小樽市議会 令和6年第4回定例会 2024年12月9日
教育と児童福祉について
2024年12月9日、小樽市議会の一般質問で、松岩一輝議員が「教育と児童福祉について」質問し、市長 迫俊哉、教育長 中島正人が答弁しました。
- 質問者
- 松岩一輝 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 中島正人
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 12番 松岩一輝
第4項目、教育と児童福祉について。初めに、不登校への対応についてであります。本年10月18日、市内の自宅で小学校低学年の娘に殴る蹴るの暴行を加え死亡させたとして、40歳代の母親が逮捕されるという大変痛ましい事件が発生しました。7月23日には市内小学生が交通事故で亡くなられたばかりであります。事件と事故で経緯は異なりますが、未来のある小さな命が不幸にもこのような形で失われてしまったことは、本当に残念でなりません。そして、御遺族の悲しみは計り知れないほど深くつらいものであるとお察しします。心よりお悔やみを申し上げます。報道等によると、女子児童の腹部には複数のあざがあり、解剖の結果、死因は腸管損傷による腹膜炎で、母親は容疑を認めており、警察は傷害致死の容疑で現在も捜査を続けているとのことです。これは本市で起きた事件ではありますが、全国的に共通する課題であると認識しております。悲劇を繰り返さないためにも、この項目では一般的な学校や教育委員会の対策と、広く児童福祉について質問します。教育委員会によると、当該女子児童は本年5月24日以降、学校に登校しない日が続き、授業日として連続で75日間、学校が女子児童の様子を現認できない期間があったようですが、学校は定期的に家庭訪問や児童の自宅や保護者に電話での聞き取りを行いながら経過を観察し、10月15日、16日には登校していたとのことです。また、現在、捜査中であり、詳細は極めて個人的な情報も含むことから、記者会見などでの発表が難しい状況も理解しております。初めに、文部科学省が定義する不登校を説明し、一般的に教育委員会が児童・生徒の欠席状況を把握する方法について伺います。改正児童虐待防止法でも、学校には児童・生徒のささいな変化をつぶさに点検し、確認する必要があると明記されております。また、保護者の育児や教育に関する悩みや不安の相談を受けたりする場合もあります。その際にはしっかりと対応する必要があります。しかし、あくまでも学校は教育機関であり、教育委員会、こども家庭センターには捜査権や調査権がありません。例えば、家庭訪問の際に強制的に家屋に立ち入ることや、登校時に児童・生徒の衣類を脱がせて全身のあざの有無などを調べることもできませんので、変化や兆候を確認するにも限界があります。不登校に限らず、学校や教育委員会だけでは対応が難しい案件は、状況に応じて外部に相談するなどの対応を取られていると考えますが、近年の相談状況について伺います。不登校が続く児童・生徒に対する市教委の指針やこども家庭センターとの連携について伺います。指針については、あくまでも一定の基準であり、引き続き、個別の事情に合わせて学校は児童・生徒との連絡を絶やすことなく、教育委員会と連携しながら事態の改善に努められているものと理解しております。欠席日数が30日以上経過していたとしても、保護者と連絡が取れているなど、状況に応じて他の機関と必ずしも連携しないこともあるのかなど、指針の運用について伺います。戸籍住民課が管理する住民票において、配偶者からの暴力等の被害者の申出によって住民票の写し等の交付等を制限することができるDV等支援措置があります。支援措置を申し出ている家庭は何らかの事情を抱えている場合が多く、例えば学校がその情報を事前に共有することができれば、家庭訪問や保護者との対応に役立てることもできると考えられますが、法令上、そのようなことは可能なのか伺います。実際の学校現場では一昔前のように、担任が1人で抱え込み、学校内で共有されずに事態が悪化することを防ぐために、学校長が中心となって心理的安全性に配慮した学校運営が行われておりますので、日常的に教員同士が情報を共有し、教育委員会とも連携しながら家庭訪問などを通して、不登校児童・生徒の現認と学校への復帰に努められているものと認識しております。一般的な学校への復帰の流れと、本件を受けた新たな対応策はどのように考えているのか伺います。本件では、10月15日と16日に当該女子児童は登校し、積極的に授業に参加し、他の児童や教職員たちと輪になって給食を食べるなどの状況があったその2日後に暴行によって亡くなるという時系列でありました。そのため、児童や教職員はもちろんのこと、その家族にとっても精神的な影響は計り知れないものと推察します。スクールカウンセラーの派遣などの対応状況について伺います。次に、小規模児童養護施設についてであります。保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当ではない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことを社会的養育と言いますが、不登校児童・生徒への対応の延長線には、養育に困難を抱える保護者への支援が必要になります。社会的養育の視点から、児童・生徒の養育に不安を抱える保護者について、学校との連携を本市ではどのように行っているのか伺います。社会的養育を行う施設として児童養護施設がありますが、2016年の改正児童福祉法により、これまでの大規模施設での集団養育から、地域分散された小規模な家庭養育優先原則が示されました。その中には、養育者の住居で養育を行う家庭養護で、定員5人から6人のファミリーホームと呼ばれる小規模住居型児童養育事業があり、実子の養育に自信がない場合の一時保護も状況によって行うこともできます。私は市内ファミリーホームの役員を務めておりますので、児童相談所や北海道ファミリーホーム協議会の皆さんとも日常的に意見交換を行っておりますが、市民への認知や理解が進んでおらず、様々な偏見や差別的な取扱いを受けたことがあると伺っております。本市は一時保護の権限等を有していないものの、養育に困難を抱える保護者を支援する上で、民間のファミリーホームとの連携なども必要と考えますが、見解を伺います。以上、第4項目の質問を終了します。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、教育と児童福祉について御質問がありました。初めに、不登校への対応についてですが、住民基本台帳事務において支援措置を実施している家庭の情報を学校へ提供することにつきましては、当該情報は、当該家庭に属する個々人の個人情報に該当するものと考えております。個人情報の保護に関する法律では、原則として利用目的以外の目的のための個人情報の提供は制限されている一方、行政機関等が利用することについて相当の理由がある場合など、当該制限の例外規定が設けられておりますので、当該情報が例外規定に該当するかどうか慎重に判断する必要があるものと考えております。次に、小規模児童養護施設についてですが、まず、児童・生徒の養育に不安を抱える保護者への対応につきましては、こども家庭センターに相談や連絡が寄せられた後、当該児童等が通う学校と電話や対面での情報交換を行っており、必要に応じて学校やその他の関係機関で構成されるケース会議を開催するなど、日頃から学校との連携を図っているところであります。次に、ファミリーホームとの連携につきましては、養育に困難を抱える保護者への支援策の一つになり得ると考えられますが、本市では、小樽市子育て短期支援事業として、病気や育児疲れなど保護者が一時的に養育困難となった場合に、委託先の市内の里親宅や市外の児童養護施設を利用することが可能となっているため、需給のバランスなどを考慮しながら、どのような連携が好ましいのか、研究してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 中島正人
ただいま教育と児童福祉について御質問がありました。不登校への対応についてですが、初めに、文部科学省が定義する不登校と市教委において児童・生徒の欠席状況を把握する方法につきましては、文部科学省では、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しております。また、各学校は、児童・生徒が傷病等により連続7日以上欠席、もしくは不登校等を理由として連続7日以上または断続10日以上欠席した場合に作成する欠席状況報告書を毎月、市教委に提出しておりますので、市教委は、その報告書により欠席状況を把握しております。次に、不登校に限らず、学校や市教委だけでは対応が難しい案件についての外部への相談状況につきましては、子供たちの多様化が進み、様々な困難や課題を抱える児童・生徒が増える中、学校は家庭や専門性のある関係機関、地域などの協力を得ながら、社会全体で子供たちの成長・発達に向け包括的に支援していくことが必要でありますので、学校や市教委だけでは対応が難しい案件が発生した際には、警察や福祉などの関係機関に相談しているところであります。次に、不登校が続く児童・生徒に対する市教委の指針やこども家庭センターとの連携につきましては、市教委が作成した不登校対策の指針において、不登校が続く児童・生徒には家庭訪問を通じた児童・生徒への積極的な支援や家庭への適切な働きかけをすることとしておりますが、安否確認ができない等の場合は、市の関係部署や警察等への情報共有を行うことを示しております。また、こども家庭センターとの連携につきましては、必要に応じて情報を共有し、場合によっては関係機関が集まり、対応を協議するいわゆるケース会議を開催するなどしております。次に、市教委が作成している指針についての運用の考え方につきましては、不登校児童・生徒や家庭の状況は様々であり、対応に時間を要する場合もありますが、本指針は、本市として統一した対応を行うことで不登校対策に効果的に取り組むために作成したものであり、児童・生徒の安否が確認できない等の場合は、学校から関係機関へ相談や情報提供を行うよう示しているものであります。次に、一般的な学校への復帰の流れと本件を受けた新たな対応策についての考えにつきましては、本市においては、学校が担任を中心に保護者との信頼関係を築きながら粘り強く家庭訪問をするなどして、子供の気持ちに寄り添いながら相談を受けたり、学校の様子を伝えることで、子供が安心して学校に復帰したケースや、登校支援室に通い、指導員の支援を受けながら学習に取り組むことで、学習意欲が高まり、学校に復帰したケースもあります。本件を受けた新たな対応策につきましては、各学校では、現在、改めて本市の指針に基づいて対応しているところでありますが、今後、学校と市教委、関係機関との情報共有や速やかな連携の在り方を示したマニュアルを作成してまいりたいと考えております。次に、スクールカウンセラーの派遣などの対応状況につきましては、市教委は、児童や保護者、教職員の心のケアのために当該校に対し、事件直後の登校日から、これまでに2名のスクールカウンセラーを延べ16回派遣しております。また、市教委の指導主事が学校訪問や電話連絡を行い、学校運営に向けた不安を聞き取り、助言するなど、教育活動が円滑に進むよう支援しているところであります。