洞爺湖町議会 平成27年12月会議 2015年12月15日
町内の関連産業にどういう影響があるのかということなどについて
2015年12月15日、洞爺湖町議会の一般質問で、立野広志議員が「町内の関連産業にどういう影響があるのかということなどについて」質問し、農業振興課長 杉上繁雄、産業振興課長 佐藤孝之、町長 真屋敏春、総務部長 遠藤秀男が答えました。
- 聞いた人
- 立野広志 議員
- 答えた人
- 農業振興課長 杉上繁雄、産業振興課長 佐藤孝之、町長 真屋敏春、総務部長 遠藤秀男
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
議員の質問 6番 立野広志
それでは、2件目の質問に入ります。環太平洋経済連携協定、TPP交渉が大筋合意を得たと報道されていますが、TPPの大筋合意の内容というのは、全体について、詳細にはまだ何も示されていない中で、町内の関連産業にどういう影響があるのかということなどについてお聞きするのはなかなか難しい面があるのかもしれません。ただ、10月5日の交渉を大筋合意したという後に、その内容について次々と小出しで発表されるということで、全体像が幾らか見えてきていますが、細部にわたってはまだ示されていないという状況です。こういうことで、内閣官房TPP政府対策本部から、TPP協定の概要ということで、特に重要5品目、米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、あるいは甘味資源作物の交渉結果などを明らかにさせたのに続いて、工業製品、農林水産物分野も含めて、今、次々と追加発表を行って、そういう中で幾らか全容が見えてきたのかなという状況です。これについて、まず、この内容や当町の経済に与える影響をどの程度を認識しているかということについてお聞きしたいと思います。
町の答え 農業振興課長 杉上繁雄(農業振興課長は2017年3月まで)
それでは、私のほうから農業関係についてお答えしていきたいと思います。先ほど議員がおっしゃいましたように、10月5日にアメリカのアトランタにおいて開催された環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP交渉おきまして大筋合意に至ったということで閣僚声明が発表されております。とうや湖農協におきます洞爺湖町の農産品の取り扱い量の関係でございますが、米、麦、てん菜などにつきましては1万6,833トン、金額にして1億8,011万円、豆類につきましては531トン、1億5,438万円、生乳、畜産物につきましては2億9,427万円、野菜などの青果につきましては1万4,414トン、16億2,761万円となっている現状でございます。当町に与える影響の分析につきましては、金額的な影響につきまして、まだつかみ切れていない現状にありますが、関税の撤廃や引き下げによりまして、一部の高級品を除き、品質格差のないものにつきましては、価格低下が懸念されておりますことから、農業経営に与える影響は少なくないものと認識しているところでございます。
町の答え 産業振興課長 佐藤孝之(産業振興課長は2019年3月まで)
TPP交渉の大筋合意をされたということでございますが、合意の内容もわかりづらく不十分なところもあり、今後、具体的な内容が示されてくると思いますけれども、農林漁業者や商工関係者には不安な部分があるだろうと思っております。私からは、まず、水産関係でございますが、当町の基幹漁業でありますホタテ貝に対する影響でございます。現在、いぶり噴火湾漁協におけるホタテ貝については、大部分が中国、韓国、アメリカに輸出されておりまして、中国と韓国には原貝が輸出されておりまして、アメリカには玉冷貝が輸出されているというところでございます。漁協などへも確認したところ、あくまでも推計でございますが、輸出貝につきましては8割程度、国内向けにつきましては2割程度でありまして、輸出の比率につきましては、中国の8割、韓国の1割、アメリカが1割程度ではないかと推計されているところであります。現在、このようにTPPの参加国でない国へ大部分を輸出している状況でありますけれども、輸出先の国内情勢によっては需要が大幅に低下し、輸出量も大幅に減少するおそれがあるというふうに考えております。また、国内全体における輸出貝につきましては、現在のところ少ない状況ではありますけれども、今後の状況によっては、少なからず輸出貝の影響を受ける可能性があると認識しております。また、商工関係についてでございます。加工食品でございますが、輸入原材料を用いた加工製造を行っている事業所につきましては、関税が撤廃されれば、仕入れなどのコスト削減につながる部分もあるというふうに認識をしておりますけれども、合意内容には時間をかけて関税削減や輸入枠の増などということもございますので、長期にわたりさまざまな影響が懸念されますし、地方では実際にどんな効果、影響があるか不透明な部分もございますので、決して楽観視できない状況であるというふうに思っております。今後も、水産、商工ともにこれらの把握に努めていきたいと思っております。
議員の質問 6番 立野広志
今、農業、そして漁業、また、商工の関係で、どういう影響が想定されるかというお話の説明をいただきました。今、特に大筋合意ということになっておりますけれども、日本の政府、あるいはマスコミ関係でも比較的多いのですが、TPP交渉があたかもこれで決着がついたかのような報道なのです。実際はそうではないのだというところもぜひ受けとめていただきたいと思います。現在の段階は、はっきり言えば、秘密裏に行われた交渉の結果であって、協定案がようやく発表されたという段階です。ですから、関係国での国民的な議論、国会での承認や批准というのもこれからなのです。ですから、これがなければTPPは発効できないということなわけです。大筋合意と言いながらも、日本の場合も、この先、国会での議論があり、最終的には批准もしなければいけません。アメリカでも、このTPPの内容に対しては、反対の国内世論があるのだそうです。どこの国もこれからということで、日本の場合は、来年の7月の参議院選挙の直前に批准できるのではないかという日程のようであります。ですから、TPPの合意内容、大筋合意といっても、これが絶対に不動のものだということではないということを前提として、行政としてもこれからの対応を考えていただきたいと思います。先ほど、影響についてお話しいただきましたが、TPPで関税撤廃される主な農林水産物とその時期についても明らかになってきていました。野菜関係あるいは果物なども3%から、多いところは18.5%までの関税がかかっているのですが、それがほとんど即時撤廃というようになっています。畜産物でいいますと、鶏卵、鶏肉、牛タン、牛内臓等々、これらは10%台の関税になっていますが、大体10年から11年の間に関税を撤廃するという内容であります。水産物で当町において関係があるのはホタテでしょうけれども、これはTPPに交渉参加していない国への輸出ということで余り影響がないのではないかと言われていますけれども、そのほかの細かなものについても、関税がほとんど即時撤廃されるような状況になっていますし、加工食品も10年以内には撤廃されるということです。当町の名物であるワインも、今、原則15%だそうですが、8年の間にこれを撤廃するというようになっています。これらの関税が次々と撤廃されていけば、当町のこういった産業にかかわっている事業者の人たちにとっても、この先の営業に大きな不安を抱かざるを得ないだろうと思います。その点で、こういった大筋合意をしたというこのTPPの問題ですけれども、今後、町としては、これについてどういうふうに対処しようとしているのかということについて伺いたいと思います。
町の答え 農業振興課長 杉上繁雄(農業振興課長は2017年3月まで)
今、立野議員がおっしゃったように、国から次々と情報が出てきている状況にございます。そこら辺は十分に検討していきたいと思います。また、11月には、道によります大筋合意に伴う北海道への影響の中間取りまとめが発表されております。その内容を当町の主要作物に当てはめてみますと、てん菜の生産振興対策への影響、また、野菜については、加工・業務用の輸入野菜が増加するなどの懸念、さらに、最も価格の低下が見込まれる肉類の中で牛肉については、輸入牛肉の価格が低下することにより、肉質面で競合する乳用種、牛肉の価格低下、豚肉については、低価格部位の輸入増に伴う価格の低下などの懸念が示されており、中長期的に見ても影響は少ないものというふうに認識しております。また、11月25日におきましては、国から総合的なTPP関連政策大綱が示されまして、農家の収入減少を補塡するさまざまな対策を図り、農業に与える影響を最小限にとどめるとしております。詳細についてはこれから示されると思いますが、当町としましても品目ごとにどのような影響があるのか、今後も関係機関と協力しながら情報収集と調査に努めてまいりたいというふうに考えております。
議員の質問 6番 立野広志
地域の方の声を集めてみようと思っていたのですが、残念ながらJAの組合長にお会いする時間がとれなかったので、ここで飛田JA北海道中央会会長が大筋合意について述べられたコメントを紹介したいと思います。寝耳に水だった、議論もないままだまし打ちに遭ったようなもので、非常に不快感を覚えると、10月28日の記者会見でこう述べられております。それから、道内の農業関係者の記者や研究者ら60人でつくる北海道農業ジャーナリストの会が緊急声明を発表して、交渉内容を国民に一切秘密にして、民意を反映する機会をほとんど与えないまま、政府と一部の企業だけで国際合意したことに強く抗議するという抗議声明を発表いたしました。いずれにしても、町長は、よく当町の産業を飛行機の胴体と両翼に例えてお話しになりますが、その両翼、いわゆる農業や漁業を初めとする羽がなければ飛行機も飛べないわけです。必要なことは、農業分野では、中山間地域を含めて地域農業が成り立つ状況が拡大することに力を入れるべきでありますし、農水産物の販路拡大や加工などに農協、漁協、生産組織が取り組める条件の拡大、機械や資材の価格の引き下げとか、共同利用への援助などを農・漁業者の所得をふやす具体的な対策こそが今は必要なのだろうと思います。そういう意味で、農業も漁業も町の重要な基幹産業でありますから、生産者が希望を持てる、展望を持てる政策の転換を図るためにも、TPPの大筋合意、農・漁業分野の大幅譲渡は撤回させるということが不可欠だと思います。その点での町長のお考えを改めて伺いたいと思います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
今、議員がおっしゃったJA北海道の飛田会長のいわゆる寝耳に水だという話は、今までの私どもの交渉は本当に何だったのかなという感が否めないところがございます。たしか、交渉の最中に北海道知事も会場まで行きまして激励をということもあったようでございますけれども、とにもかくにも、国会決議で聖域とされておりました重要5品目はしっかり堅持してもらわなければならない。それは、今でも私どもは変わりのない気持ちでございまして、これまでも北海道町村会を通じまして、国に対し、TPP協定は農・水産業に与える影響が相当懸念されるので、極めて重要な問題であるということを訴えさせていただいてきたつもりでございます。今回、残念ながら、このようなTPP交渉が大筋合意に至ったということでございますけれども、議員がおっしゃったとおり、これから国会での議論が始まります。それに合わせまして、北海道町村会、また、国に対しまして、北海道とも連携しながら、仮にこれを何とか阻止できないかという対策をこれから北海道あるいは町村会とも連携しながら考えていきたいと思っております。
議員の質問 6番 立野広志
北海道町村会も含めてですが、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。いずれにしても、交渉内容がまだすべて明らかになっていません。まず、交渉内容を直ちに明らかにしなさいと。英文ではあるのだそうです。しかし、英文を和訳したものがない。和訳はそんなに難しいのかなというと、やはり政府が発表するものとほかの人が発表するものとは若干ニュアンスが違ったりするものがあるということで、やはり政府が責任を持って日本語に直した交渉内容を明らかにさせるということが大事なのだと言われています。また、その中で、今言われましたように、最低限は重要5品目を守ると言ったわけですから、それが守られていないのであればこれは約束違反であるので、即時撤回させるという働きかけも当然していかなければならないだろうと思います。そのことを改めてお話しして、次の質問に移りたいと思います。失礼しますが、私の自席から資料を持ってきていいでしょうか。
議員の質問 6番 立野広志
3番目の質問ですが、町民に向けた、やさしく、わかりやすい予算説明書を発行する考えはないかという質問でございます。これは、至って簡単な質問ですので、明快にお答えいただきたいと思います。町民に、町の財政状況や年度内の予算内容、具体的な事業内容、あるいはその事業の位置図などを示した行政の内容について、小難しい行政用語を使わないでわかりやすく知らせるため、実は、虻田町の時代に、平成11年度ですが、「予算説明書、知ってほしいまちの仕事」というものを発行しました。これがそうです。カラーではないけれども、懐かしいと思っている方もいるかもしれません。これは、平成11年度の予算説明書ということで、ページ数がかなりありしまて、60ページぐらいあります。それを11年度に発行したのですが、翌年に23年ぶり有珠山噴火がありまして、実はそれで途絶えてしまったのですね。そんなこともありまして、やはり町民に開かれた町政、町民参加の町政を実現する、このことをずっと標榜されているわけですから、行政にとってではなく、町民にとっての必要な行政情報をしっかり提供するということが必要なのだと思うのです。多少、事務の手数や予算がかかったとしても、住民への情報開示をおろそかにしてはならないと思いますし、防災対策でも地域、福祉などの支え合いでも、まちづくりでも、今後ますます町民の理解と協働、参加が欠かせなくなってきています。それだけに、まず、行政の状況や事業への理解、協力を得る上からも、以前発行していた町民向けの予算説明書を発行する考えはないかということを単刀直入にお聞きしたいと思います。
町の答え 総務部長 遠藤秀男(総務部長は2016年3月まで)
予算決算の関係でございますけれども、町予算等につきましては、住民の皆様へ毎年度、町広報誌等を通じて周知させていただいております。その内容としましては、予算、それから上半期の執行状況、決算、財政健全化の判断比率等につきまして、広報誌の2ページから4ページぐらいを割いて毎回掲載しているところでございます。また、この内容につきましては、概要版としまて、町のホームページのほうにもアップしている状況でございます。今、議員がおっしゃった平成11年度の予算説明書の発行でございますが、旧虻田町におきまして、平成11年度の予算につきまして知ってほしいまちの仕事という題名をつけまして、A4判で全体で80ページほどになろうかと思ってございます。住民向けに説明冊子を発行させていただいたところでございます。当時は、たしかニセコ町の事例を参考にさせていただいて試行的に発行したものでございますが、先ほどのお話にありましたように、翌年の有珠山噴火災害により、その後、発行がなくなってものでございます。現在、予算書、事項別明細書につきましては、220ページぐらいから成ってございます。この内容につきましては、目区分ごとの節区分及び説明から成っており、事業が複数ある目等では一見して具体的な予算措置がわからない状況になっているところでございます。そのため、町としましては、附属説明資料や概要版を作成して補完的な説明をしているところでございます。この事項別明細書につきましては、議会または監査委員から意見もございますので、現在、見直しの作業等を進めているところでございます。ただ、予算決算システムの改修が必要になるということもございまして、費用等も考慮しながらできる範囲の中で進めていこうということでございます。議員がおっしゃった住民向けの予算説明書の作成でございますけれども、町の財政状況への理解、まちづくり意識への高まりが期待できるものとは思ってございます。ただ、どれだけの方々が関心を持っていただけるかというのが、これから重要になってくると思ってございます。平成11年度の資料のような80ページ、100ページが本当にいいのか、概要版でもう少し簡易なわかりやすいものがいいのか、現在作成している資料等の変更ではだめなのか、さらには、発行対象や費用などの問題もございます。他自治体の事例等も参考にしながら内部で検討を重ねて、できるだけ平成28年度の予算から作業を進めていきたいと考えているところでございます。
議員の質問 6番 立野広志
結論としては、予算説明書がいいのか、もっとシンプルなものがいいのか、いずれにしても検討するという話ですね。今、ニセコ町の話が出ました。私は、平成11年度の予算説明書の発行に至ったのも、当時、議会でニセコ町での取り組みを紹介させていただいて、それを参考にということで発行することになったというふうに覚えていますが、ニセコ町は今でもやっているのです。ニセコ町の取り組みでは、町民の皆さんにまちの仕事や事業を知り、関心を持っていただけるように、工事の時期や行事、健診の日時などのスケジュール、申し込み方法や対象者などの詳しい内容の情報を記載するなど生活便利帳としての機能も取り入れましたということで、単に1年間の事業内容を書くだけではなくて、これを持っていれば、町に対してどういう手続ができるのか、どこに行ったらできるのかということも含めて活用できるようなものにしたということなのです。大きなまちでいくと、旭川もやっています。旭川は、「旭川市の予算はどうなっているの?」という表題でつくっているのですが、ここも予算の内容や主な事業についてグラフや図表を用いてできるだけわかりやすくお知らせするためにこれを発行したのです。この冊子を通して市の予算についてご理解いただければ幸いですということで、発行に当たっての挨拶の中にあります。確かに手間がかかるしお金もかかるのです。けれども、この手間とお金というのは、住民が行政の取り組みを理解し、そこに自分は何ができるのか、どんな協力が自分ならできるのかというところを見出していく、あるいは、一緒になって行政の取り組みに参加していく、そういうきっかけをつくる上でも非常に大切な内容だと思うのです。今まで、行政の取り組みは、行政はこうですと上から指し示すようなことが多いわけですけれども、逆に言うと住民の目線から行政というものを理解する。そのためには、グラフを入れたり写真を入れたりなどわかりやすく表現していくということです。実は、職員がそういう編集努力をすることで、職員自身も自分たちの1年間の仕事の内容をよく理解することになっていくのだというふうに私は思うのです。ですから、本来なら町民に示すためにやっているのかもしれませんけれども、職員自身が町民にわかりやすく説明するためにどう説明したらいいのかという研修の場にもなっていると思います。ですから、ページ数は何ページがいいのかということもありますけれども、検討するということで終わってしまわず、こういう予算の内容、町の仕組みについてわかってもらえるような内容のものにするため、新年度に向けて本当に努力していただきたいと思います。その辺はどの程度までやる気があるのか、改めて伺っておきたいと思います。
町の答え 町長 真屋敏春(町長は2022年3月まで)
予算書、決算書、特に予算書の関係でございます。やはり町民の皆様にわかりやすくよく知っていただく、これは行政としての責務、努力かなというふうに思っております。ただ、平成28年度は、今すぐということですので、どの程度できるか、やれる範囲の中でしっかり取り組んでいきたいと思っております。また、29年、30年、いわゆる次年度以降につきましては、それがさらにバージョンアップできるように努力してまいりたいと考えております。
議員の質問 6番 立野広志
努力していただきたいと思います。これが発行されたのも3月予算議会が終わった5月なのです。ですから、予算の議会の対応や予算づくりで職員の方も当然忙しいでしょうから、その時期からこれをつくるわけにいかないのですけれども、決まった段階でこういった冊子をつくるために取り組んでおられるようです。財政部門では人が足りないのだろうなと思います。ですから、そのための編集委員なりを考えなければいけないのでしょうけれども、それを惜しむことなくぜひ取り組んでいただきたいということを最後にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。