みんなの議会

下川町議会 平成28年第3回定例会 2016年9月14日

政策効果の高い子育て支援の拡充について

2016年9月14日、下川町議会の一般質問で、奈須憲一郎議員が「政策効果の高い子育て支援の拡充について」質問し、町長 谷一之、保健福祉課長 栗原一清が答弁しました。

質問者
奈須憲一郎 議員
答弁者
町長 谷一之、保健福祉課長 栗原一清

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 4番 奈須憲一郎

それでは一問一答方式により一般質問を行います。政策効果の高い子育て支援の拡充についてです。「経済成長率を増やすためには、保育サービスを中心とする子育て支援を充実させるのが最も効果的である」。これは日本・欧米を含むOECD(経済開発機構)諸国の政策効果を統計的に分析した結果、そうした答えが導き出されました。これは本年 6 月 25 日発行の柴田悠著、「子育て支援が日本を救う 政策効果の統計分析」を参考にしたものです。これによりますと、子育て支援、特に保育サービスを増やすことにより女性の労働力率が増える。そして女性労働力率が増えると労働生産性成長率が増える。すると経済成長率及び財政余裕が増える。こうした傾向が偶然では説明しがたい優位な差として傾向としてみられたということです。結果、経済成長率、財政余裕が生まれれば、様々な施策にまた反映できる。こうした好循環が生まれる。その一番最初の政策として保育サービスを中心とする子育て支援が最も効果的である。こうした分析がなされました。これは国レベルのものですが、基礎自治体にも応用できるはずです。そこで、町長に次の点について質問します。一、町の全予算に占める高齢者福祉と子育て支援の割合は、それぞれどの程度か。二、これからの下川にとってプラス効果が最も大きいと期待できる政策として「保育サービスを中心とした子育て支援」を位置付けてはどうか。三、優先順位の高い政策を実行する財源と労力を確保するため、継続より廃止の視点で全事業を見直してはどうか。四、保育サービスを中心とした子育て支援について、そのうちの一つ、あらゆる分野で人材不足の中、子育て支援の拡充には高齢者の活躍が不可欠ではないか。その活躍を促すための学習の機会が必要ではないか。二点目、名寄市のファミリー・サポート・センター事業、病後児保育事業について、どのように考えるか。三点目、ニーズがありながら導入が進まない病児・病後児保育事業については、地域おこし協力隊などの制度を活用しながら、専門的な知見を有する人材や組織の協力の下で、地域の実情に合った事業のあり方を検討してはどうか。以上について町長の見解を伺います。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

奈須議員の「政策効果の高い子育て支援の拡充について」の御質問にお答えしたいと思います。御案内のとおり、少子高齢化が進む中で社会の活力を維持していくためには、一人一人がその個性に応じた多様な能力を発揮できる社会の構築が不可欠であります。特に国では女性の活躍推進のために、仕事と子育てを両立できる環境の整備を促進しているところでございます。本町におきましても、幼保一元化による保育環境の充実をはじめ、様々な子育て支援を実施しております。まず、御質問の一点目「町の全予算に占める高齢者福祉と子育て支援の割合」についてでありますが、今年度一般会計当初予算に占める高齢者支援に要する経費は約1億400万円で、一般会計予算の約1.8%を占めております。また、小学生未満の子育て支援に要する経費は約3,500万円で、一般会計予算の約0.6%を占めております。いずれも国民皆保険制度に関する繰出金や、国が全国一律で実施する給付金等に関する経費は除いているところであります。次に、御質問の二点目「保育サービスを中心とした子育て支援を優位な政策として位置付けること」についてでありますが、本町では既に幼児センターにおいて、0歳児から就学前の子供の保育を実施しており、保護者の都合等によりやむを得ない場合は一時保育や延長保育も実施しているところです。保育料につきましても、国の基準額から約6割の軽減を図っており、既に充実した保育環境を有していると考えておりますが、社会情勢に応じて保育環境の更なる充実を図ってまいりたいと思います。三点目の「スクラップ・アンド・ビルドの視点による全事業の見直し」についてでありますが、御案内のとおり、本年度の予算編成時にもスクラップ・アンド・ビルドを進めるよう指示したところでありますが、福祉施策においては、子供から高齢者まで様々な関係者や対象者がいることから、各事業の経緯経過を踏まえながら、関係者等との調整を図り、効果的な施策を実施してまいりたいと思います。四点目の「保育サービスを中心とした子育て支援」についてでありますが、「子育て支援の拡充に向けた高齢者の活躍を促すための学習の機会」については、既に介護予防ボランティアが幼児センターや児童室において見守りや相談相手として活動しているところであり、今後さらに活動が増えるよう、学習の機会等を検討してまいりたいと思います。また、「名寄市のファミリー・サポート・センター事業、病後児保育事業」についてでありますが、ファミリー・サポート・センター事業については、登録した市民が互助精神に基づき、一時的な預かりや送迎等を実施する仕組みであり、病後児保育事業については、名寄市内の認定こども園において病気の回復期の子供を保育する事業であると認識しているところです。いずれにつきましても、本町の保育サービス充実に向けて大変参考となる事例であることから、今後も連携を図り、情報交換等を進めてまいりたいと思います。こうしたことから、「病児・病後児保育事業」については、今後、地域おこし協力隊の活用や専門家の招聘等も視野に入れながら、本町に合った仕組みの検討を進めてまいります。以上申し上げまして、答弁といたしますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

それではいくつかの点について再質問を行いたいと思います。まず、町の全予算に占める高齢者福祉と子育て支援の割合についてお答えいただきました。これについては何を含めるかというようなこともあって、いろいろな計算の仕方があろうかとは思います。ただ、ここで町長の見解をお伺いしたかったのは、世代間格差という問題についてです。世代間格差、これは一生の間に政府や自治体から受け取る年金、社会福祉をはじめとするサービス、これが総じて受益といいますが、受益と税や借金などによる負担の差が世代によって異なることから生じる格差、こうした世代間格差が今問題とされておりますが、この世代間格差について町長はどのように認識されているでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

ちょっと一般論も入ってしまうかもしれないんですけども、少子高齢化社会にあって日本の将来をいろいろ考えてますと、世界は人口がどんどんどんどん増えておりますけども、日本は北海道だけをみましても 2040 年には 130 万人減少してしまうという、こういう推計も出てございます。そういうことを考えていきますと人口の構成が世代の中で大きく変わりつつあり、どうしても高齢化の率が高まっていくと考えております。下川町でももう既に 40%近くが 65 歳以上の人達という割合になってございますので、そういう意味では、将来 40%が 50%、そしてまたさらにその上をいくということも十分考えられていくんではないかと思っております。世代間格差の問題につきましては、こういう人口比だけみても、いろいろ事業に取り組む場合に壁にぶち当たるところがたくさんあるんではないかと考えております。これは将来的には、社会保障の面では特に高齢者が若い人達をみるという、こういう構図が出来上がってくる可能性があります。そういう意味でもしっかりと若い世代の人達に意識を高く持っていただくということと、社会全体でバランスの取れた社会構造をつくっていくということが大事なんじゃないかなと思っています。また、事業に取り組む場合については、いろいろと世代間のバランスの良い事業の取り組み方というのが必要になってくるんではないかと思っておりまして、こういうこともいろいろと研究しながら今後進めていきたいなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

今の日本の特殊な状況においては、世代間の格差…そうしたものがある。そうした中でバランスを取りながらいろいろな問題を考えていかなければならない。そうした見解であると私は理解いたしました。それでこの世代間格差ですが、これに拍車をかける状況があると。それは有権者に占める高齢者の割合の高さ。一方でただでさえ数が少ない若い世代の投票率の低さから、政治家は高齢者に有利な政策を実施せざるを得ず、それがまた世代間格差に拍車をかけると、そうした見方があります。これについては町長どのようにお考えでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

これも大変難しい問題でして、世代間格差を少しでも埋めていくというのは様々な地域の企画力とともに、人が関わっていくという地域力が必要なんじゃないかなと思っています。一つにはコミュニティ形成をしっかりしていく。そしてまたまちづくりに多くの人達が関心を寄せていただくと。こういうところがこれからこういう世代間をしっかり埋めていくということが可能になってくるんではないかなと思っております。また、当町でもいろいろと世代間の事業を行ってございますけども、どちらかというと福祉の面が非常に大きいわけでありまして、これをさらに産業面ですとか、あるいはまた教育や違った層にもいろいろと範囲を広げながらその世代間交流や世代間の格差を少しでも解消できるようにしてまいりたいなと考えている次第であります。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

町長も私ども議員も一人の政治家として選挙の洗礼を受けてここに立っているわけです。それでどうしても票というものを意識せざるを得ませんが、下川町の有権者の皆さん…割合の中では高齢者が占めるというのは確かです。ですがその高齢者の方々が多数だからといって自分達に有利な施策を望んでいるのかどうか。そういった点については町長はいかがお考えでしょうか。私自身の感覚では、数が多いから自分達に有利な施策をというよりは、やはりこの下川町が本当に大好きで愛していらっしゃって、この下川町が更なる発展を遂げるために有効な施策をという方々が多いのではないか。そういった印象を持っております。町長のお考えをお聞かせいただければと思います。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

やはりまちづくりに関心を持ってもらうということが一番大事なことでないかと思います。特に午前中も防災の関係のいろんな議論がされましたけれども、やっぱり無関心でいてはなかなか社会参加がかなわないということがあろうかと思います。そう意味では関心の持てる、興味の持てる、そしてまた好奇心をくすぐることのできる、こういうものが私ども町の方としてもいろいろとアプローチしながらですね、そしてまちづくりに参加していただいて、世代間の交流を活発にしていくということが大事なことではないかと思っています。それには町だけでは限界がありますので、公区ですとか、あるいはまた様々な団体等、こういうところとの議論が必要になってくるんではないかと思っております。昨年来、いろんな団体やあるいは地域と懇談の機会を増やしてですね、このへんの問題点、あるいはまた要望点、こういうところを少し探り出しを今進めているところでありまして、こういうところから少し方向性を見出していくことができるんではないかと期待しているものであります。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

やはり町民の方々に意識を持ってもらうということは最重要だと思います。そうした意味では、やはり高齢化率がどんどん上がっていく中で、子育てが終わった後、子供と触れ合う機会が減っている高齢の方が増えているかと思います。以前ですと三世帯同居のようなかたちで、孫の面倒もおじいちゃん、おばあちゃんがみるというようなかたちもありましたが、現状は下川から子供は外に出て行って、お盆ですとかそういった時期にだけお孫さんが帰ってきて一緒に過ごす、そうした家庭も増えているかと思います。そうした中で、やはり子育てに対して目を持ってもらうためには、単に普及啓発ということではなくて、今回提案したように、子育て支援に政策的に投資することによって、それが実は経済発展にも繋がり、そこで生み出される余裕がまた高齢者の福祉にも繋がるといった、こういった好循環を統計的な手法により客観的に明確に認識していただくのが効果的かと考え、このような質問をしたところです。そうした観点からの情報提供ですとか、政策分析について、町長はどのようにお考えでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

これも午前中の一般質問の中でもございましたけども、本町においての子育て支援は、十分にとは言えませんけれども、厚遇されている自治体の方に入ってくるんではないかと自負しているところでございます。ただ、これからの制度設計をしていく場合には、やはり成果、効果というのをしっかり加味しながらですね、やっていく必要があるんではないかと思っております。また、下川町が高齢化率が約 40%近くなっているというか、その一方で実は世帯数が 1,720 ぐらいの世帯で人口 3,400 弱ですので 1 世帯で要するに 2 人を切っている状況にあります。いわゆる二世帯、三世帯の家族がほとんどいないという、そういう状況が今下川町でありまして、なかなか家族での世代交流といいますか…ここが非常に損なわれているというのが考えられる。それは一人住まいの高齢者の方々が非常に増えているというのが要因の一つでありまして、そういう意味では地域としてそういう交流できる場をつくっていく必要があるんではないかなと思っています。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

人口は減っているが世帯数はそれほど変わらずに…ということは世帯当たりの人数が減っていると。そうした中でいろんな世代間の交流が行われづらくなっている。そうした中で施策が必要だという御回答でした。そうした点で、私の質問の中で、そういった子育て支援をやるに当たって、段々と高齢者のみの世帯の方ですとか、そういった方が増えている中で、両者を繋ぐ政策という意味でも子育て支援に高齢者の方々の活躍が、これがまた別な意味でも必要な政策ではないかということで提案したところです。そうした中で、先ほど申しましたが、年配の方々も普段一緒に暮らしていない子や孫の世代、特に孫の世代とどのように触れ合えばいいかというようなことに困難を感じる場合もあろうかと思います。そうした点で教育というような学習の機会が必要かと思います。現状、下川の中でもいろんなかたちで高齢者の方に活躍していただいていると思いますが、名寄市のファミリー・サポートでは 24 時間の講習が位置付けられていると、登録した人は 24 時間の講習を受けた上で、そうしたサポート事業を行っていくということが決められておりますが、下川のそういったいろんなボランティアに参加する人達にどの程度の学習の機会が与えられているのか、その点についてお伺いします。

答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)

先ほど町長の答弁にありましたように、高齢者の学習については、今後もいろいろな機会を設けてですね、そういう場を提供していきたいということでございます。午前中の答弁に申したとおり、子育て支援事業の中で、幼児センターの中にそういう機能を設けてございます。それぞれいろいろな広場を設けてやっています。高齢者の方の介護ボランティアの方も来ていただいているということも申し上げました。そこで学習の機会なんですけども、登録者に対しては社会福祉協議会の働きかけ、あと受け入れ施設の見学、ボランティア内容を説明してこういう機会を促しているところでございます。また今後も各サロンだとか幼児センター、また児童室の交流の実施も検討してまいりたいと思っております。以上でございます。

再質問 4番 奈須憲一郎

そうした学習の機会というのは生涯学習の一環の中でというような位置付けもあろうかと思いますが、現状そういった生涯学習の一環の中で、年配の方々に子育て支援などで活躍してもらうような、そうした講座の機会をもたれているのかお伺いします。

答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)

子育て支援の特にそういう講座は設けておりませんけども、今後やっぱり 40 歳以上の介護予防の対象としてですね、ポイントを付与している事業も行っておりますので、そのためにそういうボランティアの登録だとか参加について広く啓発、また周知していきたいと思っています。そういう参加者を多くしていきたいなと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

名寄市のファミリー・サポート・センター事業では、これは社会福祉協議会が運営母体になっているかと思います。社会福祉協議会といいますと、高齢者福祉の団体であるようなイメージが一般には強いのかなと思いますが、こうした子育て支援も本来的には担っていく事業体であるという中で、下川町において現状、社会福祉協議会と連携して行っている子育て支援事業はあるのかどうか。また今後の見通しについてはどのようになっているのかお伺いします。

答弁 保健福祉課長 栗原一清(保健福祉課長は2019年6月まで)

現状では社協ではですね、子育て事業についてのそういう委託事業は…答えにならないかもしれませんけども…少ないと思います。現状はやっていないのに等しいかも…特に介護予防だとか介護保険の関係の方に、高齢者支援の方に重きを置いているのかなと思っております。先ほど奈須議員が言っていたとおり、名寄の社協で市から請け負って、このファミリー・サポート・センター事業を行うということで、相当参考になる事例だと思っております。今後この名寄市のファミリー・サポート・センターの事業をですね、大変参考になる事例なので、上手く連携を取りながら支援をいただきながらいろいろな考え方と運営の仕方も勉強しながら、うちになんとかいかせるかどうか課内で協議しながら検討してまいりたいと思います。以上でございます。

再質問 4番 奈須憲一郎

名寄市が今先行して走っているということで、大変近隣で参考になる事例があって、これから制度設計をするのによい機会かなと思います。参考にして下川独自でやるというのも一つですが、名寄市とは広域連携の視点の中で、連携を視野に入れた中でやっていくというのも一つかと思っております。特に名寄市は医療機関、この辺りの中核的な医療機関もございますし、福祉のスペシャリストを育成するような 4 年生大学もございます。そうした中で専門性をいかした名寄を中心として、広域でこうした子育て支援の枠をつくっていくというのも一つかと思いますが、そうした名寄市との連携についてはどのようにお考えでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

定住自立圏の中でもいろいろと項目が…17 項目ぐらいあるんですが、そういう医療とか福祉の関係も十分広域化に向けてのいろんな施策の展開というのもございます。ただ具体的にちょっと進んではいませんけれども、いずれにしても絶対数がやっぱり名寄市と下川町の人口規模違いますので、なかなか名寄が取り組んでいることイコールで下川町に取り組めるというのはこれは疑問もありますので、ただ既存の中で幼児センターが担っているところを、もう少しどうやったら拡充していけるのかとか、そういうのを少しずつ検証しながらやっていく必要があるんではないかなと思っています。新しいものをつくるというのは、かなりエネルギーが必要になってきますので、そういうような研究を今後もしていきたいなと思っています。

再質問 4番 奈須憲一郎

私が具体的に想定しますのは、後段で質問をしました病児保育、これについてはずっと検討課題になっておりまして、ただ、私が最初提案したときの訪問型の病児保育というのはですね、これは東京を中心に事業化されているわけですが、こうした小規模市町村では専門的な人材の確保ですとか、そうした事業性の問題、またこうした狭い地域でお互い顔の見える関係の中で家庭に入って病児を見るということが、抵抗感であるとか様々な課題があるかなと考えております。そうした中で、名寄市にそうした病児保育の専門家がいて、それほど頻度が多くない下川のニーズに、名寄からの派遣というかたちで応えるようなかたちで、名寄市であれば普段顔を見合わせているわけではない中で、逆にお願いしやすかったり、相談しやすかったりするぶんもあるかなというような観点で、そういった名寄市との連携というのが…名寄市から派遣を受けるような考え方がないのかということをちょっと考えたんですがいかがでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

それの検討の余地はあると思います。いずれにしても、そういう補完的な連携というのは子育てだけではなくて、様々なことに広域連携を図っていこうという…今、各首長さんやあるいはまた議会等も含めてですね、そういう提案もございますので、これからもいろいろと研究しながら進めていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

再質問 4番 奈須憲一郎

少し前後しますが、スクラップ・アンド・ビルド…これについては今年度の予算設計をする段階で町長からスクラップ・アンド・ビルドですね…廃止するものは廃止して、そこで浮かせた余裕や人材や財源を別なところ…ビルドに充てるというような考え方、こうした指示が出ていたと。ところが新年度予算を精査する中で、実はスクラップの方はなかなか進んでいない現状があったと認識しております。それで、やみくもにスクラップといっても、やはり行政の継続性の視点だとかがあって、なかなか難しいんですが、これは是非やりたいという優先的な政策を先に打ち出し、それに必要な予算を算出し、これだけの財源が必要だからどうしてもこれだけ削ってほしいというようなかたちで明示することによってスクラップが進むのではないかと考えますが、そうした観点で次の年度に向けて重点施策を決め、予算出しをし、それからスクラップを募るというようなそういった手順についてはいかがでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

これは下川町に限らないんですけれども、一定程度予算の方針を打ち出して、自治体というのは政策的なことをやっていくわけですが、どうしても当初の予算というのが大型に膨らむ可能性があります。それは各所管課でいろいろと議論を重ねた中で、政策予算が増えてまいりますので、そういう意味ではいかにスクラップしていくかということが、ハードルの高いものがありますが、いずれにしても形骸化したもの、成果・効果の滞っているものというものがやはり見直しを図りながら削るものは削る、そしてまた改定していくものは改定していくという考え方を今後もしてまいりたいなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

なかなかスクラップという言葉、そしてそのスクラップの先にみえている住民福祉ということを考えると難しい面があろうかと思いますが、ここはやはり優先課題を明確にし、まずそれを実現することによって好循環が生まれ、そこで生まれた余裕でまたスクラップしたものの復活もあり得ると思いますので、まずは効果が出やすいところに集中投下する、そうした時代にきているのではないかと私は考えます。それで、今回、一般質問事前通告した後にですね、刺激的な記事を見まして、家事をしない夫は日本を滅ぼすというような記事を見ました。これはタイトルは大変刺激的なんですが、裏付けとなるデータがしっかりした記事でした。それによりますと、総務省の平成 23 年の調査で、6 歳未満の子供がいる家庭で、夫が家事・育児に従事する時間が1 日当たり 1 時間 7 分、うち育児は 39 分にとどまるというようなデータが出ております。これはアメリカの 3 時間 13 分、そのうち育児は 1 時間 5 分ですとか、ドイツの 3 時間、同じように育児は 59 分に比べると 3 分の 1 という低水準だと。政府としては 32 年にまずは 2 時間 30 分までに増やすことを目標にしていると。そしてこのデータと連動するようなかたちで厚生労働省の同じく平成 23 年の調査で、夫が家事・育児を全くしない夫婦の第 2 子以降の出生率は 9.9%にとどまっていると。そして家事・育児時間が増えるほど出生率は高まり、6 時間以上では 67.4%にまで上昇したというようなデータがございます。こうした夫の家事・育児への参加というと、主体がまるで母親、女性の方にあるような言葉なので、参加という言葉は不適切だといわれています。家事・育児を従事する時間については、町長はどのようにお考えでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

日本の歴史的なものも少し考えられるのかなという感じはしておりますけれども、労働時間自体も日本の場合は非常に過酷な労働時間設定になっている…。基準法でいきますと決められた週 40 時間という法律がありますけれども、なかなか残業が多くてですね、民間もまた行政においても年間の労働時間が増えてしまっている。それにあわせて男性が育児をするという機会を非常に失っているというのが考えられるんではないかと思ってます。下川町の役場としても、女性の職員と去年懇談をさせていただきまして、やっぱりライフワークバランスというのをしっかり取るべきだと…いわゆるできるだけ残業しないで帰って、そして家庭サービス、子育てに従事してはいかがでしょうかという、こういうような提言も女性職員からいただきました。なかなか思うようにはいきませんけれども、現在、週に 1 回程度はノー残業デーをつくろうということで努力をしておりますが、業務にどうしても追われてですね、退庁時刻に帰ることができないというのが実態であります。いずれにいたしましても、イクメンという流行の言葉も生まれているように、日本社会においてもそういう欧米に近づいた社会構造というのがこれから必要になってくるんではないかと思っていますので、そういう努力もこういう地方自治体としても少しでも進めてまいりたいなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

今、町長が仰った点が、まさにこの記事の中でも指摘されておりまして、男性の意識が低いということだけではないと。やはりこの男性の長時間労働というのが日本のこれまでの高度経済成長を支えてきた面があると。女性との役割分担の中に成り立ってきたと。ただ、時代が変わってきたにもかかわらず、その点が改善されず、長時間労働がそのままで、そして労働時間の伸びに反比例して生産性が下がっているということがデータでも出ております。一つのデータとしては、平成 26 年の就業1 時間当たりの労働生産性は 41.3 ドルと。これはほかの経済協力開発機構の 34 か国中では 21 位、先進 7 か国では最下位に甘んじていると。これに対して夫の育児休暇取得率が約 90%に達し、家事・育児従事時間も 1 日当たり 3 時間 12 分、うち育児は 1 時間 13分というノルウェーでは、日本の倍以上でOECD2 位の 85.6 ドルを誇っていると。こうした点から考えましても、冒頭に申し上げたとおり、子育て支援を充実させることによって女性の活躍を促す。そうすると労働生産性が高まり、そして経済成長、財政余裕に繋がるということを考えたときに、子育て支援をするに当たってもやはり男性の労働時間を減らすというようなことが必要かと思われます。そうしたところを単に声掛けではなく、政策として実現するためにどのような政策が考えられるか。町長のお考えをお聞きします。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

これは福祉サイドと経済サイドの考え方で少しすり合わせをしていかなければならないんじゃないかと思っています。今年から中小企業基本振興条例の中でも、これは経済界サイドですけども、要するに職場環境を充実させていこうと、働く人達が快適な職場で、そして充実した仕事ができるようにということでやっております。例えば、エアコンを事務所につけるとか、トイレを水洗化していくとか、そういうようなことを職場の中でやっていくと。そして働く人…これは男性も女性もですけども…充実した職場環境の中で生活にも潤いをもたらしていくという、こういう経済からの面と、もう一つは今言った、福祉の面からいきますと、子育てをしていることに対して、これから町としてどういう制度設計をしたらいいのかという、こういう考え方も一つあるのかなと。ただ法律上の制度もありますので、こういうところはちゃんと準じながらですね、整合性のある制度設計というのが必要になってくるんではないかなと思っております。これについてもいろいろ研究してまいりたいなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

ただ今の答弁の中では、労働環境を良くしようというようなお話がありました。働き甲斐のある職場づくりだということだと思いますが、今問題として焦点をあてているのは労働時間についてです。この労働時間を減らすにはどのような施策が考えられるのか。改めてお伺いします。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

業種、業態によっても違ってくるんですよね。積雪寒冷地の日本の 50%、人口で 2,000 万人ぐらいおります。一番の問題は、通年で仕事できる業種が非常に限られているということです。そうするとどうしても年間の所得を 300 万、400万という水準まで上げていくということになると、春から秋までのこの季節に集中していかなければならない。それが林業界だったり建設業界だったり、あるいはまたそういう外で働くその他の事業だったり、農業も含めてでありますけども、そういう意味では、こういうところでの高い所得を得るためにはどうするか、それから通年で仕事をしていくことができるにはどうしたらいいかということが政策的に必要になってくるんじゃないかなと思っています。そういう中で、労働条件というのをしっかりと高い…効率のいいものにしていくということが必要なんじゃないかと、これちょっと私の見解ですけれども、そういう考えを持っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

こうした地域では季節性によるものがあると。私も一時期自然ガイドのような仕事をしておりまして、やはりそういった仕事は夏場に需要が高くて、冬はわりと別なかたちでの仕事を求められる。そういった中で通年の中でバランスを取る必要があるというのは認識しているところです。ただ一方で、事務的な仕事が多い、特にこういった役場のような公的機関では、時期による繁忙の多寡はあるものの、そういった季節的な労働が求められる農業とはまた別な事情があると思います。そうした事務的な作業が多く求められるこうした役場のような組織の中で、労働時間を減らしていくにはどのような方策が考えられるでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

これも午前中のグループ制の討議と類似してくるわけでありますけれども、本来グループ制というのは流動的、補完的というものが大きな目標で、ですから一部の職員に負担のかからないようにして、平準化していくというのが理想のグループ制であります。ただ、それが実態としてなかなかそこが平準化するというのが適わないというのが逆にグループ制のデメリットになってしまっているんではないかと。それから責任が明確化になっていないとかですね。そういう意味では、今、下川町の事務事業に対しての本当に適正な職員数というのは幾らかと、どのぐらいなのかというのが今一番求められているところではないかと。それによって過酷な労働が少しでも緩和されていくとかですね、あるいはまたアウトソーシングによって、本来の自分達でやらなきゃならないものも外側の手を借りてやっていくという、こういうのも一つの方策になってくるんではないかなと。いずれにしても一年間の労働時間をできるだけ圧縮してですね、そして身体に負担のないように、精神面にも負担のないようにしていくというのが私たちに課せられた役割なのかなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

最初の近藤議員の答弁の中で、事務量、仕事量は減っていない、あるいは増えている…果敢なチャレンジで増えている中で職員数が補充されていない、減っている。そうしたギャップの中で非常に職員の方々が苦労されていると認識を…町長示されました。ですので、職員数を増やすとともに、仕事を減らしていくということが、これが不可欠であろうと、直接的に。そこが大元の大元だと思います。それはやはり町長が明確に指示をして、特にやはり数値目標などを示した上で、実現達成度をみていくということが必要かと思いますが、いかがでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

それはまあ当然でありまして、事務事業評価を内部評価をして外部評価もするという、こういう内と外からやっているわけでありまして、そういう中で内部評価の中で一定程度成果がみられないもの、あるいはまた今後可能性が非常に低いもの等については、やっぱりそういうのを減らしてですね、そして事務量を少なくしていくということが必要じゃないかなと思っています。それは先ほどのスクラップ・アンド・ビルドに繋がっていくかと思います。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

このような議論を通じて、これからの時代に求められる行政像としてですね、行政の継続性というのはもちろんあるんですが、やはり時代の変化が目まぐるしい時代に、新しい施策を打っては、次はその施策をいつの段階で終わらすのか、施策には必ず目的があって、効果を測定し、そしてその目的を達成したときには終わらせるという意識を常に持ってですね、まさにスクラップ・アンド・ビルド、もしくはビルド・アンド・スクラップの視点で施策に臨むという行政像が必要なのではないかと。今までのどんどん拡大していくというのは高度経済成長期にはもちろん合ったやり方だと思いますが、今の時代は違うのではないかと思います。そうした点について町長はいかがお考えでしょうか。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

やはり資本を投下するということは、それなりに成果が求められる…いわゆるコストをかけてベネフィットがどうなるかということになってくると思うんですが、こういうところを見極めしていかないとですね、これからの時代…やっぱり自治体も生き抜いていくことができないんじゃないかと。今回の総合戦略の中でも特に重視されているのがPDCAという考え方であります。いわゆるしっかりとチェックをしてですね、最終的にはそのアクションに向けて施策をつくっていくということでありますけども、そのチェックの段階でどうしても必要ないと考えられたものは勇気を持って割愛していくということがこれから必要になってくるんじゃないかなと思っています。今、日本全体でも労働者が非常に少なくなってきて、担い手を今確保するのが大変なわけなんです。本町でも現業部門が非常に多い自治体であります。それは福祉施設を持ち、病院を持ち、また保育施設を持っているということで、そういう中で、限られた人数の中で本当に満足のいくサービスをどうやってやっていくかということは常に議論していかなければならない。それには外側の方々の協力がかなり必要じゃないかなと感じてますので、相互にそのへんもコミュニケーションを取りながらですね進めてまいりたいなと思っております。以上です。

再質問 4番 奈須憲一郎

今の答弁はですね、民間の会社を経営されていた現町長に期待されている点がまさに回答の中に出ていたかと思います。やはり投資効果が高いところにきちっと投資をして回収し、上がった余剰分をまた次の投資に回してどんどん好循環を生み出していくと。もちろん行政の継続性は必要ですが、それ以上に今はそうした民間の企業体のような経営感覚がなければ自治体も生き残っていけない時代になっていると思います。そうした点で町長から今の投資の話、そしてスクラップ・アンド・ビルドの答弁が得られたのは大変収穫だと私は感じております。そうした観点に立った中で、子育て支援が実は福祉としてだけではなく、経済的な政策としても非常に有効だということがこの間の様々な諸外国のデータからも導き出されてきたと。これについては著者の方も仰ってますが、こうした分析がまだまだ少ないそうです。まだこの分野は始まったばかりで、様々な視点から分析がこれから行われて、たたき上げられて、より精度の高いことが示されていく、それを期待されていると著者の方も書いておりました。そうしたデータを提示する先進自治体として下川町が是非なればと、環境未来都市の環境というのは子育て環境の環境でもあると、そうした環境未来都市で下川がこれからますます期待されていくことを祈念して、こうした質問をした次第です。最後、町長から何か考えがありましたらよろしくお願いします。

答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)

ほとんど話したんですけども、下川町は環境の町だといろいろ言われてございますけども、その環境というのはやはり今言われたように自然環境ばかりではなくて、家庭環境から社会環境から多くの人達が生き様をそこでちゃんと見いだしていけると、そういう環境づくりというのが必要ではないかなと思ってます。ですから下川町が今、環境の町という大きなアドバルーンを上げておりますけども、そういう意味では広義の意味での施策をいろいろですねこれからも形成していきたいと思っています。もう一つは、自分自身の公約の中で、幸せ日本一をつくるんだというのを謳ってございますけども、福祉そのものの意味合いは高齢者ばかりではなくてですね、本当に幼児から若者から、そして成年まで、幅広い福祉という意味合いがあるわけで、これどちらも訓読みでするとですね、さいわいと読むんですね。福も祉もですね。そういう意味では福祉施策というのをしっかりと持続可能なものにしていける、そういう環境づくりというのをしてまいりたいなと考えている次第でございます。以上です。

出典:下川町議会 平成28年第3回定例会 2016年9月14日 議事録 PDF(29ページ) 間違いを知らせる