下川町議会 平成28年第1回定例会 2016年3月17日
(1)東日本大震災から5年にあたって/(2)自治の総合化について/(3)特定非営利活動法人について
2016年3月17日、下川町議会の一般質問で、奈須憲一郎議員が「東日本大震災から5年にあたって」「自治の総合化について」「特定非営利活動法人について」について質問し、町長 谷一之、教育長 松野尾道雄が答弁しました。
- 質問者
- 奈須憲一郎 議員
- 答弁者
- 町長 谷一之、教育長 松野尾道雄
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
会議録の目次の件名ではこの議員の件名が 3 件あります。1回の登壇で続けて質問しており、議事録の中に件名ごとの区切りが無いため、1件の中に並べています。件名は会議録の目次の件名の表記です。
質問 4番 奈須憲一郎
それでは、事前通告いたしました内容について、一般質問を一問一答方式で行いたいと思います。この一般質問の通告書を提出した日が 3 月 11 日で、東日本大震災からちょうど 5 年目の日でした。地震・津波、そして原発事故が重なる未曾有の大惨事でしたが、過去形ではなく、現在進行形の感が否めません。東日本大震災から 5 年という節目に当たり、町長に次の三点について見解をお伺いします。一、日本を代表する「環境」自治体の長として、東日本大震災をどのように捉えているか。二、下川町の個人・団体等の被災者・被災地支援をどのように把握してるか。三、内部被曝に対する認識、特に子供たちへの影響についてどのように捉えているか。以上お聞きします。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
奈須議員の「東日本大震災から 5 年にあたって」についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、東日本大震災は死傷者数において 2 万人を超える被害を出しながら、いまだに多くの行方不明者がおられることや、津波によって被害を受けた土地・建造物や各種施設などの復興対策、原発事故の放射性物質汚染による避難住民の帰還問題や除染対策など、事故から 5 年を経過した現在でも、多くの問題・課題が山積しており、復興の途中段階にあると認識しているところであります。御質問の一点目の「東日本大震災をどのように捉えているか」についてでありますが、東日本大震災は、人的・物質的に甚大な被害をもたらすとともに、環境面におきましては、膨大な量の災害廃棄物の発生問題、原発事故に伴う大量の放射性物質による環境汚染問題などから、日本のそれまでの災害対策と環境対策に大きな課題を突き付けたと感じているところであります。この様な中、本町は、国の「環境未来都市」の選定を受け、資源・経済・社会の持続的な発展をテーマに、「誰もが暮らしたいまち」、「誰もが活力あるまち」の実現を目指しており、より良い社会と環境を子供たちの世代に伝えていくとともに、自然災害に強いまちづくりに努力をしていく必要があると考えているところでございます。御質問の二点目の「下川町の個人・団体等の被災者・被災地支援」についてでありますが、被災者の下川町への避難につきましては、平成 23 年に 1 世帯 4 名の方が町内の親族のもとに、2 世帯 5 名の方が一時避難として町有施設に滞在されておりましたが、滞在期間は数週間から 3 年程度となっており、現在、避難者はいないところでございます。支援につきましては、平成 23 年 3 月と 4 月に、2 名の消防職員が上川北部消防の一員として現地で救急業務にあたっております。町としても、全国町村会を通じ職員の派遣協力を申し出ておりましたが、派遣には至っておりません。また、平成 23 年には、町及び町内の個人からの義援金及び支援物資を被災地に届けているところでございます。その他の支援活動としては、平成 23 年から「ふくしまキッズ下川実行委員会」及び「町内NPO」が被災地の子供たちを受け入れ、夏の間、下川の自然の中で過ごしてもらうなどの活動を継続的に実施しており、町といたしましても、公共施設やバスの無料利用などのかたちで支援しているところでございます。御質問の三点目の「内部被曝に対する認識・子供たちへの影響」につきましては、放射線の影響により、子供たちに「甲状腺がん」の危険性が高まるとされておりまして、そのための調査が国により進められていると聞いております。いずれにいたしましても、福島において、現在、多くの子供と家族が「がん」への恐れと不安に怯え、苦しんでいる事実がありますので、一日も早くその不安を取り除くことが必要であると考えております。以上申し上げまして答弁といたしますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
それでは、まず一点目の、日本を代表する「環境」自治体の長として東日本大震災をどのように捉えているかについてですが、答弁の中では特段触れられませんでしたが、下川町は環境未来都市として森林バイオマスを核にした自然エネルギーの実践に取り組んでおります。一方で、原発事故を受けて、そういった自然エネルギーへの機運が高まったにもかかわらず、今、政府は原発の収束をみないままに再稼働に向けて進んでいるところがあります。あと、昨年パリで国際会議が開かれまして、温暖化対策について国際的な合意がなされたところですが、日本政府は石炭による火力発電を、今更感がありますが、また取り組もうとしている、そういった計画も聞いております。そういった国の動きに対しまして、一方で国の指定を受けながら、この自然エネルギーを進めている自治体の長として、そういった状況をどのようにお考えでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
原発の事故の話については、先ほど答弁させていただきまして、非常に残念な結果になっているところでございます。今、国が進めておりますエネルギー政策についても、下川町としてはこの自然エネルギーを少しでも多く生み出すことができるような、そういう地域として努力はしてまいりたいなと思っております。また、原発稼働について、全国の首長の中でも反対運動をしている首長もおりますけども、もう少しそのへんは現実をみながら我々としてはそのへんをみていく必要があるんではないかなと思っております。道内でも現在は原発が稼働しておりませんので、その代替として火力発電として道民の中に供給されているようでございますので、そういう実態もしっかり注視しながらですね、下川町としては下川町の進む道をしっかりと行っていきたいなと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
現実的な回答であったかと思います。反原発の機運が非常に高まりましたが、やはり原発に代わるエネルギーを提案できないままでは切り換えることができないのであって、それは私たち下川町が取り組んでいるような取組をさらに前進させて、モデルをつくることによってしか置き換えができないということで、今後もさらに今の取組を進めることが、この日本の課題を解決することに繋がると私も考えております。それで、下川町の被災者・被災地支援の状況についてまとめていただきましたが、現在進行形のものはないと私も考えております。一方で、町長の答弁の中で、現状、福島において非常に苦しんでいる事実があると。一方で、福島キッズの取組も 5 年を節目に、一旦、今までの流れの中での取組は終了しているところがありまして、ところがやはり現在進行形で苦しんでらっしゃるところもあります。被災直後は民間の人たちの頑張りの中でやってきた面もありますが、なかなか現状、下川町に暮らす人たちも日常に精一杯の中で継続的な支援が難しい部分もあります。そういった段階だからこそ、今、国の多くの資金も得ながら率先して取り組んでいる環境自治体としてですね、こうした方々への支援を改めてこの段階で継続的に模索するのが、長期的にみてこの下川町の名を高めることになるのではないかと考えていますが、その点いかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
過去に全国町村会、北海道町村会を通して、そういう申し入れをした段階で、おそらく調整がされたんではないかなと思います。町の規模、下川町に置かれている行政職員の数とか、そういうのをおそらく考えての最終的な判断がなされたのではないか。ただ人が行けばいいというものではありませんので、そのへんは今後もいろいろと関係機関と相談しながらやっていく必要があると思ってます。その一方で、心配されるのは、5 年も経ちますと、この事故についての社会的な評価というか評判というのが段々薄まってくるということが危惧されております。最近ではNPOが、当時、事故が起きた時には相当数入っておりましたけど、現在は本当に僅かな人だけ支援をしているということで、こういうところがやっぱり社会風潮の中にあるというのが非常に恐ろしいことだなと思ってます。現状はおそらく、最近ちょっと東北の方はみておりませんけれども、まだまだ被災地の中で復興していかなければならないところがたくさんあると思っておりますので、そういう意味でも、そういう関係機関と下川町として何ができるかというのはいろいろと問題提起をしていきたいなと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
5 年の節目で様々な検証など行われておりますので、そういったものを情報収集しながら今後の支援について是非御検討いただければ、私自身も考えていきたいと思っております。多少前後しますが、放射性物質の影響について、森林が特に長期的な影響が強いであろうというところがありますが、その放射性物質の日本の森林への影響について、どのような現状把握でいらっしゃるかお聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
私の知識ではそこまで把握しておりません。
質問 4番 奈須憲一郎
私も詳細について調べたわけではありませんが、森林に関しては除染が難しく、そして木の内部に放射性物質を取り込むということもありまして、では取り込んだ森林資源を使えるのかというと非常に困難な問題もあって、日本の森林資源の循環のサイクルが崩れてしまうのではないか。顕著なところが椎茸など茸類…菌類ですね、それについては非常に放射性物質の濃度が高いということで、流通が制限されている部分があります。そうした全国の流れの中で、放射性物質の被害が総体的に少ない森林…北海道下川の森林資源が果たす役割が大きいのかなと考えておりまして、そういったこともちょっと今後含めて御検討いただければと思います。それで、内部被爆のことについてですが、甲状腺がんの危険性、リスクのことも、今研究が進んでおりますが、チェルノブイリの例もあって、やはりこれは大変危険なことであろうと。そしてこの放射性物質、内部被爆に関しては、福島であろうとどこであろうとこれは土地的なことは関係なく、何を口に入れて取り込んでいるのかということによりますので、流通についてきちんとした把握をしながらやる必要があると思います。それで、今、子供たちの給食について、どのような配慮がなされているのかお伺いします。
答弁 教育長 松野尾道雄(教育長は2021年6月まで)
お答えいたします。平成 24 年の第 1 回定例会でも同じような御質問があったかと思いますけれども、学校給食につきましては、下川町給食施設食材検収基準に基づきまして、納品の日時、数量、生産地、期限表示、鮮度、包装状況、異物の混入など、納品の際に検収をしております。食品衛生法に基づきまして、その基準で販売されていることから、調理場での測定は不要という考えで継続をしてきております。今回、この御質問をいただいた中で、私もちょっと調べさせていただきましたけれども、首相官邸からでております東日本大震災の対応の中では、こういった食品に関して記載をみますと、今お話いただきました茸類であるとか、あるいは野生動物…特に猪であるとか、特にセシウムというのは 134 と 137 がございますけれども、肉に集まる性質があると、あるいは川魚を食べたというような方から出口チェック…ホールボディカウンターという調査方法があるんだそうですけれども、そういった方が内部被爆として出ているケースがあるというふうに承知をしております。この首相官邸での広報と、それから専門家による認識というのは、少なからず開きがあるというふうに私も認識をしております。以上でございます。
質問 4番 奈須憲一郎
国の方針と専門家の見解に開きがあるという認識ということで、それについてはより子供たちのリスクを減らす方向の考え方を採用していただきたいと思っております。それとも関連しますが、下川町の子供たちの給食については、できるだけ下川産の物、下川産の物で調達できなければできるだけ近隣、この周辺の物、道内の物という基準を設けてやることによって、それは地産地消でもあり、子供たちの安全安心、親の安全安心にも繋がります。そういった基準で食育の計画と整合性をもって取り組んでいただければと考えております。今、話には出ませんでしたが、魚については、特に深海の方に近いより深い深度の環境の中で生息している魚については放射性物質を蓄積しやすいということで、さらに産地についても獲れた海域ではなく、水揚げされた港での産地表示になっておりますので、これについては見分けがつかない状況。環境NGOが抜き打ち検査すると、かなり高い濃度の魚もみられる…鱈などそうですが、そうした点から、給食のメニューについても引き続き配慮が必要だと私は考えておりますがいかがでしょうか。
答弁 教育長 松野尾道雄(教育長は2021年6月まで)
今、御指摘をいただきましたように、私も申し上げましたが、首相官邸での広報の内容と、やはり甲状腺がんなど含めまして、子供さんに対する影響というものが危惧されているということは事実でございます。そういったことを私も認識をしながら、今後の適切な給食提供に努めてまいる所存でございます。やはり子供さんに関してはですね、大人と違って別格に物事に対応する必要があるというふうに認識をしております。特に子供さんの方が放射線の影響を受けやすいというのもこれ事実であります。ただ、政府広報によると、そのセシウム 134 と 137 とありますけれども、137 の方は無くなるまで約 30 年かかると言われています。それからヨウ素の方は短期間で消えるというふうに言われてますけども、やはりそういう危険性があるものがこの国内にあるということをですね、十分に認識をしていく必要があるというふうに考えております。特にお話いただいたように、地産地消…地元の物を食育に活用して行くというのは今後も継続して進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
質問 4番 奈須憲一郎
認識については安心できる認識だと判断しましたので、今後の取組について進めていただきたいと思います。一点目の東日本大震災から 5 年にあたっての質問については、以上で終了したいと思います。重ねての話になりますが、今、下川が環境未来都市を中心に取り組んでいる取組が、この日本の復興の下支え、希望になると思っておりますので、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。それでは、二点目、自治の総合化について、お伺いします。総合計画後期実行計画では、総合的な土地利用計画がないまま住宅施策が縦割り行政の中で個別に計上されたり、今定例会に当たっては、産業振興に関する条例見直しが林業分野と中小企業分野と同時に進行したにも関わらず、総合的な産業振興の観点で再編成されることなく提案されるなど、下川町の自治全般にわたり、総合化の視点、俯瞰的なグランドデザインの視点が不足しています。そこで、町長に次の二点について見解をお伺いします。一、自治の総合化についての現状とあるべき姿について。二、自治の総合化についての現状とあるべき姿の溝を埋めるための具体的な方策について。以上お伺いします。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
奈須議員からの「自治の総合化について」の御質問にお答えしたいと思います。質問の一点目でございますが、「自治の総合化についての現状とあるべき姿について」でございます。下川町におきましては、「目指す将来像やまちづくりの方向性、町政運営の指針」として、平成 23 年度を初年度といたしまして、平成 30 年度を目標年度とする、第 5 期下川町総合計画を基本として計画的な行財政運営を実施しているところでございます。計画の中で、「森林も りと大地と人が輝くまち・しもかわ」を将来像としており、「産業振興と雇用機会の創出」、「少子化高齢社会に対応したまちづくり」、「森林共生低炭素社会の創造~環境モデル都市の推進~」、「安全に安心して快適に暮らせる生活環境づくり」、「持続可能な地域社会実現のための地域力向上」の五つの政策と、これらを包含する「環境未来都市~人が輝く森林未来都市しもかわの具現化」を、どの分野においても重点政策として、町政の共通テーマとしてまちづくりを進めているところであります。このように、総合計画に基づき、各課横断的な連携を視野に各種施策に取り組むとともに、それぞれの施策を六つの基本目標に体系化して、分野別に施策を推進していくこととしております。地域の課題解決と持続可能な地域づくりを進めていくためには、今後のあるべき姿として、総合的な視点に立った各分野横断的な議論を活発化していくことが必要であると感じているところでございます。冒頭にお話のありました土地利用につきましては、今後、町におきまして基本的な方針を策定し、計画的に進めることが必要であると考えております。総合計画は広い意味でのまちづくりの方針を示すものでございまして、計画の策定については、そのうち特に市街地づくりに関わる事柄、土地利用、道路、公園、上下水道などの基本推進方針を、住民参加と理解の下に策定を進めてまいります。御質問の二点目でございますが、「自治の総合化についての現状とあるべき姿の溝を埋めるための具体的な方策について」でありますが、「自治」とは、文字どおり自分たちでまちを治めることであります。地方自治は、その地域社会の住民の意思によって行われる「住民自治」と、独立した団体としての意思決定と責務がある「団体自治」という二つの概念を持っております。先ほど申し上げましたように、住民自治、団体自治の両面において、総合的な視点と各分野横断的な議論による取り組みが必要であると感じているところであります。住民自治という視点では、一例を挙げますと、公区による敬老会の開催、助け合いチームや独居高齢者宅の訪問活動、環境美化活動、防災訓練の実施などが、各公区において自主的に実施されているところであり、住民活動の活発化が地域の自治力を高めていく大きな要素の一つであると考えております。団体自治の視点では、政策決定過程における各分野横断的な議論と総合的な視点での行政運営が最重要課題であると認識しており、町長就任後、町内各団体の御協力をいただき、産業連携会議を開催するとともに、庁内関係課による福祉医療連携会議を開催するなど、課題の共有、共通認識を図り、課題解決のための議論を進めてきたところでございます。今後におきましても、住民自治の視点では、住民活動が活発に行われるよう支援するとともに、住民懇談会や話し合いの場を設定してまいります。また、団体自治の視点では、総合的な視点で各種施策を推進するため、各種会議や町内会議で横断的な議論ができるよう工夫してまいります。地域の自治力を高めるため、住民自治、団体自治の両面から総合的な視点で取組を進めてまいりたいと思います。以上答弁とさせていただきます。
質問 4番 奈須憲一郎
ただ今、答弁をいただきました。自治の総合化について今後進めていく上で、参考になる事例として大学の例をちょっと挙げたいと思います。私が卒業修了いたしました北海道大学農学部では、私が入学する前の時点では農学部の中に林学と林産学という二つの部門に分けられて、それぞれ学問が進められていました。それが近年のこの環境の時代を迎えた中で、総合化する必要があるということで、林学と林産学を統合して森林科学科が誕生しました。私はその森林科学科になって 2 期目の学生だったと思います。その森林科学科の中では、まず学生は菌類などミクロの視点から入りまして、そして木材がどのように育つかだとか、その加工したパルプで紙を作るだとか、あとは森林そのものの野生生物、生態系の話ですとか、そしてその森林を取り巻く社会環境、こういった山村の地域振興まで、非常に幅広い総合的な視点を最初にまず学んだうえで、そしてそれから自分の専門的な分野に移る…私の場合は森林政策学講座ということで政治・経済の分野に進みましたが、人によっては菌類の分野に進む人もいました。そしてさらに大学が象牙の塔というようなことで、研究が専門化する中で、社会のニーズに適応していないというような批判もある中で、近年ではそうした社会に開かれた大学ということで、地域との連携ですとか、市民公開講座などのようなものも開かれるなどしております。そういった事例を参考にしますと、下川町の町内全体の中でもいろいろな取組が考えられると思いますし、まずは行政機構の機構改革の中でもそうしたことが考えられるかと思います。例えば、現状、産業に関連しましては、商工振興を担当する課、林業・林産業を担当する課、そして農業振興の課と分かれておりますが、そうした課を大括りにするような大グループ制のようなものが考えられないのか。また、住民生活に密接した部分では、住民生活、保健福祉、そして現在は建設課の中で産業振興的な部分も取り扱われておりますが、どちらかというとインフラの整備をはじめとする住民生活に近いポジションではないかということで、そうしたところ住民生活に近いグループとして一まとめにするだとか、いろんなやり方が考えれると思います。そうした今後の機構改革については、町長どのような視野、視点をお持ちかお聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
本庁だけでちょっと考えてみたいと思うんですが、今、2 階に 4課、1 階に 3 課という形で組織が動いているところでございまして、これについては基本的にやっぱりきめ細かな公共サービスを行っていく上では、現在のところベターではないかなということで考えてます。ただ、今、議員が指摘するように、横断的な取組をしっかりやっていかなければ、要するに課題の共有ができないというのもありますので、ここはプロジェクトチームをつくったり、あるいはまた横連携の会議を頻繁に開催するなど、こういうところが必要ではないかと思っています。今、4 月 1 日のいろんな機構の改革について協議しているところでございますけれども、現状ではこの形を今進めていって、将来的にはグループ制の問題とかこういうのも出てまいりますので、こういうところも検証しながら協議をしてまいりたいなと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
ただ今、答弁の中でプロジェクトというお話がありまして、これが現実的には一番取っ掛かりのよいやり方かなと思っております。現状の機構を維持しながら、大きな取組でいろんな分野にまたがるような、近年でいうとまちおこしセンター(仮称)のような取組については、各課から 1 名ずつ出てプロジェクトを結成する中で、横の連携、情報共有をしながら総合的な視点で事業を進めるというようなことが考えられるかと思います。あと、町全体やはり総合的に見渡した中で、常に事業を進めていくに当たって、そうした専門的なポジションを設けてはどうか。それは既存の人員など考えますと兼務になるかと思いますが、名前だけで参照しますと、森林管理署では、流域調整官というポジションがありますが、そうした名前を参考に総合調整官のようなポジションを用意することで、常にあらゆる事業を総合的、俯瞰的な視点に立って、こうした視点が足りないのではないかとか、こうした組み合わせでやればもっと効果的ではないか、効率的ではないかというようなアドバイスを行えるような、そうしたポジションが一つ考えられるかと思いますが、そういった点についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
そういうような職についても、今後必要かどうかというのは研究していく必要があるかなと思います。平成 16 年に下川町が単独で行政運営をしていくというのが決められてから、自律プランが策定されまして、職員の人員削減というのがこの十数年の中でかなりされてきまして、その中でも事務事業量が非常に多くなってきております。そういう意味では、事務事業の偏りがあったり、職員にかなり負担が掛かったりという、こういうことも非常に起きておりますので、そのへんのバランスを今後しっかり考えながら調整をしていきたいなと思っております。また、その新しい肩書き等についても、そういうのが必要かどうかというのは庁内でしっかり議論をしてまいりたいなと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
ここで答えが出る話ではないと思いますので、今後、検討していただければと思います。それで、町長の答弁の中で、住民自治という言葉が出てきておりまして、一歩踏み込んだ答弁だったかなと思います。総合化という視点の中で、この地域の自治を考えていく中で、行政が担っている部分と住民自治…自分たちで担っていかなければならない部分の仕分けが必要な時期にきていると。これまでは要望・陳情型で、どちらかというとサービスの受益者としての意識が強かった住民に対して、そうではなく本来自治の主体的な担い手が正に住民であって、その住民自治で個別に解決できない問題を、税金というかたちでお金を集めた中で、行政という機構を通じて解決していく、そうした役割分担の整理が必要だと思います。そして今回、予算編成に当たって、町長はスクラップアンドビルドということで方針をお示しになりました。現在、新年度予算について委員会で審査しているところですが、その審議を通じた中では、スクラップの部分がまだなかなか着手できていないのではないか、これがやっぱり行政が抱えすぎている部分もあるのではないか、そういった印象を持っています。そうした点について、今後…スクラップという言葉はなかなか良くない印象があるので、言葉については今後検討が必要かなと思うんですが、要は仕分けですよね…役割分担の整理について、今後どのように取り組んでいくのか考えをお聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
スクラップアンドビルドという非常に衝撃的な言葉なんですけども、いずれにしても無理・無駄をなくしていくというのは大事なことではないかなと思っております。そういうように省力化とかですね、あるいはコストの削減とか、こういうところは常に一つ一つ事務事業ごとに、あるいはまた条文の中で比較をしていきながら、今後進めていく必要があると思っています。条例、規則等含めて、今、下川町に 700 を超えるものがございまして、こういうところも一つ一つですね、現状に合っているかどうかというところを各課で検証してもらってですね、そして最終的に条例を廃止したり、新しい条例もつくらなければならない場合もありますので、いずれにしても全体的に見直しを図っていく必要があるんではないかと思っております。また、住民自治については、今 18 公区ございますけども、これももう制度化されてから 50 年以上経ちまして、ある意味ではその条例の条文内容等が現状に合ってきていないところもあります。住民自治活動として、町内会の役割や、あるいはまた自治会としての役割を担っているところが、今、公区で非常に進められておりますので、町としては、共有した情報提供をしっかり図っていきたいと思っております。昨年の 11 月にも公区長会議で、第一段としてですね、各公区…18 全ての事業を一覧表にして公区長さんにお渡しをいたしました。今後も第二弾、第三弾ということで、いろいろと公区が必要とするものを配付してまいりたいなと思っています。これはなぜ必要かというと、公区によって人口規模がかなり差があるんですね。小さいところは本当はそういうレクレーションをやりたいんだけども、実はその人数ではできないと。であれば、A公区とB公区が一緒になって、A公区の人口の多いところにお世話になりながら、実は一つの事業を進めていくという方法もあるんではないかという、そういう提起を実は公区長会議でさせていただきました。そういうようなことを進めながら情報を共有し、各公区の協力をいろいろと推進してまいりたいなと思っておりますので、御理解いただければと思います。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
着々と取り組まれている印象を持ちました。今回、町長の町政執行方針の中で、行政の継続性を意識しながらという言葉が出ておりましたが、昨春の選挙の中で、新しく誕生した町長に求められているのは、行政の継続性以上に、政治による不連続の部分も大きいと思います。ですので、いきなりばっさり変えるというのは、もちろんこれは住民にとっても衝撃が多いことですので難しいかと思いますが、まずは大胆な提案ということで、例えば、今まで行政がしていたものを無くしたらどうなるかというような、まずは仮説として提示して、そして住民との熟議によって落としどころをみつけていくというような、そうしたことが今、町長に求められていることかなと感じますが、そうした点についてはいかがでしょうか。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
政治と行政というのは非常に大きく違うところがありまして、政治というのは住民の負託を受けてしっかりと執行していかなければならないという背景がございます。行政というのは国や道等のいろんな根拠法を基にしながら条例をつくって、それに基づいて行政運営をしていく。ただ、公共サービスというあり方が、今まで行政サービス=公共サービスということで考えられておりましたけども、公共サービスも今、官から民へということで、指定管理制度が 2007 年に出来上がったりですね、あるいはまたパートナーシップ型の行政運営ということで、住民との協働によるまちづくりが進められているというのがあります。いずれにしても、こういう中で大胆に政策をつくっていくというのは、やはり住民ニーズに求められているなかをしっかり把握してですね、そして進めていくと。小さなものから大きなものまでいろいろとあると思いますので、まずは町民の人たちに利になるものをきめ細かに進めていきたい。事例でいきますと、今回、行政告知端末で訃報や百日の祝いのお知らせをさせていただいて、新聞のとられていない…不便を感じている方々に、そういう訃報をお知らせしてですね、お通夜・お葬式の日時、場所をお伝えするという方法を取ったりですね、あとまた、誕生してから 100 日経ったお祝いをこういうかたちで町民の皆さんと一緒にお祝いしましょうという、こういうようなこともお知らせしたり、これもある意味では大胆なものの一つではないかと、小さなことなんですけども、こういう積み重ねを行政サービス、いわゆる公共サービスの中でやっていくことができたらいいなと思っております。また、最近では、今年は雪が非常に多く降雪いたしましたので、排雪の補助費の率を 3分の 1 から 2 分の 1 に上げたりとか、住民の人たちが生活の利便性をしっかり感じられる、そういう政策を今後も続けてまいりたいなと思っております。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
ただ今の答弁の後段は、行政サービスをきめ細やかにして、住民をまた受益者化させるのかなという印象を持ちました。ただ、もちろんそういったきめ細かなサービスができるところは必要だと思いますが、私が申し上げたかった趣旨は、やはり行政が抱えている中で、優先順位が低いものなどまだあると思いますので、その点についてはしっかりと行政の継続性だけにとらわれず、大胆な改革というか不連続の視点を持ってスクラップアンドビルドという方針の中で精査していただければと思います。この件については、以上で終了いたします。三点目、特定非営利活動法人についてお伺いします。特定非営利活動法人について、町長に次の三点について見解をお伺いします。一、特定非営利活動法人…これは通称NPO法人と呼ばれております…をどのように認識しているか。町政執行方針で述べた「社会的企業」との関係を含めてお答えください。二、中小企業振興条例の見直しに当たり、なぜ特定非営利活動法人を含めた総合的な事業者支援ではなく、「中小企業基本法」に定める中小企業者のみの支援にとどめたのか。三、今後の特定非営利活動法人と行政との関係について。以上お願いします。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
奈須議員からの「特定非営利活動法人について」、答弁を申し上げたいと思います。御質問の一点目の「特定非営利活動法人をどのように認識しているのか」につきましては、特定非営利活動法人は、「特定非営利活動促進法」により、営利を目的としないことを前提に、保健医療、社会教育、まちづくりの推進、観光の振興などの活動によりまして、不特定多数かつ多数のものの利益の増進に寄与するために設立されている法人であります。また、主とする特定非営利活動に支障がない限り、その他の事業によって利益を生じた場合、これを当該特定非営利活動に使用するものとされております。下川町には、現在、六つのNPO法人が組織され、それぞれの分野において積極的な活動が展開されており、町といたしましても、各団体の円滑な事業の推進に向けて、これまで町の施策といたしまして必要な支援や協力を講じているところでございます。また、執行方針で述べました「社会的企業」につきましては、その定義は様々でありますけれども、地域住民や民間で構成された、社会的、環境的課題等に取り組む社会的目的を持った企業と位置付け、「地方独立行政法人 北海道立総合研究機構」の協力により、町民有志とともに研究を進めているところでございます。このような中にあって、NPO法人や社会的企業は、これからの地域社会の課題解決に向け、一翼を担うものと認識をしております。御質問の二点目の「中小企業振興基本条例の見直しに、なぜNPO法人を含めず、中小企業者のみにとどめたか」との質問でございますけれども、現在の社会情勢といたしまして、企業や事業者は社会貢献や社会的な価値創造が求められております。一方でNPO法人は、活動の継続性の観点から採算へのこだわりを強めなくてはならず、法人設立の動機は異なるもののかたちが近づきつつあると感じております。しかしながら、中小企業は営利目的であり、NPO法人は非営利ということで、根底となる基本法律や目的が異なることから、支援内容におきましても、中小企業振興策をそのまま適用するよりも、独自の施策として内容を検討していく方が効果的と判断したところでございます。したがいまして、NPO法人に対する支援策につきましては、現在研究を進める「社会的企業」の創造と併せて、NPO法人に対する支援策を検討してまいりたいと思います。御質問の三点目の「今後のNPO法人と行政との関係」につきましては、町政の円滑な推進、地域振興、地域課題の解決に向けて、NPO法人の役割や必要性が今後ますます高まってくると感じており、行政の良きパートナーとして円滑な活動の推進に向けた支援とともに、新たな振興策につきましても検討してまいりたいと思います。以上申し上げまして、答弁とさせていただきます。
質問 4番 奈須憲一郎
認識については理解いたしました。そして、中小企業振興条例の見直しに当たっての整理ですが、いただいた答弁の内容については理解するところがあります。しかし、検討していくという答弁でしたが、これについては以前も指摘した経緯がありまして、その時にも検討するということで、もう既に数年経っておりまして、具体的な策が講じられていない状況にありますので、これについては早急に取り組んでいただきたいと思います。具体的には…ここ数年対応がなされた感もありますので、本当に次の年度には具体的な政策がみえるようにしていただきたいと思います。これについては引き続き注視していきたいと思っております。それで、具体的な支援策としては、よくみられるかたちでは、都市部では市民活動支援センターですとか、促進センターといった名前で、そういったNPOに対する支援がなされている状況があるかと思いますが、そうしたことも含めての検討になるのか。また、市民活動促進センター、推進センターというところで市民という言葉がよく出てまいりますが、ここでの市民という言葉をどのように捉えていらっしゃるかお聞かせください。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
市民という言葉は元々イギリスから生まれたシチズンという言葉で生まれて、地域の住民を対象としてますので、下川町も町民というよりは市民なんですね。そういう考え方なので幅広くそこに住まわれている方々を市民という表現になっているんではないかと、私は認識しております。また、市民活動支援センターという…こういうようなNPO等…社会的企業も含めてですね、支援できる、そういう組織が必要かと思いますけども、現状で 3,000 人規模の町でそういう組織をつくって、そして人を配置してというのはなかなかハードルが高いんではないかと。そこを例えば町の中で担当部署をしっかりつくっていってですね、そしてそういうNPOを起業家したいとか、あるいはまた運営方法ですとか、資金の収集力とかですね、こういうところの相談に乗れる窓口というのは必要かなという感じはしております。この 4 月から、また新たに地域産業の支援機構というのを設置してまいりたいということで、既に説明をさせていただいておりますけども、こういうところにも今後の起業家や定住・移住を考えた時に、そういうようなセクションもあってもいいのかなという感じは私はしているところでございます。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
ただ今、町長の答弁の中で、この下川の人口規模という中でという答弁がありまして、私自身もNPOの起業の経験もある中で、この市民活動促進法…特定非営利活動促進に係る制度というのは非常に複雑な面もありまして、下川で専門のポジションなり制度を用意するというのは現実的ではないと思っております。現状、道ですとかの支援の中で、様々な対応をしていただける状況もありますので、改めて町の中で新たな都市レベルのものを設けるよりも、既存の制度の中で、下川という小規模自治体の中で様々な場面で活躍していただけるような対応が現実的ではないかと考えます。そうした観点で、今回の中小企業振興条例の中で、特定非営利活動法人…NPO法人も含めた幅広な経済活動を行う事業者、個人をひろえるような改正があるべき姿であったのではないかということで発言した趣旨があります。そして市民について、町長もNPOの経験がありますので、シチズンということで、そういった理解であるかと思います。ただ私は、町民と市民という言葉はやはり区別した方がいいと考えておりまして、それは先ほどの自治の議論の中での議論とも関わります。それは単に受益者、サービスの受け手としての町民ということではなく、一歩踏み出して自らがこの自治の担い手として自らの意思でボランタリーに自発的に活動する、そうした町民を市民と呼ぶのではないかと。そうした自発的に一歩踏み出した人に対して、この自治の担い手としてより大きな活躍を期待するための様々な制度があるのではないかと考えております。この市民活動を支援していくということについて、今一度、この小規模自治体の中でどういったかたちがみられるのか。また、他の地域で何かモデルになるような事例がないのか。そういった点についてお聞かせいただければと思います。
答弁 町長 谷一之(町長は2023年3月まで)
やはり都市部ではNPOの支援…組織をつくって、そして起業から運営までを手伝っているというところがあるんですけど、なかなか町村規模ではそういうところが少なくて、町がそこを担って、制度的にやっているところが多いようであります。過去に下川町もコミュニティビジネスのいろんな起業、運用に対して支援をしてきておりますので、いわゆるそのコミュニティビジネスと社会的企業であるソーシャルビジネスの違いというのを、なかなか難しい…線引きができないところがあります。今、研究している社会的企業というのは、そこのところを下川らしくきちっとしたかたちにしていこうということで、今いろいろと定義付けから今後の運用まで研究をしているところでございまして、いずれにいたしましても、これまでのコミュニティビジネスについては、場をつくっていくというものが一つです…地域というものの場をつくる。これからの社会的企業の考え方のコンセプトとしては、繋いでいくという…住民と企業、企業と企業、住民と住民という、そういう繋いでいくという役割を担う社会的企業…ソーシャルビジネスがおそらく求められているんだろうということで考えておりますので、それに合う制度設計というのが下川町で今後やれるかどうかというのをしっかり研究してまいりたいなと思っています。以上です。
質問 4番 奈須憲一郎
自治の根本的なあり方を見直す中で、今回、社会的企業を含めた提案が町長からあったところは、これは一歩前進だと考えております。こうした提案をきっかけに町民の中でこうした自治に関する議論が深まり、自治の担い手、市民がより増えて、下川町の自治が前進していくことを期待しております。私の質問についてはこれで終了したいと思います。