みんなの議会

標茶町議会 令和元年第3回定例会 2019年9月10日

ヒグマに襲撃された共同牧野等の放牧再開に向け、放牧地と運営組織を維持するため、経済的支援を行うべき

2019年9月10日、標茶町議会の一般質問で、類瀨光信議員が「ヒグマに襲撃された共同牧野等の放牧再開に向け、放牧地と運営組織を維持するため、経済的支援を行うべき」について質問し、町長 佐藤ർ彦、副町長 牛﨑康人が答弁しました。

質問者
類瀨光信 議員
答弁者
町長 佐藤ർ彦、副町長 牛﨑康人

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 2番 類瀨光信

ヒグマに襲撃された共同牧野等の放牧再開に向け、放牧地と運営組織を維持するため、経済的支援を行うべきではないかと。内容ですが、釧根酪農ビジョンにのっとり「草地型」を目指す本町の酪農にとって、ヒグマの襲撃による放牧中止は大きな痛手となりました。当該ヒグマが捕獲されるか否かによらず、来春以降も放牧による健全かつ経済的な乳牛育成が継続されなければなりません。円滑に放牧が再開されるよう、運営組織と放牧地の維持、食害防止に努めるべきと考え、次の3点について質問します。1、本件を災害と位置づけ、放牧地の植生荒廃防止対策を町が支援する考えはありませんか。2、有害獣の放牧地や採草地、各農場への侵入防止対策を具体的に考えていますか。3、病畜等の捕食体験が襲撃のきっかけとしていますが、その予防対策はありますか。以上、3点です。

答弁 町長 佐藤ർ彦

ヒグマに襲撃された共同牧野等の放牧再開に向け、放牧地と運営組織を維持するため、経済的支援を行うべきとのお尋ねにお答えいたします。まず、本件を災害と位置づけ、放牧地の植生荒廃防止対策を町が支援する考えはないかとのお尋ねですが、議員ご指摘のとおり、予期せぬ退牧により除草刈りの必要性が高まる可能性は考えられますが、農協との対策打ち合わせの中でも、牧野の多くが傾斜がきつく作業が難しいと聞いており、また、課題としては挙がっておりません。基本的には、中山間交付金の対象にもなっており、個々の牧野管理の責任において取り組まれるべきものと考えておりますが、需要について注視し、JAと協議しながら対応したいと考えております。次に、有害獣の放牧地や採草地、各農場への侵入防止策を具体的に考えているかのご質問については、ヒグマの侵入防止対策として、電気柵や金網柵の設置によるものが有効とされております。しかし、電気柵の場合は1メートル当たりの資材費が2,300円程度の初期費用が必要なことと、漏電対策のメンテナンスを徹底することが重要であると言われておりますし、金網柵はさらに高額な費用が必要です。ハード的な対策は補助事業の活用が可能なので、個別に相談対応をすることと考えております。また、ヒグマは森林とか茂みが続いているところを好んで行動しますので、放牧地と森林の間のスペースを見通しのよいように環境整備をすることで、かなり出没を抑制することにつながると言われておりますので、侵入防止策として非常に有効とされているのが下草刈りや、やぶの刈り払いなどを行って、オープンスペースを設けることであり、農業者へ周知を図っている予定であります。次に、病畜等の捕食体験が襲撃のきっかけとなっているが、その予防対策はあるかとのお尋ねですが、ヒグマの生態などの研究を行っている道立総合研究機構環境科学研究センターでは、ヒグマは一度味を占めると執着する性質があるということですので、病畜かどうかは定かではありませんが、どんな形にせよ牛の捕食を体験させないことが、新たな問題個体を出させないことにつながると考えます。今回、NOSAIの協力をいただきながら調査したところ、各牧野において行方不明牛やヒグマの被害があったと断定される事故が複数あったことが判明しています。そうした事実から考えても、放牧牛の個体の徹底管理が非常に重要になっており、今回被害が複数発生したことから、被害の拡大を防ぐために、放牧牛の飼養管理、頭数の管理をできるだけ細やかにやっていただくよう呼びかけております。また、放牧牛の健康管理を徹底することも予防対策として非常に有効なことと考えられます。いずれにいたしましても、食害防止の対策といたしましては、特定の問題個体を捕獲しない限り解決しないのではと考えておりますので、まずは特定の問題個体の捕獲に現時点でできることを実施していきますので、ご理解を賜りたいと存じます。

質問 2番 類瀨光信

ありがとうございました。まず、町として草地型酪農をというふうなことをおっしゃっている観点から、今回、もちろん牛そのものの被害、亡くなってしまったものや、けがをしたものによる損害、そういったことは当然大きいわけですけれども、私は今後数年間で考えると、むしろ放牧地が利用できない、あるいは利用効率が落ちる、そういったことというのが草地型酪農、どういうふうに定義しているかということはありますけれども、草地型酪農をうたっている標茶町にとって、影響が大きいのではないかなと思うわけです。先ほど同僚議員の質問の中に、不足する草を農協が呼びかけて、例えば確保する動き、そういったものも見られるということがありましたけれども、細かいことはいろいろありますけれども、放牧によって牛を育成するというのは決して楽なことではありませんが、経済的なことで言うと、牧草を購入して育てるのとは雲泥の差があるわけです、経済的に。それが1年ではなくて数年も例えば続くかもしれない、あるいは問題個体が捕獲されない場合ずっと続くかもしれないという、そういう観点に立たなければいけないのではないかなと思うわけです。確かに、私の質問の1番目の植生荒廃防止対策を町で支援することができないかと。例えば掃除刈りとか、そういうことですけれども、傾斜地だからできないということはないのですね。中山間の補助金をもらっているから牧野利用組合等でやることもできるのではないかという、そういうお答えであったと思うのですけれども、今回、放牧期間の途中において一斉退牧をして、預託料収入というのは断たれるわけです。しかし、組織を維持するために各共同牧野の利用組合では、残りの期間の人件費を例えば自腹を切って出しているという、そういう実態があります。そういう状況において、そういった放牧地の手入れなどにさらに投資ができる状況かどうかというのは、もう一度各共同牧野を運営している組織等にお話を聞いていただくなり、そんな中でもしかしたら町のほうにお願いしたいこととかというのが出るかもしれませんので、一足飛びに支援ということでなくても、そういった細やかなお話をしていただきたいなというふうにまず思います。2番目の有害獣の放牧地や採草地、各農場への侵入防止対策ということで、一番現実的なのは電気柵であります。これ電気柵、余り現実的でないのではないかというようなお話だったかと思うのですが、逆でして、道内の公共牧場、大きいところは既に有刺鉄線を廃止しているところが結構あります。テレビコマーシャルに出るような大きな牧場でも、電気柵に変えています。下草刈り等を行ってやっているという、そういう現実をまず直視していただきたい。そのことに関しては国の補助等も手厚くありますので、ぜひそういったこと等も利用も含めて、あるいは町で単独で支援できるかも含めて、再度考えていただけないものでしょうか。それと、3番目の再発防止に向けた放牧牛の管理のことですけれども、これ具体的には小型ピロプラズマによるタイレリア症によって重度の貧血を起こした牛が、熊に食べられている例、それから犬に食べられている例、これは何を隠そう、標茶町営牧場でも発生しています。お話にもあったとおり、今回事故のあった、襲撃された各牧野では何頭もそういった、原因は不明ですけれども、被害が出ている。事後の調査では、ピロの感染率が高いということで、そのことによって小型ピロ対策を行った農場では、それまで毎年、牛の数が足りなくなっていて、白骨化して発見されていたということが、ここ5年、6年、解消されているという例もあります。問題の個体は既に元気のいい牛を襲うということを繰り返しているので、その個体に関しては効果のないことですけれども、今後新たなそういった問題行動を起こす、例えばヒグマを発生させないためには、共同牧野、それから公共牧場の入牧時の衛生基準、入牧基準というものをきちんと見直して、その後の衛生管理として小型ピロプラズマ対策であるとか、免疫を弱らせるBLVの対策であるとか、そういったことを積極的に行っていくべきではないかなと思うのですが、いかがでしょう。

答弁 副町長 牛﨑康人

お答えいたします。ちょっと何点かにわたっておりましたので、もし漏れがありましたら、後ほどご指摘をいただきたいと思います。まず、草地型酪農に関連する部分でありますけれども、議員ご指摘のとおりであります。実際問題、標茶の酪農が生きていく大きな手段というのが、草地型酪農という位置づけでありまして、そういった意味で、町有の牧野を有効活用していただいている、そういう状況であります。また、電気牧柵、電牧が非常に有効であるという、そういうご指摘もいただきました。参考にしながら取り組んでまいりたいというふうに思いますけれども、やはりここで大事なのは、これまでの牧野の利用方法とスタイルが変わってくるものなのだろうというふうに感じるところであります。それぞれの酪農家さんあるいは牧野管理組合の役員さん等々が電牧を導入して、どういうふうにやっていくのか。恐らく今ある牧野を一遍に全部外周を囲ってしまうというのは無理なのだろうと。小さく囲いながら、一定程度の電牧柵延長で効率的に使っていくということを考えると、今よりかは人手がかかるような、そんな運営になっていくのではないかなというふうに想像しているのですけれども、そういった今回の災害を機に、手をかけていくということにもし発想の転換ができるのであれば、それについて情報提供あるいは補助金の活用等について支援をしてまいりたいというふうに考えているところであります。いずれにしましても、今回、熊の被害が全て農業被害、家畜の被害ということでありまして、当初から農協さんと連携をして取り組んできているところであります。その中では、これまで農協さんを経由しての情報としては、牧野の掃除刈りですとか、あるいは電牧柵について、要望については承っておりませんけれども、議員ご指摘のとおり、きめ細やかな対応をしながら、不安の払拭につながるものがあれば、できる限りの対応をしていきたいというふうに考えております。それから、小型ピロの関係でありますけれども、平成23年度からたしか育成牧場も関与していたのではないかと思うのですけれども、町内ではNOSAI組合等々で関係機関で対策を実施しているというふうに伺っております。その中で、この間、一定程度のシステム化がされまして、町内では実効を上げているという話を私、伺っております。また、議員から入牧時の衛生管理等々のお話もありましたけれども、これも農林課的にはいろいろな会議で話題になってきたところでありまして、熊の新たな被害を出さないだけではなく、標茶町から出てくる育成牛の品質向上につながるというふうに考えておりますので、こちらについてもこれから意を払ってまいりたいというふうに考えております。

質問 2番 類瀨光信

いずれにしても、これまで経験したことのない、そういった状況でございますので、かかわっている方々のいろんなご意見、それから要望等をよく酌んでいただいて、これからも草地型酪農の里として、放牧などが順調に行われるように対応をお願いしたいということで、この質問を終わります。

出典:標茶町議会 令和元年第3回定例会 2019年9月10日 議事録 PDF(49ページ) 間違いを知らせる