みんなの議会

標茶町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日

教職員の「変形労働時間制」は、学校教育を一層困難にするものではないかについて

2019年12月10日、標茶町議会の一般質問で、深見迪議員が「教職員の「変形労働時間制」は、学校教育を一層困難にするものではないかについて」質問し、教育長 島田哲男が答弁しました。

質問者
深見迪 議員
答弁者
教育長 島田哲男

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 8番 深見迪

次の質問に移りたいと思います。最後の質問ですが、教職員の「変形労働時間制」の問題であります。中教審は、1月25日に第121回総会を開き、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」と題する答申をまとめ、文部科学大臣に提出しました。この中には、「1年単位の変形労働時間制」の導入が盛り込まれています。「1年単位の変形労働時間制」は、教職員の長時間過密労働を一層苛酷なものにすると考えますが、教育長の所見を伺います。教職員の「1年間の変形労働時間制」は、1年間を単位として、夏、冬休みなどの働く時間を少なくし、平日の働く時間を長くするという内容ですが、これでは平日の長時間過密労働を一層進めることになり、先生方は夜もろくに寝ないで働くような結果となりませんか。教育長は、このような「働き方改革」をどう考えているのか、十分な教材研究などの時間も含めて、学校はよくなると考えているのか伺います。この「1年単位の変形労働時間制」を導入するかどうかは、市町村で判断できるようになっていますが、教育現場を悪化させる内容と考え、導入するべきではないと思いますが、いかがですか。「1年間の変形労働時間制」について現場の教職員はどう考えているか伺います。また、長時間労働の現状について具体的に伺います。さらに、どう解消しようとしているか、取り組みを伺います。以上。

答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)

8番、深見議員の教職員の「変形労働時間制」は、学校教育を一層困難にするものではないかとのお尋ねにお答えいたします。1点目のお尋ねですが、議員ご案内のとおり、教職員の勤務は長時間化しており、近年の実態は極めて深刻なことから、持続可能な学校教育の中で教育効果を維持し、向上させるためには、教職員のこれまでの働き方を見直し、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることが急務な課題であります。今回の法改正につきましては、学校における働き方改革を推進するための総合的な方策の一環として、変形労働時間制の導入がされるものと理解しておりますが、現時点では国が法的に定める指針が示されておりませんので、今後、指針が示された段階で検討すべき制度と考えております。2点目のお尋ねですが、議員ご指摘のとおり、今回の法改正の内容は、1カ月を超え1年以内の期間において平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件として、業務の繁閑に応じて労働時間の配分を認めるもので、文部科学省は、法改正で定める指針においては、残業時間の上限などを示すことで労働時間短縮の実効性を高め、全体の仕事量をふやさないと説明しています。いずれにしても、制度を導入した場合、現場の教職員の負担増とならない制度運用が必要と考えているところです。3点目のお尋ねですが、議員ご指摘のとおり、変形労働時間制の導入は都道府県が条例を制定した上で、市町村の判断で導入することが可能となり、対象校や対象者は学校ごとに検討し、市町村教育委員会が規定するというものですが、基本的な考えは1点目、2点目でお答えしたとおりですので、ご理解を賜りたいと存じます。4点目のお尋ねですが、現時点で制度導入に関し、現場の教職員の考えなどは伺っておりません。また、本町の学校現場における勤務実態につきましては、直近で各学校の管理職に聞き取り調査したところ、これは業務の繁閑などにより固定されたものではありませんが、おおよそ定時退勤者が全体の25%、一、二時間の時間外勤務者が50%、2時間以上の時間外勤務者が25%の結果となっております。長時間労働の解消につきましては、現在、取り組みを進めております学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」に基づく標茶町働き方改革行動計画に沿って、定時退勤日や部活動休養日、学校閉庁日の設定を初め、金銭管理業務の軽減や調査業務の見直しなどの取り組みを進めているところですが、今後は必要に応じ部活動指導員の配置や勤怠管理システムの導入、さらには今法改正があった変形労働時間制の効果的な活用も検討しながら、教職員の長時間労働をできる限り解消できるよう努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。

質問 8番 深見迪

最後に、いろいろ聞いたのだけれども、変形労働時間制の効果的な活用も、この解消について考えていきたいということをおっしゃいました。私が聞いているのは、1年単位の変形労働時間制でしょう。これは指針が出てから検討すると言っていますけれども、概要については、今おっしゃったように大体どういうものであるかということはわかっているのです。こういう働き方というのは、学校現場にとって、とりわけ子供を指導するという教職員にとって、よくなるような方向を向いているのか、そうでないのかということの判断がまず1つですね。それから、その上に立って市町村が判断できるというのだから、当面、今出てきた概要の中で、これはとてもではないけれども採用できないねと言っている教育委員会はいっぱいありますから、そういう判断を教育長は今の時点でできないのかどうなのかということ。つまり、今、提案されている教職員の変形労働時間制についての評価、これについて教育長はどう思っているのか。今、学校の超過密労働の、これは教材時間、教材研究の時間がなくなるとかなんとかという形で子供に一番影響が行くことですから、そういうこの1年単位の変形労働時間制の評価、そして、その上に立って、これを採用するのかどうなのか、そのことを聞いているのですよ、私。指針が出てから検討するなんて言わないで、きょうからちょっとしてみてもらえませんか。

答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)

お答えをいたします。先ほど答弁したとおりですので、まだ指針が細かな部分で出るというふうには理解しております。ただ、国会の議論の中で、大まかな部分でそれぞれ文科省の大臣が答弁している内容での情報での私の部分ですので、現時点でのその制度の内容がはっきりした段階でどのように活用するかというのを検討したいということでお答えしたところであります。ただ、基本的に変形労働制の評価についてですけれども、現在も1カ月以内の変形労働時間制を導入しているところであります。ただ、今回は1年単位ということでありますので、その部分の、ロングランになりますので、その活用で長期労働時間の取り扱いになる可能性はあるという、そういうご心配の意見は多々あるというふうには理解しております。それで、今回の制度の中でどのようにその制度が活用できるかというのは、大前提でいろいろあると思います。ただ、今、私どもが進めています働き方改革は、業務量を減らすという部分と、実際には根本的には人員の増員ということが大きなこれは柱になろうというふうには理解しています。ただ、現状の中で、この部分がなかなか業務量を減らすというのは、学校現場と含めて学校でやるべきもの、あるいは教育委員会でできるもの、あるいはほかの部分で委ねるところという、いろんな部分でこれから検討する題材として、今、実際に標茶町が行っているアクション・プランに基づいた行動計画の中で進めようというふうに考えているところであります。その前提のもとで、この変形労働時間制の部分でどのように導入したらいいかというのは、おのずとして今時点での時間外勤務時間数が減らない限りは、なかなか導入しづらい状況にはなっているというふうに私は理解しています。夏休み、冬休みの時間に時間外が発生しているとなれば、そこに実際には変形労働時間制というのは時間を減らすのではなくて時間を移すだけの話ですので、そこに入る時間がないとなかなか制度的には教職員の負担が減るわけではないので、そういった部分を含めて、教職員の労働時間がなるべく負担が減るという形がどういうことがあるのかということを検討するというのが僕は大事だというふうに思って、それは前提には学校現場の実際の先生方の負担がならない形が一番ですので、そこを協議しながら検討したいということを考えております。

質問 8番 深見迪

基本的には過密労働の解消にはならないというような点とか、今の問題を解決するには、根本的には人員をふやすということが必要なのだというようなことですね。そういうようなことについて、今の議論で大分距離は狭まったなというふうに思います。学校現場はすごくさまざまな矛盾があって、もう県ぐるみで閉庁するとやっているところもありますよね、ざっくりと。だけれども、それにも問題があると。今まさに教育長が言ったように、その分は閉庁するけれども、日常の労働過密は全然なくならないところに問題があると。大体これは、大分昔の話なのですけれども、1971年だから何年前になりますか。このごろ算数がだめになってきて。(「48年」の声あり)

質問 8番 深見迪

48年だそうです。給特法が出たときに、教員の残業時間というのは全く手当なしの残業が何ぼでもできるというふうになったのですね、この給特法。当然残業代は発生しないということと、それから学校管理職、学校長が超過勤務を命じない仕組みになっているのですね。学校長は、本当に特別な場合を省いては絶対どんなことがあっても超過勤務を命じないです。だけれども、正直言って一番早く学校から退勤するのは校長ですよね。だから、そういう極めて、できたときから矛盾しているのですよ。だから、できてから数十年、どんどん学校への要求は大きくなってきて、やらなければならないことがどんどんふえてきているのだと思うのです。実務をやっている方はよくわかると思うのですが、このやらなければならない残業、しかも無料の残業を給特法は何て説明しているかといったら、教員が好きでやっていることというふうに規定しているのですよ。そして、これを現在まで進めていると。勤務ではなく、教員が好きでやっていること。だから、過労で倒れても、不幸にも亡くなったとしても、これは大げさに言っているのではなくて、これで亡くなった教員の方は結構いますよね。不幸にして亡くなったとしても、それは自己責任だというような位置づけになっているのです。ですから、そういう意味では、指針が出てから検討するとおっしゃいましたけれども、さっき教育長がお答えになったように、過密労働の解消という観点、それから人員を増員しなければこれはなくならないという観点、勤務時間数が減らない限りは、これは勤務時間数を移しただけでどうにもならないのだという観点、人間はよく寝だめはできないのだと言われるのと同じように、夏、冬休みにごそっと休んでも、日常の勤務時間がそうであれば、これはもう何にもならないと、解決にならないということを含めて、ぜひ具体的な指針が出てからでも、そういう姿勢を崩さないでやっていってほしいなというふうに思います。そのときに市町村が本当に現場をよく見た的確な判断ができるように、的確な判断で、判断をしていただけるように、ぜひやっていただきたいなと思うのですけれども、いかがですか。

答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)

お答えいたします。給特法の部分では、議員おっしゃるとおりでありまして、実際にはそれぞれ歴史的経過の部分で昭和46年にこの給特法ができておりますけれども、当時いろんな長時間労働が訴訟問題になってからそういった部分で起こったというふうには理解していますけれども、労働基準法の特例法という部分でありますけれども、そういった意味で、先生方というのは、ある意味、子供たちのためにということで、それを時間に換算できない努力によってこれまでやってきた経過が、どんどんいろんな部分、歴史的な部分で、これまでの時間的経過の中で、学校で今までやっていた以外の部分が多くなってきているというのが実態かというふうに思います。そういった意味で、今、先ほど申し上げたとおり、この変形労働時間制の部分については、先ほど言いました前提が、今、働き方改革で教職員の方々の労働時間をどう減らして子供たちに向き合う時間を多くとるかということをテーマにしております。そういった部分では、先生方の意見が、現場の意見が大切であって、その意見を尊重しながら私どもは進めたいというふうに思いますので、決してこの変形労働時間制を導入したからいいということではなくて、その中身を現場の中の部分がいかに負担の軽減になるかということを前提に、いろいろ働き方改革について検討していきたいというふうには思っていますので、この部分は私どもではなくて子供たちのためにということの前提がありますので、その部分は柱として進めたいというふうに思っております。

質問 8番 深見迪

最後ですけれども、現場の先生方にもいろいろな声がありまして、ベテランといいますか、ある程度経験のある先生方から見れば、若い人たちがなかなか帰らないのだと。あしたの子供たちの授業のこととか、いろんなこと考えて、あれもやりたいこれもやりたい、なかなか帰らないのだというような声も聞きますし、それから、やっぱり現状では本当に大変な、例えば子供を持たれている先生方とか、家庭を持たれている先生方は結構大変なのだというような話も聞きますので、質問したときに具体的に先生方の生の声を聞いていないというような話をされていましたけれども、ぜひ調査をしていただきたいと。全員調査になるのか、学テは悉皆調査でやっているわけですから全員の声を聞くのか、本音をぜひ聞いてどうなのだということを、実際に現場での厳しい状況も、これはもう想像だけして判断するわけにはいきませんから、ぜひ調査をしていただきたいなと、そして先生方の本音も聞き出していただきたいなと思うのですが、最後にこの点について答えを聞いて終わりたいと思います。

答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)

お答えをいたします。学校現場の実態を含めて、いろんな部分でこれまでも私ども校長会を通して、それぞれ学校の実情は違います。その中で、どういった形がいいのかという部分も含めて、校長会を通して全体的に協議をしている。昨年度も学校休業日の設定についても議論いたしましたし、そういった部分では、それぞれの校長先生方が各学校の実態、そして先生方の状況、意見等を含めて、これまで校長先生の意見が学校の意見というふうに理解していますので、そういった部分ではこれからも校長会を通していろんなお話を進めていきたいというふうに考えていますので、ご理解いただきたいと思います。

質問 8番 深見迪

校長先生方を信頼していないわけではないですけれども、立場が違うでしょう。さっき私が給特法のところで、校長は口が裂けても超勤を命じることはできないわけですから、だから、ほどほどにして帰ってよという程度のことを言って自分は先に帰るわけですから、そういう立場にあるのですよ、先生方と校長は。だから、校長会を通すのではなくて、現場で働く生の教職員の声をぜひ聞いて調査をしてほしいというふうに、その実態をきちんと調査することなしには、よく見えてこないと部分があると思うのですね。校長先生は、私たちのときもそうでした。早く帰ってくれと言うのですよ。だけれども、あしたのことを考えたらなかなか帰れないという実態もあるわけですよ。ですから、責任なしの好きでやっている残業なのだという形で終わらせるわけですから、そういう意味では、ぜひ現場の先生方の声を生で聞くということが、やっぱり今この変形労働時間制が出てきた段階では必要になってくるのではないですか。多くの教育委員会では結構そういうことをやっているのです、現場の先生の声を聞くと。どうですか。

答弁 教育長 島田哲男(教育長は2022年9月まで)

お答えをいたします。管理職と一般の教職員の方々とのいろんな捉え方が違うという深見議員のお話だというふうに理解しますけれども、それぞれの個人のライフサイクルというか、スタイルというか、そういった部分はいろいろあると思いますけれども、先生方によってもいろいろ違うと思います。ある程度の学校の組織体として、どういう形が一番その学校にとってよろしい働き方の環境になっていくのかという部分はあろうかと思います。全体的に変形労働時間制の部分を標茶町全部に一斉にやるという話では私ども理解していないのです。多分いろんな部分で、学校単位とかいろいろありますから、ですから、その指針が出た段階でそういう制度の中身を確認しながら、標茶町全体として全ての学校がこのようにするというふうになるとまた変わってきますので、そういった部分も含めて検討しなければならないですし、個々人になるのか、学校単位で変形労働制時間を導入するのか、いろんな形があると思います。そういった部分で、先生方の実態といいますか、そういった部分は今までの、先ほどお答えしました校長先生というか、調査した、雑駁でありますけれども、きめ細かな部分でないですけれども、25%が定時退勤されて50%が2時間以内という、一応そういった調査といいますか、ヒアリングの中でそういった結果が出ましたので、ただ、これは総体的な話ですけれども、各学校によってはこれもまたばらつきがあります。ほとんど定時退勤に帰っているという学校もあります。2時間はほとんどみんないるというところもあります。そういったいろんな部分がありますので、実際には学校単位の部分でどういう形がその学校にとって一番いいのかという部分はそれぞれ協議しながら、学校長はそれは組織マネジメントの状態だと思いますので、その部分を含めてそれぞれの責任においてヒアリングをしながら、どういった形で働き方改革を進めていくかということは、あってしかるべきだと思いますので、私どもが全体的なもうちょっと先のほうに指針があった場合についてはあるのかなというふうには考えています。

質問 8番 深見迪

実態を調査することになかなか、一人一人の意見を聞くということが私は大事だというふうに思うのですけれども、校長会の意見ということで、校長先生がかなり教育委員会の指示に基づいてそういう調査もされているということは、私、否定しないわけですけれども、でも先生方の生の声を教育委員会が聞くという、労働問題について聞くということは非常に有意義だと思うのです。だから、そのことをぜひ追求してほしいなと、大事にしてほしいなということを要望として言って、私の質問を終わらせていただきます。

出典:標茶町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日 議事録 PDF(38ページ) 間違いを知らせる