みんなの議会

標茶町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月8日

酪農振興の具体的な方向性を示すべき

2020年12月8日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「酪農振興の具体的な方向性を示すべき」について質問し、町長 佐藤彦、副町長 牛﨑康人、育成牧場長 常陸勝敏、農林課長 長野大介が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤彦、副町長 牛﨑康人、育成牧場長 常陸勝敏、農林課長 長野大介

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 類瀨光信

通告に従いまして、質問させていただきます。まず、酪農振興の具体的な方向を示すべきについてであります。標茶町の基幹産業である酪農は、乳価の高値維持と規模拡大を後押しする国の政策によって、一見活気を呈しているように見える。しかし、諸外国との貿易協定発効や新型コロナウイルスの感染拡大などによって、将来を見通すことが困難な状況にある。そんな中、酪農家は手探りで安定的な再生産に向けた基盤整備や人材確保を進めざるを得ない状況下にある。今こそ、標茶町としての酪農振興ビジョンを具体的に示し、あらゆる場面で酪農家の道しるべとなるべきではないか。人手不足の解消、乳牛育成施設の不足解消、消費拡大対策、動物福祉の充実、家畜ふん尿処理、飼料自給率の向上、除雪を含む輸送の効率化などにどう取り組んできたか。また、それらを踏まえた標茶酪農の具体的な将来像を伺いたい。

答弁 町長 佐藤彦

2番、類瀨議員の酪農振興の具体的な方向性を示すべきとのお尋ねにお答えいたします。お尋ねの人手不足の解消の取組についてですが、新規就農者の確保を行うため、関係機関が組織する担い手育成協議会を中心に各種PR事業の参加やホームページでのPRの取組を行っております。また、確保した新規就農研修生の育成を行っております。個別の労働力の確保については、JAしべちゃにおいて、各農家の求人を取りまとめ、農林漁業の求人サイトに求人広告を掲載する取組を行っております。乳牛育成施設の不足解消の取組につきましては、近年、酪農家自らが出資の哺育センターや預託をメインとした牧場や育成牧場の活用を行っている状況であります。消費拡大対策につきましては、酪農振興会連合会による乳製品のPR事業や本町の乳牛消費拡大事業として、敬老会や各種イベントでの乳牛の提供や広報しべちゃに牛乳を使ったレシピの紹介を行い、消費拡大に努めています。今年は新型コロナウイルスの感染防止対策により、学校の全校一斉休校、飲食店の休業や営業時間短縮により、牛乳の消費が大きく減少しておりましたので、釧路総合振興局管内でも牛乳、乳製品の消費喚起を図るために、釧路総合振興局山口局長をはじめ、管内の市町村長がリレー方式で牛乳を飲む姿をSNSにアップした釧路牛乳チャレンジ動画リレーの取組、JAしべちゃでも牛乳消費拡大の動画リレーの取組を行っています。また、消費拡大を図る取組として、本町のホームページに牛乳を使ったレシピを紹介するコーナーの設置、町内在住の小中高生を対象に牛乳券の配布などの取組を行っております。動物福祉の充実の取組につきましては、基本的には農林水産省のマニュアルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的な考え方についての技術指導通知が基本となっていますので、その考え方に基づいた飼養管理などを農学ゼミナールの学習会などで学んでいただいています。家畜ふん尿処理の取組につきましては、関係機関が組織する標茶町エコヴィレッジ推進協議会を中心に家畜ふん尿の適正管理に係る普及啓発活動などを行っているところです。食料自給率の向上の取組につきましては、酪農再興事業や中山間事業、共同取組活動による草地更新、道営事業の積極的な活用による草地整備により質の向上と収量を増やす取組を行い、食料自給率の向上に努めています。除雪を含む輸送の効率化につきましては、農道の計画的な整備を行うことにより、効率化の向上を行っています。除雪については、悪天候が予想される際には、JAしべちゃと連携して必要に応じて事前集荷を行っていただいております。集荷路線の確保については、道路管理者のご理解をいただきながら、柔軟な対応を行ってまいりました。次に、標茶酪農の具体的な将来像をとのお尋ねでありますが、基本的には家族経営をはじめとする多様な担い手が安定した農業経営を行うことであり、そのために経済団体であるJAしべちゃの中期農業振興計画及び標茶町酪農・肉用牛生産近代化計画、農業経営基盤強化促進基本構想などを指針として農業者がそれぞれの経営に合った取組をすることが基本だと思いますし、広大な土地と豊かな水を資源に冷涼な気候と併せ、将来にわたり我が国の食料生産、特にタンパク質の供給に貢献できるものと考えております。また、長年にわたり関係者が実直に取り組んでいただき、成果として育成牛あるいは牛の供給基地としての役割も大きく、本町のみならず釧根地域全体で連携し、我が国の酪農・畜産業を牽引していくべきと考えるところでありますので、ご理解を願います。

質問 2番 類瀨光信

今回、私は、具体的な方向性をということで、全体の質問をさせていただきました。後段、人手不足からのくだりも、具体的に一つ一つのことを質問させていただいているわけなのですが、ただいま答弁いただいた分というのは、全体を通して割と抽象的な具体的に何をするといったようなことに踏み込まない、そういったご答弁をいただいたのですけれども、一つ一つについて私が考えていること、それから町としてこうすべきではないかということを交えて質問させていただきますが、まず人手不足の解消についてということで、いろいろな方向で周知を図っていますと。個々において、あるいは生産者団体において基本対応すべきものであるというふうにお答えをいただいています。そのとおりかなと思います。ただ、恐らく念頭に置かれているのは、搾乳に関わる、例えば人員、そういったところに、そういったところを念頭にお答えをいただいたのかなと、そう思います。というのは、今年度、標茶町では、採草作業中に大変痛ましい死亡事故が発生しています。これはひとえにオペレーターの不足、要するに農家でのその部分での人手不足というものが招いた事故ではないかと私は考えています。その後も似たようなケースで町内では大きな事故が発生していることは、皆さんご承知のとおりだと思います。要するに、作業が集中する採草の時期には、機械をオペレートする人間というのが全く足りない状況で、そこのところ、その作業の多くを担っているコントラクター、こちらは夏から秋にかけての収穫時期等は仕事がたくさんあるけれども、通年を通して考えるときに仕事の量というのが安定しないので、なかなか雇用条件というのがよくならない、そういった実態があります。それによって、オペレーターが定着しない。仕事は短期的に集中してしまう。そんな状況があると思うわけですが、その点についてはどのように理解されておられるか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。議員ご指摘のように、人手不足、酪農現場でも非常に大きな課題になっているというのは、認識をしているところであります。ただ、痛ましい事故の原因がストレートにオペレーターの不足によるものだというような特定、断定については、私のほうではいたしかねるところであります。また、後段ご指摘いただきましたコントラクターの作業密度の関係で、通年を通した仕事がなかなか組めないというところでの雇用条件なんかにつながっている。個々の雇用条件は別にして、恐らく人が集めづらいということについては、実態としてあるものだというふうに推測をしていたところであります。コントラに関しても、あるいは採草作業等々の人手不足についても、以前から検討課題としてはあったのですけれども、基本的には町長答弁にあったとおり、農協あるいは農協の子会社である民間会社が推進していく中で、町が担える課題について相談を受け、それについて協議をしてきたという経過がございますので、ご理解をいただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

コントラに関しては、農協の子会社がコントラを立ち上げた時点で、町からは年間運営費の補助というものをずっとしていたわけです。そのことによってコントラが始まった当初の経営安定が図られていて、それによって働く人が増えていった、そういう状況を見てきました。現在、民間のコントラも立ち上がっていますけれども、先ほども言いましたとおり、通年を通しての事業量の確保、そういったところもあって、なかなか雇用条件というのは上がらないし、そのことによって人は来るけれども、すぐに去っていくような状況、割と人の出入りが激しい、そういった状況が実際に生まれています。総体的に言うと、作業の集中する時期には足りないと。直接的に関係ないのではないかというお話でしたけれども、結果として、免許さえあれば乗っていただきたい、乗る、そういうような状況で起きた事故もあるのではないかと、そう推察するわけです。そこで、私はコントラに関して当初の立ち位置に戻って、コントラの運営が安定するようなことを町として考えてはどうかと、そう思っています。単純に補助金ということでなくても、町が発注する仕事の行き先として、そういったコントラを意識して使っていく。町外に流出している委託事業などをあえて町内のコントラクター事業をやっているところに回していくような、そういった手当ができないものかと思うのですが、いかがですか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。今、議員からコントラという部分でご提言を受けたわけなのですけれども、もとより本町発注業務につきましては、できるだけ経済の域内還元、環流ということを目指してやっております。そこに、コントラを含めていってはどうかという、そういうご提言と受け止めて、関係団体・機関と協議をして、実現可能性を探ってまいりたいというふうに考えているところであります。

質問 2番 類瀨光信

次に、乳牛育成施設の不足解消についてでありますが、町内でそれぞれの農家が出資した哺育センター、一部育成もやっていますが、哺育・育成センターというのが立ち上がっています。ただ、総体として、そこから出た牛の行き先がなくて、今、答弁の中で民間の預託業者も含めてそれぞれの農家が利用しているというふうに答弁いただきましたけれども、実際には足りていないです。まず、その状況について把握されているかどうか伺います。

答弁 育成牧場長 常陸勝敏(育成牧場長は2021年3月まで)

お答えさせていただきます。牧場を管理しているという部分のところから民間の預託業者も含めてのご質問でございましたので、お答えさせていただきますが、町内で哺育センター、育成センターが立ち上がり、その後の行き先含めた部分で民間の預託業者さんも含めても足りていないのではないかというご質問だったと思うのですが、そういう状況はご承知しております。うちの育成牧場にも哺育センター上がりで来る場合もありますし、農家さんに帰る場合もあります。そのほかの民間預託業者さんにも入っているというお話も聞いておりますが、現状としては全てが足りているという状況ではないと承知しております。

質問 2番 類瀨光信

そうですね。結果として足りていないのです。民間事業者に対しての規模拡大の期待というものが、非常に最近農家の方から寄せられるわけですけれども、民間のその事業者の規模拡大というのは、そういう意味では簡単ではないです。先日、鶴居村で開業した預託牧場の記事、皆さん見られたと思うのですけれども、結局のところ、500頭、600頭、その程度の預託規模でも、設備には2億5,000万円、3億円、そういった費用が必要になってしまいます。なかなか民間の預託事業では補助該当する分も少ないです。当然そういった需要があるということが分かっていても、そこのところに応える状況にはないわけです。そういった足りていないという状況も把握している中で、町の育成牧場では預託規模を縮小していると。ここについては何か矛盾を感じるのですが、いかがですか。

答弁 育成牧場長 常陸勝敏(育成牧場長は2021年3月まで)

お答えいたします。町営の牧場の規模の部分のご質問だと思いますが、現状、既に冬期、特に冬期の舎飼いは畜舎で牛を預からなければなりません。施設のキャパからして、現状でほぼ満杯の状況でございます。これ以上の受入れというのは当然できない状況でありますので、預託者さんにはその状況を含め、これ以上のお預かりはできないというお話をさせていただいております。それで、現状の施設、古い施設もございます。開設当初から使っている施設、50年以上経過した畜舎も今使いながらやっている状況もありますし、それから当然管理をする人員の問題、それから預かる以上は餌なり、そういう管理をするための粗飼料の確保という部分もあります。それらを含めた中で、これ以上の当然規模拡大というのは現状としてはそういう状況にありませんので、それらトータル的に考えて、現状としてはこれ以上の規模拡大よりは、逆に古い施設の部分はこれから先を考えたときに管理上よろしくない部分もありますので、新たな畜舎建設も計画はしておりますが、その中では若干の頭数は縮小せざるを得ない状況になっておりますので、ぜひ、それら単純に規模拡大を、預託希望があるから施設を造ればいいという状況だけの課題ではありませんので、その辺はご理解いただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

私の質問自体は、育成牧場の規模拡大とかそういったことではないわけで、今、場長からお答えいただいたことで、標茶町育成牧場の実態というのは、もちろん分かりました。ただ、町としては、そういったことも含めて乳牛の育成の現場でそういった問題が発生しているということに、生産者団体も交えて何かしらの対応が必要ではないかと思うのですが、いかがですか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。本来であれば、このような総体的な部分、そしてさらに細かく入り込んで課題検討しなければならないような事案というのは、農業振興会議において議論されるべきなのだろうなというふうに思っていたのですけれども、あいにく今年についてはコロナの関係等々で会議が開かれずに来ておりました。また一方で、農協さんとは、組合長、専務とは定期的に場を持ちまして、調整、意見交換等を行っているところであります。ただ、その場においては、個別の例えば、今、議員ご指摘いただいている育成牛の育成の実態については課題として浮き彫りになっておりませんでしたので、今後、実態等についてつぶさに聞いてまいりたいというふうに感じていたところでありますので、ご理解をいただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

次に、消費拡大対策についてであります。いろんな機会を通じて標茶の牛乳のPRをしているのだということ、それから最近では牛乳チャレンジに賛同して動画配信もされているということなのですが、これ日々必要なことであって、具体的にもっとストレートに消費を拡大するという方法について何か考えはないのでしょうか。(何事か言う声あり)

質問 2番 類瀨光信

追加していいですか。

質問 2番 類瀨光信

こういう聞き方だと多分なかなかお答えが出にくいのだろうと思うので、具体的な例として日本の人口に占める牛乳を飲めない人の割合というのが、飲めないというのは、苦手であるという人の割合というのが一定あるわけです。1つは、原因としては牛乳アレルギーを持っている方は牛乳を飲むことができない。もう一つは、大人の多くがそうであるわけですが、乳糖不耐症という、そういう症状、いわゆるおなかがごろごろするという、そのことによって大人になるにつれて牛乳を敬遠してしまうという、そういうことが現実にあって、統計によってその数値は違いますけれども、国民の3人に1人ぐらいは乳糖不耐症であろうと、そういう傾向があるだろうと、程度には差がはあるけれども、そういうことが言われているわけです。実際に、具体的に中標津農協では「なかしべつ牛乳プレミアムNA2」という、要するに、ベータカゼインA2タイプの牛乳を産出する牛ばかりを集めて、そういった乳糖不耐症の人が、完全に克服はできないけれども、そういう方々に対して優しい、そういう牛乳というのを販売しています。1リッター400円近くしますけれども、ただ、それ自体は大変需要が多い。目のつけどころの問題もあると思うのですね。動画配信、結構です。キャンペーンを張るのも、もちろん結構です。ただ、具体的に近隣でそういった取組をしていることに対して、標茶町としてはどのように考えておられるか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。私も、もちろんJA中標津の牛乳の取組については新聞等で拝見しておりまして、非常にすばらしい先駆的な取組なのだろうなというふうに思っていたところであります。議員に申すまでもなく、牛乳の生産、そして加工して消費者の手に届くまでというのは、今までは団体あるいは大手メーカーの手によってほとんどがつくられてきたわけでありまして、JA中標津については自前のプラントを持っていたから、そういう実際に行動もできたのだろうなというふうに思っていたところであります。中標津のように特定の因子を持つ牛を集めて、そして搾乳をしてというところ、それはこれまでの標茶の環境の中ではなかなか難しいのだろうなというふうに思いながらも、今現在JAしべちゃが取り組もうとしているプラントがもし完成したときには、そういった多様な生産品が出てくる可能性もあるというところで期待をしているところであります。

質問 2番 類瀨光信

そういった意味で、牛乳が苦手である、あるいは飲めないといった人に対して消費を開拓していくということは、これは間違いなく消費拡大につながることでありますので、そういった研究というのは、ぜひこれからしていっていただきたいと思います。それから、動物福祉の充実について、いろんな農学ゼミであるとかのお話も出て、そういったところでそういった、町長は「マニュアル」と言いましたけれども、「アニマルウェルフェア」です。その思想を普及していくのだということなのですけれども、ここも具体的にということを私つけておりますので、その点で言いますと、まず一般論としてですけれども、乳牛にとって生涯最大のストレス、2番目のストレス、3番目のストレスというのが何であるかということ、まず、どうでしょう。何かそういったことに関してふだん考えていることはありますか、アニマルウェルフェアに関することですけれども。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えいたしたいと思います。アニマルウェルフェアの考え方で、ストレスのかかる部分でございますけれども、基本的には、これは家畜に快適に過ごしてもらうというようなことを配慮したというようなところになりますので、飼養管理ですとか、あと、おなかがすいたとき、あるいは喉が渇いたときには適時水、餌をあげて衛生的な管理をする、あるいは換気を対策するとかというような部分が基本だと思います。以上です。

質問 2番 類瀨光信

それは日々生きているものを飼うに当たって当たり前のことであって、そういう意味で言うと、HACCP自体も私は実際にはその生産現場としては当たり前のことであると思っているわけです。ここで、私、今、乳牛にとって生涯一番のストレスは何かということを伺いましたけれども、一般論ですけれども、生涯最大のストレスは離乳です。2番目のストレスは、長期輸送です。3番目のストレス、これは除角です。1番目はいろんな考え方があって、なかなか正しい離乳というか、答えがないというところもあって、農家ごとに、生産者ごとに差があるわけですけれども、2番目は輸送というのは、預託だとか特別なことがなければ長期輸送というストレスは感じないで済むわけです。避けて通れないのが3番目の除角です。全乳牛の大体85%ぐらいは除角という施術をされるわけです。これ、除角はどういうことか分かりますか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

角を取るということですね。

質問 2番 類瀨光信

鹿の場合ですとその構造の違いから毎年角が生えて抜け落ちるのですけれども、哺乳類の中の反すう動物の中でも牛やヤギ、そういったものに関しては、ホーン型ということになっていて、頭蓋骨につながっていくわけです。要するに、今、課長がおっしゃったように、角を切ると、そこにぽっかりと穴が空くという、そういう状況になるわけです。私がこれを言いたいのは、議員の中にも私も含めて畜産に関わっている、それから経営されている方がいるわけですが、どういう状況で除角をするかということです。85%の牛が除角をするけれども、そのうち、仮にそれがベストかどうかは別にして、麻酔とかをするというのは、さらにその7割にも満たないぐらい。ほとんどは何の手当てもしない状態でいきなり、そうですね、人間に例えると、親指を切り落として、そこを消毒と称して焼き火箸で焼くというような、そういうことを必ずやっているわけです。消費者目線で考えたときに、これは決して見せられるような、そういう作業ではないです。私もやりますけれども、血しぶきがぶわっと吹き上がるような、そこを焼きごて、焼き火箸のようなもので血管を焼き潰していくという、そういう作業を必ずしているわけです。これは酪農・畜産の中で非常にマイナス要素だなと、そういう部分であると思っています。要するに、こういった消費者に決して見せられないスプラッターな絵面というか、そういったものを何とかする、どうにかしようという、そういう発想が酪農を基幹産業とするうちの町にちょっとでもあるかどうかという、まずその確認です。

質問 2番 類瀨光信

動物福祉の充実という点について言うと、どうしても乳牛として避けられない作業の中に除角というものがあるわけですが、これについて除角をしないで済むという、そういう選択もあるわけです。要するに、両親のうち、どちらかがPpあるいはP、Pp掛けるPであれば確実に無角の牛が生まれるという、そういうことがもう70年も前から分かっているわけです。現在では凍結精液を供給するメーカーのほうでもそういったものを用意していますし、諸外国ではそういった対応をどんどん進めてきているという、そういう実態があります。できれば、そういった農学ゼミの勉強もそうですし、様々な機会において、この除角という作業をなくす方向でその無角因子について研究するということを町で後押しすると、そういうことはできないでしょうか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。すみません。先ほど消費拡大のところで一言申し上げるのを忘れていたので言わせていただきたいと思うのですけれども、随分長いこと標茶では、牛乳を食べようというキャンペーンをみるくっくさんと一緒にやってきております。1つは、飲むだけでは消費量が十分ではないというところもあるのですけれども、調理加工することで牛乳を生で飲めない人についても受け入れられるのではないかという、そういう発想が当時からありまして取り組んできたことをご紹介するのを忘れていましたので、ここでお答えさせていただきたいと思います。除角の関係なのですけれども、議員ご指摘のとおり、牛にとっては非常に痛いというところで、アニマルウェルフェアの根本に関わる部分のストレスだというふうには思っているところであります。ただ、これまでその手法が取られてきたというのは、生産者にとっては自分の安全を守るために、やむにやまれずやってきたというふうな認識でおりました。切るだけではなくて薬剤を使うにしても、やはり同様のことが起きるのだろうというふうなことは推測をしているところであります。アニマルウェルフェアの知見が持たされたとき、専門の大学の先生に来ていただいて講演会等を開いたという経験がありますけれども、なかなか生産者の方、多くの方に聞いてもらう機会がなかったというところで、まだまだこれから浸透させなければいけないというふうに政策的な展開も必要なのかなというふうに思っていたところであります。除角も議員から遺伝因子の部分でのというご紹介がありましたけれども、当然のように、これから消費者に向けた生産ということで考えていくと、アニマルウェルフェアももっともっと重要視していかなければいけない課題だというふうに思っておりまして、そういった点では生産者、生産者団体あるいは関係するメーカー等も次々と新しいアニマルウェルフェアに足場を置いた、そういった技術、方法が普及してくるものだというふうに考えているところであります。いずれにいたしましても、アニマルウェルフェアは一定程度、世界的には認められ、そして必要なものというふうにされてきて、そして今、日本の中でも定着しつつあるものでありまして、そういった知見に基づいて普及推進しなければいけないものについては、私たちとしても生産者団体と足並みをそろえながら、実際に現場で展開されるような、そういった取組を後押ししていきたいというふうに考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

最初から何点か細かい話をさせていただいて、通告から外れるかもしれないという、すれすれのところでお話をさせていただいているわけですけれども、標茶町の酪農が今後どういったところを目指していくのかということに関して答弁いただいていますけれども、割とざっくりとした話で、同僚議員が根釧酪農ビジョンについて質問したことと近い、そういった内容でご答弁いただいているわけですけれども、私は今の何点かの質問を通して、消費者第一主義で生産を進めるべきであるというふうに従来思っていますので、そういったことに関して、当たり前のことでありますけれども、これから様々な関係機関の会議や代表者会議、それから内部的にも、結局のところ消費者あっての生産者でありますから、そこの再確認というのを一つ一つやっていただきたいと思います。そうした中で、根釧酪農ビジョンの中で一番先に出てくる草地型酪農を目指していくのだという部分に関して言わせていただくと、私は、ここの草地型ということに関しては低投入型であるべきだと。当然、循環型であるべきであるし、低投入型であるべきであると思っています。そういった思想、考えを進めることが中規模あるいは小規模の家族経営、そういったものを補完していって、最終的に町全体としては経営の多様性によって足腰の強い、そういった基幹産業というものが形成されるのではないかと思うわけですが、どうでしょう、町としてはもっと短いセンテンスで目指すべきところというのを語るとしたら、どういったことになるのでしょうか。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。短いセンテンスでというのは、先ほどの町長の答弁のとおりなのだろうなというふうに思っております。低投入型云々というお話をいただきましたけれども、これまでいろいろと経営スタイルを検討される中で、それぞれが自分のところに合った方法で展開をしてきている、そういうことだというふうに思っているところであります。低投入型だと、総収入はそうでもないけれども、所得率が非常に高い、あるいは手間がかからないことで、いわゆる余暇時間的なものがたくさんできる、そういうようなことも紹介されておりまして、まさしく今、若者たちが新規就農を目指して来ているというのは、そういったスタイルに憧れて来ているのだろうなという理解でおりました。ただ、既に中規模あるいは大規模で展開をしているところ、あるいはそういうところを継いだ後継者の皆さんは、これまで投資したもの等々もありますから、すぐに簡単には転換できないでいるのかなというふうに思っております。そういった視点で、どこかに特化して支援をするのではなくて、いろんな方法がある、そのいろんな方法をそれぞれ選択してもらう中で最適な支援をしていく、それが本町のこれまでの農業政策の柱の一つだったのではないのかなというふうに思っておりますし、それについてはこれからも同様に進めていくべきなのだろうなというふうに感じているところでありますので、ご理解いただきたいと思います。

出典:標茶町議会 令和2年第4回定例会 2020年12月8日 議事録 PDF(31ページ) 間違いを知らせる