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標茶町議会 令和7年第2回定例会 2025年6月3日

バイオ炭と堆肥を活用し有機農法を推進してはどうか

2025年6月3日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「バイオ炭と堆肥を活用し有機農法を推進してはどうか」について質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 11番 類瀨光信

2点目の質問にまいります。バイオ炭と堆肥を活用して有機農法を推進してはどうかです。環境保全型農業直接支払交付金のメニューには、近年注目されているバイオ炭の施用によって土壌中に炭素を貯留する農法が含まれています。草地にバイオ炭を施用すると、透水性、保水性、通気性の向上といった物理的効果と、酸性土壌のpH改善効果によって作物の収量が増加することが知られています。そうした特徴に加え、畜産の現場から排出される家畜ふん尿とおが粉の混合堆肥のように、直接草地に施用すると牧草の収量が減少すると言われるバイオマス由来の堆肥、それとバイオ炭を混ぜることで、保肥と土壌微生物を増やし、結果として化学肥料の使用量を半減させることが期待できると一般に言われています。バイオ炭の施用には、1ヘクタール当たり5万円の交付金が支払われます。草地の更新や改良では繰り返しの施用とはなりませんけれども、デントコーンのような販売を目的とする場合もある作物については、限度内で繰り返し施用が可能です。炭化のシステムについても導入に補助制度がありますので、農業以外の分野でバイオ炭の製造以外に廃プラスチックや廃タイヤの炭化処理も可能で、炭素としての需要があることから販売が可能です。さらに農業用廃プラの処理経費の削減と家庭から出る一般プラごみをクリーンセンター以外で炭化処理することによって、クリーンセンターの焼却炉の延命にもつながるのではないでしょうか。バイオ炭の施用による土壌への炭素貯留の取組が基準を満たしクレジット認証されれば、そこで創出したクレジットをJ-クレジットとして販売できるわけです。広大な草地資源を有する標茶町だからこそ、こうした制度を活用すべきではないでしょうか。

答弁 町長 佐藤𠮷彦

11番、類瀨議員のバイオ炭と堆肥を活用し有機農法を推進してはどうかとのお尋ねにお答えします。近年、農業分野においても、地球温暖化防止や植物多様性に積極的に貢献していくことが重要となっており、国は、環境保全効果の高い営農活動に取り組む農業者に対して直接支援を行っております。議員ご案内のとおり、農地へのバイオ炭の投入につきましては、令和7年度より全国共通の取組として環境保全型農業直接支払交付金の取組メニューに追加となっており、バイオ炭を農地に施用することで難分解性の炭素を土中に貯留させることができるほか、土壌改良効果により、作物の育成への好影響が期待されるものであります。なお、支援の対象となる農業者の要件としては、主作物について販売することを目的に生産していることになっております。例えば、デントコーンをサイレージとして販売する目的で栽培する場合は支援の対象となりますが、農家個人の農場の家畜に給餌することを目的として栽培するデントコーンについては支援の対象になりませんので、ご理解をお願いいたします。バイオ炭の農地の施用につきましては、先ほど説明したとおり、難分解性の炭素を土中に貯留させることができることからJ-クレジット認証の対象となりますが、対象となるバイオ炭につきましては、樹木や草本由来のものとなっております。したがいまして、廃プラ由来の炭灰につきましては対象となりませんが、議員ご案内のとおり、町内で排出される農業用廃プラの量はJAしべちゃが取り扱う分だけで年間約250トンに上り、町外の産廃処理施設に運び込むまで処理を依頼しております。運搬処理費用につきましては、JAしべちゃや中山間地域等直接支払交付金事業により助成されておりますが、農家の費用負担も少なくないため、廃プラの処理が可能な小型、中型の焼却施設整備等、農家負担の軽減に係る廃プラ処理方法について、関係機関と連携しながら情報収集に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を願います。環境保全型農業直接支払交付金では、化学肥料、化学合成農薬を5割以上削減する取組として、カバークロップ(緑肥)を組み合わせた取組を行う場合、かかり増し経費相当分の支援を受けることができます。令和6年度から町内の畑作農家1件が取組を行っております。有機農業の推進につきましては、日本は化学肥料の原料の大半を輸入に頼っているため、産出国の自国優先施策や円安などの影響により、現在もなお化学肥料価格が高止まりしている状況にあることから、こうした事業の積極的な活用を働きかけているとともに、採草地における化学肥料低減に向けた取組につきましても、JAしべちゃをはじめとする関係機関と連携し研究をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

質問 11番 類瀨光信

まず、今、町長から答弁いただいた中で、これ認識を共通にしておかないといけないなという部分がありますので、まずそのことからお話ししますが、廃プラを炭化処理した場合に炭灰になるという、そういうことだったのかなと思いますが、近年の炭化炉の性能から、廃プラ自体も炭素を産出することができて炭灰はほとんど出ないという状況になっています。そうすると、今、お話にあったように、標茶町内で250トンの農業用廃プラが出るという、これ自体は資源そのものになるわけです。私が担当していた頃、トン当たりの廃プラの処理料というのは約4万円でした。そうすると、処理料だけで1,000万円、恐らくこれは標茶の場合は農家負担になっていると思いますし、よそに輸送して処理していただくということになると、今、トレーラー1車チャーターするのに40万円ですから、250トンだからそれで何台いくかということになるのですけれども、恐らく年間の処理費というのは2,000万円を超えるのではないかと。間違っていたら申し訳ないのですが、2,000万円ぐらいにはなる。同じような酪農の規模のところ、近隣の町村も同じように処理しているわけですから、バイオ炭の製造とそれから廃プラの処理に取り組むことによって、これは新産業の創出になるのではないかと個人的には考えています。みんな考えていると思うのです。それは2024年の国のレジリエンス・アワードに認められた炭化炉のシステム、アクプロンというものがあるのですけれども、それが出てから一気にそうした議論というのが加速しています。加えて、バイオ炭を農業分野で活用することによって、環境保全型農業の直接支払交付金の対象になるということなんかも追い風になっていると思うわけです。残念ながら、標茶町では新しい産業、新しい仕事というのは、このところ増えてはいませんから、ぜひ、そういったところに注目していただきたいという意味で、今回はこういう質問をしています。それから、バイオ炭の施用が交付金の支払い対象になるかならないかの部分で、主作物が販売目的ではないというところはあるのですけれども、本町にはTMRセンターがないですけれども、例えばTMRセンターが牧草を買い取るというスタイルであれば、これは成立するわけです。ですから、そういったこと、標茶のこういう草地資源や何かをどうやって酪農に生かしていくかということ、それから酪農の現場から出てくる大量の廃棄物をどうやって町の産業あるいはそういったものに活用していくかという視点で、このことについては研究を深めていただきたい。1つ、バイオ炭ということでなくても、その廃プラ処理の過程で生まれた炭素に関しては、これからどんどん普及していくであろう電気自動車の制電シートの材料として、炭素として引き合いがあります。それから、炭素自体は自然界に存在するものなので、野菜栽培とかデントコーンの栽培に使われているマルチシートの材料としても、現在、研究が進んでいます。こういったことに、ぜひ、よそに先んじて標茶町として取り組んで、農業の質を上げる、それから農家の手取りを増やす、そういったことに資する。それから、新しい仕事として廃棄物処理を行っていく。そういった研究をぜひ早めに進めていただきたいなと思うわけですが、いかがでしょう。

答弁 農林課長 村山尚

担当課のほうからお答えさせていただきます。まず、1点目の農業用廃プラの処理費用についてでございますが、本町で排出される農業用廃プラ、先ほど年間250トンということでお話しさせてもらいましたが、その処理費用については約1,600万円かかっております。実際の農家負担につきましては、中山間地域等直接支払交付金で輸送費、あとJAのほうでも処理費用の3分の1を助成しておりまして、大体640万円ほどが農家さんの負担になるかと考えております。農家さんの費用負担については、640万円とはいえど決して少なくないことから、議員おっしゃられていた廃プラの単価も含めた農家の負担軽減の手法について引き続き研究していきたいと考えております。それから、廃プラ由来の炭の活用についてですが、適切な原料の使用や単価条件の調整で木質由来のバイオ炭に類似した特性を持つ炭化物を生成し、炭素を固定する、あるいは環境負荷の少ない燃料へリサイクルするなどの取組が一部について社会実装されているようなのですけれども、農業用廃プラを処理してできた炭化物の活用方法についてはまだまだ十分な情報を持っていませんので、関係機関や議員のお知恵も借りながら、基幹産業である酪農・畜産での有効活用ということに限定せず、TMRの話も出ておりましたが、新たな産業の創出にもつながるのではないかという視点からも研究を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。それから、廃プラ由来の炭が環境保全型農業直接支払交付金の対象になるというふうに議員先ほどおっしゃられていたのですけれども、多分、廃プラ由来の炭については、例えば家畜ふん尿あるいは木質等由来のバイオ炭ではないため、事業の要件を満たさないので対象外になると思います。ただ、先ほども説明しましたが、処理方法いかんではその環境に負荷の少ない炭化も可能ということですので、堆肥や緑肥に混ぜることで、さらなる肥料低減や作物の生育への好影響も期待できますので、このことにかかわる研究や情報に注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

質問 11番 類瀨光信

担当課長のほうで大変よく勉強していただいていて、その分、答弁が皆さんにわかるように丁寧にということになって、そのことで私も含めて注意を受けるわけですけれども、こういった専門的な情報、専門的な知識の必要なことでしたので、私は課長の答弁というのは非常にありがたかったし、私自身は大変よく理解できましたので、今後も情報提供もさせていただきますし、ご相談もさせていただきたいと思います。なぜ、こういった質問をしたかということ、この後の同僚議員の質問にもありますけれども、町財政が逼迫する中で、農業にかけられるお金というのも、湯水のように湧いてくるわけではありません。農業者自身が、あるいは生産者団体が、町がそういったお金を生み出すかもしれない、それから係る経費を削減できるかもしれないというところにもっと興味を持って研究をしていかなければ、今の肥料、飼料の価格高騰がもうちょっとで途切れるとか、そのような見通しが今は全然立っていないわけですから、そうなると、今後、持続可能なそういった取組というのにいち早く手をつけないと標茶の基幹産業というものが、非常に将来が危ぶまれるということでありますので、ぜひ、今後もそういったこれまでにない新しい分野について研究を深めていただきたいということをお願いして、質問を終了いたします。

出典:標茶町議会 令和7年第2回定例会 2025年6月3日 議事録 PDF(27ページ) 間違いを知らせる