新得町議会 平成24年第1回定例会 2012年3月9日
中学校武道必修化への安全対策は
2012年3月9日、新得町議会の一般質問で、青柳茂行議員が「中学校武道必修化への安全対策は」について質問し、教育委員長 廣瀬顯嗣、教育長 山本均が答弁しました。
- 質問者
- 青柳茂行 議員
- 答弁者
- 教育委員長 廣瀬顯嗣、教育長 山本均
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
件名は会議録の目次の表記です。
質問 青柳茂行
2.中学校武道必修化への安全対策はでは2問目の質問をさせていただきます。中学校の武道必修化への安全対策についてお尋ねいたします。今年の4月から中学校において、男子・女子ともに武道が必修科目とされ、新得中学校、屈足中学校、富村牛中学校においても履修される運びになっていると思います。ここにきまして、柔道指導の経験のない体育教員の下での授業で、事故が起きるのを懸念する声も上がっております。今年の2月に放映された「NHK クローズアップ現代」での国谷裕子ニュースキャスターは、「なぜ柔道の部活動や授業中で死亡率の高い事故が起きるのか。これまで学校で亡くなった子どもの数は114名。今夜はその原因を検証します」という報道がされております。指摘されている問題として、指導者の資質の問題が挙げられており、中学校の体育教師の大半が柔道経験がない状態の中で、投げ技や乱取りまで教えるのは危険とされています。4月から始まる本町の中学校での必修科目である武道、とりわけ柔道の教育に関して、安全性は保たれているのか、不安材料はないのかお尋ねいたします。
答弁 教育委員長 廣瀬顯嗣(教育委員長は2014年3月まで)
青柳議員にお答えいたします。4月からの新しい学習指導要領における中学校の保健体育科では、1・2年生で、武道に取り組むことよって、相手を尊重すること、伝統的な行動の仕方を大切にすること、健康・安全を確保できるなどをねらいとして、すべての生徒に履修させることになりました。本年度までは、各学年で、いわゆる選択分野として位置づけられ、柔道などの武道を取り入れていた学校もあり、来年度柔道を実施予定の新得中学校においても、武道場があることから、平成11年ごろから、各学年、6時間から8時間、安全に配慮しながら授業をしてきた実績があります。ご指摘の危険ということについては、中学校とも十分話し合っておりますが、従来同様、例えば受け身を十分体得させること、大外刈りなど頭を打つ可能性のある投げ技はしない、乱取りや試合形式は受け身を習得後、教師の下で交代で行うことなどに留意するとともに、少年団の指導者や新得警察署の指導を受け、授業にも外部講師として協力を願っております。また、体育教師については、専門的経験がある人は少ないのが実態でありますが、当然体育教師免許取得には、必修科目として、基礎的実技を学び、安全性には十分留意しながら指導をしているところであります。本年度、実施した道教委主催の武道必修化の説明会、講習会にも参加し、安全に楽しく学習することの研修を受けております。それだけでは足りないことも考えられるので、実際授業をするのは、室内競技ということもあり来年度後半であることから、それまでにさらに研修を深めることにしております。今後、生徒や保護者の不安を少しでも解消するための努力をしてまいります。以上であります。〔廣瀬顯嗣教育委員長 降壇〕
質問 青柳茂行
今、教育委員長の答弁を伺ったんですが、警察関係の指導も受けるということだし、しかしもう1つ気になるのは、やはり柔道経験者が少ないということなんですけれども、少ないのか、いるのかいないのか、その辺をまたあらためてお聞きしたいと思うんですけれども。この4月から始まるわけですけれども、これは平成20年ですか、に改訂された新学習指導要領ですね。その中で、1年生と2年生が体づくり運動、それから器械運動、陸上競技、水泳、球技、武道、ダンス、体育理論の8領域ですよね、8領域すべてを必ず履修させると。3年生では、球技と武道のまとまりから、1領域以上は選択して履修する。3年生はちょっと違うのかなと思うんですけれども。これによって、1年生と2年生時には男子も女子も武道を履修することになるということから、今回、全国の中学校の部活動とは別に、普通の授業科目と同様にこの武道を取り入れていくということだと思うんです。教育委員長も答弁にありましたけれども、相手を尊敬するとか思いやりとか、そういうことも非常に大事だし、伝統文化を絶やさないためにという点でも、これらのことはある意味では必要なのかもしれませんけれども。問題になっているのは、はっきり言えば体育の教員の中で柔道経験のない人たちが非常に今多いということなんですね。それで本当に安全が保たれるのかどうなのかということが今大きな問題になっているわけですけれども。実際に NHK の報道にもあったように、スポーツをやっている、スポーツ全体で、やはり突然死というか、そういうことはやはり場合によっては起こり得るということなんですね。しかし、柔道だけは特別であって、全体の事故の発生率あるいは死亡率の確率は非常に高い。全体の事故のうち柔道が、なんと82パーセントがもう全部柔道で占めているということなんですね。しかも、この事故とかあるいは死亡の関係でいえば、やはり初心者ということもありまして、1年生が53.8パーセント亡くなっているわけですよ。それから2年生が35.9パーセント、3年生が10.3パーセントということで、1年生、2年生の死亡率が非常に高いわけですよね。これが現実なんです。それで、部活のしかもこれは、いわゆる普通の部活の中で起きている事故なんですよね。ですから部活でなくて、本当に全く経験がない子どもたちが、こういうことを実際始めるわけです、4月からね。そうすると、より多くの事故件数が増えるのではないかなという懸念も一応されております。現実の部活の中で、いろんなスポーツがあるんですけれども、一番事故の発生件数が多いのはバスケットボール、それからバレーボール、次いで野球ということなんだけれども、柔道に比べて他のスポーツは参加人数が多いわけですよね。ですから件数が多いんだけれども、だけど事故の発生率は、やはり柔道が一番高いわけですよ。1位なんですね。13.1パーセントが柔道です。それからさきほど言ったバスケットボールが10.8パーセント、野球に至っては4.2パーセントですね。一番少ないのが卓球で0.6パーセントです。ですから、いかに柔道がスポーツの中でも危険なスポーツなのか。しかも起きる度合いが1年生から2年生なんですよね。ですから、この4月から1年生、2年生の関係、特に注意を要するのではないかなというふうに思います。そこで、さきほど研修もさらに進めていくということなんだけれども、実際に事故が起きるというのは、頭を打って、その衝撃でけがをするということが死亡の原因とされているんだけれども、現実に頭をぶつけるだけでなくて、すごいスピードで頭が揺れるというような状況の中で、中で内出血を起こすというのが非常に多いらしいんですよね。ですから、なぜけがをして亡くなったのかという原因がなかなかつかめないまま今日まできているというのが実態なんですよ。たまたま何かの拍子でそういうふうになってしまったのではないかというようなことで済ませておいて、事故の原因とか死亡の原因が全く解明されないままでてきているのが一番おっかないと言われているんですよね。ですから、そこでお聞きしたんですけれども、いろいろこれから、もう既に研修も受けていると思うし、それからこれからもさらに研修を先生がたが受けていくと思うんですけれども、そういう柔道がいかに危険なスポーツなのか、なぜそういう事故が起きるのかというところまで、普通の一般の受け身とか投げ技とかというそういう技術も大事だと思うんですけれども、併せて柔道の持つ特有の危険性ですよね、あるいは対処の仕方、そういうことが今進められようとしている研修の中でもきちんと教えられているのかどうなのか。その辺を1つ確認したいと思います。
答弁 教育長 山本均(教育長は2012年9月まで)
お答えしたいと思います。NHK の「クローズアップ現代」は私も見ましたし、最近、新聞等のマスコミでいろいろ議論になっております。必修にすべきでないとか、時期尚早だとか。しかし、武道の究極のねらいについて反対していることではなくて、私の受け取り方は、議員がご指摘の安全に十分留意して、子どもの力量に応じて、一人ひとりに応じてやるべきだということが私は一番の最高の論調というふうに受け取っております。そういうことを含めまして、特にやはり一番大事なのは、その指導者の育成ということは私も同感であります。研修は既に義務化されておりますし、特に技ということよりも安全ということを一番重点とした研修をやっていると聞いておりますし、そしてもう1つ、楽しさですね、柔道、武道の楽しさ、これに力点を置いていると聞いております。ただ、新得町に体育の中学校教師は3名ほどおりますけれども、お聞きしますと、いわゆる学生時代の専門で柔道はいないと聞いておりますけれども、さきほど委員長が言いましたように、当然基礎的なことはやっておりますし、長年の教師生活で力をつけていると私は思っているところでございます。なお、これだけ子どもが亡くなっているとか、これもかなりクローズアップされているんですが、私の調べた資料では、これは授業中よりもほとんどは部活動だというふうに聞いておりますので、私の町でも部活動なり両方やはり気をつけないといけないという認識です。以上です。
質問 青柳茂行
教育長がおっしゃっているように、ほとんどが部活動なんですよ、すべてがですね。ですから、部活動で日常的に練習をしている、ほとんど毎日練習している状況の中で、とりわけこの柔道が一番多いというのが実態なわけですよね。ですからそういう意味では、さきほど言ったように4月から始まる、全くの未経験者の、先生もほとんど経験がない、子どもたちもこれから始めるという状況の中、さらに不安度が増すわけなんだけれども。実際に今、日本教育新聞の2月20日付の新聞ですけれども、3年前に新築した体育館に柔道場が備わったことをきっかけに柔道の授業を始めた学校があるんですよね。高知県土佐市立高岡中学校というところのことがちょっと新聞に載っているんだけれども。そこで、留意点というか、こういうふうに進めてますよというのが載っているんですが。単年計画も練り直して、2時間続きの授業を組んで受け身の練習を入念に行っていると、投げ技の導入は慎重に行ったとなっています。それから2つ目には、県の柔道協会から指導者を招いて、夏休みに講習会を実施している。これは先生がたの講習会だと思うんですけれども。それから、授業終了後には生徒によるアンケートで気になった点などを聞いて、指導の改善に努めていると。それから、ここの村岡さんという校長先生なんですけれども、本格的な柔道の授業を提案する声もあるけれども、授業と部活動とは目的が違うとして、授業では競技性よりも伝統や伝説を重視した授業づくりを強調しているというのが、ここの学校の進めている方針なんですね。それからもう1つ、文部科学省の有識者会議の中で、これは2月3日に開かれたということなんだけれども、これは文部科学省の関係ですよね。柔道の安全配慮事項をまとめて、学習指導要領の解説書で示している技について、あくまで例示であり、すべての技を取り扱うよう示したものではないと明記しているということなんですね。生徒の経験や体力の実態、施設設備などでの状況を踏まえて扱う技を決めることが重要だとなっています。さきほど教育長も「子どもの能力、力量に応じて」と言ってましたけれども。私は、この高校で始めたばかりで3年たっているということなんですけれども、だいたいこれが今進めるのであればベターでないかなと思っています。ですから、こういう観点でぜひ進めていただければなと思うんですけれども、その点をお聞きしたいと思います。
答弁 教育長 山本均(教育長は2012年9月まで)
武道の基本的なことを最初に言わせてほしいんですけども、この武道を取り入れたということの究極のねらいは、やはり体育なんですね、体育活動なんです。技ができる楽しさとか喜びとか、攻撃とか防御とか。というのは、最近の子どもというのは、われわれ昔だったら取っ組み合いということはしていないですよね。球技なんかはやっているけれども、相手と接する運動はやっていないんですよね。だから、剣道なり相撲なり柔道が取り上げられたと。そのことによって相手を思いやるし、礼から始まって礼で終わるという日本の素晴らしさ、勝ったときの喜び、負けたときの悔しみ、敗者への敬意とか、これが一番のねらいだということなんです。しかし、それは安全ということが前提だということはご指摘のとおりでございます。そういうことを踏まえまして、管内的・全道的には今までやはりあまり柔道は選択履修だとかに取り入れられてなかったんですね。それで、4月からの新しい学習要領に取り入れられるものですから、2、3年前から先行的にやっているのは管内で6割ぐらいしかなかった。ところが、さきほど議員が言いましたように、うちの新得中学校は平成11年から選択履修で入れているんです。かなりその実績はあるということは、さきほど言ったとおりでございます。なお、屈足中と富村牛は剣道を取り入れている、これは聞いております。それともう1つ。さきほど言ったアンケートなんかはたいへんいいご指摘で、勉強させてください。それから、柔道の技をすべて取り上げる必要はないというのは、そのとおりでございます。特に大外刈りとか大内刈りとか頭を打つようなこれは、それこそ子どもの力量において取り入れないほうがいいというのは私も同感です。以上です。〔青柳茂行議員 降壇〕