洞爺湖町議会 平成28年3月会議 2016年3月8日
『子どもの貧困』一刻も早く実態をつかんで!対策を
2016年3月8日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「『子どもの貧困』一刻も早く実態をつかんで!対策を」について質問し、健康福祉課長 皆見亨、管理課長 天野英樹、町長 真屋敏春が答えました。
- 聞いた人
- 立野広志 議員
- 答えた人
- 健康福祉課長 皆見亨、管理課長 天野英樹、町長 真屋敏春
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 立野広志
次に、二つ目の質問に移りたいと思います。「『子どもの貧困』一刻も早く実態をつかんで!対策を」という見出しで質問通告をさせていただきました。子供の貧困問題が年々深刻さを増しています。厚生労働省がまとめた調査、2012年の調査ですけれども、18歳未満の子供がいる世帯の相対的貧困率が16.3%だと言います。道内でも子供人口が約63万人中、福祉制度の対象となっている約9万人を含めて、経済的困窮状態の子供は10万人余を超えると言われています。今や、子供の6人に1人が貧困のただ中にいると。そうした中で、2014年の1月に施行された子供の貧困対策推進法に基づいて、その年の8月には、対策の方向を示す大綱が閣議決定されました。この大綱によって、地方自治体は施策づくりが責務となり、実効性ある対策をどう進めていくのか、まちの姿勢が問われています。子供の貧困に対する問題意識を持って、実態把握や施策が検討されているのか、そして、就学援助基準の引き上げなどは、すぐにでもできる対策として実施すべきではないかというふうに通告をさせていただきました。時間がなくなってきたので、少しはしょりますけれども、まず、子供の貧困というものをどういうふうに捉えているのかということについてお答えをいただきたいと思います。
町の答え 健康福祉課長 皆見亨(健康福祉課長は2018年3月まで)
お答えいたします。子供の貧困の背景には、格差の拡大があると考えております。離婚などによるひとり親世帯の増加に加え、企業が正社員を減らし、賃金の低い非正規労働者をふやしてきたことが貧困率を押し上げたと言われております。子供の将来が、生まれ育った環境、例えば保護者の生活困窮などにより左右されることがないよう、子供が必要な教育や訓練が受けられない、貧困の連鎖が起きることがあってはならないと思っております。以上です。
議員の質問 6番 立野広志
私と大体同じ認識なのですが、そういう中で子どもの貧困対策法というものができて、それぞれの自治体としても、これに基づく計画を立てなければならない、実効性ある対策を進めなければならないというふうにされています。大綱の中には、貧困を示す指標が25項目あります。実際に対策法に基づく取り組みが当町において行われているのかどうか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
町の答え 健康福祉課長 皆見亨(健康福祉課長は2018年3月まで)
お答えさせていただきます。北海道では、平成27年12月に平成27年度から平成31年度までを計画期間とする「北海道子どもの貧困対策推進計画」を策定いたしました。計画では、生活保護世帯やひとり親世帯の状況等をもとに、本道における子供の貧困の状況を分析しております。当町におきまして、貧困の状態にある子供の実態把握につきましては、現在実施をしていないところであり、早急な実態調査を図っていきたいと考えております。以上です。
議員の質問 6番 立野広志
実態把握はしていないということですね。2014年ですから、かれこれ2年たっているのですね。そういう中で、今、子供の貧困問題がどういうふうにあらわれているのかということも含めて、早急な調査、把握をしていただきたいと思います。こうした中で、何が起こっているかということなのですが、これは全国的な傾向だということで、当町の例ではないのですけれども、全国的調査では、経済的理由で子供の医療機関の受診を控える貧困世帯が、そうでない世帯と比べて4.4倍もあると。そしてまた、大学進学率は、全世帯の73%に対して生活保護世帯は31.7%なので、著しい落差がある。それから、文部科学省の委託研究でも、貧困世帯の子供が長時間学習しても正答率が低い傾向にあり、自助努力では限界があることも示している。貧困世帯の子供の進学状況などが改善した場合、生涯所得の合計が2兆9,000億円もふえる、国の財政が1兆1,000億円改善するという民間の機関の推計も出ています。これは、北海道新聞の3月5日の記事にも同じような記載がありまして、子供の貧困を放置するならば、支援せず、放置した場合、北海道全体の損失額を示しております。全国的には2兆9,000億円だというのですが、北海道は1,560億円損失するというふうに言われています。これはどういうことかというと、貧困対策が必要な子供の高校進学率や中退率を全国平均並みに改善させるというふうにした場合、それだけの所得や経済波及効果が生まれてくるのだということなのです。ですから、特に、子供の貧困問題についても、こういう観点から捉えることも大事ではないかと思いますが、その点について、どのように現状を受けとめているのか、実態調査をしていないということでありますから何とも言えないのかもしれませんが、25項目の貧困をあらわす指数の中には、それぞれ当町においても関係するものが出ているわけで、その辺を見たことがあるかどうか、確認しておきたいと思います。
町の答え 健康福祉課長 皆見亨(健康福祉課長は2018年3月まで)
お答えをさせていただきます。子供は国の宝でありまして、将来の日本、そして将来の当町を支えていただくためには、これからの子供たちにかかっているというふうに感じているところでございます。未来あるまちづくりのためにも、貧困状態にある子供の課題を的確に把握し、子供の貧困対策を総合的に推進するための財源につきましては、国や道の動向を注視してまいりますが、子供の貧困対策はあらゆる分野に関連する重要な課題であり、有効な対策を国においても示していただきながら、また支援いただくことも必要ではないかというふうに感じているところでございます。
議員の質問 6番 立野広志
そこで、具体的な支援の中身について、私から提案させていただきたいと思います。このことについてぜひ検討いただきたいと思うのです。時間があれば1個ずつと思ったのですけれども、ここではまとめて取り上げたいと思います。まず、大綱が示している重点施策の中に、教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援、それらを含めて実態把握がその前提となるということで示されております。先ほどの説明のように、法が施行されてから2年以上たって、今、全国の自治体でも具体的な取り組みが始まっているわけですが、当町では、残念ながら、貧困の状況についての実態把握がまだされていないということであります。そういう中で、まず教育についてです。教育については、家計の状況にかかわらず、子供が教育を受ける権利を保障するというのが最重要課題の一つです。そういうことでいいますと、これは政府に対しても国会の場でも随分要求されていましたけれども、子供の貧困対策の具体的施策として強く要望されているのが、給付型の奨学金制度を求める声が上がっていました。残念ながら、国段階ではまだ創設されていません。町としてこれを国に求めていくこともそうですが、町としても世帯の収入を基準とした給付型の奨学金制度を創設することや奨学金の対象人数をふやすということにぜひ取り組んでいただきたいと思います。それから、第2に生活の支援ですが、教育以前に子供の健康や命が脅かされています。貧困家庭における子供の欠食問題も今は深刻になっているそうです。この実態把握もそうですが、洞爺湖町のこういう子供たちの状況をぜひ把握しながら、生活の支援についても検討いただきたい。三つ目は、保護者への就労対策です。保護者への就労対策として、特にひとり親世帯を対象とする高等職業訓練促進給付金の支給、あるいは、町の窓口に就労相談窓口を設置する、福祉や学校、就労など必要な手続は全て役場の中でできるような環境をつくる。こういったことも、これ自身は政府も施策の方向性として相談窓口のワンストップ化を提唱していますけれども、当町としてもこういった対策を強める必要があるのではないか。四つ目には、経済的支援です。現在、就学援助の認定基準は1.1倍です。聞くところによりますと、室蘭市は新年度から1.3倍にするというふうに聞いています。生活保護扶助額が繰り返し引き下げられてきました。保護世帯といえども、最低生活の維持が困難になってきている状況です。これを基準に準要保護世帯の支給が決まってきます。引き下げ前の額を基準に支給されていると言われておりますけれども、このボーダーラインの世帯の対象範囲を広げるために、1.1倍という今の規定を、当面、1.3倍に引き上げるべきではないでしょうか。さらに、対象費目については、眼鏡やコンタクトレンズ購入費を含め、アルバム代については、学校によって差があることなどから、実態に見合った金額に引き上げるべきではないかと思うわけですが、これらの対策についてどのようにお考えか、また、ぜひ検討もいただき、実施もしていただきたいと思いますが、まず、現段階での捉え方について伺っておきたいと思います。
町の答え 管理課長 天野英樹(管理課長は2022年5月まで)
私のほうから3点ほどお答えをさせていただきます。まず、1点目の給付型の奨学金制度の創設の関係でございます。平成26年に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、2年が経過しているところでございます。法の第3条では国の責務を、第4条では地方公共団体の責務を定めており、また、第6条では、法制上の措置等として、政府はこの法律の目的を達成するため、必要な法制上または財政上の措置その他の措置を講じなければならないと規定をしているところでございます。これらの法の趣旨に基づき、国と地方公共団体が協力しながら、それぞれの役割を果たしていかなければならないと考えているところでございます。このようなことから、子供の貧困対策の推進に向け、国における給付金制度の創設は有効な手だての一つと思われますことから、国への制度創設の要望につきましては、町村会等を通じて行ってまいりたいと考えているところでございます。また、町独自の給付金型の奨学金制度を創設してはどうかということでございますけれども、議員もご承知のように、多額の寄附を受け、寄附者の意思も踏まえて、平成26年度から入学時給付金制度、高校生5万円、大学生10万円を創設して、この制度はおおむね10年程度は継続できるものとして制度化して、今、始めたところでございます。これにつきましては、育英資金の原資もそれほど多くないことから、新たな給付金制度を創設するには、相当の原資がなければできないのではないかと思われることから、現時点では新制度の創設は難しいものと考えているところでございます。これが1点目でございます。2点目は、子供の欠食の関係でございます。貧困家庭における子供の欠食問題についての認識等でございます。貧困を理由に食事がとれないということは、あってはならないと認識しているということがまず前提となります。また、洞爺湖町の子供たちの状況等の把握ということでございますが、これにつきましては、全国学力・学習状況調査、小学校6年生、中学校3年生が対象でございますけれども、この生徒質問において、朝食を毎日食べていますかという質問があるのみで、児童生徒の家庭における食事に関する調査は、現在、町ではしていないという実態となっているところでございます。このようなことから、健康福祉課長もお答えしたとおり、関係部局と協議、連携しながら、子供の欠食についても実態把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。それから、議員の質問の4点目になろうかと思いますが、就学援助の認定基準の見直し、引き上げについてでございます。就学援助の認定基準を現在の1.1倍から1.3倍に引き上げたらどうかというご質問でございますが、初めに、近隣市町の認定状況について調査をしましたので、お話をさせていただきます。現状でございますけれども、登別市が平成26年4月改正の保護基準の1.2倍を使っております。室蘭市も同じく平成26年4月改正の保護基準の1.2倍、伊達市におきましては平成26年4月改正の保護基準の1.09倍、豊浦町は平成26年4月改正の保護基準の1.3倍、壮瞥町は平成25年7月改正前の保護基準の1.1倍、本町、洞爺湖町におきましては、壮瞥町と同じく平成25年7月改正前の保護基準の1.1倍となっているというのが現状でございます。今後の認定基準の見直しにつきましては、室蘭市と伊達市が保護基準の見直し後の最新の保護基準額を用いて1.3倍にするとの予定とお聞きしてございます。登別市におきましては、今のところ未定であり、豊浦町と壮瞥町におきましては、今のところは見直しの予定はないという近隣の状況になっているところでございます。教育委員会としましては、近隣市町の動向を踏まえて、認定基準の見直しとともに、対象費目についても、今後、慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
町の答え 健康福祉課長 皆見亨(健康福祉課長は2018年3月まで)
私からは、ワンストップにつきましてお答えをさせていただきます。窓口サービスにつきましては、現在、当町では、庁内における早期の情報提供、関係部署間連携による従来の縦割り型の窓口サービスにより対応しているところでございますが、関係部署と連携の上、必要な情報は迅速に伝達し、相談者が安心して来庁、相談いただけるよう、必要により、担当者が窓口に来て相談を受けるよう配慮しているところでございます。なお、議員がご指摘のとおり、国ではワンストップの相談システムの整備や福祉分野全般の知見を持つ職員やコーディネーターの育成を提示してございますが、今後の国における地方の予算配分に係る動向や先進導入自治体の事例などを注視してまいりたいというふうに考えております。以上です。
議員の質問 6番 立野広志
今、4点についてそれぞれお答えいただいたのですが、相対的に、答弁を伺っての私の印象は、やはり洞爺湖町が率先してというより、むしろ管内の自治体行政の動向を見ながら、余り飛び出ない程度で考えていこうかというものなのかなと思っているのです。どんな事業でも意外とそういうところが多くいのですが、それでいいのかなと思うのです。今の洞爺湖町の実態を把握していないだけに、それに対する緊迫感もなければ危機感もないという状況なのだと思うのです。本当に今、きのう町長がいみじくも、ほかの方の質問に対して、洞爺湖町の所得水準が全国的にどのくらいのランクにあるかという話で、言われました。私、実は調べていたのですけれども、平成26年に総務省がこれを調査したのですね。都道府県別所得ランキングで北海道自体は都道府県の中で34位なのです。下のほうですね。そして、洞爺湖町は道内では何位なのかというと、179市町村のうち、洞爺湖町の所得ランキングは165位です。それにしても、240万6,999円ですから、この後に非正規雇用労働者を取り上げますけれども、その方々から比べたら、ちょっと高いです。かなり格差が大きいと。所得の高い人、少ない人の間に格差が大きいのかなという感じはします。では、洞爺湖町は全国の市町村の中でどのくらいを占めるかというと、全国の市町村が1,741あるのに対してあって、洞爺湖町が位置するのは1,422位です。全国1,741に対して洞爺湖町は1,422位です。それだけ実は洞爺湖町の所得ランキングは低い。さらに、そういう中で、町民の暮らしも本当に苦しい状況に追い込まれているという現状が見えると思うのです。貧富の差も大きいですし、格差も大きい。そういう中にあって、子供の貧困の問題は、ひいては親の貧困でもあるのです。このことに目を向けないで、行政が幾らまちづくり、まちづくりと言っても、これは経済活動によって一定の税収は入り、そしてまた、それによって商店街や事業者は潤うでしょう。ところが、そこで働いている町民や暮らしている町民の暮らしが本当にそれだけで豊かになるのかといえば、ここはこことして、きちんと手を下していかなければ、この問題は解決しないのではないかと思うのですね。その点で、例えば就学援助の関係で言っても、既に豊浦は1.3倍にしている。そして、室蘭や伊達についても1.3倍に引き上げるという方向が打ち出されている。その大もとにはやはり、子供の貧困問題に対する真剣な取り組みといいますか、姿勢があるのだと思うのです。ぜひ、これを慎重に検討するのではなくて、本当に実施に向けて検討していくぐらいの意志を持っていただきたい。このことを改めて町長に求めたいと思うのですが、いかがですか。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
子供の貧困問題は、本当にこの世の中を変えていかなければというふうな思いがございます。この間、私もちらっとネットを読ませていただきましたが、あるところで、ひどい状況がありました。それは職員とも相談させてもらったわけでございますが、恐らく知っていると思いますけれども、入学式に出席できない生徒がいました。なぜかといったら服が買えなかったと。その服を校長先生がその服屋さんに行って、こういう子が来ていないかということで聞いたら、お買い求めの予定はあったけれども来ていなかったと。お金がないからということで、まだ服は持っていっていないと。結果的に、校長先生が立てかえをして、その服を持って親御さんにお話しをし、お渡しをしたと。子供さんがようやっと学校に来られるようになったわけでございますけれども、それも、先生のほうから、こういう制度があるのですよということを教えていただいて、保護者の方もそれを実際に実行に移していきたいということをおっしゃっていまして、それから、修学旅行のお話でした。修学旅行にも行きたくても行けない。それには、旅費は何とかできるかもしれないけれども、お小遣いも上げられない。修学旅行に行ったら、下着も取りかえてやらなければならない、それを買う金もない。こういうふうなことが本当に実態として行われているということは、生まれてきて、同じ条件のもとで、こういうことでいいのかなということは、非常に切なくも思います。先ほどからお話を聞いておりました。まだ、うちも実態調査もやっていないということは情けないというか、それはしっかり今後対応していきたいと思います。それから、就学援助のほうも、1.1がいいのか、1.3がいいのか、そこら辺もしっかり検証していかなければならないなと考えております。
議員の質問 6番 立野広志
町長の思いは伝わりました。ぜひ、今、答弁いただいた思いを持って、この子供の貧困対策について積極的に取り組んでいただきたい。調査をまだされていなかったというのは非常に残念ですし、調査が前提となって、どういう対策が必要なのかということが出てきます。そして、就学援助や奨学金の給付型の支給について、町の財政も含めて、これは寄附金だけに頼っていれば当然できるわけがないのです。しかし、子供たちの就学を保障する、そして貧困から脱していく子供たちをふやしていくという意味での対策ですから、それに必要な財政的な支援をぜひ考えていただきたいと思います。