新十津川町議会 平成29年第3回定例会 2017年9月7日
外資による森林買収への町の対応策について
2017年9月7日、新十津川町議会の一般質問で、小玉博崇議員が「外資による森林買収への町の対応策について」質問し、町長 熊田義信が答弁しました。
- 質問者
- 小玉博崇 議員
- 答弁者
- 町長 熊田義信
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は、議員が最初の質問で述べた言葉から取ったものです。
質問 4番 小玉博崇
それでは議長のご指示がございましたので、私の方から2点質問をさせていただきたいと思います。まず1点目になりますが、外資による森林買収への町の対応策について、質問したいと思います。昨今、外国資本による森林買収が全国各地で広まってきております。特にその中心となっているのが北海道で、当初はニセコ地域を中心として行われておりましたが、ここ最近はどんどん北上してきており、誰もこんなところ買わないだろうというようなところが、外資に買収されるというようなケースが広まってきております。平成28年の林野庁の情報によりますと、北海道における買収の件数は29件で、202ヘクタール。また、外資系の企業を含めると48件、777ヘクタールに及ぶと言われております。現在、トータルでは2,000ヘクタールを超えるというぐらい、大変多くの森林の土地が外資に買収されているような実態があると聞いております。その中には行政が知らない間に買収の話が進んで、慌てて行政やその地域の地元の住民が購入するというような事例も発生しているというふうに聞いております。今後も外資による森林買収が進むと言われる中、国でも現在、何らかの対策を検討しております。水源水循環基本法も成立しておりますが、そういった対策、今、国で進めているところですが、町としても、やはり一定の規制を条例等で定める必要性があるのではないかというふうに思うのですが、町長のお考えを聞きたいと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
それでは4番議員さんのご質問にお答えいたします。まず、本町の森林の状況について、少し説明をさせていただきます。本町の森林面積は、2015年の農林業センサスの統計では、国有林45ヘクタール、道有林2万4,968ヘクタール、町有林1,448ヘクタール、民有林は1万1,915ヘクタールで、合計3万8,376ヘクタールとなっており、町の面積の約77パーセントが森林となっております。そのようなことを危惧してのご質問だというふうに考えております。まず、国及び北海道における森林買収に対応する法令等について説明をさせていただきます。4番議員さんはご承知のことと思いますけれども、国の法律、道の条例がございますが、どちらも大切な共有の資源である水を守るとともに水源となる森林を守ることを目的として制定されております。法律としましては、水の循環に関する施策を総合的に推進し、水循環を維持、回復するための水循環基本法が平成26年に成立しております。また、北海道においては、水資源の涵養機能の維持増進に取り組むため北海道水資源の保全に関する条例を国の法律に先んじた独自条例として、平成24年に制定をしております。この道条例の制定の際には、本町の水源である道有林及び幌加地区の森林について、水資源保全地域の指定の可否について北海道がヒアリングのため本町を訪れておりますが、本町の水源周辺については道有林の他は町有林が殆どであることから、水資源保全地域の指定にはいたっていないという状況でございます。ちなみに市町村が森林の売買等を認識する方法といたしましては、国土利用計画法による届け出と森林法による所有者の移転届けによる方法がございますが、国土利用計画法は1ヘクタール以上の面積が対象となっており、森林法による所有者の移転届けは面積の要件はございません。このことから届け出制ではございますが、しっかり届け出をしていれば行政が知らないということではなく、森林取得の状況については掌握できることとなってございます。道内の外国法人及び外国人による森林取得の実例については、今ほど4番議員さんからのご指摘のとおりでございまして、主な目的は別荘地等の資産保有であり、1件の取得面積が1ヘクタールに満たないケースも多く、林業の施業の実効性や事業の採算性を考えますと、森林を伐採して利益を得るという行為にはつながることは少ないと考えております。本町においては、外国資本等による森林取得の実例はないことを報告させていただきます。なお、条例の制定の必要性でありますけれども、本町においては、平成21年に新十津川町環境基本条例を制定しており、条例では環境基本計画を策定するとともに水環境の保全と森林及び緑地の保全に努めることとしてございます。水資源の保全は、大きな森林面積を持つ本町にとって非常に重要なことと認識しておりますが、現在のところ新たな条例の制定までは考えていないことを申し上げ、4番議員さんの答弁とさせていただきます。
質問 4番 小玉博崇
今ほど町長の答弁の中にありました本町の新十津川環境基本条例、これには保全は確かに書いてございますが、やはりそういった具体的な規制等は特に書いてないというのが実情であることと、先ほど言ったような道等でも届け出のルールを決めているということですが、やはりその届け出のルールをきちっと守ってくれれば、それはいいんですけれども、やはりこういった問題になるケースというのは、そういったものがちゃんと行われてないというケースが非常に多いというのが実情であります。ただですね、私達の町も、今、高齢化や過疎化がどんどん進んできている中で、土地の所有者が町内にいなく、町外または道外さらには国外というケースも今後、きっと増えていくだろうというふうに思われます。先般、本町の森林課税者の所在地を少し調べたところ、町外が92.53パーセント、町内はわずか7.4パーセントということで、ほとんど土地の所有者は、町外という状況になっております。これがまだ道外、道内であれば、まだ連絡のつけようがありますが、これが国外等になってくると本当にわからなくなるということがあります。また、土地を相続すると登記簿の名義変更を行うのですが、実質上、差し迫った必要がなければ元の名義のまま放置されるという事例も各地で見られているというふうに聞いております。そもそもこの不動産登記は、表示登記は義務化されておりますが、権利登記は義務化されていないということから、いつの間にか権利が動いていると。登記上の権利の名義とは違う人が実質上権利しているというような事例も見られるというふうに聞いております。これから団塊の世代が、いよいよその土地の相続する時代を迎えていきます。資産価値が低く、管理が難しい土地は相続を敬遠されがちです。相続する前に手放したい、買ってくれるなら誰でもいいということで、仲介ブローカーに売却し、その後、どう転売されたかというようなことが誰も分からないまま土地がいろんな方に売られるというようなケースも見られると。そういった危険性もあるというふうに聞いております。そこで町内の森林について、所有状況の確認の作業を一定程度行い、課税対象の土地だけではなくて、課税対象外の土地等の所有者の一定の把握を、町としてやっていくべきではないかなというふうに考えますが、町長のお考えをお聞きしたいと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
森林の所有権の移動ということになりますと、森林に限らず個人の財産形成または会社の財産形成になりますので、なかなかその規制には限界があるということだけは承知おきしていただきたいというふうに思います。良い意味で、森林の所有者が森林を有効活用する方々に移動するに当たっても、そういった方に移動することが一番望ましいというふうに考えております。そして町内には、空知森林組合が空知管内の大きな森林の保育管理さらには植林等を手掛けていただいておりますので、そういった方々にいろんな情報が入ることを一番切望しておりまして、そういった方々に入ると適正に森林を循環する機能を持つ方々に転売をしていただければ、また、その方に転売する事によって空知森林組合が中に入って森林の保育管理が適正にできうるというようなことを考えておりますので、そういったことを願っているとこでありますが、そこまでの規制ということまではなかなか至らないということが現実でございます。今の所有者という質問がございました。現在、山林の納税義務者数は3,277人と非常に大勢の方々が所有しているというのが実態であります。昭和の50年代ぐらいだったと思います原野商法というのですかね、そういったような方々の山林もありますから、非常に山林が分化されている実態にもなっており、所有者も多いという現状になってございます。特に課税額が30万円以下の方については、納税通知書が発送されないという状況になっておりまして、この30万円以下の方が3,080人ということで、ほとんどの方が課税免除、いわゆる大体2、3ヘクタール以下の方かというふうに思います。山の所有の評価によって違いますけれども、小規模の面積所有の方がたくさんいらっしゃるという状況になっている実態にもなっております。そういった実情にあるということを、まず報告をさせていただきたいというふうに思います。そして今、国の動きの中では、今年度中に税制改正大綱において森林環境税の創設に向けて総合的に検討し、平成30年度いわゆる来年度の税制改正において結論を出すという形になってございます。この森林環境税が導入された場合は、それぞれ町民個々の負担も出てくるわけでありますけども、今の段階では個人住民税だとか、そういったものに賦課をするということを念頭に置きながら考えられていることでありますけども、その負担が山に還元をする、いわゆる大都市に多く人のいるところから山村の方に、いわゆる森林整備のためにその浄財が還流するというような形の中で森林環境税が考えられており、そのことが今、実現しようとしているところでございます。そうなってくると、今いる所有者の負担を軽減し、市町村自らが間伐を実施することだとか、所有者が不明な場合であっても、間伐を代行するなどの取り組みをこの制度の中でうまく構築できないかということを、今、国の制度の中で検討し、そういった環境税をそこに充てられないかというような試算が出ているところであります。そういったことの中で、国はまず森林法を改正し、森林の所有者を的確に把握し、森林情報や登記情報などを集約して管理するため、第1段階として、林地の台帳制度を作るということが創設されたところでございます。この森林環境税の創設については、本町においても様々な機会において要望を行っておりまして、本町は、この地域から森、里、川、海のつながりの回復に取り組む首長の会という組織にも加入し、全国規模の組織として国に要望、創設を目指しているところであります。森林の持つ機能は、それぞれ自然豊かな大地さらには海の魚、いわゆる漁業までつながるというふうに考えておりますので、森林の保全には町のできること、そして国がこういう制度をもって市町村に財源を補てんをすると、そういったことによって森林整備が適正に保護及び育成できていくものというふうに期待をしながら、この制度の構築を念願をしているところでございます。そうすれば森林の整備がより活性化、加速化していくのではないかというふうに考えておりますので、今の段階ではすぐという形にはなりませんけども、森林環境税ができた暁には、そういった形の中でいろいろ森林の整備の方にそういった財源がうまく還流をしていくことを回答を申し上げ、再質問のお答えとさせていただきます。
質問 4番 小玉博崇
今、森林環境税の話がありまして、それが導入されると所有の方が分からない、そういった森林も市町村である程度管理できるということで、これが進めばやはり、今、不明になっているような森林もある一定程度市町村で把握することができるということは非常に期待していきたいなというふうに思っております。それとあと、先ほどの規制はなかなか難しいという話がありましたが、やはりその土地の買収の規制というよりは、先ほど町長もお話があったとおり、水を守るという意味での規制で考えると、道内には、今、22市町村で地下水の採取規制条例を定めております。私達の町も77パーセントが森林ということで、この森林の大きな役割として、やはり水というものがありますので、私達の町として、どこを守るべきか、その森林の広い森林の中のどの部分を町として守っていくか、そういったところをしっかり明確にしていきながら、その守るべき対策を町としてしっかり対策を講じていただきたいというふうに感じております。今ほど町長からお話があったとおり、多くの市町村がこの事案に関しては、うちはそういった事例もないし、現在は措置の必要はないという自治体が多いんですけれども、怖いのは、分からないところで進んでいくというのが非常に怖いなというふうに思っております。また、民法162条では、時効取得というのがあって、人の持ち物を実質占有している方が短くて10年、長くて20年占有の実態があったら、所有権がその人に移ってしまうというような民法の定めもあります。そういった、確かにこの国の動きを見て、このあと期待したいというのは非常にわかるのですが、やはり実質、今、北海道における森林買収がこれだけ広がってきていて、もしかしたら新十津川町も狙われているのではないかというような実態がある中、いち早くやっぱり町として講ずるべきではないかなというふうに思いますが、今一度、町長の考えをお聞きしたいなと思います。
答弁 町長 熊田義信(町長は2023年3月まで)
それではお答えをさせていただきたいというふうに思います。財産形成の中での制限はあり得ないということで、先ほど言ったとおりでありますけども、水を守る、いわゆる水資源を守るという観点からは、今、国の法律、道の条例がありますので、そういったことをまず基本に置きながら対応させていただきたいというのが基本的な考え方でございます。国、道の対応で、できづらい、でき得ない、一部道内でも、今、質問にあったとおり22の市や町で条例の制定をしているという状態も確認をさせていただいているとこでございます。空知管内でも、この近隣でも多く外国資本の方が面積を所有している町もございます。そういった状況も鑑みながら、今、どのようにこれが新十津川の大きな森林を持つ町として適正に管理するか、今一度、十分熟慮させていただきたいというふうに思います。ただ、環境基本条例がございます。そういった基本条例を根底にし、施行規則の中でうたっていくべきなのか、そういったことも総合的に勘案して、今の段階では前向きに検討させていただくということだけ申し上げ、お答えをさせていただきたいというふうに思います。以上でございます。