みんなの議会

小樽市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月3日

主要事業について

2025年3月3日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「主要事業について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。

質問者
横尾英司 議員
答弁者
市長 迫俊哉

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 10番 横尾英司

次に、主要事業について伺います。まず、子育て支援事業についてお聞きいたします。令和7年度予算編成方針において最重要課題である人口減少問題をはじめ、自治体DX、ゼロカーボン推進に関連する新規事業の要求については、令和6年度に引き続き基準額の対象外とするとされ、今回は子育て支援策などといった必要な施策を盛り込んだ積極的な予算案となったと記者会見でも市長から話がありました。令和7年度予算の主な事業案では、子育て支援策として、親子、子供の居場所を充実させる施策として、市内に開設している放課後児童クラブのうち、忍路中央小学校及び塩谷小学校を除く小学校開設分について、令和7年度から開設時間を拡大するほか、サービスの充実、質の向上を図るため、運営業務を民間事業者へ委託する経費として、放課後児童クラブ運営業務委託料が計上されていました。今までの質問において市における民間委託についてお聞きしたところ、業務の特殊性や専門性の観点から、これまで公共施設への指定管理者制度の導入や専門的知識を必要とする業務などの委託化を進めてきており、委託化の判断基準については、市民サービスの向上や業務の効率化のほか、経費の縮減などの観点を総合的に勘案し、その是非を判断しており、放課後児童クラブの委託については、今後、業務内容の整理や委託の費用対効果などの検証を十分に行い、さらなる効率的な運営方法について検討してまいりたいとの答弁でした。一過性のものではなく、事業として長く継続するものと考えていますが、新規となるこの事業の実施に当たって示された費用対効果や後年度の負担や財源を踏まえて、実施の判断に至った理由についてお示しください。次に、観光関連事業についてお聞きします。観光に関連する事業である観光入込調査デジタル技術活用事業費、オーバーツーリズム対策事業費、宿泊税活用検討事業費が主要事業に挙げられていました。観光入込調査デジタル技術活用事業の目的は、GPS人流データを用いて小樽市への来訪者数等を取得し、観光戦略の企画立案や各課題における効果的な施策検討をするため実施するものでありますが、具体的にどんな課題を解決するため、この事業で何をすることが必要であり、それを把握することによりどんな判断ができるのか、これが費用対効果を判断する上でも重要な要素となります。GPS人流データは、一般的に日本国内居住者が測定対象となるため、訪日外国人は測定されず、スマートフォンのアプリ利用者が測定対象であることから、アプリ利用率の低い20歳代未満や70歳代以上の年齢層は測定されないなどの特徴があるものも多いと聞いていますが、具体的に取得するデータの種類、取得範囲、場所、期間、頻度などの要件とその理由についてお示しください。また、どのような企画立案や課題への対応を想定し、これらのデータを活用しようとしているのかをお示しください。岡山県岡山市では、人流データを集計・可視化し、市の施策の基礎資料として活用するだけでなく、事業者や商店街、大学等様々な主体の活動に活用できるよう集計データをオープンデータ化し公開しています。取得した人流データをオープンデータ化することで、取得者以外でも人流データを活用することができるようになり、オープンデータを用いた新たな活用アイデアが生まれ、さらなる発展につながる可能性が膨らむことになります。委託事業等で取得した人流データについて、そのままではオープン化できなくとも集計するなどして加工編集したり、提供データ及び加工データの本事業以外における利用や一般公開が可能であるか確認し、利用範囲を明確にしたりすることにより、オープンデータ化し公開できるかと考えます。ぜひ、今回取得することとなるデータを積極的に公開することを視野に入れ実施していただきたいと考えますが、見解についてお示しください。人流データは、人の移動や集積に係る結果を示したものであり、利用目的によって分析手法も異なりますし、その要因は必ずしも把握できるものではないことから、経年的にデータ取得・蓄積が必要となるケースも想定されます。また、特定の場所に来訪する外国人観光客はどのくらいいるのかを把握して、効果的な支援やマーケティング施策を展開する、また、クルーズ船の誘致に関して、クルーズ船観光客は地域にどの程度の経済効果を与えているのか把握して、今後の地域内消費を促す仕組みを考える、訪日外国人向けの観光施策を客観的なデータに基づいて実施する、オーバーツーリズムの回避策の検討に当たり、課題の解決に向けて庁内の複数の課で情報を共有し、幅広い意見を求めるなど、様々な活用が考えられますが、小樽市における人流データ活用に関する今後の展開をどのように考えているのか、見解をお聞かせください。次に、春節などインバウンドの多い時期に船見坂などに警備員を配置し、交通マナーや住宅地への立入り防止などの注意喚起を行うとともに、関係機関と連携し、小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会で対応を協議するためのオーバーツーリズム対策事業費も新たに計上されました。これはオーバーツーリズムとなっている現状への対処、対策が主な要素かと思います。私は、それ以前の予防的観点にもなる観光客一人一人に責任ある行動を求めるレスポンシブル・ツーリズムという一歩進んだ考え方の具体的導入について提案し、質問を続けてきました。観光地の生活、自然環境を守るため、訪れる側の取組を重視する動きを紹介し、先進都市である京都府京都市の事例を示し、観光客の集中により市民の生活が脅かされるオーバーツーリズム現象となりつつある小樽市においても、リピート志向、滞在志向の観光客を地域に惹きつける質の観光、そしてニューノーマルにおける新たな観光としてレスポンシブル・ツーリズムの実践については必要であると認識しており、国内先進都市の取組なども参考にしながら、周知・啓発の方法について登録DMOである小樽観光協会などと協議するとの答弁もありました。しかし、1月23日には写真を撮影するためにJR朝里駅近くの線路に立ち入り、列車にはねられた女性が死亡するという残念な事故も起きてしまいました。私は、コロナ禍であった令和2年第3回定例会から、アフターコロナを見据えて先々に取組を進めるよう提案し、その後も令和5年第2回定例会の代表質問などで質問を続けてきました。現在まで、そのときに紹介していた京都府京都市のように、観光行動基準を策定するなど、具体的に観光客も小樽市の魅力をしっかり味わい、市民もより豊かさを実感できる地域に貢献する観光を目指したレスポンシブル・ツーリズム実現のため、十分に取組を進めてきたとお考えでしょうか、見解をお示しください。また、観光事業者、従事者、観光客、市民の皆さんなど小樽観光に関わる全ての皆様に大切にしていただきたいこととして、お互いに尊重し合い、思いを一つにし、小樽市のレスポンシブル・ツーリズムの取組を目に見え伝わる形で早急に進めることが必要だと考えますが、市長の見解をお示しください。観光は地域経済活性化につながるという考えから、観光客を増やす方向に話が進みがちですが、平成17年度に策定した第一次小樽市観光基本計画から、量的な目標として、観光入込客数を増加させることが最優先の目標として位置づけていた方針を、観光入込客数の増減のみにこだわらず、むしろ小樽観光の質的向上を重視することが必要とすることを示し、観光施策を進めてきたかと思います。しかし、観光は地域の利益になるといっても、そこには観光によって利益を得る人と反対に不利益を被る人がおり、それが現実となって現れてしまっているのが今の小樽市ではないかと捉えています。令和6年第4回定例会の経済常任委員会においても、市民と議員の懇談会での観光振興を図ることが市民生活の向上につながっていると感じられないという趣旨の意見について、質問の中で課題として提起されましたが、今すべきことは観光の受益者側に立った施策よりも、地域社会の持続可能性の視点に立ち、「住んでよし、訪れてよし」の理念に照らして、観光がもたらす正負の側面を適正に評価するとともに、実際に不利益を被っている地域の人々と共に解決策を模索することが重要視されるのではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。そういったことからも、これからは貴重な自然や歴史的・文化的財産や住民の生活を守り、かつ観光体験の質を高めるために、適正規模という考え方を持つ必要も大切ですし、メインとなるターゲットを絞り込むことも重要となります。適正規模を考えれば、観光客を増やすことだけでなく、減らすことも選択肢となりますし、そもそも観光客数という指標から、観光客1人当たりの消費額の拡大という指標というものを明確にして施策を進めていくこと、また、観光客の全ての層を対象とするのではなく、小樽市の地域資源を把握し、しっかりとメインとなるターゲットを絞り込むこともさらに必要とされることになります。今回、新たな財源として導入する宿泊税の具体的な使途について、宿泊団体の関係者や学識経験者などにより構成される検討会議を設置し、検討するために要する経費として、宿泊税活用検討事業費も計上されています。宿泊税の活用や今後の小樽市観光基本計画の改定などについて、令和7年度は検討を進めることになると思いますが、適正規模という考え方や、観光客1人当たりの消費額や経済効果拡大の指標設定、そして小樽市の地域資源を把握するとともに小樽観光のメインターゲットを絞り込むなどの新たな観点を取り入れることに関する市長の見解をお示しください。以上、第2項目の質問を終わります。

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、主要事業について御質問がありました。初めに、子育て支援策についてですが、放課後児童クラブの運営委託化の判断につきましては、経験・ノウハウを持つ民間事業者に委託することで、児童に対する学びや遊びについて時代の流れに沿った充実やアップデート、放課後児童支援員等への研修やフォロー体制の充実、人材確保の円滑化など、直営では実現することが困難であった課題の解決が図られるものと考えております。このことから、財政負担の面からは、後年度においても一般財源による負担増となる見通しではありますが、子供や子育て世帯はもちろん、支援員等にとっても、その負担に見合うだけの、より満足いただける効果の高い事業が継続的に実施されるものと見込まれますので、委託化する判断をしたものであります。次に、観光関連事業についてですが、まず、GPS人流データにつきましては、取得するデータの端末IDや推定居住地、取得年月日や時間帯、取得時点の緯度・経度といった項目を原則15分ごとに取得することとしており、データ取得の範囲は市内全域で、取得するデータの期間は令和7年1月から12月までのものとしております。また、この要件とした理由につきましては、本市における年間を通じた観光客の数や動態について、観光客の居住地分布や来訪時間帯分布、滞在時間分布、移動元や移動先の分布などの項目で把握する必要があると考えているためであります。次に、データの活用方法につきましては、観光戦略の企画立案や小樽市観光基本計画の策定、観光基本計画で整理した課題に対し、効果的な施策を検討する際の基礎的データとして活用するほか、観光客の数や動態を把握する調査のデジタル化などを考えております。また、本事業で得られたデータは、地域DMOや経済団体とも共有してまいりたいと考えております。次に、取得するデータの公開につきましては、地域DMOや経済団体と情報共有するほか、市のホームページにおいても公開してまいりたいと考えております。次に、人流データ活用に関する今後の展開につきましては、先ほど申し上げました活用のほか、宿泊業や飲食業、小売業などの観光関連事業者の経営改善や新規出店の促進に関わる判断材料、イベントにおける経済効果の検証、公共交通の需給最適化などにおいて活用が可能であると考えております。次に、レスポンシブル・ツーリズム実現のための本市の取組に対する見解につきましては、議員から御提案があった京都府京都市の観光行動基準のほか、岐阜県白川村や沖縄県竹富町の取組について、その内容を確認しておりますが、地域DMOや観光事業者との議論までには至っておらず、本市における取組は十分ではないと認識しております。次に、レスポンシブル・ツーリズムの推進につきましては、本市では令和7年度及び8年度の2か年で次期小樽市観光基本計画の策定に取り組む予定でありますが、計画策定に当たっては、その主体となる市民や観光事業者、観光関連団体、経済界や行政が担う役割に加え、本市を訪れる観光客に求める行動基準などについても議論してまいりたいと考えております。次に、観光の効果に係る評価や地域住民との解決策の模索につきましては、観光がもたらす恩恵と市民の安心・快適な暮らしとの両立を図ることで、本市が観光都市として持続的な発展を続けることが可能になると考えております。このため、観光の効果を分析し、その内容をしっかりと市民に伝えるとともに、特定のエリアにおいて観光客が増加することで地域住民の生活環境に悪影響が生じる場合には、その地域に暮らす住民の意見を伺い、小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会において対策を協議、検討する必要があると考えております。次に、宿泊税の活用や小樽市観光基本計画策定などにおいて、新たな観点を取り入れることにつきましては、私といたしましては、本市が持つ様々な観光資源を磨き上げ、文化、経済、観光の好循環を実現し、地域ブランド力の向上に努めることが重要であると考えており、観光入込客数の増加など、量を求める取組だけではなく、質の向上を目指した小樽観光を推進するとの議員の御指摘には共感するものであります。

出典:小樽市議会 令和7年第1回定例会 2025年3月3日 議事録 PDF(60ページ) 間違いを知らせる