みんなの議会

標茶町議会 令和6年第3回定例会 2024年9月3日

スマート農業の推進ではなく家族農業による持続可能な経営を

2024年9月3日、標茶町議会の一般質問で、渡邊定之議員が「スマート農業の推進ではなく家族農業による持続可能な経営を」について質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚が答弁しました。

質問者
渡邊定之 議員
答弁者
町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 渡邊定之

私は、スマート農業の推進ではなく家族農業による持続可能な経営をについて質問いたします。農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改められました。食料自給率は依然として上がらない中、就業者の高齢化が進み、後継者の減少も深刻になっています。また、国内農業が生産資材の大半を海外に依存しており、極めて脆弱なことも浮き彫りになっています。国際価格の変動に直撃され、肥料・飼料は2年前のほぼ1.5倍に高騰し、安定的な確保さえおぼつかない事態です。とりわけ酪農は、牛乳を「搾れば搾るほど赤字」という悲惨な状況に追い込まれています。そのような状況の中で、「食料の安全保障」としてスマート技術を活用した生産性の向上により、「みどりの食料システム戦略」の名の下に農業を輸出産業に転換することを政策上位置づけるとしています。令和元年度に「畜産経営体生産性向上対策事業」が創設されました。令和5年度補正予算からは、畜産クラスター事業におけるICT化等機械装置等導入事業として継続されています。このように、農業の大規模化が推進され農業の工業化が進む状況下、本町の今後の酪農の方向性に対して町長の所見を伺います。スマート農業の推進は多額の負債を抱え込む結果となり、家族農業による持続可能な経営が困難になると思いますが、どうですか。また、スマート農業の推進は、後継者、新規就農者にとってはますます選択肢が狭められると考えますが、町長の所見を伺います。また、本町独自の支援策等の検討はあるのか伺います。

答弁 町長 佐藤𠮷彦

10番、渡邊議員のスマート農業の推進ではなく家族農業による持続可能な経営をとの尋ねにお答えいたします。1点目のこのように農業の大規模化が推進され、農業の工業化が進む状況下、本町の今後の酪農の方向性に対し、町長の所見はどうか、スマート農業の推進は、多額の負債を抱え込む結果となり、家族農業による持続可能な経営が困難になると思うがどうかについてですが、国は、2014年に起きたバター不足や2015年の環太平洋連携協定TPP大筋合意による国際競争力強化を理由に、牛舎など設備投資をする際に費用の半額を補助する畜産クラスター事業を始めましたが、議員ご指摘のとおり、数千万円から億単位の設備投資を行った酪農家が、新型コロナウイルス禍による需要減で生産抑制が求められ、飼料なども高騰するという想定外の事態に見舞われました。町としても、令和4年1月に策定しました標茶町酪農・肉用牛生産近代化計画書におき30まして、広大な土地資源に立脚した草地型酪農の推進と強化、多様な担い手の育成、確保に力を入れていくと方針を定めており、対応方向として、労働負担の軽減を図るために、搾乳ロボットや餌寄せロボットをはじめとするICTやIoT技術を活用した省力化機械の導入や各種営農支援システムの充実・整備、低コスト生産につながる基本技術の徹底など、生産性の向上とゆとりある畜産経営を実現する取組を推進することとしているほか、放牧酪農についても、飼料生産や給与、家畜排せつ物処理等において、省力的で低コストな飼養管理が可能であることから、引き続き導入可能な経営体に推奨していくこととしており、多様な経営スタイルに応じた経営体質を強化していくことを目指しておりますことから、大規模化のみを推奨しているということではありませんので、ご理解をいただきたいと思います。また、スマート農業の導入に当たっては、おおむね多額の費用が必要になってくるのは、議員ご指摘のとおりですが、経営規模や経営スタイルで必要とするデジタル技術や導入コストは違ってくるものと認識しており、その導入に当たっては各農家がどういうビジョンを持って営農を続けていきたいかが重要であるとともに、導入後においても省力化や収益性が向上しているのかどうかなどの分析をメーカーや関係団体が協力して行っていくことが必要不可欠ではないかと思っております。2点目のスマート農業の推進は、後継者、新規就農者にとってはますます選択肢が狭められると考えるが町長の所見を聞く、また、本町独自支援策等の検討はあるかについてですが、先ほども申し上げましたとおりになりますが、スマート農業の導入に当たっては、おおむね多額の費用が必要になってくるのは、議員ご指摘のとおりと認識しておりますが、後継者や新規就農者がどういうビジョンを持って営農を続けていきたいかによって必要となるスマート技術も導入コストも違ってくるものと考えておりますし、無理のない投資であることが前提とはなりますが、スマート技術の導入により得られる労働負担軽減や生産性向上などのメリットを考えると、決して選択肢が狭まるものではないと考えております。また、スマート農業導入のための新たな独自支援策については、今のところ考えておりませんが、町の取組としては、先代経営者から経営継承した後継者を対象に一律で100万円を補助する経営継承・発展等支援事業、国2分の1、町2分の1を予算化しておりますとともに、新規就農者については新規就農時に就農一時金として100万円を補助しているほか、就農5年間、各種リース事業の4分の1を補助するなどの支援を行っておりますので、ご理解を願います。

質問 10番 渡邊定之

このスマート農業の導入、推進ということで、私が一番危惧するといいますか、技術の進歩ということで、当然、その分野でいろいろな経営を組み立てようとする経営者がいると思うのですが、例えば私たちの町全体で畜産・酪農が果たす役割、31土地のこととか、それから様々な立地条件で経営している皆さんのこと、スマート農業の推進だけでは解決できない部分というのがあると思うのです。そういう意味では、先ほど近代化計画、草地型酪農の推進とお答えいただきましたけれども、考え方の出発点として草地型酪農の条件を、この近代化計画の中では土地の面積、それから頭数、そういうものでおのずと立地条件から出てくる条件というのはあると思うのですけれども、例えば具体的にはそういうものは標茶の中ではあるのですか。(「ちょっと質問内容が」の声あり)

質問 10番 渡邊定之

意味分からなかった、ごめんなさいね。(何事か言う声あり)

質問 10番 渡邊定之

ちょっと意味不明になってしまったようですけれども、例えば立地条件によって、この地域では平均的な規模を想定する経営体の分別というか、そういうものの中身というのは実際にはつくられているのですか。例えば、虹別とか茶安別とか、そういう条件下での経営体の……(何事か言う声あり)(「議長、休憩を取っているか」の声あり)

答弁 農林課長 村山尚

お答えいたします。今、議員おっしゃられていた農業経営の規模に関する部分につきましては、標茶町農業経営基盤強化促進基本構想の中に具体的に記載をしております。農業経営体の規模ごとに農業専業のⅠからⅥまでそれぞれ、例えばですけれども、酪農専業のⅠであれば、草地面積が42.5ヘクタール、放牧であれば12.5ヘクタール、こちら放牧が前提になっているのですね。成牛の飼養頭数で42頭。例えば酪農専業Ⅵであれば、牧草、草地の面積が412.1ヘクタール、成牛の飼養頭数で570頭と、それぞれ基本的な指標を示してございます。

質問 10番 渡邊定之

ちょっと僕の質問の仕方にも理解してもらえない部分があって、なぜこういう質問をしたかといいますと、やはりスマート農業の推進ということになりますと、例えば虹別のような広大な平らな地域ではここまで可能だというような、そういうものが具体的にやっぱりつくられていく可能性というのはあると思うのですね。ですから、そういう意味では、スマート農業がどんどん推進されれば、地域の格差みたいなものがや32っぱり出てくる。そういう部分では、これからの計画をつくるときには、標茶の農地が適切だとか適切でないとか、その地域に合ったものを具体的にやっぱり細かく経営体の理想というか、そういうものをつくり上げていく必要が出てくるのではないかということで、質問させていただきました。次に、もう1つは、このスマート農業の推進で、やはり農業そのものがどんどん、農業というか酪農に限って言うと輸出産業に特化していくようなことが推進される、そういうことが今後進んでいくのではないかと思います。そういう意味で、僕が質問した、後継者とか、それから新規就農者の人たちにそれとイコールのような形で就農の仕方というものも、やっぱりはっきりと分けて、こういう生活優先型の経営、家族経営とかというものは、はっきりと分かりやすくして、標茶町ではこういう農業ができますよというようなものをつくり上げていく必要があると思うのですけれども、いかがですか。(何事か言う声あり)

答弁 農林課長 村山尚

今、議員おっしゃったのは、標茶町のスマート農業の形を具体的に示したらどうかというふうに、私のほうで理解させていただきました。これは規模の大小に関わらない話だと私は思っております。町内酪農家個々を見ても、労働力が減る中、新規就農も含めた全ての担い手が牛に関する基礎知識や営農技術を持っているとは限らず、ICTをはじめとするデジタル技術や、その他労働力負担軽減につながる機器が、その役割を補完するのではないかと考えているところでございます。今般のこの情勢下、経営者が投資をする場合でも、その投資に見合う効果が得られるのか、今が導入すべきタイミングなのかを、やはり議員も質問の中で畜産クラスター事業のことに触れられておりましたけれども、その反省を踏まえて、これまで以上に慎重に判断しなければならないのではないかと思っております。町長答弁の繰り返しとはなりますけれども、無理のない範囲という前提で、あるいは機器だとか機械更新のタイミングに合わせ、有利な補助事業を活用しながら未来に向けた投資をするということは、働きやすい環境が生まれ、担い手の確保にもつながると思いますし、結果的に持続可能な酪農の実現にもつながるのではないかと考えております。決して担い手の選択肢を狭めるものではないと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

質問 10番 渡邊定之

ちょっと僕も質問の仕方がうまくなく、お答えしていただくほうも大変だと思うのですけれども、やはり標茶の酪農と畜産業で、第一次産業でこの町をどうつくり上げていくかということが非常に重要なことだと思うのですね。そのことによって、このスマート農業で、要するに規模拡大とかそういうのがどんどん前のめりになっていってしまうということのやはり警戒感みたいなものを、しっかりとそれをつくり上げていく立場にある方には理解していただいて、本当の意味での持続可能な標茶の農業実現の33ために努力していただきたいというので、私のこの質問は終わらせていただきます。

出典:標茶町議会 令和6年第3回定例会 2024年9月3日 議事録 PDF(32ページ) 間違いを知らせる