標茶町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日
家族農業を守り育てる観点から、牛舎等のリフォーム助成制度
2019年12月10日、標茶町議会の一般質問で、渡邊定之議員が「家族農業を守り育てる観点から、牛舎等のリフォーム助成制度」について質問し、町長 佐藤䭾彦、副町長 牛﨑康人が答弁しました。
- 質問者
- 渡邊定之 議員
- 答弁者
- 町長 佐藤䭾彦、副町長 牛﨑康人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 渡邊定之
私は、家族農業を守り育てる観点から牛舎等のリフォーム助成制度について質問いたします。日米貿易協定、日欧強化経済連携協定(日欧EPA)、TPP11など、日本の農業の存在を脅かす協定が次々に結ばれています。政府は、日米貿易協定の農業に与える影響額について最大で1,100億円の減と試算しています。これに基づいて北海道も試算し、生産額は最大371億円減少するとしました。政府は、国内対策をとるから生産量は減らないと言っていますが、国内対策はまだ決まっていません。11月24日付北海道新聞の社説は、「国内対策が決まっていないにもかかわらず「生産量が減らない」と言い切るのは、楽観的である以上に無責任だ」と指摘していますが、この点について町長の所見を伺います。政府は、農業競争力強化資金として畜産クラスターなど膨大な予算を投じていますが、これは本町の酪農、畜産業など本町の経済を支えている中小規模の家族経営には及んでいません。本町の酪農家戸数は、平成20年から平成30年の間に83戸が離農または搾乳を中止しています。そのほとんどが80頭以下の経営であります。このように家族農業が衰退し、減少していく実態に対して危機感を持って具体的な施策を講じるべきと考えますが、町長の所見を伺います。中小規模の家族経営の支援を重視する立場から、牛舎、畜舎等農業施設へのリフォーム助成制度、無理のない規模から新規就農ができる支援策を講じるべきと考えますが、いかがですか。
答弁 町長 佐藤䭾彦
1番、渡邊議員のお尋ねの家族農業を守り育てる観点から、牛舎等のリフォーム助成制度についてですが、1点目の北海道が先月発表した日米貿易協定による北海道への影響額に対する所見についてのお尋ねですが、ご案内のとおり、生産額の影響試算の算出の前提条件としては、政府が10月18日に公表した「日米貿易協定による農林水産物の生産額への影響について(試算)」及び10月29日に政府が公表した「「日米貿易協定による農林水産物の生産額への影響について(試算)」の品目別参考資料の算出方法」に即して、個別品目ごとに合意内容の最終年における生産額への影響額を算出し積み上げ、農林水産物の生産額への影響を試算しています。具体的な価格の試算方法は、内外格差、内外価格差、品質格差等の観点から品目ごとに輸入品と競合する部分と競合しない部分に二分した上で、価格については、原則として競合する部分は関税削減相当分の価格が低下し、競合しない部分は競合する部分の価格低下率(関税削減相当分÷国産品価格)の2分の1の割合で価格が低下すると見込み、試算をしております。また、生産量につきましては、国内対策の効果を考慮し試算しているところです。そこで、お尋ねの北海道への影響額についての所見ですが、価格の試算方法についてはおおむね妥当であると感じています。生産量については国内消費量が一定であることを前提に考えると、輸入品の消費がふえた分は国産品の消費が減少するものと考えられることから、価格差にまさる消費者の支持を得られる農産品づくりと、輸出向けの生産量がどうなっていくのか、これを担保する対策が見えない中では、国内生産量が減らないと断言はできないと感じております。次に、2点目の家族農業が衰退、減少していく実態に対し、危機感を持って具体的な対策を講じるべきではとのお尋ねに対しては、ご案内のとおり、本町はもとより国内でも大多数を占めるのは中小・家族経営農業であります。今般署名された日米貿易協定に加え、TPP11、日EU・EPAの発効後の動向を踏まえ、国内対策として「総合的なTPP等関連政策大綱」の改訂が12月1日に閣議決定され、その対策の一つとして、議員ご指摘の畜産クラスター事業については、中小家族経営にも幅広く活用できるよう要件を緩和しているとのことですので、今後、具体的な内容の情報収集を進めていきたいと考えております。次に、3点目の中小企業の家族経営の農業施設のリフォームへの支援策についてですが、中小規模の家族経営が離農する原因の多くは、高齢化や担い手不足などによるものであり、その家族農業を支援するためには、労働力の負担軽減が重要な対策であると考えております。そのような背景から、家族経営農家が労働負担軽減に資する省力化機械装置を導入する事業として、公益社団法人中央畜産会が実施主体となる酪農労働省力化推進施設等緊急整備対策事業がありますが、本事業では、労働負担軽減に資する省力機械装置の導入とあわせて一体的な施設の整備が支援対象となっており、本町でも活用事例がありますので、牛舎等の農業施設のリフォームに本事業の活用をご検討いただければと思っております。無理のない規模から新規就農ができる支援策ということでは、現在まで本町に入られた新規就農者の方たちは、基本的には就農するタイミングに合致した離農跡地から就農希望者の経営規模、経営スタイルに合った物件を選んでいただき、経営規模や経営ビジョン等について関係機関と協議をしながら経営計画を樹立していき、各種審査等を経て新規就農するという流れであります。基本的には、就農者の希望に沿った無理のない規模であると判断しているところであります。また、本町の新規就農者誘致特別措置条例施行規則では、就農時の要件として酪農経営においては乳牛の飼養頭数を育成換算で40頭以上としておりましたが、平成22年3月に頭数要件を撤廃し、さまざまな経営規模から就農できるよう改定しておりますので、現行の事業を活用して就農いただきたいと考えておりますので、ご理解願いたいと存じます。先ほど本町の新規就農者誘致特別措置条例施行規則で就農時の要件の話をさせていただきましたが、飼養頭数、「育成換算」と言いましたが、「生乳換算」でありますので、訂正させていただきます。
質問 1番 渡邊定之
1つ目の対策の部分でのお答えですけれども、ある意味では、実際現場で生産活動する農家の現場での評価は本当に根拠がないという声が、各地から、農業団体等から上がっています。そして、基本的に一番問題だとJAグループや農業会議所などが言っているのは、これまでの酪農、農業に対する政策が、結果的には産業政策と地域政策を両輪として進めていかなければならないと言いながら、結果的には産業政策が中心になって機械化優先、規模拡大優先、そういう生産増を追う農政になってしまっているのではないかと、そういう意味で、JAグループとか農業団体の方々は意見を言って今日に至っているのだというぐあいに思います。それと、次の農業の規模拡大路線で進んできた中で、中小の農家の皆さんに政策の支援が出されていないということで、先ほど町長の答弁がありましたけれども、昨今の新聞の情報等では規模拡大、「規模の大小を問わない」という大きな見出しが出ていますけれども、その中身がまだ明らかになっていないので、私はあえてこの点についてはちょっと掘り下げた質問を控えたいというぐあいに思うのですけれども、最後の農家に対する支援という部分で、やはり中小の農家の皆さんは、自分たちの経営を継続するのにいろんな制度資金から外れて、牛舎の改修とかそういうものに対する支援がないということで非常に苦慮されて、結果的に離農なり搾乳を中止するという、そういう結果になっているのだというぐあいに考えています。そういう意味で、標茶のやっぱりそういう産業を支えるという部分でも、本町の施策をJA等と協力してつくり上げていくことが町の発展にもかかわっていく方向につながるのではないかと思うのですけれども、そういう意味ではいかがお考えですか。
答弁 副町長 牛﨑康人
お答えいたします。ご指摘の部分でありますが、これまでも議員からは畜産クラスター事業等々について大規模農家偏重だと、そういうご指摘をこの場で受けております。それに対しましては、制度的に、結果的にそういうふうにいってしまっているけれども、制度のもともとの部分について言うと、地域協議会がつくられて、その中で決定していく、ただ、最終的に規模拡大等の数値が一つの目標となったという経過の中で現状があるのかなというふうに思っているところであります。今の議員の再質問、後段の部分、町と農協が協力をしながらというお話がありましたが、これについては標茶町として一環して申し上げているのは、地域で生産される酪農畜産物を確保するためには、例えて言うと、100件の農家でやるよりかは、いろんな事業であっても300件の農家でやったほうがいい、中小を守りながら多様な経営体があることが地域の産業を後ろ支えする大切な力になるという、そういう立場で話をさせてもらっております。これについては、今現在も変わっていないというふうに考えております。農業政策につきましては、都度、町、農協、相談しながら、農家さんの声を拾い上げながら、できることはどんなことなのか、そういうものを考えてきたところであります。中にはやはりいろいろな障害があって実現しないこともたくさんあるのですけれども、基本的な部分、中小から上まで総体的な経営体をどれだけ残していけるのかということを考えながら、今後においても酪農振興会等の団体の意見あるいは農協さんとの協議も踏まえながら考えていきたいというふうに考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
質問 1番 渡邊定之
地域の産業という点では本当に、そういう牛舎のリフォーム制度をつくり上げることによって、地域のいろんな建設業とかそういう中小の業者の皆さんにも、ある意味では活力ある政策になるのではないかという思いで質問をいたしました。次に、新規就農ができる無理のない規模からということで質問したのですけれども、結果的に、今現在、平成29年度までに僕の持っている資料では6戸ぐらい新規就農をされているというぐあいに思うのですけれども、今現在、将来就農を検討されている研修生の数をお知らせ願えれば。(何事か言う声あり)(「休憩動議」の声あり)
質問 1番 渡邊定之
僕は今、質問通告の中で、平成20年から30年までの間に83戸が離農したという質問をいたしましたけれども、その後でも10戸近い離農なり搾乳中止する農家が出ている、そういう中で新規就農の数字がどのように補っているのかという点でちょっと質問したかったのですけれども、そういう意味では、本当にこの10年間で100戸近い農家が離農、搾乳中止をしています。こういう現実をやはり、国の政策を待つのも、ある意味では期待するのもわかりますけれども、1戸でも離農者を出さない対策も町独自で検討していく必要があるのではないかということを質問して、この質問を終わりたいと思います。(何事か言う声あり)
答弁 副町長 牛﨑康人
お答えいたします。離農者を出さない対策をということであります。究極、町が考える政策というのは、そこに帰結するということも言えるのかなというふうに思いながら伺っておりました。どんなことができるのかというのはたくさんあるのかもしれないのですけれども、そこから選択してできることというのは非常に限られてくるのかなというのが、これまでの私自身の感覚でもあります。また、離農に至る経過というのは、あくまでも経済、経営の問題でありまして、そこに対してどれだけ町が関与できるのかというのは難しい問題があるのかなというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、先ほどの答弁でも申し上げたとおり、多様な経営体をできるだけ残していきたいというのが本町の考え方でありますので、繰り返しになりますが、関係機関等々で連携しながら対策を考えていきたいというふうに思っております。
質問 1番 渡邊定之
具体的な対策案が出てくることを期待したいというぐあいに思います。