大樹町議会 令和7年第4回定例会 2025年12月4日
町の脱炭素社会とJクレジットの取組について
2025年12月4日、大樹町議会の一般質問で、辻󠄀本正雄議員が「町の脱炭素社会とJクレジットの取組について」質問し、町長 黒川、総務課長 吉田、企画商工課長兼地場産品研究センター所長 松久が答弁しました。
- 質問者
- 辻󠄀本正雄 議員
- 答弁者
- 町長 黒川、総務課長 吉田、企画商工課長兼地場産品研究センター所長 松久
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 嚨本正雄
それでは、先に通告いたしました、町の脱炭素社会とJクレジットの取組についてお伺いいたします。大樹町は、令和3年第4回定例議会において、2050年までに二酸化炭素排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」宣言を議決いたしました。令和5年に再生可能エネルギー導入計画を策定し、温室効果ガス排出量を2013年基本基準年として、2030年までに46%削減を目標に定め、様々な施策を講じているところです。公共施設においては、2015年晩成温泉の木質ボイラー、2022年はスマート街区による庁舎・生涯学習センター・小学校・学校プール等の木質ボイラーの熱利用、蓄電池を備えたソーラーパネルの電力が活用されています。特に庁舎においては、地中熱を活用したZEB庁舎でCO2を従来工法の54%削減とされております。そこで、次のことについてお伺いをいたします。1点目として、スマート街区施設の熱源の使用状況と利用金額。2点目に、Jクレジット販売実績と今後の計画。3点目に、町全体としての今後の方向性についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
答弁 町長 黒川
䭜本議員ご質問の「町の脱炭素社会とJクレジットの取組について」お答えいたします。1点目の「スマート街区施設の熱源使用状況と利用金額」につきましては、供給先施設として、11月から3月まで大樹小学校、生涯学習センターの暖房用に、5月から10月まで町民プールの温水用として利用しております。また、令和6年度の木質チップ利用量は1,023立方メートルで、金額にすると約640万円となっております。2点目の「Jクレジット販売実績と今後の計画」につきましては、平成26年度に木質チップボイラー導入計画を策定し、平成27年度に晩成温泉、令和4年度にスマート街区に木質チップボイラーを導入し、Jクレジット制度に登録したところです。晩成温泉のJクレジット販売額は、これまで519トンのクレジット認証を受けて、469トン販売しており、約65万8,000円の収入がありました。スマート街区につきましては、令和5年2月8日にクレジット制度に登録以降、認証を受けておりませんので、販売実績はありません。Jクレジットを売却するには、事前に国において指定した審査機関で認定を受ける必要がありますが、これまで国の補助金により無償で行われた審査費用の補助額が縮小しており、審査費用が売却見込額を上回り赤字となる可能性があることから、今後の認証について慎重に検討していきたいと考えております。また、町有林のクレジットの活用については、町と包括連携協定を締結している事業者において、北海道や各自治体と連携した共同創出を目指しておりますが、北海道と協議中のため具体的になっておりません。今後につきましては、町単独でクレジットを創出することも検討していきたいと考えております。3点目の「町全体としての今後の方向性」につきましては、令和5年3月に策定した大樹町再生可能エネルギー導入計画のロードマップに沿って進めており、行政、事業者及び町民の役割を定め、官学民一体で進めていくことを重要としております。特に、2050年までのゼロカーボン実現には、再生可能エネルギーの活用は不可欠との考えから、まずは公共施設において、主要産業である酪農家などの地域内から出てくる畜産バイオガスや森林資源から出る木質バイオマスなどの地域資源を有効に活用しつつ、地産地消による地域循環ネットワークの構築を図っていくため、関係事業者と協議をしているところです。また、昨年末から雪印メグミルク大樹工場では、チーズ製造の副産物であるホエイが発酵する際に発生するガスを、町内農家で生成しているバイオガスと混合し、燃料として活用しており、個々の取組が連携し、町全体の取組につながるよう、地産地消によるエネルギー循環の仕組み構築についても、今後検討を進めてまいります。
再質問 嚨本正雄
それでは、1点目のスマート街区について、再質問をさせていただきます。現在、生涯学習センター、小学校が11月から翌年の3月、そしてプールが5月から10月に熱源を利用しているということなのですが、3月にいっぱい使いました。そして4月になって気温が低いといった場合はどういった対応を取っておられるのか。それから、プールについても、将来的にプールの利用を11月まで伸ばしてくれという状況になったときに、生涯学習センター、小学校、プールの3か所の施設の熱源の利用は可能なのか、まずお聞かせください。
答弁 総務課長 吉田
まず、4月の利用の考え方ですが、ボイラーの保守点検期間にも充てたいと考えておりまして、1か月間は空ける形となっております。また、暖かくなるとボイラーの使用頻度も下がることから、木質チップのボイラー自体もオンオフが激しいと機械によくないということで、そういった部分で4月は取りやめとしております。2点目のプールの利用が11月とか12月まで延びた場合の影響ですが、基本的に対応は可能かと思っています。ただ、木質ボイラーの出力に限界がありますので、補助用の化石燃料を使いながらの併用になると考えているところでございます。また、4月に関しましても、先ほどの小学校や生涯学習センターは、チップの代わりに補助用の化石燃料を使って運用しているような状況となってございます。以上でございます。
再質問 嚨本正雄
ありがとうございました。現在、木質ボイラーの利点については、CO2の削減、化石燃料よりも燃料コストが下がる、近隣の木材を利用することで地域の活性化につながる。そして、欠点といたしましては、イニシャルコストが非常に高くて、先ほど総務課長が言われましたように、瞬間的な熱の需要に対してレスポンスが非常によくないという形で、化石燃料に頼るというときもあるということだったのですが、こういった意味では、大樹町は一年を通じて、4月の点検期間はあるけれども、年間を通して安定した熱源の供給ということで、本当に理想にかなった施設かなと考えております。ただ、現在チップの使用料に関しまして、年間640万円、使用量は1,023立法メートル。これに関して、重油あるいは灯油といった化石燃料と比較して燃料費が安いという比較ができるのですが、その辺の比較資料というのはお持ちでしょうか。
答弁 総務課長 吉田
まず、単純な比較として、過去に重油とか灯油を使っていたときの燃料の量と、今併用している段階での支出状況を見比べますと、やはり併用しているほうが安くなるというのが出ており、そういった部分はあります。あとは、必ずしもそうでないかもしれませんが、役場庁舎を建て替えるときにも、建物を木質にするか化石燃料するか、今、地中熱を使っていますが、そういったときに重油と木質の単価の比較をしたところですが、基本的にそのときに金額的に弾いたのは、重油価格が100円を超えるかどうかで安いかどうかという判断がつくかと思っていまして、今現在は灯油とか重油の値段がそれを上回っていますので、そういった意味でも木質化は価格的にも安価であるという考えでおります。
再質問 嚨本正雄
ありがとうございます。100円を超えると木質が安くなるということなのですが、燃料コストの削減ということに対して、1立法メートル単価にすると約4,200円ということなのですが、この価格については、今後もっと下げられることが可能なのか。そして現在、木質チップの導入先が地元の森林組合からの調達ということだったと思うのですが、コスト削減に向けては、特にエネルギーマネジメント会社が、原料を安く仕入れて安く供給するという経済の論理で考えた場合に、木質チップ燃料の導入先をもっと広く、入札制度等を生かして価格を安くコストを下げていく努力をされるつもりがあるか、ないか、そのくらいの企業コストを考えておられるか、お聞かせください。
答弁 町長 黒川
まず、導入コストを下げるという努力については、先般も森林組合との協議をしたところでありますが、その中で私から要望したのは、残置林といいますか、木を1本切って増林すると3分の1しか持ってこなくて、3分の2を置いてくる格好になりますので、それを何とか活用することを、どうせチップになるわけですから、それに対する機械の導入とか導入経費等に町からの助成というのは環境譲与税などの活用も含めて考えられるので、考えてほしいということは要望してあります。すぐやるとは言ってはもらえなかったのですが、そういったことも考えてほしいと。山奥の奥の奥のほうから持ってくると、今度は運送で逆に高くつくというのは分かりますけれども、案外、平場で、近場で木を切っても、結局は切り株や枝葉の先の細いところを捨ててくるわけですので、そこら辺だけでも現地でチップにして運んできたらいいのではないかという要望をしているところであります。森林組合からは、今の体制では、原木として下げてくるわけですが、原木の単価というのは、多分に漏れず、燃料の高騰、機械の高騰、人件費の高騰で、結構厳しくなっているので、どうしても値上げをお願いするときは協議させてほしいと言われているのですが、協議するのは別に拒むものではありませんけれども、そのときに市場価格と鑑みてかい離があるようであれば、入札等々、あるいは見積合わせ等々もしなければならない場合もありますという話はしておりますけれども、当初決めた値段で今いっていますので、ここにいるうちは地域内振興という部分もありますし、現時点で化石燃料よりも安いという部分では、当面はこれでいきたいとは思っているのですが、その後の価格動向を見ながら判断していきたいと思っております。
再質問 嚨本正雄
今後も、今の町長のお話では、コスト削減に努めて、燃料の導入コストを下げていくと。特に、森林環境譲与税の関係もございますけれども、地元の町の森林を守るというのは大変大切なことでありますし、また当初、選定林を利用するという構想があったのですが、私、2年前に森林組合に行って原料を見たときに、製品としてかなり太いし、木材がチップ燃料として利用されているというか、これではちょっとコストがかかるなと。本来であれば、もっともっとチップ材に向かないような、さらにそういう材料が木質燃料になることを期待したいと思います。それでは、2点目のクレジットの販売についてお伺いいたします。今回、クレジットの販売実績といたしまして、晩成温泉で46.9トンを販売し、65万8,000円の収益があったということでございますが、単価にすると、トン当たり1,400円です。この価格は、町長、トン当たり高いのか、安いのか、認識としてどういった感想を持たれているかお聞きしたいのと、あくまでもJクレジットの市場に上場して、入札が行われて売り買いになったのか、若しくは企業と相対で売り買いがなされたのか、その辺をもうちょっと詳しくお聞かせください。
答弁 企画商工課長兼地場産品研究センター所長 松久
ただいまご質問のクレジットの関係の金額です。実収入の平均、おっしゃるとおり1,400円程度でございまして、1,400円だと安いと思います。ただ、こちら東日本復興支援の寄附金というのが抜かれて、役場に入ってくる実収入が1,404円で、実際の販売価格の平均というのは2,578円で販売されてございます。それと、販売のスキームなのですが、入札等々ではなくて、うちのほうでは北電総合設計の支援を受けながら実際に販売をしてございます。こちら北電総合設計の支援を受けることによって、手続き等を全てこちらのほうでやってくれるというものでございますので、北電総合設計の支援を受けて、かつ東日本復興支援の寄附金は義務ということで必ず寄附をしているところでございます。以上です。
再質問 嚨本正雄
実際には1,400円が収入として入っておりますが、基本的にはクレジットの単価としては2,500円ぐらいの単価になるのだということで分かりました。私は今回、庁舎の地熱利用、小学校のスマート街区もそうなのですが、庁舎の関係もそうなのですが、非常に省エネが進んだ施設だなと思っておりまして、ぜひともこれをJクレジット化して、申請して、認定を受けて、販売してはどうかと考えていたのですが、町長の答弁の中では、実は認定を受けるためには審査の費用が高額で非常にかかるというお話なのですが、予想ではなく、事前に見積りを出された経過があるのでしょうか。それとも今後、最後の3点目とも絡むのですが、将来に向けては、町独自でも単独で進めていきたいという答弁もあるのですが、この辺がちょっと矛盾するのですが、どのような考えなのかもう一回お聞かせいただきたいと思います。
答弁 企画商工課長兼地場産品研究センター所長 松久
スマート街区の関係の認証なのですが、今時点で実際の認証は受けてございます。認証したのは、令和5年2月8日にスマート街区の認証を受けてございます。今後の計画についてなのですが、審査費用のことも絡めてご説明したいなと思います。こちらの審査費用は、国の補助制度でこれまで行ってまいりました。これまで審査費用は無償だったのですが、ただ、令和5年、6年が90%になり、令和7年度から50%、さらに過去に審査費用のプロジェクトの支援を受けたものは補助の対象外となりました。そこで、晩成温泉の未承認部分というのがまだございます。こちら令和4年7月1日から令和7年2月28日まで32か月間あるのですが、在庫分が50トン、含めて257トンございます。そこの実収入の平均を掛けますと大体35万程度。そして今回の審査費用は、実際補助がなくなったら大体100万程度かかるということで、見積りも実はいただいてございます。それを考えると、赤字になることが予想されるということで、今回検討しなければならないかなと思っているところです。また、スマート街区につきましては、先ほど言いましたとおり、認証はしてございます。ただ、今認証しても、まだクレジットが少ないものですから、なるべくためてから認証したいというふうに考えているところでございます。以上です。
再質問 嚨本正雄
分かりました。今の説明では、庁舎等の省エネ分は意外と補助金もなくて、非常に審査には金がかかるということで、なかなか間尺に合わないということなのですが、晩成温泉のほうで残っているクレジットを活用して販売していきたいということで、それは理解いたしました。それで、クレジットに関しては、大樹町の場合、町有林は約4,000ヘクタールなのですが、そして近年、十勝管内でもJクレジットの活用ということで、新聞で結構騒がれているのですが、大樹町も町有林の森林面積を非常に持っているので、ぜひとも波に乗り遅れないようにJクレジットを取得して、販売して、町の財源にしていただいて、それがさらなる再生エネルギーの資源、原資となるような形で循環されることがいいのかなと思っております。ぜひそのようになればなと思っておりますが、町長の考えをお聞かせください。
答弁 町長 黒川
森林のほうにつきましては、測量に多額の費用を要するというところがございまして、その辺が、業者にもよるのだと思いますし、やっている町があるので一概に言えないのですが、私どもが聞いている中では、山林面積全部が対象ではなく、植えてから何年までという決まりがありますので、それが実証できる測量をきちんとしなければならないので、そこの費用がすごく多額になるというところで、単独で飛行機を飛ばして測量すると全然赤字になってしまうというところでは、今協定を結んでいる業者からは、広い面積を全道一円で一緒にやりたい構想があるのだということでお話を伺っていましたので、そちらの成り行きを見守っているところではあるのですが、それは道も含めて道有林と市町村林で一気にやりましょうという話なのですが、道との協議の最中だというふうに伺っております。そこに入っていない、関係なく別な業者とやられている町もございますので、そちらのほうの情報も収集しながら、大樹町の場合にその業者と見合いが出るかどうかというのを今後調べてみたいなと思っております。それによっては、全道でやるというところが、いついつからやるのだというような目処が立っていれば、そちらを考えますけれども、うまくいかないということであれば、そういったことも検討していきたいなと思っております。
再質問 嚨本正雄
森林の活用について、3点目と被ったような質問をしてしまったのですが、それについて大変理解をいたしました。町全体の今後の方向性について、大樹町は再生可能エネルギー導入計画のロードマップに沿って、行政、事業者及び町民の役割を定め、官学民一体で進めていくことが重要だと掲げているわけですが、実際のところ、今取り組まれていることに対しては、町のイニシアティブがあまり感じられない、むしろ官主導で進んでいるような気がするのですが、その辺の認識は、町長はどういう認識を持たれているでしょうか。
答弁 町長 黒川
町のリーダーシップがあまり見えない、どちらかというと、民が自主的にやっておられるという意味かと思いますが、言われるところのご指摘はお受けしたいと思います。そうかなと思います。なかなか進まない理由としましては、森林バイオマスもそうなのですが、特に力を入れたいと思っているのは、家畜由来のバイオガスのほうでございまして、そちらを何とか普及したいし、地域全体で取り組めるような体制にならないかなと思っているところですが、言い訳になりますが、昨今の急激な資材の高騰等により、バイオガスプラントに取り組もうという意欲が、これは民のほうでもありますが、一部別の方はいますけれども、大体のところは手を出せなくなっているというのが、根本に行き詰まり感が出ているところかなと思っているところであります。いろいろ情報を収集していく中で、既存のやり方だとそんなに大きく価格を変動することは難しいというところでありますが、2分の1、あるいは3分の1でできる方法もあるのではないかという情報も若干聞いております。真偽のほどはもうちょっと聞かないと分かりませんが、もし安くできるようなものがあれば、そちらをもうちょっと研究してみたいと思っておりますが、いかんせん、この地域で抱えているテーマとしましてバイオガスの普及、そしてバイオガスの利用というところに重点を置きながら検討しているというのは今でも行っているところでありまして、なかなか表に出せるところまでいっていないというのが実情であります。先ほども、前の方の質問で火葬場の話もありましたけれども、燃料を作っても単価が高いというところでの運用の難しさというところもありますし、バイオガスプラントを作るところのイニシャルが高いことにより、農家が取り組むにはちょっとハードルが高いというような状況にも今なっているところですので、ちょっと行き詰まり感がありますけれども、いろいろ情報収集しながら何とかやれる方法を探っていきたいなと思っているところでございます。
再質問 嚨本正雄
実は、私もCO2の削減については、基本的に世界の第1位と2位の一番排出している国が、実は脱炭素に向けては消極的な態度を取っていると。そういったことで、日本が、基本的に、ちょっと古いデータかもしれないけれども、排出国では世界で5番目ぐらいらしいのですが、ただ、日本はもう既にかなり脱炭素に向けてやっていて、これから本当に空雑巾を絞るぐらいの力で入れていかなければならないという、ちょっとハンディがあるのかなと思っております。そういった意味では、今後は、脱炭素に向けては本当にイニシャルコストがかかる、そしてさらにランニングコストもかかるという現実があるわけですが、私は基本的に町財政にあまり負担がかかるようであれば、今の町長のスタンスで十分だと私は思っております。そういった意味では、今後、国の補助金とか様々な制度を利用して、なるだけコストのかからない、町の財政に負担のかからない、そういった町の取組でいいのかなと私は思っておりますので、何しろ、あまり町の財政に負担がかからない形で脱炭素に向けて、これから知恵を絞って、お金のかからない脱炭素に向けて進んでいっていただければなと思っております。答弁は結構です。以上で一般質問を終わらせていただきます。