みんなの議会

標茶町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日

町有林の適正な管理と放置資源の有効活用について

2019年12月10日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「町有林の適正な管理と放置資源の有効活用について」質問し、町長 佐藤䭾彦、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤䭾彦、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 類瀨光信

事前の通告に従いまして、質問をさせていただきます。私からは、町有林の適正な管理と放置資源の有効活用についてということで、これまで町有林から発生する間伐材については、林外への搬出経費とそれ自体の価値が見合わないとして、林内に放置されてきました。また、伐期を過ぎた町有林では、台風などによって年々風倒木がふえています。しかし、町有林は大切な町の財産であり、適切な管理によってその価値を保全し、有効活用を図るべきと考え、次の3点について伺います。1つ目は、風倒木、間伐材の林内放置を改め、適正な維持管理によって町有林の保全と付加価値の向上を図るべきではないか。それからもう一点、風倒木、間伐材を家畜敷料として供給し、酪農におけるコストの削減に取り組む考えはないか。3つ目、風倒木処理後の補植樹種として、ネズミの食害に強いクリーンラーチを採用し、将来的に標茶町のブランド木材としてはどうか。以上、3点でございます。

答弁 町長 佐藤䭾彦

議員お尋ねの町有林の適正な管理と放置資源の有効活用についての1点目の風倒木、間伐材の林内放置を改め、適正な維持管理によって町有林の保全と付加価値の向上を図るべきではないかについてですが、現状の町有林内の風倒木の多くは、点在している状況であります。また、町有林の間伐については、素材を生産する際には、枝条や追い上げ材など、いわゆる丸太にならない部分が林地残材となっております。また、除伐によっては直径の細い木を伐採することから、林内に残置しているのが現状であります。このように、林地残材や風倒木など森林資源を林内に放置するのは、集材として販売することで得られる収益よりもコストのかかるほうが大きく、加えて林分のその後の成長ぐあいにそう大きな悪影響はないとされているからと言われております。風倒木被害は、適正な維持管理によって軽減できるものですので、風倒木の被害軽減と林業経営の収益性を考慮しながら、本町に合った町有林の保全を今後も引き続き調査研究していきたいと考えております。2点目の風倒木、間伐材を家畜敷料として供給し、酪農におけるコスト軽減に取り組む考えはないかのお尋ねについては、1つ目の答弁と重複いたしますが、集荷コストを考慮すると、森林資源の有効活用に至っていないという現状であるため、コストを低く抑え、かつ安定的に供給させる課題を解決する必要がありますので、作業効率の高い施業の方法や搬出コストを抑えるための集荷方法等を関係機関と検討していきたいと考えております。この問題につきましては、町外からも相当数量のおが粉が入ってきていると聞いておりますので、本町の豊富な森林資源を活用し、林業と農業のウイン・ウインの関係が築けるか、関係者と協議をしていきたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。次に、3点目の風倒木処理後の補植樹種として、ネズミの食害に強いクリーンラーチを採用し、将来的に標茶町のブランド材としてはどうかとのお尋ねですが、クリーンラーチについてはグイマツ雑種F1の特定品種で、成長が早く、野ネズミや気象害などの諸被害に対する抵抗性が高いこと、また、素材としての強度も高く、さらに二酸化炭素の吸収率がアカエゾマツやトドマツの2倍ということから、このクリーンラーチを植樹することにより、地球温暖化防止の期待が高まっております。クリーンラーチの苗木生産につきましては、2006年から始まっており、現在は全道で16の種苗業者により生産されており、町内の1業者も生産をしております。しかし、品種開発されてから日が浅いため、クリーンラーチの種がまだ十分に採取できないことから、まず種から苗にし、その苗から挿し穂を切り取って挿し木にして苗木を7から10倍にふやして生産しているため、まだ安定した供給量を確保するには時間を要する状況でございます。現在は、苗木の需給に対し供給量が追いついていないため、カラマツやトドマツを初めとする山林種苗は直接事業者から購入できる仕組みでありますが、クリーンラーチは北海道山林種苗協同組合に購入希望量を申し込み、申込量に対し配分されるという仕組みでございます。本町森林組合においても毎年申し込みをしておりますが、数が限られているため、私有林を優先し、さらに野ネズミ被害、食害の可能性の高い山に割り当てている状況であることをご理解いただきたいと思います。そこで、ブランド化とのご提案ですが、町内種苗業者の努力が実り安定供給が可能になり、その上で町内産苗木が直接購入できる条件が整ったときにはクリーンラーチ材の産地として位置づけられる可能性が高まるものと考えており、今後、研究をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

質問 2番 類瀨光信

まず、風倒木、間伐材の林内放置の件について。間伐材については材になるものは利用していると。そうならないものについて林内に置いているのだと。風倒木については、点在しているから悪影響がないのだというお答えだったと思うのですが、平成27年から28年にかけてオホーツク管内と十勝管内で約2,000ヘクタールがカラマツヤツバキクイムシの被害を受けて枯死しています。これ、標茶町の場合に置きかえますと、標茶町で同様の被害が発生した場合、直営林の約6割が被害を受けることになります。このカラマツヤツバキクイムシの繁殖床というのは、新鮮な樹木です。倒れた樹木なのです。そうすると、風倒木というのは、まさに格好の餌になる、繁殖床になるということで、恐らくこのオホーツク、十勝での大発生、それから大きな被害の原因も、たび重なる台風とかによる風倒木、それらが繁殖床となって大発生したのではないかという、そういった見立てもございます。それから、間伐材について材になるものは持ち出しているということに答弁いただいたのですけれども、直径で8センチに満たないものに関しては、例えばそういう害虫の繁殖には適さないので特に問題はないです。それから枝についても、そういう意味では問題がないとされていますが、8センチを超えるようなものに関しては、やはりそういう繁殖の温床になると、繁殖床になるというふうに言われています。確かに、搬出する費用、家畜用敷料として使うとしても、そういったものの搬出の費用というものは、費用と価値というのは見合わないかもしれませんが、そうやって例えば放置することによってオホーツクや十勝のように大きな面積に被害が出た場合、全てが材としての価値を失うわけではありませんけれども、数十ヘクタール、数百ヘクタールという材を一度に切り出すことが不可能なことを考えれば、多くが腐植して材としての価値をなくしてしまうと。さらには、別の害虫などの繁殖のもとにもなってしまうという、そういう大きなリスクがあるわけですけれども、そのことについてどのように考えているのかと。要するに、全てを失うのと、仮に業者さんにお金を払ってでも町有財産を適正に管理するような、そしてその分、酪農の現場のコストの削減として家畜用の敷料を提供するようなこととかというのは、全て失うことを考えれば、決して無駄ではないように思うのですが、いかがでしょうか。それから、風倒木処理後の補植樹種として、クリーンラーチということを私お聞きしたのですが、まだまだ安定確保には至らないと。種をこれからとって苗木をどんどんふやしていく状態だということでありますけれども、そのことについて町として支援をする考えはないかということを改めて質問させていただきます。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。町長の答弁にもあったように、まず基本的には、これから研究、検討する部分が多いのかなというふうに思っております。議員ご指摘のとおり、ほかの管内で害虫による大被害が発生したと。そのリスクに対するためという観点であれば、相対的な経済性の中に、そういったリスクも考慮して、経済効果を考えていくことも可能であるのかなというふうにも思っておりますが、いずれにしても、これまでの検討の中では、やはり収益よりもはるかに大きな費用がかかってしまう。また、この答弁を検討している段階でも、なかなか山林における労働力についても、細ってきている状況であるということを考えると、今まで以上に安い価格で材を集めて、そして持ってくる、なおかつ、その材については高値で取引されるものではなくというところがあったものですから、非常に検討する課題が多いのかなというふうに思っておりました。ですけれども、話戻りますけれども、総体的な部分では、まだ研究が残されているところもあると思いますので、関係機関とともに考えていきたいなというふうに思っております。それから、クリーンラーチに対する支援でありますが、ご案内のとおり、先ほど町内の業者について大変名誉な賞を受賞したところであります。この間の努力に本当に頭が下がる思いでありますが、その際の懇談でも、一生懸命頑張ってきた、そして、これからも頑張っていく、クリーンラーチに特化というよりかは、種苗を育てるというのは非常に自然相手で時間のかかる根気の要る仕事なので、そういったところに集まる人材を確保することを考えていきたいのだというお話をされておりました。ですので、そういう部分でお手伝いができるものがあれば、やらなければいけないのかなというふうに感じていたところであります。クリーンラーチに特化というよりかは、種苗業者さんの声も聞きながら取り組むべきところがあれば、それで行政として力が及ぶ範囲であれば考えていきたいなというふうに思っていたところでありますので、ご理解をいただきたいと思います。

質問 2番 類瀨光信

クリーンラーチを増産していくことに関する考え方というのは、よくわかります。現状で、クリーンラーチについては、見本林となるような30年生に近い林というのが民有林ですけれども、実際にありますので、そういったところから標本を切り出して、材質の確認とか、そういったことについても取り組んでいくべきだと考えています。それから、風倒木、間伐材のことに関して、結局、費用と収益が見合わないということを繰り返しおっしゃられていて、その点私ちょっとかみ合わないのですが、要はほかの財産と同じように、お金を払ってでも管理していって、ゼロになることを防ぐべきではないかというのが私の考えです。災害同様、想定を高く持つならば、これ、カラマツヤツバキクイムシに食われた林を目の当たりにしたならば、決してそういう費用と見合うとか見合わないとか、そういうような悠長なことではないというふうに思います。事実、15年くらい前だと思いますけれども、標茶町でも一部、キクイムシ、カラマツヤツバキクイムシが発生し、当時は専門性の高い職員がおりまして、早期にそれを発見して、3ヘクタールを皆伐して林外に持ち出したと。そういう事実が実際にあるわけです。これが今の標茶町の林業政策というか、林業行政の体制を考えたときに、そういった被害をいち早く察知できる、そういう体制かと言われれば、必ずしもそうではないというふうに思いますし、そういったことを総合的に考えますと、やはり現状で風倒木や、それから直径の少し大きい間伐材について、お金を払ってでも処理していくべきだと私は思うのですが、いかがでしょう。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。議員ご指摘の部分、専門性の高い職員の育成確保というのは非常に大きな課題であるというふうに私も同じ思いでおります。その中で、現状どういう対策をとるかというと、やはり知見のある関係機関等に助言を仰ぐしかないのかなというふうに思っておりますが、カラマツヤツバキクイムシの害に対するリスク評価については、同様に関係機関あるいは十勝、オホーツク管内の取り組み等からも学びながら、最適な方法を考えていきたいというふうに思っております。

質問 2番 類瀨光信

農業のほうも、これからどんどん厳しい状況になっていく、正念場を迎えるという状況になりますので、そういったところでのコスト削減にもつながりますし、それから町内の経済を考えたときに、酪農一辺倒ではなくて、そういった種苗業であったり、林業であったり、そういった関連の業が盛り上がることで、町内の経済の活性化にもつながるものであると思いますし、何よりも大切な町民の財産として町有林をきちんと管理していくのだという、その点をこれからも考えていただいて、必要な対策をぜひとっていただきたい。もし、どこかでカラマツヤツバキクイムシによって町有林が食われたときには、今回の私の話をぜひ思い出していただくということで、私の質問は終わります。

出典:標茶町議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日 議事録 PDF(52ページ) 間違いを知らせる