますと述べておりますけれども、気持ちを新たにするという中身がどのようなものなのか、先ほどのお答えにもありますけれども、改めてお聞かせいただきたいのですが、結局、3期目の挑戦ということで、1期、2期の真屋町政の取り組み状況、町民自身の気持ちとしては、やはり何かしらそこには現町政に対する一定の批判的な印象というのもあったのではないかと。そのことについて、町長としてはどういうふうに受けとめているのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

今回の選挙は、先ほども申しましたとおり、3人の方が立ったと。特に、若い感覚でまちおこしをしていきたい、そういう声が、やはり1期、2期とやっている中で、町民の皆様には新しいものも求めていくと、そういう受けとめ方もあったのかなというふうに思っておりますが、それはそれとして、最終的には当選者ということでいただいたわけですから、今後とも謙虚な気持ちで町政運営に当たってまいりたいというふうにも思っております。また、開かれた町政ということで、自分が町長になってからもずっと一貫しておりますけれども、庁内には各種委員会があります。また、協議会、あるいは審議会、庁内で恐らく450人程度の方々が何らかの形でこの委員会、協議会、審議会に携わっていただいておるかなと。そんな中、まちに出るときに自治会連合会、あるいは老人クラブ連合会、こちらのほうの方々とも常に意見交換をさせていただいているところでございまして、研修会等も出席させていただき、皆様の生の声を聞かせていただいているところでございます。また、各産業団体との意見交換会、あるいは若手のそれぞれのグループの方々との意見交換会、あるいは婦人団体の皆様方との意見交換会、そして、さらには町政懇談会等々で地域の皆様の幅広いご意見を伺っているところでございますけれども、この中でまちづくりにでき得ることにつきましては、その都度、まちづくり総合計画とも勘案しながら、行政運営に反映させていただいてきたところだというふうに認識しております。また、数は少ないのですが、この議会の中で、議員さんのご提案で町長ポストということをやらせていただいております。残念ながら、投稿個数は少ないのですが、数少ない投稿数の中でも、その全てに対応させていただいてきているところでございまして、広く町民の皆様の声を行政に反映させていきたい。1期目の信条でございますけれども、公正・公平、ある意味、いろいろな方々のご意見を賜りながら町政運営を進めてまいりたいなというふうに思っているところでございます。

議員の質問 6番 立野広志

これまで真屋町長が、平成22年度の選挙以来、この前の、今年の、30年度の選挙までの間に、年始めには執行方針を行っておりますが、この執行方針の中で、特に町政運営にかかわる姿勢をどのように表現されているのかということについてちょっと調べてみました。そうしましたら、最初に町長になられた年の執行方針の中には、「町民との対話を深め、合意形成に努め、偽りのない開かれた公平・公正な町政の運営を行う」と、こんなふうに表現をされていたのですが、その4年後の2期目以降からは、「町民との対話」「合意形成」の言葉も、それから「公平・公正な町政運営」という表現も少なくなりまして、「開かれた町政」と。今、町長がお話になりましたが、「開かれた町政」との表現のみが使われるようになってきました。さらに、29年度、そして今年度の執行方針には、この「開かれた町政」という表現も実はなくなっています。今、町長が各種団体との意見交換会を実施したり、あるいは町長ポストも、数少ないが実施されてきたということで、町民の声を極力聞き入れると、こういうような努力をされてきたということではありますけれども、町長が言われる「偽りのない開かれた町政」というのはどういう町政運営だったのかと。2年前から、この執行方針の中にはこれが表現されなくなってきた要因は何なのかということを改めて伺いたいと思います。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

平成22年に町長に初めて当選させていただき、この間、2期、町長を務めさせていただいて、今回3期目になったわけでございますが、1期目からその気持ちには変わりありませんし、今現在もそういうつもりでやらせていただいておりますし、3期目においても、その公平・公正、あるいは開かれた町政、お呼びがありましたらどこにでも行きますし、そういうつもり、あるいはそういう気持ちで、今まで今日やってきたつもりでございます。それと言いかえれば、例えば、強く物を言う人、あるいは権力のある人方のご意見はご意見として、それが町政に反映できるのかできないのか、それは行政内部のほうでいろいろしっかり議論をさせていただいて、ある意味、私は、公正・公平な気持ちで今日まで町政運営をしてきた、それは今後も続けていきたい、そういう気持ちでございます。

議員の質問 6番 立野広志

多分そういうお答えになるだろうと思ってはいましたが、執行方針には明記していないけれども、姿勢は何ら変わっていないと、こういうことを言われようとしているのでしょう。地方自治の方針は何かといえば、憲法の第92条の規定にも明らかですが、団体自治と、それから住民自治の双方を実現することだと。これはもう町長も十分ご存じのことと思います。特に、住民自治とは、地方の政治や行政が中央の官僚によってではなく、その地域の住民とその代表者によって行われると。つまり、民主主義が徹底されることでなければならないわけです。そのためには、行政の意思決定のプロセスとして、まず住民に情報の提供、必要な情報をまず提供すること。そして、その情報提供に基づいて、住民の意見をしっかりと聞くこと。それに基づいて行政が審議過程の公開を行うこと。4番目には、審議している中間報告なり審議の方針が一定示された段階で、改めて住民にそれを開示して、住民の意見を聴取する。最終的には方針を決定するし、決定内容の周知や実行も行うと。こういう一連のプロセスを通じて、町長が執行方針で述べられているように地域の連携とか協働、融和を基本とした町民との対話を深めると、合意の形成に努めると。また、偽りのない公平・公正な町政運営を行うと。これは町長が最初に町長になられたときの執行方針ですが、そう言えるのではないかと思うのです。その辺が、やはり長年町長として、その職を果たされてきた中でいうと、時には住民の意見があまり取り上げられない。そして、行政の意思がほとんど住民に伝わらない。そういう中で突然計画が発表される。意見を述べても計画の変更がもうできない状況になっている。こういうことが起こってくるようでは、これは住民自治とは言えないと思うのですね。ぜひとも、今、町長が言われた、執行方針に明記していないが、姿勢は何ら変わらないのだと、このことを今後の姿勢の中でも持ち続けていただいて町政を運営されることを求めたいと思います。これはちょっと今時間もありませんので、町長の思いは聞きましたから、そういう方向でぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。本題に入りますが、町の産業と雇用の状況に対する町長の政治姿勢についても伺いたいと思います。これは、安倍内閣が進める経済政策、よくアベノミクスと言われていますが、町長の受けとめはどのような思いだったかというと、これも平成28年度の執行方針に「改善傾向にある国内経済状況は、徐々にではありますが地方へも浸透し始めており、その流れをしっかりと確実なものとする施策が求められ」云々と。こんなふうにアベノミクスによる経済政策が地域経済に好影響を与えつつあるかのような受けとめをされていました。これは現在でもそのように認識されているのでしょうか。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

前段でちょっとお話をさせていただきますが、先ほどの質問の中で、私どもは平成22年、私自身ですけれども、22年に町長になってから、住民の皆様の声を反映させるべく、行政運営をしてきたつもりでございます。そんな中、今までちょっと霧がかかっているような状態の、例えば土地開発公社ですとか、それも議会の予算づけをしていただいてという意味で廃止をし、今現在は全て町の事業をやるときに一般会計を通させていただきます。その都度、予算を議会に提案して、議会議員の皆様の議決をいただいて事業を運営しているところでございまして、何か町民の皆様の声を聞いていないだとか、あるいは、町が単独で事業をやっているのではないだろうかなんていうことは一切ございませんので、その辺はご理解のほどよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。アベノミクスの関係でございますけれども、私ども正直言いまして、アベノミクスのその政策三本の矢、こちらのほうが本当にうまくいけばそれはいいものになるかもしれませんが、今現実問題として、非常に格差が出てきているのではないだろうか。正直言いまして、本州方面では確かに景気が上向いているかもしれません。が、しかし、北海道においては、まだまだその景気の波が押し寄せてきている実感が伴っていない。これはちょっと、やはりどこか違う世界の経済効果を言っているのかなと。金利にいたしましても、今なおゼロ金利が続いている。地域にとってみたら、やっぱり特にお年寄りの方々は、今までは、年金をいただいてそれを楽しみに、預金利息がついて孫にも何かを買ってあげられる、それが今現在ないのはやっぱり今の政策がちょっと間違っているのではないかなというふうに感じている一人でございます。

議員の質問 6番 立野広志

実際には、28年度に先ほどのような執行方針で町長は言われていましたけれども、1年後の29年度の執行方針には、町長も、長引くデフレと円高による景気の低迷や国際情勢の不安とか、消費税増税と社会保障制度の一体改革等々によって、洞爺湖町を取り巻く環境は厳しいものがありますと、1年後にはそういう評価なのですね。ですから、当初、アベノミクスに対する期待を持っていたのであろうと思いますけれども、結果としては、それは1年も持たずに、この町の現状を考えたときには、その恩恵は全く受けていないというようなことになるのではないでしょうか。前年度の改善傾向にある国内経済状況どころか、この安倍内閣による経済政策の恩恵を受けることなく増税と社会保障制度の一体改革などが行われましたが、町内の経済も町民生活もますます厳しくなっているというのが実態だと思っています。その辺では、町長の先ほどの答弁でも共通していることではないかと思います。そこで、町内の主要産業の生産額や取引額、さらに売上額がどの程度増えてきたのか。就業者の賃金や労働環境が実際に改善されてきているのかと。町内の実体経済は決して改善されていたとは言い難いものではないかと思うのですが、その辺についても町長の認識を伺いたいと思います。

町の答え 産業振興課長 佐藤孝之(産業振興課長は2019年3月まで)

洞爺湖町の主要な産業でございますが、農漁業や観光産業などの大幅な生産額の増ですとか、売上額の増となっている状況ではないという認識をしております。また、就業者の賃金や労働環境等についても、これは幾らか少しの改善はあるものの、大幅な改善にはつながっていないというような状況ではないのかなというふうに認識しております。

議員の質問 6番 立野広志

実際のデータというのは、なかなか町単独のものというのはなくて、北海道でいけば振興局単位であったり、せいぜいその狭い範囲でいうと。そういうところで出しているデータが最も地元に近いものなのかなと思うのですが、実際の状況を把握する上で、国勢調査の結果とか各種の産業統計調査などによる分析が役に立つのだと思うのですけれども、その辺の最近の調査結果と分析内容などがもしあれば出していただきたいと思います。それと、もう一つ、町長は、よく洞爺湖町の産業構造について、これは29年度の執行方針でこういうふうに言われているのですね。医療・福祉分野と観光関連とのツインタワーとなっているとして、サービスを提供する側の環境や質の向上のため支援すると、こんなふうに執行方針で述べられています。以前は、洞爺湖町の産業構造を飛行機に例えて、胴体が観光だと。両翼が農業と漁業であると比喩されていたわけですが、町長の今後の産業政策の重点もこのように変化していると考えていいのかどうか、この点についてもお伺いしたいと思います。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

町の産業構造でございますけれども、観光を主体として両翼に農業、漁業、これについては一切変わりありません。その都度、それらの対策を打っていく。たまたま20何年でしたか、観光もそうでございますけれども、医療福祉分野、こちらのほうも私どもの町にいろいろ進出していきたいというお話がありまして、私が町長になってからも、福祉分野では相当数が来ていただいているかなと。これは国勢調査になりますと当然人口がカウントされますので、交付税にも影響が出てくるということから、観光は交流人口の拡大、そして、当時はやはり定住人口あるいは交流人口というものに非常にウエートを置いていた部分がございまして、特に、今は定住人口、交流人口の間に「関係人口」というのが新しく出てきたようでございますけれども、まずは、人に来てもらえるまちづくり。そのためには福祉分野にも力を入れていかなければならないという思いでございました。ただ、前段で申しましたとおり、観光が主体産業で、農業、漁業が両翼。これについては、今なお私どもの主力産業でございますので、これはその都度、支援なり応援をしてまいりたいというふうに考えております。

町の答え 産業振興課長 佐藤孝之(産業振興課長は2019年3月まで)

各種データ等の関係でのご質問ございましたので、その辺についてちょっとご説明したいと思います。町内のまず実態でございますが、具体的な産業別の所得等に関する資料がございませんので、はっきりとしたことは言えませんけれども、平成22年と27年の国勢調査の、まず就業者の数のデータからどのような状況にあるのか、ちょっと確認をしてみました。それで、1次産業の農林漁業は、平成22年が709人で、平成27年が595人で、114人の減。2次産業の建設業や製造業は、平成22年が652人で、平成27年が588人の64人の減。3次産業については、平成22年が3,300人、平成27年が3,072人で、228人の減となっております。その中で卸売・小売業が581人から511人で70人の減と。それから、飲食・宿泊業、これについては731人から639人で92人の減ということになっています。唯一増加しているのは、医療福祉部門で711人から735人で29人の増となっている状況でございます。

議員の質問 6番 立野広志

今、統計上のことで説明いただきました。これは後で取り上げたいと思うのですが。今、町長が、特に、最近強調されているツインタワーの産業構造なのですが、それを下支えしているのは、本当に安い賃金で働いている多くの労働者だと思います。雇用環境も労働条件も決してよいとは言えません。例えば、私が聞き取りで調べた話ですが、ある施設の厨房で働く女性労働者は、人手が足りない上に大鍋などを一人で扱って、足腰を痛めながら働き続けているそうですが、あるいは、介護や医療の現場でも人手不足は直接就業者の負担となっています。観光産業では、ホテルの厨房でも客室係でも人手不足と過重労働が続いています。こうした現状の中で、待遇の改善は遅々として進んでいないという状況だそうです。それは医療や福祉の分野でも、観光産業に従事している労働者も、今、毎月、町としても求人情報を町内の回覧に入れていますが、ハローワークの求人欄には繰り返しこれらの産業に関しての募集が出されている状況を見ても、なかなか人が集まらない、そういう状況をあらわしていると思うのです。事前に町からいただいた資料、今、説明いただいた資料でもあるのですが、洞爺湖町の概要2017年版というのがあって、そこには宿泊業や飲食サービス業を一括りにして、事業者数と従業員数を平成21年度から2年刻みで平成28年度まで記載しています。これと同時期の、今の従業員ですね、これと同時期の観光客の入り込み状況、宿泊の実数や日帰り客を比べてみて歴然としてわかることがあります。平成24年度の観光客の宿泊実数は46万3,323人、宿泊実数ですね、46万3,323人に対して、平成28年度には65万8,291人と宿泊者が142%伸びています。ところが、宿泊業や飲食サービス業のそこで働く従業員の数はどうなっているかというと、平成24年度は1,189人なのですね。それが平成28年度には増えるどころか減っています。1,098人であって、観光客が1.4倍伸びる中で、実は従業員の数は逆に0.92%減少している、こういう状況になっています。つまり、宿泊者を含め、観光客が大きく伸びている中で、従業者数は増えるどころか、むしろ減少しているということがうかがえると思うのですね。観光客の入り込み客数だけを見て、それを支えている従業者の過重負担を見ないのでは、行政の観光政策は片手落ちだと言わざるを得ません。医療や福祉業の従業者数も平成24年度に一時増えた時期もありますけれども、平成26年度、28年度と減少しています。町のほうに事前に出していただいた資料には、国勢調査で集計された産業別従業者の賃金推移などがありませんが、私の知る限りでは、この過重労働、長時間労働が増えているもとで待遇が変わらない、そういう声も聞きます。町長が言われる観光と福祉産業のツインタワーは、その土台が揺らぎ始めている。産業振興として、事業者支援、あるいはイベント事業に力点を置くだけではなくて、その土台となっている就業者の労働環境や暮らしを下支えすること、いわば耐震補強しなければ、ツインタワー自体が立ち行かなくなるというふうに考えるわけですが、町長の認識はいかがでしょうか。

町の答え 産業振興課長 佐藤孝之(産業振興課長は2019年3月まで)

ただいまの、宿泊客が年々増加しているのに宿泊業の従業員数が減っているという状況についての要因、それから、医療福祉部門における所得の状況について、具体的な部門ごとのそういった所得等の金額のデータがございませんので、はっきりとした原因究明には至っておりませんけれども、まず、ハローワークの求人、それから求職の人数のデータから今どのような状況にあるのか、ちょっと確認をしてみました。それで、平成30年4月に新規に求職の申し込みをされた件数については、全体で1,020人ということでございます。29歳以下が169人、30歳から44歳が301人、45歳から59歳が258人、60歳以上が292人という状況でございます。若者よりも30代、40代の子育て世代が多いのが目立っているという状況でございます。また、60歳以上の退職後に職場を探されている方も多いという状況ではないのかなというふうに思っております。それから、平成30年4月の室蘭地区の有効求人倍率については1.36倍でありまして、全道の1.07倍を大きく上回っておりますが、具体的な人数で示しますと、4月の求職者数は新規の1,020人を含めると3,088人、求人数が4,186人となっております。平成29年4月の時点では有効求人倍率が1.23倍であり、求職者数が3,332人に対し、求人数が4,088人でしたので、求人状況は改善されているのではないかと思われますけれども、求職者の状況が一気に改善されていると言える状況ではありませんので、就職しても短期間で離職されて、再度職場を探されている方も大勢いるということが予想される状況でございます。また、本年3月の高卒者の就職希望者は374名でありましたが、全員就職が決まっております。平成21年3月以降のハローワークのデータで見ますと、初めて100%の就職率となっておりますが、求人倍率の示すとおりとなっている状況でございます。しかし、就職後の職場環境などにより短期間で離職し、再就職先を探すような状況ということが心配されております。また、地元での再就職ではなくて、都市部に転出されることも懸念されているという状況でございまして、このような状況に対してどのような対策ができるのか、今後、商工会や観光協会など、そういった関係団体とも一緒になって考えていかなければならないというふうに考えてございます。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

特に、働いている方々の賃金体系、これは、北海道はご承知のとおり、810円になっております。今現在810円です。去年の10月1日からでしたか。加えて、本州のほうは700円台がまだ非常に多いと。特に九州、それから沖縄のほうは740円程度。非常に北海道のほうがやっぱり上回ってきていると。その部分、北海道最低賃金ですから、各事業者さんのほうにはそれぞれ通達が行っていると思いますけれども、その分、やはり従業員の皆さんの給料はよくなってきていると、私どもはそういうふうに理解しておりましたけれども、なかなかそれが反映されていないということになると、労働基準監督署等々の関係も入ってくると思いますので、私どもがちょっと一概には言えないところがございますけれども、ある程度、働いている方の給与体系は、今現在は、北海道の場合、少しずつはよくなっているのではないかなと。それがずっと広がって、さらにそれが上がるようなことになればなおいいことなのかなというふうに思っておりますけれども。何かよく私もわからないのですが、全体を見て言っておられるのか、それとも、二、三の方のご意見を聞いて言っておられるのか、その辺がちょっとよくわからないものですから、後でまたちょっと精査をしていただければなというふうに思っております。

議員の質問 6番 立野広志

町長はまだよく理解されていないのだと思うのですが、まず、今、全体的にいえばそういうことなのですよ。宿泊のお客さんが増えると。ところが、そこで働く従業員に人数は逆に減っていると。そういうことを考えたときに、当然過重負担になっていくということは明らかだし、現実に働いている人たちの声を聞くと、そういう声をよく聞くわけですよ。町長は、とにかくこの洞爺湖は観光地だと。観光客が何万人入りましたと。昨年に比べて何人増えました。盛んにそういうことは言われるけれども、そこで働いている町民や従業員の生活がそれで本当に豊かになってきているのかと。よくなってきているのかというところにもっと視点を置いてまちづくりを進めていかなければならないということを、私は町長自身にやっぱり気づいていただきたいなということなのです。観光や医療、介護などで働く労働者の多くが今非正規雇用の労働者です。女性パート労働者でもあります。安定した収入とか安定した雇用が保障されず、長時間、過密労働の中で今ダブルワーク、トリプルワークをしながら家計を支え、そして、今言われたように、30~40代のようにまだ子育てをしている世代、そういう子育て世代が多く働いています。これは、私がただそれを言うだけではなくて、北海道自身が調査をした結果でもあります。北海道の雇用創出基本計画、平成28年の3月、特に非正規雇用の問題について調査した結果ですが、就業構造基本調査というのがありまして、そこに、非正規労働者の割合は上昇傾向にあり、平成24年には全国が38.2%に対して、この北海道では42.8%だと。全国よりも高い水準になっていると。5人に2人以上が非正規労働者だという水準になっているということです。男女別に見ると、男性は非正規労働者の割合が3割以下である。女性は6割を超えている。このうちパートタイム労働者の割合は、男性が15%であるのに対して、女性は60%を超える水準となっている。特に女性は、全国と比較し、全年齢階層を通じて非正規労働者の割合が高い状況だと。産業別では、非正規労働者の割合が高い主な産業としてということで、宿泊業、飲食サービス業がその7割を超えているというふうにまで指摘されています。つまり、今、町長が盛んにこの町の観光振興、それは必要なことだと思いますよ。観光客が入ってくること自体が。それと同時に、それを受け入れて必要なサービスをして、そして、それで賃金も得て生活をしている町民自身の暮らしがどうなっているのかというところにもっと目線を持っていかなければ、ただ観光客が増える、しかし、そのことによって、同時に働いている人たちの所得が豊かになる、暮らしが豊かになるかどうかというのはまた別問題になっているのだというところを見る必要があると。北海道の調査でも明らかなように、町長が言われるツインタワーの産業構造は、これを支えている就労者の労働環境を改善して向上させていかなければ、町の産業も町民の暮らしも守ったことにならないということを改めて訴えたいし、そのために行政として何ができるのかということをぜひ考えていただきたい。今、私が言ったことが実態としてどうなのだということをぜひ町としても調べていただきたい。町独自にですね。その上で、必要な対策、あるいは事業者に対する要請、こういったものをしっかりとやる必要があるし、中小零細の企業に対しても町として必要な援助を行いながら、そこで働く労働者の環境改善のために努めていくという姿勢が、私は、行政として、特にこの労働行政として、町が行うべきことではないのかということを改めて述べたいと思うのです。そのことについてどうお考えなのか、伺います。

町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)

町内の事業者さんそれぞれ、私ども、議員もご承知のとおり、噴火災害という災害を抱えております。その都度、やはり借金をしていると。役場もそうですけれども、借金残高がある中、給料にすぐ転嫁できる事業者さんなんか、その辺は私ども、まだ承知していない部分がありますが、今聞いている中では、それぞれの事業者さんがまだまだ借金が残っていると。私どもの町も、一般会計ではかなりの額を繰上償還等々させていただいてきまして、公債費比率の引き下げ、これになってきたわけでございますが、一般会計で今91億円、残債が残っている。そのほかに特別会計を含めると136億円ほどの借金を私どもの町も抱えている。そんな中で、私どもも嘱託雇用、あるいは臨時的な雇用もあるわけでございますが、今、道の最低賃金よりもはるかに何とかしなければならない職員並みの給与ということで、年々上げてきた結果、相当、今、町内ではやっぱり一番高い雇用主になっているかなというふうな自負はありますけれども、それを先ほど申しました個々の事業者さんにお願いするというのは、私どものほうとしては、その事業主さんの経営体系もあることから、そこまで口出しは今できるような状況ではないなというふうに思っております。それと、所得調査を何とかできないかと。大きな市、財源的に裕福な市でしたら、それはできるかもしれませんけれども、こういう財源力の少ないところ、そして、職員の数も少ないところではなかなか、検討はしても今すぐというのは難しい話かなというふうに思っているところでございます。

議員の質問 6番 立野広志

今回こういう形で、特に、華やかな産業の陰で、それを支えている就労者の状況についても、行政がしっかり目を向けて、その必要な対策を打つべきだという話は、以前も幾つかそういう機会を持って話をしたことがありますけれども、改めて、町長の今の答弁を参考にして、別な機会にもう一度進めたいと思います。ただ、言えることは、調査もしない、そして、今の事業者は借金を抱えているから、行政側からそれを申し入れるようなこともできないということを最初から決めつけていたのでは、こういった町民自身がそういう産業の下支えをしながら、それこそ支えてやっている住民自身が、幾らでも負担を強化されても構わないのだというふうに言っているように聞こえるので、それはやっぱり町長としてそういう認識はおかしいと。町政というのは、事業者を守るだけではなくて、そこで働く、あるいはそこで暮らす住民自身の生活と命を守る、そのことも重要な仕事の一つではないですか。だから、そういう町民の就労実態がどうなっているのかということを調べるのは、行政の責任ですよ。そして、その実態に基づいて、必要な対策は行政として何ができるのかということを検討するのも行政の仕事ではないですか。そのことを初めから投げ出してしまうような、そのようなことは、私は絶対認められない。そのことは町長も同じことを繰り返すのかもしれませんけれども、時間もないので次の質問に移りたいと思うのですけれども、よろしいですか。

議員の質問 6番 立野広志

はい。

出典:洞爺湖町議会 平成30年6月会議 2018年6月15日 議事録 PDF(8ページ) 間違いを知らせる