標茶町議会 令和5年第4回定例会 2023年12月6日
酪農支援策として町育成牧場の使用料を減免すべきでは
2023年12月6日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「酪農支援策として町育成牧場の使用料を減免すべきでは」について質問し、町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人が答弁しました。
- 質問者
- 類瀨光信 議員
- 答弁者
- 町長 佐藤𠮷彦、農林課長 村山尚、副町長 牛﨑康人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 11番 類瀨光信
通告に従いまして、何点かについてお伺いします。まず1点目ですが、酪農支援策として町育成牧場の使用料を減免すべきではでございます。未曾有と言われる酪農の経営環境悪化は、今年さらに厳しさを増しました。そして、記録的な猛暑の影響で減産傾向のまま年末を迎えようとしています。結果として生産調整には至らなかったものの、消費拡大の兆しが見られないばかりか、国際情勢に起因する生産費の高騰は、とどまるところを知りません。昨年後半から、生産調整への対応と副収入確保のために多くの酪農家が交雑種の生産を増やしました。しかし、需給バランスが崩れて価格が下落し、思惑どおりにはなっていません。一方、乳用牛の初生雌牛の価格は、猛暑で消耗した乳牛の後継牛を補わなければならないにもかかわらず、値上がりの傾向となっており、酪農家にとっては二重苦となっています。こうした状況から、3年ぶりに増産をうたった来年度の生乳生産目標の達成は、極めて厳しいと言えるのではないでしょうか。生産調整への備えとして、牛群全体を若返らせることで生産量を抑制し、乳質の向上を図るということを私は提案してきました。生産調整の必要がなくなった時点で3産目、4産目の乳牛がフルに生産体制に入ることができる上、飼料費の抑制、乳房炎による生産ロスの減少にもつながるからです。ただ、現状は、各酪農家が目先の資金調達に逼迫していることや、乳牛育成機関の料金が上昇しているため、交雑種の生産と後継牛の育成をバランスよく両立させる環境にありません。この状況を打開し、酪農の持続的再生産を担保することで町の経済衰退を、ひいては町自体の衰退を防ぐための即効性のある施策として「標茶町育成牧場使用料の減免」、さらに「民間哺育育成機関利用料金に対する助成」を実施すべきではないでしょうか。また、町として具体的にこの経営難を乗り切るための経営支援を準備しているとしたら、そのことについてもお伺いいたします。
答弁 町長 佐藤𠮷彦
11番、類瀨議員の酪農支援策として町育成牧場の使用料を減免すべきではのお尋ねについてお答えいたします。1点目の「標茶町育成牧場使用料の減免」を実施すべきではないかについてですが、ご質問にありますように、国際情勢に起因する生産費の高騰や記録的な猛暑による繁殖、育成状況等の管理につきましては、育成牧場におきましても厳しい年となりましたが、職員の努力と工夫により一定の結果を残すことができております。酪農・畜産において生産費高騰、消費の低迷、不透明な生産調整など厳しい状況であることは議員と認識を同じくするものであります。育成牧場の使用料については、令和2年度に見直し検討を実施し、令和3年4月より新料金での運営を行っており、税別でありますが、夏期料金1日300円、冬期料金1日600円、哺育料金1日650円となっております。検討を行った結果、令和2年度と現状の状況は運営環境の変化が大きく、その中でも、昨今非常に苦労している家畜疾病の対策を含め、職員全体で創意工夫を常に意識して取り組んでいるところでございます。牧場の運営審議委員会委員でもある利用者からの声として、「配合飼料や肥料などが大きく値上がりしている中で厳しいと思うが、状態もよく、よく乳を出してくれる。何とか料金を上げないで頑張ってほしい」との声をいただいており、しっかりとした後継牛を育成し、お返しすることを大前提に現場では努力を続けております。町育成牧場使用料の減免は考えておりませんが、現在の利用料を維持し、運営を行っていくことも陰ながらの支援であると受け止めながら、利用者のご期待を裏切らない努力を続けていく所存でありますので、ご理解を願います。2点目の「民間哺育育成機関利用料金に対する助成」を実施すべきではないかについてですが、本町には育成牧場以外にも民間哺育育成牧場が存在しております。酪農の規模拡大に伴う作業の分業化により、哺育・育成の一部または全部を民間哺育育成牧場に預託している農家がある一方で、牧場規模の大小にかかわらず哺育・育成を自ら牧場で肥育している農家も少なくなく、支援の公平性の観点からも民間哺育育成牧場利用者に利用料の支援を行うことは難しいものであると考えているところであります。議員ご指摘のように、指定生産団体は、令和6年度の生乳生産目標を本年度目標値対100.1%の403万トンに設定すると発表し、3年ぶりに増産目標を掲げてはおりますが、牛乳・乳製品の需要低迷には、飼料、肥料をはじめとする生産コストが高止まりしていることなど非常に厳しい状況がこの先も続くとの認識を持っており、このたびの国の補正予算成立により追加交付されることになった重点支援地方交付金を活用し、酪農・畜産に特化した形での支援策の検討を現在行っているところであります。これまでいただいた今般の情勢に対するご質問に対する答弁の繰り返しになりますが、本町が有する広大な草地を最大限に活用し良質な自給粗飼料を確保することが、国際情勢に左右されない足腰の強い酪農経営を行う上でやはり何よりも重要と考えており、そのために必要な支援について、今後においてもJAしべちゃをはじめとする関係機関と連携し検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
質問 11番 類瀨光信
標茶町育成牧場が限られた人員で基幹産業の下支えに尽力していることは、十分承知しております。特に、哺育・育成は常に疾病との闘いなので、猛暑の影響によって今後増加するであろうサルモネラ症や低体重子牛の呼吸器疾患に今後も全力で対応してほしいと心からエールを送るものではあります。今回質問しています使用料の減免については、今回の補正を見ても預託頭数が減少していることが明らかなので、簡単に取り組めないかもしれないということを思いつつ質問をしております。ただ、町内の酪農家が直面している状況というのは、もっともっと深刻です。原資を必要としないため、即座に実行できる支援策はごく限られており、今回私が提案している使用料の減免、利用料に対する助成というのは、速効性があって非常に効果のある施策ではないかと考えるところであります。酪農家は、2020年以来、初生牛や肉もと牛の販売価格が下がって、下げ止まったままのところに国際情勢に起因する生産費の高騰に見舞われているわけです。コロナ禍によって牛乳消費が縮小しており、減産を余儀なくもされています。2022年の今頃は生産者団体が資金的に支援する限界を突破したため、多くの酪農家がセーフティー融資によって辛うじて延命したというのが標茶の酪農家の実態であると思います。その反動とクラスター事業の償還等が重なって、経営難を越えて現在では経営地獄に陥っている酪農家が少なくないというのが私の認識であります。町長の答弁には、生産調整や生産費高騰に対する具体的な考えが見えません。酪農家の現状、今の状態を考えるとスピード感に欠けるものであると思います。現在、今の時点で支援を検討しているということで、既に失われていく酪農家というのが発生するわけで、とても基幹産業の将来を見据えているとは感じないのですが、どうですか。
答弁 町長 佐藤𠮷彦
お答えしたいと思いますが、現在、農協と農家支援としてふさわしい一番いい方法は何かということについて、担当者含めて協議をしている最中ですので、若干時間はかかっておりますが、今何ができるか早急に具体的な支援策を出したいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
質問 11番 類瀨光信
酪農家の窮状というのは、今始まったことではないわけです。確かに国の重点支援地方交付金を活用してということは、そしてそれが酪農・畜産に特化した支援策として検討されているということですけれども、それはいつ発動するのですか。それまでの間に何軒の酪農家が離農していくのですか。そういったことについては、町としても生産者団体としてもそれぞれ何かお考えがあると思うのですが、まずそれを伺いたい。
答弁 農林課長 村山尚
お答えいたします。いつこの支援を発動するのかというところではございますが、当然、先ほど町長からもご説明申し上げましたが、今回の支援というのは重点支援地方交付金の発動につきましても農協さんとできれば連携した形で進めたいということで、極力早く、できれば担当としては年内にというふうには考えていたところではありますが、どうしても予算措置の都合もございます。それから、農協さんとの調整もございますので、今、具体的にいつからというのは大変申し上げにくい状況ではございますが、できるだけ早く支援を農家さんのもとに届けられるように現在調整中ですので、どうぞご理解をお願いしたいと考えているところでございます。
質問 11番 類瀨光信
結局のところ、いつになるかというのは分からないわけで、昨年、今の時期にセーフティー資金の融資を受けた方というのは、2年連続でそれを受けるということはまず不可能だと思います。仮にできたとしても、その後それを返済していくということは現実的ではないという状況です。つまり、今この時点で何らかの手当がされなければ、やはり何軒か、何十軒か分かりませんけれども、そういった基幹産業を構成している酪農家が失われるという危機感があまり伝わってこないわけですが、それは気のせいなのでしょうかね。哺育や育成に関する使用料減免や利用料金助成が公平性の観点からできないというのも、私は理由にならないと思っています。利子補給をはじめとするほとんどの施策は、公平ではありません。全ての農家が利用しているわけではないのです。幾つもの施策を重ね合わせることで強固な支援策となっていくわけです。町有林の間伐材や風倒木を敷料の材料として提供したり、遊休施設となっている堆肥化施設を民間に開放したり、未利用放牧地を貸し出すなど、町としてできることに現状で何も取り組んでいないと私は感じています。もちろんそれは今すぐ経営を支援するものでないにしても、このピンチの後にやってくる時代をどうやって酪農家が生き残っていくかということの対策にはなるはずです。速効性のあるものとして牧場の使用料減免ということを言っていますけれども、それ以外にもやれることはあると思います。私が今回言っている育成牧場使用料の減免や民間哺育育成施設の利用料助成のような速効性のある対策が取れないということであれば、同じように速効性のある町としての対案を示すべきではありませんか。
答弁 副町長 牛﨑康人
お答えいたします。議員ご提案の育成牧場使用料の減免、速効性のある対策というふうに議員おっしゃっておりますけれども、これが実行できないのであれば対案を示すというご発言であります。これについては、今ここで申し上げる答えは私も持ち合わせておりません。ただ、冒頭であったように、離農者が出る可能性がある。実際、農協さんと可能な範囲での情報交換をさせてもらっている中ではそういう話も聞いておりますが、そのことに関して危機感を町は持っていないのではないかという指摘については、それはないということは明言をさせていただきたいと思います。できるだけそこについてはないようにというふうに願いながら、あるいはできることがないかということは、今年に限らずずっとやってきている作業であります。その中で町として取り組めることをこれまで重ねてきたというふうに考えているところであるのですけれども、なかなか、先ほど敷料のことも話があったのですけれども、それについても実現できていないのは確かでありますが、その部分で言うと、やはり取組が難しいというところがあったということであります。この先を見据えてどんなことができるのかというのは、これも継続して考えていかなければならない大切なことだというふうに、それは議員と意を同じくするところであります。やれることをやらないのではなくて、それぞれ検討した中でできていないということをまずご理解いただいた上で、町としても引き続き、基幹産業、酪農をどうやって持続的な形で経営をしていただくことができるかということを念頭にこの先取り組んでいきたいというふうに考えております。
質問 11番 類瀨光信
同じように現状に関して危惧しているし、できることをやろうと思いながらできていないという現状についてお話しいただいたわけですけれども、今朝の北海道新聞に、来年度の生乳生産目標が3年ぶりに減産が回避されて、本年度当初計画1%増になったということを受けて、管内の酪農家の方のコメントというのが出ています。いろいろ心配されているのだと思うのですけれども、1つ、これは私もそう思うのですが、このようにいろんな対応が少し後手に回っていって、なかなか農家を救済できない状況が続いている。そんな中で、そういったことの影響が少しでもスポイルできる系統外への出荷の動きというのが今後さらに加速する可能性があるわけです。こういったことも町としても、もちろん生産者団体としても考えて、スピーディーな対応をしなければならないのではないでしょうか。そして、もう一つ、今回の私の質問の根幹ですけれども、生産調整に備えて後継牛を減らした農家が多いわけです。さらに追い打ちをかけるように、この猛暑で消耗して駄目になった乳牛というのも増えています。結局、生産調整ではないにしても5%近い減産になっているわけです。それは、乳牛そのものが減っているということにほかならないのです。この5%と、それから上積み分の1%をどうやって戻すのかという、もし具体的な案があればお聞かせください。
答弁 農林課長 村山尚
お答えいたします。今、議員おっしゃられていた、まずは後継牛の問題。酪農家がやっぱり目先のお金に困って、例えばF1を種づけするだとか、あとは和牛の受精卵移植によって副収入を賄おうという動きで後継牛がこの後不足する。過去にも同じようなことが起きているのですけれども、そういった状況。それから、あともう一つは、猛暑による乳牛のダメージですね。というのは、来年度以降も世界的なこの気候変動で十分起こり得ることだと承知しております。今、具体的にそれに対する対応というのは、農協さんとも話した中ではやっぱり早めの暑熱対策、具体的に決まっているわけではないのですけれども、例えばそれに関わる機具購入に対する助成等を農協さんでは検討しているということでした。あと、併せて自防、家畜自衛防疫連絡協議会においてこれまでも行ってきているのですけれども、牛の健康を維持するための資材の提供等、そういった支援を先立って何とかできないかというふうに今考えているところでございますので、ご理解をお願いしたいと思います。
質問 11番 類瀨光信
いずれにしても酪農家が逼迫しているという状況は本当に間違いありませんので、ぜひこれから検討する、あるいは現在検討しているという施策に関してスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。