小樽市議会 令和6年第2回定例会 2024年6月18日
小樽の医療について
2024年6月18日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「小樽の医療について」質問し、市長 迫俊哉、病院局長 並木昭義が答弁しました。
- 質問者
- 中村岩雄 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、病院局長 並木昭義
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質問 20番 中村岩雄
令和6年第2回定例会、会派みらいの代表質問をさせていただきます。第1項目、小樽市の医療について。まず、小樽市夜間急病センターの医師の確保について伺います。小樽市夜間急病センターは、夜間や祝日などにおいて、1次救急医療機関として小樽市民の生活において大きな役割を果たしています。深夜帯は、大学医局や民間医療機関などからの派遣医師による体制で運営されていますが、札幌市近郊の他市の夜間急病センターの派遣医師の報酬額が引き上げられたため、本市への派遣医師の確保が難しくなったと聞いておりました。そこで、第1回定例会では、令和6年度当初予算において、派遣医師の報酬額を道央圏の救急医療機関と同水準に引き上げたものと確認しております。このことにより、深夜帯などの大学医局や民間医療機関などからの派遣医師の確保には大きな効果があるものと感じております。一方、平日の準夜帯である午後6時から午後9時までの3時間や、祝日を除く土曜日の午後2時から午後6時までの4時間は、市内開業医などで対応していますが、これらの時間帯についても参加可能な医師数の減少や高齢化などにより医師確保が難しくなっているという状況であるとお聞きしています。そこでお尋ねします。現在の小樽市夜間急病センターの平日準夜帯である午後6時から午後9時までと、祝日を除く土曜日の午後2時から午後6時までの診療科目と医師数についてお示しください。市内開業医などが担当する時間帯は、日中の診察が終わってからの勤務となり負担が大きく、医師の高齢化が進んでいると言われている小樽市では、将来に向けて、夜間急病センター制度を維持していくためにも、今から実施可能な取組を検討していく必要があると考えます。夜間急病センターの運営は指定管理者に委託していますが、これらの時間帯の医師確保の状況について、小樽市医師会から何か相談を受けておりますか、お聞かせください。各時間帯の医師確保については、札幌市近郊の他市においても、報酬額の増額を含めて検討するものと推察されます。このため、本市でも指定管理者である小樽市医師会と制度の維持のためにできる施策を考えていく必要があると思います。そこで、夜間急病センターを安定的に運営していくため、指定管理者から相談があれば、準夜帯や土曜日午後の時間帯においても、大学医局などからの派遣医師を要請するなどの考えは今の時点でお持ちでしょうか。医師確保の問題は一朝一夕で解決できるものではなく、市の施策だけで解決できるものでもありませんが、このままでは準夜帯などでも医師確保が困難となり、将来的には現在の夜間急病センターの体制維持にも影響してくるのではないかと危惧しております。今後も引き続き、医師会などと協力して、制度の維持に努めていただきたいと考えております。次に、小樽市立病院は、新たに地域医療支援病院としてスタートされましたので、確認も含め、何点かお聞きしていきたいと思います。2025年には、団塊の世代が75歳以上となり、今後さらに医療や介護の需要が高まることが見込まれています。そのため、国では、誰もが人生の最後まで、できる限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療や介護だけではなく、住まい・予防・生活支援も含めて包括的にサービスを提供する地域包括ケアシステムの構築を目指しておりますが、その中で、救急医療や高度医療を担う病院が地域医療支援病院であると認識しております。小樽市立病院には、本年3月、地域医療支援病院承認書が授与されたとお聞きしました。これまでの御努力に対し、心から敬意を表する次第であります。まず、承認されるまで抱えていた課題をどのようにクリアしてきたのかなど、承認までの経緯について御説明ください。次に、地域医療支援病院の意義と、それに対する小樽市立病院の現在の状況についてお知らせください。地域医療支援病院に承認されたことで、本市はもとより、後志管内の医療提供体制の維持に大きく貢献するものと期待しております。また、地域の医療機関が、日頃の健康管理、専門的な治療、救急医療、在宅医療などの役割分担を行うことにより、限りある医療資源の有効活用を図りながら、国の目指す地域完結型医療を実践することは、市民が地域で安心して暮らしていく上では重要なことだと思います。小樽市立病院の役割として、特に救急患者、かかりつけ医からの紹介患者に対して、原則として断らないように徹底するとのことですが、現状がどのようになっているのかお知らせください。また、今後の目標などもお示しください。地域医療支援病院として将来のビジョンを持って取り組んでいくことが重要と思いますが、職員に対して重視していきたい取組は何か、また、患者・住民に対してはどのようなことに積極的に取り組む予定なのか、お聞かせください。今後、医療機関の機能分化や連携強化が重要になると思いますが、医療連携についてのビジョンを御説明ください。次に、HPVワクチン及び子宮頸がん検診について伺います。ヒトパピローマウイルス、HPVは、性行為などにより生じた皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、皮膚や粘膜の上皮細胞に感染します。HPVは感染しやすく、性交経験を有する人の大半が生涯一度はHPVに感染するとされている一般的なウイルスであり、細胞診正常の日本人女性のHPV陽性率は、10歳代から20歳代で最も高く、高齢になるほど低くなります。HPV感染の一部は持続感染となり、良性から悪性まで様々な疾患を引き起こし、子宮頸がんの95%以上は、子宮頸部でのHPVの持続的な感染が原因です。HPV感染は子宮頸がん以外にも、肛門がん、外陰部がん、膣がん、陰茎がん、中咽頭がんなどの原因となります。HPVは200以上の遺伝子型に分類され、日本人におけるHPV陽性子宮頸がんの9割以上が9価HPVワクチンによって予防可能なHPV型に起因すること及び日本人における中咽頭部がんの5割以上がHPVに起因することが知られています。再発のリスクですが、子宮頸がん治療を受けた患者のうち、再発する人の割合は8%から26%という報告があり、子宮頸がんの生存率については、女性のがん全体の5年相対生存率66.9%に比べ、子宮頸がんの5年相対生存率は、2009年から2011年診断、全国がん罹患モニタリング集計によると76.5%で、比較的、予後のよいがんの一つであります。子宮頸がんのFIGO分類のステージ別5年実測生存率は、公益社団法人日本産科婦人科学会の婦人科腫瘍委員会報告「第63回治療年報(2015年治療開始例)」によると、Ⅰ期92.3%、Ⅱ期76.2%、Ⅲ期56.5%、Ⅳ期32.2%となっています。HPV感染率などについてお聞きいたします。諸外国は子宮頸がんの罹患率、死亡率とも激減していると言われていますが、日本の子宮頸がん罹患率、死亡率の推移と罹患数、死亡数の年間の推移をお示しください。我が国の子宮頸がん罹患数は、2019年全国がん登録によると年間1万879件が報告されています。また、死亡数は2021年人口動態統計によると年間2,894人となっています。日本では76人に1人が罹患していて、今なお増加し、死亡率の増加も加速しています。国はその傾向をどう分析しているのかお知らせください。子宮頸がんの罹患年齢は、妊娠適齢年齢とも重なり、出産相当年齢に発症のピークがあることにより、ライフイベントに様々な影響を及ぼす可能性があると言われています。そこで、女性の年代別出産数と罹患率をお知らせください。子宮頸がんはHPVワクチンと検診によって予防、撲滅できるがんだと言われていますが、日本では共に十分に実施されておらず、罹患率も死亡率も増加しています。国立研究開発法人国立がん研究センター報告書によると、HPVワクチンの早急な接種の普及を強く求めると同時に、検診受診と受診率の向上策を求め、検診の重要性を訴えています。日本は2013年4月から、小学校6年から高校1年相当の女性に公費で定期接種を開始しましたが、定期接種開始後、多様な症状が報告され、2013年6月から2021年まで積極的勧奨を差し控えました。その多様な症状とはどのようなものか御説明ください。その間、厚生労働省の審議会はどのような対応を取られたのかなど、再開に至るまでの経緯を御説明ください。2022年4月から積極的勧奨を本格再開しましたが、把握している直近の接種対象者数、接種者数、国の公表する実施率をお知らせください。あわせて、小樽市での接種対象者数、接種者数、接種率を比較しながらお知らせください。また、日本は接種率が諸外国に比べ、著しく低いということですが、諸外国の接種率をお知らせください。国は、勧奨を控えた間に接種機会を逃した女性に公平な接種機会を確保することを目的に、公費で受けられるキャッチアップ接種を実施しています。対象者は、平成9年度生まれから平成18年度生まれ、つまり1997年4月2日から2007年4月1日生まれの女子の10学年です。公費で接種できるのは令和7年3月末までですが、キャッチアップ接種の対象者数、接種件数、接種率をお知らせください。日本で薬事承認された新型コロナウイルス感染症のワクチンメーカーはファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社と明確に国民に知らされました。日本の定期接種開始以降、導入されてきたHPVワクチンの製造メーカー、型、種類とそれぞれの効果、特徴、安全性などを御説明ください。国はワクチンの安全性についてどのようにチェックし、安全性の評価などはどのように行われているのか、お知らせください。副反応についても何点か伺います。まず、ワクチンの種類ごとの主な副反応について発生頻度に従ってお知らせください。次に、重い症状の場合を病気の種類と主な症状報告頻度をお知らせください。ワクチン接種によって治療が必要になったり、障害が残るなどの健康被害が生じた場合の救済などについて御説明ください。ワクチン接種後の症状に対する地域ブロック拠点病院を中心とした医療連携体制、相談及び報告体制について、小樽市ではどのような診療体制を取っているのか、御説明ください。HPVワクチンの接種スケジュール、標準的な接種回数及び間隔などについて、9価ワクチンを例にして御説明ください。標準的な接種スケジュールは、年齢や接種のタイミングなど、どのような条件によって決められるのか。また、その判断は、いつ、どこで、誰がするのかなどのマニュアルについて御説明ください。キャッチアップ接種の接種スケジュールについてです。厚生労働省の示すワクチンスケジュールの説明の文言に分かりにくい部分があり、解釈の仕方によってはそごが生じる可能性があります。そのことによって自治体ごとの解釈に差異が出ている可能性もあります。特に、キャッチアップ接種の第1回目接種の期限についての解釈です。この状況をどう受け止めていますか。また、小樽市としてはどう判断するのか、お考えをお聞かせください。このままでは国民にも不信感が高まり、混乱も予想されます。早急に北海道や厚生労働省に確認をする必要があるのではないでしょうか、お考えをお聞きします。世界保健機構、WHOは、子宮頸がん対策として、9歳から14歳の女性をHPVワクチンの接種対象とすることを推奨しています。また、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ノルウェーなどは、男性も対象に含め、HPVワクチンの定期接種を実施しています。日本でも、男性の定期接種化について、2022年8月4日の厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会)において、今後、検討していくことが提案されています。接種対象年齢についても議論されており、薬事承認上には9歳あるいは10歳以上であれば男女共にHPVワクチンを接種することができるとされています。国において、その後、どのような議論の進展があるのか、また、今後の見通しなどについてお知らせください。国の指針としては、20歳以上の女性において2年に1回の子宮頸部の細胞診が推奨されてきました。加えて、令和6年4月から30歳以上の女性に対して、5年に1回のHPV検査単独法も選択可能となっています。シルガード9は子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。シルガード9の接種と併せて、20歳を過ぎたら、子宮頸がんの早期発見、早期治療のために定期的に子宮頸がん検診を受けることが勧められています。日本は、他国に比べて子宮頸がんの定期検診受診率が大変低い状況にあります。世界各国では子宮頸がん予防への意識が高く、厚生労働省の資料によると、子宮頸がん検診受診率、OECD加盟国における20歳から69歳の女性では、アメリカが73%、ドイツが78%、イギリスが74%、フランスが76%、オーストラリアが56%、韓国が52%となっており、今や先進国では子宮頸がん検診は、多くの女性に必要な検診と捉えられていますが、残念ながら日本は44%にとどまっています。日本の検診率の推移を定期接種が開始された2013年からお知らせください。同時に、小樽市の検診受診率の推移と把握している諸外国の受診率の所感について伺います。検診受診の重要性についても御説明ください。定期接種、キャッチアップ接種とも、小樽市では接種率が低い状況です。これまでと同じ啓蒙、啓発の方法だけでは接種率を上げていくことは難しいのではないでしょうか。特に、キャッチアップ接種は2025年3月までは公費で受けられ無料ですが、4月以降分からは接種者の自己負担となります。そこで、任意接種となった場合のワクチン接種にかかる費用をワクチン種別ごとにお知らせください。無料のキャッチアップ接種は2025年3月までに3回の接種を済ませることが必要となり、第1回目の接種を2024年11月までに開始しなければならないことになります。時間は限られており、その間に周知のための有効な対策が求められます。市は現在どのような対策を講じているのか、お知らせください。現在、ワクチン接種が可能な主な市内医療施設と施設数をお知らせください。今般、医師会有志によるHPVワクチン普及に向けての医師会を通じた活動案が提案されています。医師会主導で推進したい理由として、まず子宮頸がんワクチンは、産婦人科、小児科施設だけでなく、内科、耳鼻科はじめ多くの市内医療施設で接種可能となっていること。産み育てやすい社会づくりや未来を守ることにつながること。打ちましょうではなくHPVワクチンのことを正しく知って考えましょうというメッセージを小樽市内対象者に周知する活動を医師会主導で行いたいことを挙げています。普及に向けてできることとしては、医療施設や公共の場・マスコミへの啓発、市民向け講演会の実施、お祭り縁日での情報提供ブースの出展、おたる潮まつりでねりこみに参加するなどを提案されています。さらに、市民向け講習会では、子宮頸がんワクチンの標準的な接種期間は中学校1年生、13歳になる学年の女子となっていることから、市内各中学校の養護教諭と保護者に的を絞った講習会、ウイングベイ小樽での新型コロナウイルスワクチンの集団接種も参考にしながら、例えば済生会ビレッジでの集団接種、また、ウェブを最大限に利用すること、例えば、ウェブでの申請受付なども提案されています。市と協力体制を取り、実現の可能性を最大限に追求していただきたいと思いますが、市はどのような場面、方法で連携・協力していただけるか。また、さらなる市のアイデアがあればお聞かせください。次に、不妊検査・治療費への助成について伺います。子供を望む男女がなかなか妊娠に至らない、いわゆる不妊に悩み、検査や治療を受けている方は年々増加しております。厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」では、令和3年に不妊を心配したことがある夫婦は39.2%、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は22.7%と、夫婦全体の約4.4組に1組の割合となっております。また、令和3年に実施した体外受精・顕微授精などの不妊治療の一つである生殖補助医療により、約7万人、正確には6万9,797人が生まれており、これは全出生児の8.6%、約12人に1人の割合になっております。こうしたことから、不妊治療が徐々に普及してきている一方で、治療費にかかる経済的負担が大きいという問題もあり、令和4年4月から不妊治療が医療保険の適用となりました。医療保険の適用となる不妊治療では、タイミング法や人工授精などの一般不妊治療と、一般不妊治療では妊娠しない場合に卵子と精子を取り出して身体の外で受精させてから子宮内に戻す体外受精や顕微授精などの生殖補助医療が行われております。また、医療保険の適用になっていない先進的な医療技術を用いた不妊治療について、小樽市では北海道の補助事業を活用し、今年度から先進不妊治療費等助成事業を実施することになっています。この事業は令和6年4月以降に該当する治療を行った夫婦に対して、夫婦1回当たり上限3万5,000円を助成するというものですが、40歳未満の場合は6回まで、40歳以上43歳未満の場合は3回までとされております。この先進不妊治療費等助成事業の助成対象が年齢で区切られている理由についてお聞かせください。この事業は、令和6年10月から申請受付開始ということですが、市民に対してどのように周知を行っていますか、お聞かせください。不妊治療の前に、不妊の原因について検査を行う不妊検査について、小樽市では不妊検査助成事業を実施しています。この事業は、不妊検査にかかる費用の自己負担分に対して、上限2万円を助成するもので、女性は検査開始日において40歳未満であることとされております。この不妊検査助成事業の助成対象について、先進不妊治療費助成と同様に43歳未満までにすることを希望いたしますが、市長の御見解をお聞かせください。以上、第1項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
中村岩雄議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、小樽市の医療について御質問がありました。初めに、夜間急病センターの医師の確保についてですが、まず、診療科目と医師数につきましては、全ての開設時間帯において、内科及び外科となっており、それぞれに医師1名ずつを配置しております。次に、指定管理者からの医師確保の相談につきましては、市内開業医の高齢化により、準夜帯及び土曜日午後の時間帯について医師確保が難しくなってきているとお聞きしております。次に、大学医局等からの医師派遣につきましては、派遣を要請するに当たり、条件面で解決するべき様々な課題があることから、指定管理者である小樽市医師会と協議しながら、実現可能な方策について検討してまいりたいと考えております。次に、HPVワクチン及び子宮頸がん検診についてですが、まず、国内における子宮頸がんの罹患数、死亡数などの推移につきましては、国立研究開発法人国立がん研究センターの公表資料に基づき、罹患数、死亡数の順で申し上げますと、平成17年が8,474人、2,465人。22年が1万737人、2,664人。27年が1万776人、2,813人。令和2年が1万353人、2,887人。人口10万人当たりで換算いたしますと、平成17年が13人、3.8人。22年が16.3人、4.1人。27年が16.5人、4.4人。令和2年が16.0人、4.6人となっております。次に、罹患率、死亡率の上昇に関する国の分析につきましては、国立研究開発法人国立がん研究センターによりますと、子宮頸がん検診、HPVワクチンともに対策が十分に普及していないことがこうした傾向の背景にあるとされております。次に、全国の女性の年代別出産数と子宮頸がんの罹患率につきましては、令和4年の人口動態統計とがん統計に基づき、年代別に出産数、人口10万人当たりの罹患率の順で申し上げますと、20歳から24歳が5万2,850人、0。25歳から29歳が20万2,505人、0.3。30歳から34歳が27万9,517人、1.0。35歳から39歳が18万3,327人、2.6。40歳から44歳が4万6,338人、4.1となっております。次に、定期接種となった以降に報告された多様な症状につきましては、頭や腰、関節等の痛み、歩行困難、不随意運動などの知覚・運動に関する症状のほか、めまい、記憶障害などの自律神経、認知機能に関する症状などが報告されております。また、定期接種の積極的勧奨の差し控えから再開に至るまでの経緯につきましては、全国疫学調査の結果により、子宮頸がんワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できないとの結論が得られ、その後の厚生科学審議会で、子宮頸がんワクチンの安全性について特段の懸念は認められず、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが確認されました。このことによって、積極的な接種勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当であると判断され、定期接種の積極的な勧奨が再開したものであります。次に、国内における接種状況につきましては、令和元年から3年までの数値で、国が公表している接種者数、推計した対象人口に対する実施率の順で申し上げますと、令和元年が1万7,297人、3.3%。2年が8万3,735人、15.9%。3年が19万8,474人、37.4%となっております。なお、接種対象者数は公表されておりません。本市においては、令和元年から5年までの数値で、接種対象者数、接種者数、接種率の順に申し上げますと、令和元年が2,381人、16人、0.7%。2年が2,306人、31人、1.3%。3年が2,230人、148人、6.6%。4年が2,161人、295人、13.7%。5年が2,126人、287人、13.5%となっております。また、諸外国の接種率につきましては、厚生労働省のホームページによりますと、2021年におけるカナダやイギリス、オーストラリア等の接種率は8割以上となっております。次に、本市におけるキャッチアップ接種の推移につきましては、対象者数、延べ接種件数、対象者数に占める延べ接種件数の割合の順に申し上げますと、令和4年が3,966人、357件、9.0%。5年が4,090人、420件、10.3%となっております。次に、国内で導入されてきたHPVワクチンの種類と特徴などにつきましては、2価ワクチンではグラクソ・スミスクライン社のサーバリックス、4価ワクチンではMSD社のガーダシルがあり、これらのワクチンは半年間に3回接種し、子宮頸がんの原因の50%から70%を防ぐことができるとされております。また、これらのワクチンの接種後症状の報告頻度は1万人当たり約9人と言われております。9価ワクチンではMSD社のシルガード9があり、1回目の接種を15歳未満で受ける場合は、半年間で2回接種、15歳以上で受ける場合は半年間で3回接種し、このワクチンは子宮頸がんの80%から90%を防ぐことができると言われており、接種後症状の報告頻度は1万人当たり約3人となっております。次に、ワクチンの安全性の評価につきましては、国においてワクチンが販売されるまでに安全性に関する承認審査が行われているほか、承認後も製品ごとに検定が行われております。また、厚生科学審議会において、一定期間ごとに接種後に起こった健康状態の異常が報告された症例を基にワクチンの安全性を確認いたしております。次に、ワクチンの主な副反応につきましては、2価ワクチンは疼痛、皮膚の赤み、炎症による腫れが50%以上、皮膚のかゆみ、腰痛、頭痛が10%から50%未満などとなっており、4価ワクチン、9価ワクチンは疼痛が50%以上、皮膚の赤み、炎症による腫れが10%から50%未満などとなっております。また、まれに重篤な症状が報告されており、呼吸器症状などを呈するアナフィラキシーや末梢神経の疾患であるギラン・バレー症候群等の報告頻度は、ワクチンの種類により1万人当たりで3人から5人程度となっております。次に、ワクチン接種による健康被害への対応につきましては、予防接種法に基づき、予防接種が行われた場合には、健康被害救済制度により、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方について、健康被害の程度に応じて、医療費や障害年金などの給付が行われます。次に、ワクチン接種後の症状に対する本市の医療体制につきましては、北海道では地域ブロック拠点病院として北海道大学病院が指定されており、協力医療機関、地域の医療機関との連携を構築しております。本市においてHPVワクチン接種後に副反応が疑われる症状が現れた場合は、接種を行った医療機関、またはかかりつけ医に相談していただくと、必要に応じて札幌市にある協力医療機関に取り次がられることとなっております。次に、ワクチン接種のスケジュール等につきましては、9価ワクチンを例に標準的な方法を申し上げますと、1回目の接種を15歳未満で受ける場合は接種回数は2回で、1回目の接種後6か月の間隔を空けて2回目を接種いたします。15歳以上で受ける場合は接種回数は3回で、1回目の接種後2か月の間隔を空けて2回目を接種し、3回目は1回目の接種から6か月の間隔を空けて接種いたします。接種スケジュールにつきましては、接種当日の予診により医師が判断いたします。次に、キャッチアップ接種のスケジュールの解釈につきましては、予防接種法に基づく予防接種の接種時間や間隔は、予防接種実施規則及び定期接種実施要領に規定されており、医師の管理の下、全国一律の基準で行われております。キャッチアップ接種の第1回目の期限については、15歳以上の方が9価ワクチンを受ける場合は、3回接種完了までに標準的には6か月の期間を必要とするため、第1回目の接種を本年9月まで受けることを推奨しておりますが、医師の判断により3回目接種までの期間を4か月ほどに短縮することもでき、本年11月までに第1回目を受けることによりキャッチアップ接種期間内に3回の接種が可能となります。これらの取扱いについては、国のガイドラインに明示をされているものであります。次に、国におけるHPVワクチンの男性への定期接種化などの検討につきましては、本年5月22日開催の厚生科学審議会小委員会では、男性への接種が薬事承認されている4価ワクチンについて、有効性、安全性は一定程度認められるものの、費用対効果の面で課題があることなどにより、さらに検討を続けることになったものと承知しております。また、薬事承認上、ワクチンの種類によっては、男女ともに9歳からの接種が可能であることから、定期接種の対象年齢を引き下げることについても同委員会で検討されているところであります。次に、子宮頸がん検診の国内及び本市における受診率の推移につきましては、国民生活基礎調査及び市の資料により、国内と本市の順に申し上げますと、平成25年が42.1%、34.7%。28年が42.4%、26.3%。令和元年が43.7%、25.9%。4年が43.6%、30.1%となっております。諸外国の受診率につきましては、いずれも2019年の統計で、アメリカが72.6%、フランスが76.3%、ドイツが77.9%となっており、本市の受診率は諸外国や国内と比較して低い状況となっていることから、受診率向上に向けたさらなる取組が必要と考えております。次に、子宮頸がん検診の重要性につきましては、定期的に検診を受けることで症状が出現する前の前がん病変を見つけることが可能となり、早い段階で発見して治療すれば、ほとんどのケースで治癒が期待できます。このようなことから、子宮頸がんの早期発見、早期治療のため検診を受けることが重要であり、本市では毎年20歳になる方に子宮頸がん検診を無料で受けられるクーポンをお送りしているほか、医療機関での検診に抵抗感をお持ちの方もいることから、毎年25歳になる方を対象に自宅で検体採取ができるHPV検査を無料で実施いたしております。次に、子宮頸がんワクチンを任意接種した場合の費用につきましては、医療機関により異なりますが、2価ワクチン及び4価ワクチンでは1回当たり1万5,000円から2万円程度、9価ワクチンでは3万円程度となっております。次に、キャッチアップ接種の周知につきましては、令和4年度から封書で個別に御案内をしてまいりましたが、最終年度となる本年度は、より視覚的に直接、重要な情報が読み取れるよう個別の勧奨はがきによりお知らせすることとし、対象者に対して4月中旬に発送しております。このはがきには、公費による無料接種の期限を表示し、早期の接種開始を検討いただくよう記載しており、今後は8月頃をめどに再度、個別にはがきを発送し、キャッチアップ接種のさらなる勧奨に努めてまいりたいと考えております。次に、子宮頸がんワクチンの接種が可能な市内の医療機関につきましては、現時点で小樽市立病院を含め20か所となっております。次に、子宮頸がんワクチン接種に関する市医師会との連携につきましては、現時点では医師会からの具体的な提案を受け取っておりませんが、提案内容に応じて連携、協力していきたいと考えております。また、かかりつけ医からの働きかけは効果が大きいものと考えており、ワクチン接種の対象者が医療機関を受診した際には積極的に声をかけていただくようお願いしてまいりたいと考えております。次に、不妊検査・治療費への助成についてですが、まず、先進不妊治療費等助成事業の助成対象が年齢で区切られている理由につきましては、活用する北海道の補助事業は、当該治療を保険治療と併用していることが要件とされ、保険治療と同様の年齢要件が定められていることから、本市においても、それらの要件に準じているものであります。次に、市民への周知につきましては、既に市のホームページに掲載したほか、市内外の産科のある医療機関へチラシを配布しております。また、申請受付開始となる本年10月に向けて、広報おたるやFMおたるなどによる周知を積極的に行ってまいりたいと考えております。次に、不妊検査助成事業の助成対象年齢の延長につきましては、このたびの先進不妊治療を含めた不妊治療全体の実施状況やニーズなどを踏まえ、検討してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 病院局長 並木昭義(病院局長は2025年3月まで)
ただいま、中村岩雄議員から小樽市の医療についての御質問がありましたのでお答えいたします。初めに、地域医療支援病院の承認に向けて、当院が抱えていた課題と承認までの経緯につきましては、大病院志向による患者の集中や医療機関ごとの役割に応じた機能分化が進んでおらず、他院から当院への診療を依頼する紹介患者数と、当院での治療を終えて他院へ身体管理をお願いする逆紹介患者数が地域医療支援病院の承認要件を満たせていないということが課題となっておりました。これらの課題を解決するために、令和4年10月より消化器内科において、初診時には紹介状の持参をお願いする紹介制の試行を開始し、その後、順次、試行する診療科を拡大してまいりました。また、急性期医療を終えた患者に対しては、速やかに地域の医療機関へ逆紹介を行うという職員の意識改革にも取り組んでまいりました。圏域の医師会に向けては、説明会や各種講演会を開催し、医療機関の機能分化と医療連携の重要性について理解を求めたものであります。市民の皆さんに対しても、広報おたるや病院広報誌、市民公開講座などを通して、当院の受診方法の変更や役割に応じた医療機関への受診について周知してまいりました。これらの取組により、各種要件を満たすことができたため、令和5年10月に地域医療支援病院の承認申請を行い、本年2月の実地検査と北海道医療審議会による審査を経て、3月に北海道より承認を得たものであります。この4月から地域医療病院として診療を開始し、現在は特に大きな問題はなく、スムーズに行われております。次に、地域医療支援病院の意義とそれに対する当院の現在の状況につきましては、地域医療支援病院は、地域で必要な医療を確保し、地域の医療機関が連携できるように創設された制度であり、その役割として患者に対する救急医療や高度医療の提供、地域の医療機関に対する支援など、地域医療の中核を担う病院であります。現在、当院は地域医療支援病院として救急医療や専門的な医療の提供、高度医療機器などの共同利用、地域の医療従事者に対する講演会の実施などに取り組んでいるほか、かかりつけ医との役割分担を進めるため、一部の診療科を除き、原則として紹介状の持参をお願いしております。次に、救急患者、紹介患者の受入れの現状と今後の目標につきましては、救急患者、紹介患者ともに断らないことを原則として取り組んでおりますが、病床の状況により、救急患者であればお断りせざるを得ない場合、あるいは紹介患者であれば診療科により受診までに時間を要する場合があることを説明しております。ただし、原則としては、とにかく病院長を中心として患者を断らない、安心・満足できる医療を提供するように最大限の対応を心がけております。昨今の高齢化の進展に伴い、軽症・中等度の高齢者の救急搬送の増加が見込まれることから、当院では一旦受け入れて初期診療を実施した後に連携する他の医療機関でも対応可能と判断される場合には他院へ転送していただく、いわゆる下り搬送が有効な手段として考えております。この下り搬送が適切に行われることで、空床がないなどの理由で重症患者を受け入れられないという事態を防ぐことができるものであります。当院といたしましては、下り搬送を円滑に行うため、搬送先の確保を進めることも今後の目標の一つとして考えております。次に、地域医療支援病院として将来ビジョンを持っての取組につきましては、まず、職員に対しては、地域医療支援病院としての当院の役割を十分に理解させ、救急患者を積極的に受け入れるための体制づくりや他院から紹介された患者を速やかに診療できるような取組を進めてまいります。また、患者や市民の皆さんに対する取組といたしましては、今後は限られた医療資源を効率的に活用しなければならないという認識の下、医療機関の機能や役割に応じた適切な受診を行うという受診行動の変容を促すことが重要と考えております。次に、医療連携についてのビジョンにつきましては、今後、限られた医療資源を効率的に活用しなければ、地域の医療提供体制が維持できなくなるおそれがあることから、日頃の診療はかかりつけ医が担い、専門的な診療は地域医療支援病院である当院が担うという医療の役割分担を進めていかなければなりません。さらに、それぞれが連携を図ることで、住み慣れた地域で行き届いた治療を提供できる体制を構築することが医療連携における将来像だと考えております。