大樹町議会 令和4年第2回定例会 2022年6月9日
大樹町のゼロカーボンシティ宣言について
2022年6月9日、大樹町議会の一般質問で、寺嶋誠一議員が「大樹町のゼロカーボンシティ宣言について」質問し、町長 酒森、企画商工課長兼地場産品研究センター所長 伊勢が答弁しました。
- 質問者
- 寺嶋誠一 議員
- 答弁者
- 町長 酒森、企画商工課長兼地場産品研究センター所長 伊勢
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 寺嶋誠一
それでは、私のほうから、先に通告いたしました「大樹町のゼロカーボンシティ宣言について」の質問をいたします。昨年12月の定例会において宣言されたゼロカーボンシティ宣言についてなのですが、この宣言は、この時点で鹿追町を筆頭に管内5例目となりましたが、政府は2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指しており、この実現に向けての確かな一歩であることは明白であり、排出実質ゼロとは、排出量と吸収量の具体的な数値でカーボンニュートラルを目指すものです。1点目、大樹町の温室効果ガスの発生量について、今年3月の定例議会において同僚議員からの質問に対する答弁で、「平成30年時点で11万5,000トン。その内訳として、産業部門7万4,000トン、家庭部門1万3,000トン、運輸部門1万8,000トンの合計10万5,000トン」とありました。残り1万トンは自治体の排出量と考えてよろしいでしょうか。2点目、1点目の温室効果ガス発生量の調査から既に4年近く経過しています。排出量の調査、把握に関して、前回、同僚議員からの質問に、国の補助金を活用して地域再エネ導入戦略策定業務として進めると答弁していますが、その後の進捗状況についてお知らせください。3点目、排出量実質ゼロとは、排出量から吸収量を差し引いた数値がゼロとなることを意味します。この吸収力の主なものは森林面積が該当し、大樹町は森林面積が全面積の約73%を保有しています。この森林面積の助長、又は保護対策について。4点目、排出量の主な要因である自動車やトラックなどの燃料も検討しなければなりません。施設の暖房等に使用する重油ボイラーなども環境配慮型代替燃料に切り替える手段と考えますが、これについて具体的な対策をお答えいただきたいと思います。5点目、最後になりますが、今年4月に完成した新庁舎は、まさにゼロカーボンシティを目指すZEBレディを取得し、現在、行政活動のシンボルともなっていますが、庁舎だけでなく、電気自動車などの購入等により排出量削減の効果があります。しかし、そもそも電気の供給源で温室効果ガスを大量に排出しているのであれば本末転倒となります。スマート街区のようなエネルギー供給源が町内の至るところに構築できるのが理想ですが、スキームの構築に向けてどのように考えているのか質問いたします。以上です。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
寺嶋議員ご質問の「大樹町のゼロカーボンシティ宣言について」、お答えをいたします。1点目の「大樹町の温室効果ガスの発生量について」でありますが、環境省が公表している平成30年における大樹町の二酸化炭素排出量推計値は11万5,000トンと算出されており、その内訳は、製造業、建設業、農林水産業による「産業部門」で7万4,000トン、「家庭部門」で1万3,000トン、旅客・貨物による「運輸部門」で1万8,000トン、残りの1万トンは廃棄物部門の1,000トンと事務所や商業・サービス業施設など、どの部門にも帰属しない「業務その他部門」の9,000トンという内訳になっております。2点目の「国の補助金を活用した地域再エネ導入戦略策定業務の進捗状況について」でありますが、先日、補正予算をお認めいただきましたが、国の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の採択が決まりましたので、今後、委託業者の選定を行い、CO2排出量の現状分析や将来推計、脱炭素シナリオ、将来ビジョンなどを網羅した再生可能エネルギー導入計画策定に取り組んでまいります。3点目の「森林面積の助長、又は保護対策」ですが、樹木の成長に伴い、炭素貯蔵量は増加しますが、二酸化炭素の吸収量としては、主要樹種であるカラマツやトドマツを含め、樹齢20年頃をピークに低下します。北海道林業統計によると、本町の森林面積は10年で0.3%の減少ですが、取り込まれた炭素量に比例する蓄積は6.1%増加しています。寿命300年程度のカラマツは経済林として木材生産の効率性などの面から、成熟段階前の概ね40年程度で伐採・利用されていますが、二酸化炭素の吸収という面では、効率的なサイクルと考えられます。森林面積の助長、又は保護という量的な取組については、森林環境譲与税などの活用による造林支援や森林経営管理制度の活用を検討するとともに、コンテナ苗やクリーンラーチの利用など、生産性の向上という質的な取組も進めていく必要があります。4点目の「自動車燃料や施設の暖房用燃料などの環境に配慮した具体的な対策」についてでありますが、議員ご指摘のとおり、日本における二酸化炭素の排出量で運輸部門が全体の18%を占め、そのうち自家用乗用車が約46%を占めると言われており、ゼロカーボンに取り組む上で、施設の暖房とともに重要な課題であると認識しております。公用車につきましては、走行距離や車両の状態などを考慮して、計画的に更新を図り、電気自動車、燃料電池自動車及びハイブリット自動車など、環境に配慮した自動車の導入を進め、二酸化炭素の排出量の抑制を図ってまいります。施設の暖房につきましては、本年4月から運用を開始したスマート街区事業により、大樹小学校と生涯学習センターが木質チップを熱源とし、また役場庁舎は地中熱ヒートポンプを導入するなど、化石燃料に依存しない施設整備を進めております。それ以外の公共施設等につきましても、将来的には、環境配慮型代替燃料の使用や化石燃料に依存しない施設整備は必要と考えますが、老朽化している施設もあり、今後の公共施設等の整備計画と整合性を図りながら進めてまいりたいと考えています。5点目の「ゼロシティを目指すためのスキームの構築に向けての考え方」についてですが、2050年までのゼロカーボンの実現に向けて、国が旗振り役となり、産学官連携した技術開発や研究が今後一層加速していくことが予想されます。町としては、それらの取組と連携し、活用を図りながら、町が担うべき役割をしっかりと進めていきたいと考えております。
質問 寺嶋誠一
1点目の温室効果ガス排出量についてなのですが、排出量の算定は、町長の答弁にもあったとおり、住基人口、雇用統計、経済政策などの各種データで算出し、公表されています。平成30年では、世界で約335億トン、1971年の約2.4倍です。この時点で日本の二酸化炭素排出量は約10.7億トン、中国、アメリカ、インドに続き、世界第5位です。この事実をまず認識して、そして、先ほどの町長の答弁にもありましたが、北海道は5,275万1,000トンで、大樹町は約2.18%の11万5,000トンの排出比率になります。そして内訳として、製造業、建設業、農林水産業の産業部門が約64%、7万4,000トン、家庭部門で約11%の1万3,000トン、運輸部門は約15.6%の1万8,000トンで、残りの約9.4%が廃棄物部門の1,000トンと、その他で9,000トンとなります。この数値なのですが、やはり製造業、建設業、農林水産業で、大きくまとめ過ぎていると私は感じていますので、これもきちんと鹿追町のように細分化した現状分析が必要だと考えますが、今後これについてはどうお考えでしょうか。
答弁 企画商工課長兼地場産品研究センター所長 伊勢(企画商工課長兼地場産品研究センター所長は2025年3月まで)
産業部門につきましては、議員おっしゃるとおり、製造業、建設業、農林水産業でまとめて7万4,000トンという数値になっているのですが、環境省の内訳では、製造業でいきますとそのうち5万8,000トン、建設業でいきますと1,000トン、農林水産業におきましては1万5,000トンとなってございます。以上です。
質問 寺嶋誠一
まず、なぜこのような質問をしたかといいますと、やはり町民1人1人がどの分野にある意味該当し、属しているかということも、今後いろいろな意味で意識することは必要ではないかと私は考えておりますので、今後そのような形を現状の実態調査としてやっていただきたいと思います。それが、先ほど町長の答弁にありましたが、脱炭素のシナリオや将来推計につながると考えるのですが、これについて、町長は同じようなお考えでしょうか。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
議員と同様の考え方であります。
質問 寺嶋誠一
分かりました。それでは、3点目についてなのですが、二酸化炭素の排出量の削減を進めてカーボンニュートラルを達成することは基本ですけれども、実質排出量をゼロに大きく関係するのが、先ほどもご説明したとおり、二酸化炭素の吸収量である主力が森林面積に該当するかと思います。ただ、単純に森林面積を増やしたからといって大幅に吸収力が増加するということは現時点では判明しておりません。しかしながら、一時的であれ、大樹町の二酸化炭素放出量を緩和する役割があることも認識する必要があると私は考えております。よって、森林面積を減らすことなく、助長、保護すべきだと当然のように考えますが、そこで、町長の答弁にあったように、森林環境譲与税等の活用やコンテナ苗やクリーンラーチの利用で、生産性の質的な向上により二酸化炭素排出量の抑制を図るという解釈を私はしましたけれども、これについても相違ありませんか。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
答弁で申し上げたとおりであります。私どもが町有林として保有しているカラマツやトドマツについては経済林でありますので、一面で二酸化炭素を吸収する機能は森林樹木にはありますけれども、なおかつ、私どものカラマツ、トドマツは経済林でもありますので、適切な伐期が来たら間伐をして、処分をするということがまず前提にありますが、ただ、刈った後も再生していく、また植付けをして、さらに40年、50年かけて経済林としての効果を高めていくということがこれからも求められますので、そこについては、そういうサイクルを継続していくということが必要だと思います。ただ、後段で申し上げたとおり、生産性の向上であるとか、経費を軽減していくとか、維持管理の経費を少しでも少なくしていくという取組については、そのときそのときの技術を導入しながら進めていくというところも必要であると思っております。
質問 寺嶋誠一
分かりました。今後とも、いろいろな情勢を把握しながら、造林支援や森林経営管理制度の活用を進めるということですね。それでは、次に4点目になりますが、現時点での二酸化炭素の排出の主な要因は、化石燃料の依存です。ゼロカーボンに取り組む以上、化石燃料の依存から脱却しなければなりません。まず、依存度の高い自動車燃料を環境配慮型代替燃料に少しでも切り替える必要があると私は考えます。例えば、音更町や更別村などでは、バイオディーゼルというBDFの燃料をスクールバスや除雪等の業務に使用しております。バイオディーゼルは、事業系や家庭で排出される廃食油を回収し、廃食油を原料とし精製され、自動車燃料として、軽油の代替燃料として、使用されています。現在は、軽油として使用する範囲の法規に関しては5%混合でしかありませんけれども、まず、このような燃料を今後使用していくということも非常に私は大事ではないかなと考えております。さらには、バイオディーゼルの原料となる廃食油も、今リサイクルの観点で、おそらく給食センターとか病院とかいろいろなところで出されるものは、ただ処分されているだけではないかと思いますので、これをまず製造会社に提供し、そのインセンティブとして優先的にバイオディーゼル燃料を供給してもらうというようなことが、理想ではないかと考えますけれども、町長は、再生エネルギー可能の検討もすると先ほどの答弁にもありましたが、これについてどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
私どもは、昨年12月にゼロカーボンの取組を宣言いたしました。先ほどご説明したとおり、これから、それに伴う再生可能エネルギーの導入に向けた計画もつくっていくことになります。その中の一つの取組として、そういうことも当然進めていかなければならないと思いますので、今後、私どもが今これから策定しようとする計画、2050年にカーボンゼロにする目標に向けての町としての取組をこれから形づくってまいりますので、その中でそういう項目についても検討し、実施できるものから早い段階から実施していくということが一日でも早い目標達成につながるのではないかという思いでおります。
質問 寺嶋誠一
ぜひ、今後検討していただきたいと思いますが、先ほど、自動車燃料として利用するのは5%しか再生エネルギーとしての比率はありません。ところが、先ほど町長の答弁にもありましたが、スマート街区事業の構築で、小学校や生涯学習センターが木質チップを熱源とし役場庁舎は地中熱ヒートポンプの導入により化石燃料に依存しない施設設備が進められています。でも、それ以外の公共施設は、いまだに重油ボイラーを使っていたりしておりますので、この対策として、重油ボイラーのところにバイオディーゼル100%を入れるという考え方もあります。そうすると、より効果的なカーボンゼロに近いような形の数値がたたき出せます。これが今後、古い施設の暖房に重油を使っているようなボイラーであれば、そこに100%入れるという考え方が最も効果的なものですから、さらに検討していただきたいと私は考えています。もう一つの情報として、今世界は再生エネルギーを利用したカーボンニュートラルに関してはダブルカウントするという、つまり今回の使用で100トン削減しましたといったら、掛ける2となるのですよね。普通のいろいろな電気自動車を使っていますとかということは、単純にそのままのグロスになってしまうのですけれども、実はダブルカウントするということが海外の情報で伝わってきていますし、私は、これはいずれ日本でも同様の扱いになるのではないかと考えますので、大樹町がゼロカーボンシティ宣言した以上、この重要なアイテムを使ったほうがいいのではないかと。先ほどと似ているのですが、町長のお考えはどうかお聞きしたいと思います。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
重油のボイラーにバイオディーゼルを入れてというところは、正直申し上げて、私、そういう知識がありませんので、その辺については、計画を策定する中でどういう取組ができるかというところの情報収集も含めて進めていく必要があるかと思っております。また、ダブルカウントされるというところについては、海外の情報だということでありますが、現在、私どものほうには、そういう情報はまだ仕入れておりませんので、今後そういう形で取組がさらに加速するような扱いになっていくのかと思いますが、現在その件についての情報は持ち得ておりませんので、コメントは正直できないと思っております。
質問 寺嶋誠一
分かりました。これは現在進行的な形での情報なものですから、入りましたらぜひ検討していただきたいと思います。そして、最後の5点目についてなのですけれども、町長の答弁から、2050年までのゼロカーボンの実現に向けての考え方は理解できました。町が担う役割を国の歩調と合わせて進めるということだと解釈しました。私がここでお聞きしたかったのは、例えば、先ほども説明したかと思うのですが、公用車は電気自動車を購入して使うということになると、おそらく庁舎での電気の供給源はスマート街区から供給された電気を使うということになるのかと想像していますが、もし従来の電気を使用するということであれば、全くもって、部分最適にはなるのですけれども、全体最適にはならないということが事実でございます。このようにならないためには、やはりエネルギーの地産地消、一番モデル的なケースが今回のスマート街区事業のエネルギーのことです。つまりそれは、何回もご質問していますが、最終的には自営線ネットワークを至るところにつくるという、今回のスマート街区事業のスキームを町内に何か所もつくるということになれば、かなり二酸化炭素の排出量を抑えることができるのではないかと私は考えます。さらには、大樹町は大型の酪農経営をされている方がいますし、メガファームが存在しております。前回の定例会でも町長の答弁にありましたが、大樹町にはバイオガスプラントが8基もあるということです。今後も、家畜ふん尿処理においてのバイオガスプランとは増えるのではないかと考えますので、先ほどの自営線ネットワークを町内の至るところにつくるという形が最も今後必要ではないかということで、検討していただければと思うのですが、これについて町長はどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 酒森(町長は2023年3月まで)
議員がご指摘のとおり、そういう自営線ネットワーク等が町の中でいろいろなところで構築できれば、さらにゼロカーボンに向けた取組が加速できるのではないかと思っております。ただ、いかんせん、それには費用がかかってまいりますし、費用をどれだけかけてもいいからゼロカーボンをすべきかというところは、やはり費用対効果も含めてやっていく必要があると思いますので、その辺については、かかる費用を見据えた中でやれることろから取り組んでいくということが肝要かと思っているところでもあります。私、答弁の中でも申しましたが、私ども、自らを、例えば施設であるとか車輌であるとか取り組むべき必要な部分、取組、又は町民の皆さまに向けて取組を推進していく立場、そして町内にある事業体、農林水産業者を含めた方々に対するゼロカーボンの取組を進める役割を網羅した中で、トータル的に大樹町が2050年にゼロカーボンを実現できるという取組については鋭意取り組んでいきたいと思っており、その中で、自営線ネットワーク等の構築についても検討でき、またやれるものから進めていく必要があるのではないかと思っております。
質問 寺嶋誠一
ぜひ、今後のいろいろな策定の中で、積極的に進めていただきたいと思います。最後になりますけれども、どんな立派な構想も、実は絵を描くことは簡単です。しかし、現実的に進めるとなれば、様々な課題や問題が立ちふさがります。先ほどの自営線ネットワークの構築も、実際には、例えば電気主任技術者の確保ですとか専任ですとか、それらの維持費、また、庁舎自体がそうですけれども、ヒートポンプも非常にゼロカーボンに沿ったエネルギー供給源なのですけれども、これもまた電力の消費が高いと言われています。そして、数十年後には間違いなく施設の更新等もあります。こういうことを考えると、非常にいろいろな課題が立ちふさがっていくのではないかなと思いますが、次の20年、次の50年、100年に私たちは責任があると考えております。依田勉三氏の薫陶の言葉で、借りて言えば、やはり子々孫々に恥じない判断と責任で進めていただくことをお伝えして、私の質問を終わります。