標茶町議会 令和3年第3回定例会 2021年9月7日
ヒグマによる乳牛被害について、駆除、防除、支援策は
2021年9月7日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「ヒグマによる乳牛被害について、駆除、防除、支援策は」について質問し、町長 佐藤彦、農林課長 長野大介、育成牧場長 若松務が答弁しました。
- 質問者
- 類瀨光信 議員
- 答弁者
- 町長 佐藤彦、農林課長 長野大介、育成牧場長 若松務
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 類瀨光信
事前の通告に従いまして、2点について質問いたします。まず、1点目ですが、ヒグマによる乳牛被害について、駆除、防除、支援策はということで伺います。通称「オソ18」による乳牛の被害が今年も発生し、当該牧野、農場では放牧中止を余儀なくされるなど、深刻な事態となっています。被害は、2019年以降、立て続けに発生しており、草地型酪農を推進する本町の酪農ビジョンに暗い影を落としています。問題の解決は当該ヒグマの駆除以外にないのですが、こうかつな相手の前に、いまだ駆除には至っておりません。今後も防除を徹底し、駆除の成功を待つことになるわけですが、全く先が見えない状況であります。そこで伺います。駆除の継続、防除の徹底、被害者の支援について、これまでの状況と今後について伺います。まず、駆除の経過と今後の方針について。それから、これまでの防除策とその成果、今後の対策について。さらに、必要な支援あるいは可能な支援は何であると考えておられるか伺います。
答弁 町長 佐藤彦
2番、類瀨議員のヒグマによる乳牛被害について、駆除、防除、支援策はとのご質問にお答えいたします。1点目の駆除の経過と今後の方針についてのお尋ねですが、先ほどの渡邊議員の質問と重複いたしますが、これまでの捕獲対策といたしましては、令和元年に被害があった当初から、北海道ヒグマ管理計画で示している出没個体の有害性判断フォローの段階2の個別、問題個体として判断し、猟友会にご協力を頂き、銃器による捕獲体制を構築し、定期的な現場の巡視やわなの設置などにより、これまで対応してきております。今後の方針についても、現在の取組を検証しつつ、継続していきたいと考えております。2点目のこれまでの防除策と成果、今後の対策についても、先ほどの答弁と若干重複いたしますが、立木等を伐採し、緩衝帯の設置や強烈な光や音が鳴る防除威嚇機を導入し、設置し、人による巡回などの対策を行っており、その成果については、北海道立総合研究機構の専門家によりますと、緩衝帯の設置は、オープンスペースの確保は効果があるが、本町の現場の状況や問題個体の行動から推測すると、多くの人間が行き来したことにより、人間を警戒して来なくなった可能性が高いという評価も頂いております。防除威嚇機の評価については、いつもと違うものがあるという認識、近づきづらくなっているとの評価を頂いております。人による巡視については、とても効果があるとの評価を頂いております。今後の対策につきましては、引き続き同様の対応を継続していきたいと考えております。3点目の必要な支援、可能な支援についてですが、今、優先すべきは被害をなくするための問題個体の捕獲と防除の徹底ですので、防除対策として立木等を伐採した緩衝帯の設置や、強烈な光や音が出る防除威嚇機を各牧野に貸与し設置するなどの対策を継続するとともに、必要に応じて定期的な現場の巡視などにより、防除の支援をしてまいります。また、ヒグマの防除に100%に近い効果が確認されている電気柵の導入の要望があったときには、導入支援を行っていきたいと考えていますので、ご理解を賜りたいと存じます。
質問 2番 類瀨光信
2年前にもこのことについて質問させていただき、私なりの提案もさせていただいておりましたし、本日も同僚議員からの質問が一部重複する部分あったわけですけれども、まず駆除対策ですけれども、これは、今、答弁いただいたとおり、地元猟友会の方の本当に頭の下がる、そういった献身的な駆除活動が続いていて、しかしながら今のところまだ駆除に至っていないということなわけですけれども、まずその努力に関して本当に心から敬意を表したいと思っています。ただ、駆除の方向性についてですけれども、これまで同様に銃器による駆除、それからわなの設置による捕獲という、そういった基本方針で進んできているわけですけれども、なかなか対象がそういう意味では慎重なというか、神経質な、そういった個体というふうに思われます。そこで、これまでの駆除対策、さらに踏み込んでいく必要があるのではないかと思うわけです。具体的には、まず本町の熊の実態というのでしょうか、そういったもののデータが不足しているのではないかなと私は思います。積極的に生息地であるとか、それから行動パターンであるとかを突き詰めていかないと、なかなか駆除、捕獲、そういったことに結びつかない相手なのかなというふうに思うわけです。そこで、お伺いしたいのは、2年前に駆除対策で導入したドローンについて、今日までどういった使用をされ、どの程度の回数使用されているのか。私が今言ったような情報収集に非常に有効な機材であると思うのですけれども、それがどのように利用されてきているのか、まず伺います。
答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)
お答えしたいと思います。ドローンの活用の部分ですけれども、家畜被害現場でのドローンの活用というところに限定してお答えしたいと思うのですけれども、被害があったときには周辺にヒグマがいないかどうかの確認を行うためにドローンを飛ばしております。また、現場に人が近づいて、ヒグマですので危険性があるということで、その前に安全を確保するためにドローンを飛ばしてから現場のほうに行くというような形でやっております。また、家畜被害のあった箇所付近にデントコーン畑とかがあった場合には、なかなか見づらいというようなところもありますので、上空から確認するような作業をしてから、安全を確保した中で捕獲等の捜索のために有効に活用しているような状況でございます。
質問 2番 類瀨光信
駆除を目的に、捕獲を目的に情報収集を進める上で、折しも町内ではデントコーンが結実してきております。繁殖行動でざわざわしていた熊が一斉にデントコーン畑に移動していくような、そういう時期をこれから迎えようとしています。今、課長おっしゃったように、デントコーン畑を監視するのには、上空からの撮影、そういったものというのは非常に有効だと思うのですね。そして、こういう時代ですから、例えば撮影されたものの顔認証であるとか、歩容認証であるとか、AIを活用してDNA鑑定できなくても、そういったもので個体を特定していくようなことというのも可能な時代ではないかと、そんなふうに思うわけです。これからも皆さんで協力して、そういった駆除捕獲活動というのをやっていくことになりますし、農家の方はそれによって安心して営農できる日が来ることを期待しておりますので、まずそういった機材の使い方というのもぜひ検討していただけないかと思うのですが、いかがでしょう。
答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)
お答えしたいと思います。AIで熊の顔認証をするというような仕組みの関係でございますけれども、今年、新聞報道とかであった部分で申しますと、標津町のNPO法人でそういった技術をカナダの大学と提携してやっているというような状況でございまして、今、今年で3年目ということで、可能性のあることについては、うちのほうも少しでもやっていきたいなというようなことで、実はこのNPOのほうにどういった条件が必要かというようなことを確認しております。そういった部分で言うと、まず両目と鼻が写ったカットが30枚以上ないと問題個体の確認の資料にならないということなのですよ。実は今、問題個体の部分で言うと、3回ほどしか写真に写っていないというような状況で、資料不足というようなところがありまして、ちょっとこの技術の部分については活用できないというような状況でございますけれども、いずれにしましても、少しでも可能性のある取組というのはやっていきたいなというふうには考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
質問 2番 類瀨光信
写真30枚、今は非常に高速の連写のカメラもある時代ですから、決して不可能ではないのではないかという素人考えを述べさせていただくとともに、もう一つ、デントコーンの収穫の後は、熊の生息する山々の木の葉が落ちて、巣穴の位置が例えば上空から確認できるようなこともあるかもしれませんから、そういったことにもぜひドローンは活用していただきたいし、今シーズン被害を防いでいる共同牧野では、夜間の巡視というか、監視というか、そういったことも積極的に行うなどしているのですけれども、レーザー光線の活用ですとか、それから熱監視カメラの搭載ですとか、いろんな可能性をドローン自体は秘めていると思いますので、ぜひ今後も活用方法について検討していただければと思います。次に、防除策について。2年前のときには、緩衝帯の設置というか、それが非常に有効であるということをご答弁いただいております。現状でそういった緩衝帯の普及の度合いというのは、どの程度になっているのでしょうか。
答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)
お答えしたいと思います。緩衝帯の部分につきましては、昨年実施された牧野1箇所でして、それ以降なかなかそういった要望がないというような状況でございまして、1箇所にとどまっている状況でございます。
質問 2番 類瀨光信
経験上、緩衝帯をつくるということは、熊の防除以外にもダニが媒介する小型ピロプラズマの防除、そういったものにも非常に効果があって、回り回って熊の被害を減らすような、そういったことにもつながると思いますので、ぜひ粘り強く緩衝帯の設置というのは進めていただきたい。それと同時に、大事なのは、熊の被害の出やすい牛群と出にくい牛群というのが明らかにあるわけです。今話した小型ピロプラズマの放牧も蔓延してくるのが7月末までの間で、その時点で、例えば貧血を起こしている個体などというのは、当然熊に襲われやすいわけです。そういったことの対策、要するに、健康な牛群をいかに維持するかということについて、それぞれの共同牧野あるいは放牧をされている農家の方々に対して状況を伺うなどして、健康な牛であること、それからもう一つは、被害の出やすい個体というのはピロプラズマの影響が深刻になる妊娠後期の牛、そこがやはり今回も被害に遭う確率が、厚岸の場合もそうですけれども、高くなっています。それは動きが鈍いからなのですけれども、そういった牛をそういう危険な牧区に入れないというような基本的な牧野管理、そういったことについても、私の言っていることが正しいかどうかというのはありますけれども、一応経験に基づいていることですので、関係の機関の方とも相談して、そういったことについても基本的な考え方、技術についてもぜひ高めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)
お答えしたいと思います。まず、防除策の関係でございますけれども、緩衝帯の設置がなかなか進んでいないというようなこと等がございまして、実は今月中旬ぐらいに振興局のほうで防除対策の学習会みたいなものを厚岸、標茶両町の農家対象に、今、検討しているところでございますので、防除対策と併せて、先ほど議員おっしゃられた牛の健康管理の部分も含めて、そういった機会に周知していければなというふうに思っております。
質問 2番 類瀨光信
それでは、この件についての最後ですが、個体を失ったことによるそういう金銭的なというか、経済的な被害、それから生産量の減少による被害、そういったものは本当に農家の方、お気の毒だなと思うわけなのですけれども、実際に今シーズン熊の被害が出て放牧を中止した地域のメガファームの方に伺いますと、何が一番困るかというと、放牧中止したことによって牛がそれぞれの農家に戻るわけですけれども、規模の大きい農家ほど、それを取り込む余裕がないのですね。もちろん民間、町営牧場も含めて民間の牧場も含めて預託先を探すわけですけれども、実際にはなかなか受けてもらえるところがなくて本当に厳しい状況。餌はお金を出せば買えるのですけれども、そういう意味では、簡単に収容する施設を確保するというのが難しくて、そこが一番困っているというふうに、そのメガファームではおっしゃっていました。その一方で、町営牧場の牧区の中には、使用していない牧区が2か所あります。それで、放牧中止をした牧場としては、全頭下牧してしまうので、働いていた方の仕事自体もなくなっているわけです。そうすると、人員不足で使用されていない町の施設というのを、そういった被害を受けた酪農家の方々の支援に充てるということは、これは難しいのでしょうか。
答弁 育成牧場長 若松務(育成牧場長は2024年3月まで)
質問にお答えしたいと思います。現在育成牧場では7号と8号牧区、2か所休止状態ということで、人員の不足、監視人体制の人員不足ということが理由としてあるのですけれども、実際に牧野で働いていた方もいらっしゃる、その方のお仕事もなくなるということでありますので、そのような監視体制が取れるような状況であれば、今、休止している部分を利用していくことは考えられるのではないかなと私は感じております。今シーズンの放牧自体は終盤になりますし、草もなくなってくる時期ですので、来シーズンに向けて要望があるのであれば検討していきたいと考えます。以上です。
質問 2番 類瀨光信
本当に農家の方、困っておりますので、そういった場面で支援をそれぞれ農林課あるいは育成牧場などで考えていただいて、働いている方をそこの監視に充てるとかということが可能かどうかということがありますけれども、いろんな方法を考えていただいて、この問題自体はなかなかすぐに解決しない可能性がありますので、そういった支援方法をしっかりそこで行うことによって、町営牧場の荒廃自体も防げるというメリットがあろうかと思いますので、ぜひ、今シーズンは無理であっても、今後のためにいろいろな環境を整えていただければと思います。これで1点目の質問を終わります。