みんなの議会

標茶町議会 令和2年第3回定例会 2020年9月8日

中山間地域等直接支払制度の活動内容を問う

2020年9月8日、標茶町議会の一般質問で、本多耕平議員が「中山間地域等直接支払制度の活動内容を問う」について質問し、町長 佐藤䭾彦、農林課長 長野大介、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
本多耕平 議員
答弁者
町長 佐藤䭾彦、農林課長 長野大介、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 9番 本多耕平

私は、通告に沿って、中山間地域等直接支払制度の活動内容を問うということで、町長以下、関係機関のご意見を伺いたいと、このように思います。中山間地域等直接支払制度は、平成12年4月に制度が発足し、以来4期20年が経過し5期目に入り、要領の一部が変更されたと聞いております。この制度の要領趣旨にも示されておりますが、中山間地域等では、高齢化が進む中で平地に比べ自然的、経済的、社会的条件が不利な地域があることから、担い手の減少、荒廃地の増加等により、多面的機能が低下し、国民全体にとって大きな経済損失が生じることが懸念されています。平成11年、食料・農業・農村基本法により、国は、中山間地域等においては、適切な農業生産活動が継続的に行われるよう農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずることとされております。これを踏まえ、荒廃農地の増加等により多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において、担い手の育成等による農業生産の維持を通じて多面的機能を確保する観点から、国民の理解の下に交付金を交付するとあります。本町においても、全町が一つの集落として集落協定し活動して、令和元年は交付金総額3億7,000万円、個人配分は1億6,000万円、共同取組として約2億1,000万円であり、活動内容は、制度の趣旨に沿った、一次産業を守り農村集落を守る、支える大きな交付金と私は考えます。農業者にとってこの交付金が平等ではないにしても、公平感のある予算配分であることを望みながら、次の点について町長の所見を伺います。1つ、制度発足20年の効果をどのように評価されているか。2、制度内での農業委員会の果たす役割と評価をお聞きいたしたい。第3に、第三者機関の設置と道にはありますが、4期20年間で北海道から助言もしくは指導がありましたか。4番目に、第5期の主な活動内容計画はどのようになっているかお聞きいたします。5番目に、20年間の活動を踏まえ、国・道への要請事項はなかったのでしょうか。以上、5点について伺います。

答弁 町長 佐藤䭾彦

9番、本多議員の中山間地域等直接支払制度の活動内容を問うとのお尋ねにお答えいたします。1点目のお尋ねですが、中山間地域等直接支払制度は、他の省庁に属する補助金、交付金には類を見ない交付対象者である農業者自らが集落協定により自主的に活動内容を定め、遊休農地、耕作放棄地の解消、多面的機能の維持、地域集落の維持のため、交付金が有効に活用されている事業であると評価しております。4期20年にわたり生産活動を支え、基盤整備事業等により、地域経済にも大変寄与しているものと考えております。2点目の制度内での農業委員会の果たす役割と評価についてですが、ご案内のとおり、農業委員から農地法に基づく売買・賃貸借等による権利移動、農地転用の許可、農業経営基盤強化促進法による売買・賃貸借等による権利移動、遊休農地の調査・指導など、農地の適正管理、耕作放棄地の解消などを担っているため、中山間地域等直接支払交付金事業と一部目的を同じくするところもありますし、さらには、対象地の選定の基礎となる重要な役割を担っていただいていると考えております。3点目のお尋ねですが、北海道の第三者機関として北海道中山間地域等直接支払制度検討会が設置され、年に3回ほど検討会が開催されておりますが、過去20年間で第三者機関からの助言・指導は受けておりません。また、北海道が行う事務検査においても、発足当時より中山間協議会事務局が作成されている書類についての助言・指導を受けたことはございません。4点目のお尋ねですが、第5期対策の開始年度であるため、農地の確定、所得調査などの作業に時間を要しており、総会が開催されていないところであります。協定参加者の総意の下、総会で承認された集落協定を町が認定することになっておりますので、現時点では活動費の内容は確定しておりません。しかし、第5期対策に向けて、総会に先駆けて8月5日に全ての参加農家を対象にした全体説明会が農協で開催され、説明会の中で集落協定の取組内容が説明されておりますので、その配付資料、説明された内容から主な活動計画案を抜粋いたしますと、ミルクプラントへの助成、家畜自衛防疫協議会への助成が新たな取組とされております。ミルクプラントの助成につきましては、プラント内の機械設備に対する助成と聞いております。家畜自衛防疫協議会の助成の内容につきましては、今まで農家で負担されていた牛のワクチン代の7割を中山間事業で補助するという内容です。第4期でも取り組まれていた農業用廃プラスチック適正処理、農地基盤整備、コントラ活用などは第5期でも継続されますが、農場景観、パドック整備など第4期で終了となる取組もあると伺っております。5点目のお尋ねですが、釧路開発期成会においては平成24年度事業の要望書から毎年本交付金の予算確保について要望されているところです。また、制度開始から各対策期の3年目には中間評価、5年目には最終年度評価として北海道から市町村及び中山間協議会で調査が行われており、本町におきましても、町及び中山間協議会の回答や要望、意見を報告しております。北海道により取りまとめられたものは農林水産省へ報告され、3年目の中間評価については次期対策への制度改正に反映される基礎資料として、5年目の最終年報告については集落協定の達成度の調査とされております。本町においては、この間、地域酪農の持続的発展のためになくてはならない制度であり、その時々の経済情勢に合わせ、特に直近2期においては、個人配分額上限の引上げや所得制限の見直しなどを要望してきたところでありますので、ご理解をお願いいたします。

質問 9番 本多耕平

私は、冒頭の中でお話しいたしましたように、いわゆる中山間地域等直接支払制度、これはご案内のように個人事業者、農業者にとって国が個人配分するというのは画期的な制度だと思っています。さらに、振り返れば、私の記憶では、昭和50年代の前半だったと思いますけれども、開拓者へのいわゆる離農給付金というのがございました。当時、開拓者が離農したくても負債あるいはまた資産のバランスでもって離農できないという方が幾多もおられました。その中で国は、離農者に対して、私の記憶ですけれども、50万円の離農給付金というのが直接に支払われたことを記憶しております。以来、私は、農業者にとって今回のこの直接支払制度というのは、離農ということではなくて、逆にいわゆる中山間の農業者の支援、さらにはまた、過疎化する集落の再生、環境改善等々の目的を持った支払制度だと思って、この制度が持続され、また、さらには内容がどんどん改善されながら、さらなる一次産業の発展を願うということで、改めてここで、再質問の中で具体的にもう少しこの内容についてお話をお聞きしたいと、このように思います。本町の町政だよりの中で、昨年度の中山間地域等直接支払制度の概要が実は報告されております。その中で、農業者267人、生産組織54等々で、基本となる交付対象農用地面積がヘクタールで言いますと約2万4,100ヘクタールでございます。しかし、この中では、傾斜8度以上の草地、また、平らな草地ということで、合わせると2万8,900ヘクタールになっております。いわゆる対象になる、あるいはならない面積が約4,000ヘクタールあるわけですけれども、なぜこのようになっているのか、まず最初にお聞きをしておきたいと思います。と同時に、この傾斜度が8度以上、さらにはまた15度以上というふうに度数が設定されております。といいますのも、これは交付金の金額が変わってくるわけであります。したがって、本町における交付金の額は、いわゆる農地の傾斜度によって額が変わってくるわけでありますから、この8度あるいは15度以上の面積の確定の仕方、どのようにしているのかをまず前段お聞きをしたいと思います。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

まず、1点目の現況面積と中山間の協定面積の差の理由ということですが、まず差で言うと約3,945ヘクタールございます。その理由ですが、まず1つは中山間の未加入者というところと、もう一つが未相続農地で農地法あるいは基盤強化法による賃貸借契約がなされていないもの、もう一つはデントコーン畑、大根畑、その他野菜畑というふうになってございます。それと、傾斜区分の確認方法でございますけれども、草地区分については、8度未満の草地比率の高い草地、そして8度以上の緩傾斜、15度以上の急傾斜の3種類ということで、毎年確認が必要な箇所については、改めて基準となる地点の標高と距離を測量して、傾斜度を算出しているところでございます。団地の考えについては、一まとまりとなる草地ということで、下限面積が1ヘクタール以上の団地というようなルールがございますので、その中で傾斜が明らかに変わっているものについては、団地を分けて傾斜を測定、確認している状況でございます。以上です。

質問 9番 本多耕平

私、前段申し上げましたように、いわゆる交付金の根本な原資となるのは、この斜度の問題だろうと思います、面積はもちろんそうでありますけれども。この斜度で、今、課長がおっしゃったように、毎年検証しているのだというお話でありますけれども、斜度について大変難しい評価をしなければ私はならないと思っているわけです。といいますことは、農地においては、登記簿上いわゆる草地、公簿上はなっていますよね。それが一定の面積にはなっていないはずなのです。いわゆる地番ごとに、例えば1ヘクタールとか5ヘクタールとか、あるいは10アールとかいろいろあるわけですけれども、それの地番ごとに1筆でもっての評価をしているのでしょうか。それはどうなっていますか。

答弁 農林課長 長野大介(農林課長は2022年3月まで)

お答えしたいと思います。先ほど団地、1団地というような形で説明させていただいたのですけれども、まとまりのほうについては、各公簿で地番とかで分かれているやつも含めて現況で一体となっているところで、ある程度斜度が一緒のところは一つのまとまりということで平均して出しているような状況でございます。なので、急傾斜があるところというのは、1ヘクタール以上あれば、そこで一まとまりということで測定しているような状況でございます。以上です。

質問 9番 本多耕平

農業委員会さんのほうにも私ちょっとお聞きをしたいのですけれども、実は先ほどの町長の答弁にもありましたように、農業委員会の独立機関ということで、なかなかこの本町の農政に関わる問題を云々はできないかと思うわけでありますけれども、しかし、この中で今、農林課のほうでお答えになられた度数が、私は何回も言いますように、基になりますから、それを農地の評価の中で当然農業委員会は、先ほど農業委員会の果たす役割ということで町長お話ありましたように、農地の厳正な確保あるいはまた維持をするためにはという農業委員会のことでありましたけれども、今回のいわゆる中山間事業においての農業委員会の果たす役割というのは、もう一歩踏み込めないものか、どうでしょうか。今、課長がおっしゃったように、いわゆる斜度の認定について私は少し疑問が残るわけです。地番ごとに一からみでくくっての8度以下、上、中というふうになっているのはお聞きをいたしましたので、それについてもう少し農業委員会のほうとの連携を取りながら、斜度の確定というのは、やはり私はもっと厳密にしていただきたいと、自分の思いを言っては駄目ですね。したほうがいいのかなという気がするわけでありますけれども、その点について農業員会としての見解はないでしょうか。

質問 9番 本多耕平

それでは、質問内容をちょっと変えたいと思います。ここで、4番目にお聞きしております第5期の主要な活動内容はということで、これは私、事前にいろいろと部局ともお話をしたわけですけれども、町長ご返答のように、総会が9月であるということで、総会前に町議会においてその内容をどうのこうのという議論することはいかがなものかというような、暗にそのようなお答えだったと思います。部局のほうからも実は私そのような話をいただきましたけれども、いわゆる令和2年度版の説明の中に、事業内容ですとか、いろいろ出ております。その中で、私が一番気にしたいことは、所得制限によってのいわゆる個人配分の関係であります。この件については多分この議事録、いろいろな各省庁が目を通したり、耳を通したりしたらちょっとまずいかと思いますので、議長、ちょっと議事を止めていただけないでしょうか。

質問 9番 本多耕平

この制度については、議員諸公いろいろとこちらのほうからざわめきが聞こえておりますけれども、なかなか難しい問題であります。しかしながら、予特の中ではなかなか時期的にできなかったものですから、今回いろいろな立場から町長なり部局の話を聞きたいわけでありましたけれども、私は、この制度、前段申し上げましたように、決して否定するものでもないですし、この制度については、ぜひもう少し内容を検討しながら、内容の充実した、制度を充実させるべく、そのために質問したかったわけでありますけれども、今までのお話を聞いていますと、なかなか国が2分の1、道が4分の1、町が4分の1負担しているわけであります。3億7,000万円のうち町自治体も数千万円のお金をこの交付金として支出、拠出しているわけであります。したがって、私たち議員としても、この制度がいかに大事なものかということ、私改めて思いをしているわけであります。特に、最後に私申し上げたいことは、先ほど課長のほうからお話ありましたように、個人配分が、所得制限によって個人事業者が当たらなくなったのが100戸以上いると。しかしながら、その予算をどう消化していくかという中身の中で、私、決して法人農業者を敵視するわけでもありませんし、今の標茶にとって法人農家が大事だということは十分理解しております。離農者の多い中で、もう個人経営ではもう土地を買えない、そんなところを法人の方々が土地を収用しながら、今の標茶の農業を、あるいはまた一次産業を維持してくれている。その中で、いわゆる農村が、集落が崩壊をしないで成り立ってきている。これはまさに、中山間のこの事業が私は大きな役割を果たしていると思うのです。しかし、最初に申し上げましたように、個人には配分が当たらない。それは所得制限が多い、所得が多いからだ。しかしながら、法人の方々には、それ以上のものが当たる。確かに今、国のクラスター事業の中で大型化というのが叫ばれております。予算も当然でありますけれども、いわゆる個人経営がどれだけ標茶の自治体の一次産業を支えているか。標茶だけではありません。北海道、国全体が、個人農家がいかに本国の農業を支えているということを国として改めて私は認識をしていただきたい。そんな意味では、自治体が4分の1を拠出しているわけでありますから、さらに申し上げましたように、第三者機関が道にはあります。いわゆる不公平感をなくすような制度の実現に、私は町自治体も目を覚ましていただきたい。これを私は最後に述べて、私の発言を終わります。もし、できれば答弁いただきます。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。今、第5期を迎えている中で、若干の制度変更はありましたけれども、基本的には先ほど来本多議員がご指摘されているとおり、中山間地域の担い手の確保あるいは耕作放棄地の未然防止、遊休農地の解消等々の役に立っている。また、この交付金を活用して、標茶集落あるいは各地域の協議会、組織が、自主的な活動をするというところで、農家さんの方々のコミュニティー意識の向上にもつながっているというところで、町としては大変評価しているところであります。制度開始、議員からもありましたが、4億円のうち1億円を町が負担する、これは法律で決まって継続的に払うという形になってきているわけですけれども、その負担をどうするかというときに、農業団体からは1億円の拠出で合計4億円の事業が展開できるというところで経済効果のそういうお話もありまして、最終的には本町においても実施をするという、そういう判断をしたところであります。もともと国の制度設計の中では、所得補償制度をつくれないかというところから始まったというふうに私は聞いております。ただ、まだ当時の日本においては、所得補償というものがなじまないというところで、この現在の中山間地域等直接支払制度という交付金ということでなったところであります。ただ、実態としては非常に自由度の高い交付金でありまして、様々な活用方法が取られてきたところであります。それで、ほかの産業ではどうなのかというと、類似の制度はございません。これは本多議員もご指摘のとおり、ほかの省庁の補助金、交付金の類いでは例を見ないものだというものであります。そういったものを農水省がつくるときに、自らしっかり他産業の方たちに説明できるものにしなければいけない、そういったところから始まっておりまして、交付対象者も中山間地域等あるいはその他、標茶で言うと、草地比率の高い農地ということになっておりますけれども、ほかのものが作れない、だから所得が上がらないのだ、そういった理論で交付金が出されているところであります。そういったことがありますので、あくまでも発想として所得補償があったのかもしれませんが、他産業並みの所得を確保して、そして農村地域に定着する人を減らさないのだと、そういったところから始まっているものですから、国のほうとしては、どうしても一定程度の所得をラインとして設けて、そこを超える分については制限するということが、制度そのものを守っていくためになるのだという、そういう説明を受けております。また、傾斜地の考え方についても先ほどありましたけれども、農業委員会が見て判断するのではなくて、航空写真等を活用しながら等高線も当てはめて、農林課長が説明した1団の農地というくくりの中の平均斜度で8度以上なのか、15度以上なのか、部分的に15度以上のところもあるかもしれませんけれども、平均してどうなのかというところで測定をして適用している、そういったところであります。ただ、いずれにしても、町としては、自ら1億円近いお金を出しながら約4億円の事業を展開する中で、農業者の皆さん、あるいは標茶集落の事務局のほうにも、この間、制度を有効に活用して標茶の酪農のために使っていただきたい、そういう姿勢で接してきております。これはこの先も変わらないとと思いますし、そのような中で、民主的な建設的な議論の中で協議会としていろいろなことを決めていただきたい。ただ、繰り返しになりますけれども、最低限決められた国のほうから示されているルールが幾つかありまして、それによって運用しているのも事実でございます。それについて標茶集落として大きな不満とか不公平感とか、あるいはそれによって集落の運営が難しくなるとか、そういったことが見込まれるのであれば、時を見て北海道や国に対して現場の実情を伝えていく、そういう必要はあるというふうに感じておりますので、ご理解いただきたいと思います。(「終わります」の声あり)

出典:標茶町議会 令和2年第3回定例会 2020年9月8日 議事録 PDF(26ページ) 間違いを知らせる