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標茶町議会 令和3年第1回定例会 2021年3月8日

成年被後見人制度利用者の権利は適正に保護されるべきでは

2021年3月8日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「成年被後見人制度利用者の権利は適正に保護されるべきでは」について質問し、町長 佐藤彦、総務課長 齊藤正行が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤彦、総務課長 齊藤正行

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 類瀨光信

それでは、通告に従い2件質問をさせていただきます。まず、1点目ですが、成年後見人制度利用者の権利は適正に保護されるべきではないか、この点について質問をいたします。成年後見人制度は、認知症や障がいなどで判断能力が不十分な人に代わり、第三者が財産管理などを行う制度です。従来、成年後見人制度を利用した人、いわゆる成年被後見人には、公務員試験の受験などを制限する法規定「欠格条項」が適用されてきました。しかし、2019年6月7日、欠格条項を原則削除する一括法が成立したことにより、面接や試験で個別に適性を判断することとなり、被後見人の公務員試験などの受験機会やその他の可能性が保障されたのであります。一方、欠格条項削除に関連する法律が多岐にわたることから、国や地方自治体において削除が徹底されず、被後見人の権利を奪っている可能性があると言われています。欠格条項の削除について、本町の実態を把握しているかどうか。また、削除漏れがあった場合、被後見人の働く権利や社会参加の機会を奪っていることになり、あってはならないことと思うがどうか。削除漏れにより失われた権利の回復は、どのような形で行うことになるか。あえて欠格条項を制定する場合、「障害者の権利に関する条例」や「障害者差別解消法」に抵触しないことはもちろん、障がい者の意見が反映されなければならないとされています。本町において欠格条項をあえて制定した事例があるかどうか。制定した事例がある場合、その理由は何か。そして、その場合どのように障がい者の意見を反映させたか。以上、伺います。

答弁 町長 佐藤彦

2番、類瀨議員の成年被後見人制度利用者の権利は適正に保護されるべきではのお尋ねについてお答えいたします。令和元年6月、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律が公布されております。この整備法の概要は、成年被後見人等について、欠格条項により資格等を一律に排除する仕組みから、各資格、職務、業務等に適した能力の有無を個別的、実質的に審査し、判断する仕組みに移行させる内容でございまして、議員ご指摘のとおりでございます。1点目の本町の実態でございますが、整備法の趣旨に基づき改正法が必要とされた条例5本につきましては、令和元年12月定例会でご審議、可決の上、改正させていただきました。また、規則、訓令につきましても、成年被後見人を欠格条項と規定しているものは、5本ありました。そのうち、保証人あるいは連帯保証人になれないという規定が2本あります。保証人あるいは連帯保証人については、民法によるものでございまして、整備法では民法は改正されておりませんので、それに基づく保証人あるいは連帯保証人に関する本町の例規の改正の必要はないものと認識しているものであります。また、3本につきましては、入札参加等の制限でございまして、成年被後見人の方につきましては、民法の規定により契約、いわゆる法律行為が制限されております。また、地方自治法施行令第167条の4第1項第1号では、一般競争入札について、さらには地方自治法施行令第167条の4第11項では、指名競争入札について、一般競争入札の規定を準用し、成年被後見人などの方については契約ができないものとして定めているところでございます。これらの民法、地方自治法施行令につきましても、整備法による改正はされておらず、入札参加等の制限に係る本町の例規の改正の必要はないものと認識しているものであります。結果、規則、訓令の5本については、法律を根拠として改正しなかったものでありますので、ご理解願います。2点目の削除漏れの場合の被後見人の権利や社会参加の機会を奪っていることになり、あってはならないことと思うがどうかの質問につきましては、全くそのとおりと思いますが、議員ご質問の整備法による改正については、改正しなければならない条例、規則につきましては、適正に改正したものと考えております。3点目の削除漏れがあった場合の失われた権利の回復はどのような形で行うこととなるかのお尋ねにつきましては、一般的な対応として、個々の事案によってどういった不利益処分となったのかにもよりますが、その処分を取り消す、その行為をやり直すなどが想定されているところです。いずれにしましても、個々の事案によるものと判断しているところであります。後段の、あえて欠格条項を制定する場合、「障害者の権利に関する条例」や「障害者差別解消法」に抵触しないことはもちろん、障がい者の意見が反映されなければならない。本町において欠格条項を制定した事例はあるか。また、その理由は何か。制定事例がある場合、どのように障がい者の意見を反映させたかの点につきましては、今般の規則、要綱において欠格条項を残したものは全て法律に基づいたものであり、本町が法律に反して制度を残したものはありません。そういった理由により本町独自の考えで欠格条項を制定した事例はなく、制定事例がないので、その理由、障がい者の意見等の反映についてもお答えしかねますので、ご理解願います。

質問 2番 類瀨光信

一括整備法は、成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由として不当に差別されないよう、地方公務員法なども含め各法律において定められている資格、職種、業務等における成年被後見人等に係る欠格条項その他権利の制限に係る措置を見直すものであります。町長は答弁の中で、この一括整備法の趣旨に基づき、関連条例等の改正を漏れなく行ったというふうに答弁されました。その改正等を進める中で、最も意識して大切にしたことは何であったか伺います。

答弁 総務課長 齊藤正行(総務課長は2024年3月まで)

お答えしたいと思います。整備法につきましては、国の法律に従い欠格条項、資格を一律に排除することから個別に実質的に審査し判断する仕組み、これは法律でございますので、それに従って行ったということでございます。個別に一括して排除されるということが成年被後見人の制度がなかなか進まなかったという要因も、その法律を審議する委員会の中で、国において議論されていたという経過がありますので、そういった成年被後見人の制度が進むように、それに被後見人を選択したことによって、そういった一律排除されないようなノーマライゼーションの仕組みを進めるということが今回の整備法の趣旨だというふうに考えているところでございまして、その趣旨に基づいて条例改正を行ったというのが経過でございますので、ご理解いただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

まさにそのとおりであると思います。とすれば、町長の答弁で、入札については地方自治法施行令第167条の4第1項、それから民法第9条、それから地方自治法施行令の第167条の4第11項とか、そこが改正されていないという理由で、成年被後見人であることを欠格条項として残しているわけです。確かに法律違反かと言われれば、法律には違反していませんが、例えば逆に「成年被後見人」という言葉を「心身の故障により業務等を遂行できない者」というふうに置き換えることにどれほどの問題があるのか、また、それが法律違反になるのかどうか、それについては、どのようにお考えですか。

答弁 総務課長 齊藤正行(総務課長は2024年3月まで)

お答えしたいと思います。本町の欠格条項を残している訓令、規則の要綱を見ますと、成年被後見人という言葉をそのまま記載しているというのが多いかと思います。一方、国において、また、他の市町村においては、最終的には言っていることは同じなのですけれども、その表現の方法として、例えば法律行為を制限しているものですとか、議員ご指摘の部分につきましては競争の導入による公共サービスの改革に関する法律の改正規定かと存じ上げますが、この180本の整備法の中の一つでございまして、そういった部分の表現方法もあろうかと思います。私どもで表現方法の部分につきましては、既存の例規改正の中で、そういった表現がいいのか、どういった表現がいいのかについても議論させていただきましたが、一方で明確にしておいたほうが分かりやすいという表現もありますので、今回は改正しなかったというものでございまして、先ほど申し上げましたノーマライゼーションの考え方、当然推進していかなければならないというふうに考えてございます。国のほうの表現の動向についても注意しなければならないと思いますけれども、今回に限っては法律に基づいた表現で、それに基づいては違法性がないものというふうに判断して、既存の例規は改正しなかったということでございますので、ご理解を頂きたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

最終的には結果が同じになる可能性が高いわけですが、要するに門前払いするかしないかという、そういうことだと思うのですね。それが差別につながるのではないか、そうならないようにということで、一括整備法は、この欠格条項の削除ということを定めているわけです。日頃町が示している障がい者差別等に関する姿勢、そういったものとの整合性というのは、やはり慎重に考えなければいけない、そういったものであると思います。確かに表現の問題ではあるかもしれませんが、決してその部分を行政として看過してはならないのではないかと思います。今後、検討されるということでもありましたけれども、個々の案件として申し上げますと、昨年10月に公募された茅沼地区観光宿泊施設の指定管理者、この入札というのは、一般競争入札でも指名競争入札でもありません。プロポーザル方式で入札を実施しているわけです。ご存じのようにプロポーザル方式というのは、まさに個々を審査する、そういった入札の方式でありますから、その部分に関する公募要項なども一括整備法の趣旨を酌んで町が独自に定められる、そういう部分であったかと思いますが、実際にはプロポーザル方式であるにもかかわらず、その部分は排除されている。これまで答弁していただいたように違法ではないと思いますけれども、先ほども答弁の中にあった競争の導入による公共サービスの改革に関する法律第10条第1号に規定する「総務省令で定めるもの」を定める省令のように、公共施設あるいは公共サービスの提供において、ほぼ指定管理と同じ、共通点の多い、そういったものを管理する法律での欠格条項を削除しているということは、課長がおっしゃるように、これは無視できないと思うのですね。つまり、指名競争入札やプロポーザル方式あるいはプレゼン方式のような個別審査を行う入札では、条例等の改正によらずとも募集要項等の中で、そういった思想というか、町の考え方というのを表してもいいのではないかと思いますけれども、いかがですか。

答弁 総務課長 齊藤正行(総務課長は2024年3月まで)

お答えしたいと思います。指定管理者制度につきましては、公の施設の管理運営を株式会社はじめ法人その他の団体に包括的に代行させることができる制度であり、管理運営内容を適正に履行していただくことを確保する観点から、その参加者の確保について一定の制限をさせていただいているところでございます。町の指定管理者制度の成年被後見人の方に関わる欠格条項につきましては、民法の法律行為を制限する方、結果的にその方がオーケーであっても契約は結べない、法律行為が日常生活以外は制限されていることは議員ご承知のことかと思いますけれども、そういったことも踏まえると、実際のところ、その方と契約はできないということになりますので、また、そういった趣旨から民法は今回の整備法では改正されなかったことにより、それを準用している町の例規の改正についても必要がないということで、指定管理者につきましては、民法の規定により指定管理者制度の欠格条項を残したということでございますので、ご理解を頂きたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

繰り返しになりますけれども、そういった一連の改正に関わる行為や個別の案件について申し上げましたけれども、違法であるというふうには思いません。ただ、そういったことで排除しないということもまた違法ではないのではないかと思いますので、今後これら今回改正されなかった法律がどうなっていくかということがあると思うのですけれども、ぜひ可能な範囲で、法律の許す範囲の中で、結果が仮に同じであったとしても、そういった一律に排除しないのだという姿勢を示すということは、行政として大切なことではないかと思いますけれども、いかがですか。

答弁 総務課長 齊藤正行(総務課長は2024年3月まで)

お答え申し上げたいと思います。今回、民法のほうと、それから地方自治法施行令に基づいて改正しなかったというのは、これまでも繰り返しご答弁申し上げているところでございます。例えば民法で言いますと、先ほど保証人の部分、町長がおっしゃいましたけれども、保証人、それから連帯保証人については、民法の規定で成年被後見人の方はなれないという規定がございまして、これは成年被後見人の方の財産権を守るという観点が裏にあるかというふうに考えておりまして、それは拡大するべきではないというふうに判断しているところでございます。一方、議員ご指摘の入札の参加に関わる制限につきましては、個々の事案に一律排除する方式がいいのか悪いのかというのは、いろいろご意見があろうかと思います。その中にもその方々の能力が最大に発揮される業務があるやもしれません。それが一律にこれまで排除されてきた可能性がないのかということは、私も即答しかねるところでございます。いずれにしましても、国の考え、国の法律の改正、先ほども申し上げましたが、ノーマライゼーションの考え方は当然推進していくという障がい者福祉計画の考え方もありますので、国あるいは法律の動向を踏まえまして見極めていきたいというふうに考えておりますので、ぜひご理解いただきたいと思います。

出典:標茶町議会 令和3年第1回定例会 2021年3月8日 議事録 PDF(77ページ) 間違いを知らせる