小樽市議会 令和5年第4回定例会 2023年12月11日
小樽市における自治体DXについて
2023年12月11日、小樽市議会の一般質問で、新井田邦宏議員が「小樽市における自治体DXについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 新井田邦宏 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 新井田邦宏
3項目め、本市における自治体DX推進について。DX推進に必要な各ステップについて伺います。令和5年第2回定例会の一般質問において、DX推進についての質問をさせていただきましたが、約半年が経過し、着々と進められているかと存じますが、改めて確認の意味も込めて質問をさせていただきます。本市におけるDX推進を一昨年からの取組推進を進めていただいたことで、幹部職員をはじめとする職員の方々に着々と認識共有と機運醸成が浸透していることと思われます。国が示す目指すべきデジタル社会のビジョンとして、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」とあり、このビジョンの実現のためには住民に身近な行政を担う自治体、とりわけ市区町村の役割は極めて重要とされております。本市においても市民の皆様へ、よりよいサービスの提供を根幹として、また、誰一人取り残されることのないサービスの提供がなされるようにDX推進を進めてくださっておることと思います。推進に当たっては総務省の自治体DX推進計画を基に、流れとしてステップ0の認識共有と機運醸成から始まり、ステップ1の全体方針の決定、ステップ2の推進体制の整備、ステップ3のDXの取組みの実行となりますが、ステップ0の重要性を高橋克幸前議員が何度も質問し訴えてきたかと思います。理事者の皆様もステップ0の土台から大事に進めてこられ、着々と各ステップにも徐々に入ってきている状況にあると思います。そこで伺いますが、本市においてステップ0「認識の共有・機運の醸成」という部分では、庁内においてどの程度認識が共有され、機運の醸成が図られてきておりますでしょうか。現時点での進捗状況をお示しください。令和5年第3回定例会の総務常任委員会において、小樽市自治体DXに関する全体方針(案)が示され、9月21日から10月20日にてパブリックコメントを実施しておりますが、この全体方針案について、国からの自治体DX推進手順書を基に立案されているようですが、本市の方向性としては令和5年第2回定例会の一般質問において、ステップ1の段階での現状について御答弁にありました、ステップ1「全体方針の決定」については、デジタル行政推進本部会議において本市におけるデジタル化の基本的方向性は共有しているため、できるだけ早い時期に決定したいと考えておりとありましたが、この全体方針案をまとめるに当たり、横断的な協議がなされた中で立案されたのでしょうか、どのようにしてまとめられたのか、お聞かせください。また、ステップ0の認識の共有と機運の醸成の部分において、一定程度の認識共有と機運醸成がなされたからこそ、次のステップ1においての小樽市自治体DXに関する全体方針(案)の策定及びパブリックコメントの実施につながっていると思われますが、ステップ1まで進み、今後、ステップ0についてどのようになるか、お聞かせください。今回実施したパブリックコメントでは、市民の皆様からどのような御意見が寄せられましたでしょうか、お示しください。ステップ2「推進体制の整備」という部分では、総務省の自治体DX推進計画にて、自治体におけるDXの推進体制の構築として、①組織体制の整備、②デジタル人材の確保・育成、③計画的な取組み、④都道府県による市区町村支援が挙げられております。組織体制の整備について、本議会における議案第9号小樽市事務分掌条例の一部を改正する条例案について、新たに今回の令和6年度組織改革、総合政策部の新設になると考えますが、この議案第9号の庁内を横断した総合的な政策形成機能を強化するとともに、市民との協働や民間事業者等との連携を強化するということを目的として総合政策部を新設するものとありますが、今回新設される部署はこのステップ0の段階で、各幹部や職員において認識共有と機運醸成があって、ステップ1の全体方針の策定がありましたが、自治体DXの、庁内を縦割りではなく横断した推進のためでもある、いわゆるステップ2の推進体制の整備、組織体制の整備としての組織改革にも関わっているとの認識でよいでしょうか。もしくは、あくまで、デジタル行政推進本部が全庁的組織に当たるのか、今後、全庁的組織体制の構築がまだなされていく途上なのか、お考えをお聞かせください。具体的には今回の組織改編が本市のDX推進にどう影響があるのかお聞かせください。②のデジタル人材の確保・育成という部分では、民間からの行政情報アドバイザーとデジタル推進アドバイザー各1名が来ていただいているかと思いますが、そのほかに人材の確保や育成という部分では、現時点ではどのような状況か、お示しください。地域活性化起業人制度として、令和4年第4回定例会で我が党の秋元議員の一般質問で制度の活用についての質問をいたしましたが、本制度が6か月から3年という期限があるため、本市に来ていただいている方は最長で2025年6月までの活用になると思いますが、その後はどのようにしていくのか、推進半ばでの派遣終了となる見込みですが、もし先を検討されているのであればお示しください。ステップ3「DXの取組みの実行」となりますが、総務省の自治体DX推進計画の重点取組事項にある、手続のオンライン化やRPAによる業務の自動化などを推進しているほか、AIチャットボットの導入を進めているところであります。本市においても昨年からRPAが導入され、業務のRPA化の推進や職員によるシナリオ作成の推進を進めているかと思います。様々な業務への導入を検討されていると思いますが、年間で何業務RPA化される見込みでしょうか。RPAを導入した業務において、業務時間の削減効果も含めて、併せてお聞かせください。令和3年度での業務量調査、令和4年度での業務分析を経て、本年3月末頃に調査分析業務の結果が出て、調査分析を行った5業務の具体的な内容と改善の提案が出され、5業務としては、戸籍住民課の証明書発行事務、小・中学校の事務費などの配当予算の支払い処理、資産税課での登記済通知書処理、介護用品購入助成券による請求書処理、後期高齢者医療給付業務のうち、高額医療、高額介護合算処理の五つについて分析を実施し、これらの業務に対して事業者からAIチャットボットの導入や定型の入力作業などを自動化してシステムに入力するRPAの導入、電子申請、電子決裁システムの導入などICTによる自動化や紙媒体等のデータ化により、業務時間の削減効果が期待されると提案されたとありました。RPAと電子申請は導入する業務数の増に取り組んでいるとのことで、業務数増の検討はどの程度進んでおられるのか、お聞かせください。また、令和5年第2回定例会の一般質問の御答弁には、業務量調査、業務分析から5業務分における業務の課題を把握するための可視化が必要であり、そのための業務フローの作成で課題や改善策などの可視化も進められたかと思いますが、昨年度は開催した業務フローの作成を含む業務改善研修会は、今年度は開催されましたでしょうか。開催されたのであれば、参加者は何名で、職員の理解を深めることはできておりますでしょうか。今年度から、全庁的な業務フローの作成を順次着手する予定としているとありましたが、どの程度進捗しておりますでしょうか。チャットボット、RPA、電子申請、電子決裁の導入は、事業者からは5業務に限らず全庁的な導入により、業務の効率化が期待されるとの最終報告がありました。電子決裁の全庁への導入についての検討はいかがでしょうか、進捗をお聞かせください。AIチャットボットの導入も10月2日から開始されましたが、活用されることにより学習してよりよい精度になっていくと思われますが、この2か月でどのくらいの利用がありましたか、お示しください。次に、自治体DXに関する全体方針(案)についてです。国の手引などを参考にしながら本市の実情を踏まえて、今回の全体方針案が作成されたと考えますが、その中で「3 取組事項」の(1)手続等のオンライン化・窓口改革について、現時点での書かない窓口の進捗状況をお示しください。(7)知識・課題の共有促進という部分、「現在の行政課題は複雑・多様化してきており、一つの部署だけでは解決できないものも多くなっていますが、行政組織も専門化が進み、他部署の業務や課題などの把握が難しくなりつつあります。このため、庁内ポータルサイト再構築に合わせ、各部署の業務内容や課題などの情報発信できるページを導入し、庁内で共有できる仕組みを構築します。」とあり、また「必要な情報が一つの場所に集約されないなど課題もあるため、庁内チャットによるオンライン上でコミュニケーションをとれる仕組みを導入することで打合せなどで使用する情報や検討事項を集約し、簡単な打合せなどの置き換えを進めます。」とありました。これらは、全庁的に利用されるものでしょうか。全職員間で共有できるようなものか、幹部職員での共有の場所なのか、概要でもよいのでお聞かせください。スケジュール表では、令和5年度で運用を始める計画のようですが、庁内ポータルサイト及びオンライン上でのコミュニケーションツールのTeamsの構築について、各構築状況もしくは運用状況はいかがでしょうか。「3 取組事項」の(9)柔軟な働き方の推進とありますが、「職員が生き生きと活躍できるためには、生活と仕事のバランスを取りつつ十分に能力を発揮でき、あわせて職員一人ひとりの強みを生かせる職場環境の整備について検討する必要があります。在宅勤務をはじめとしたテレワークは、ICTの活用により時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方の一つとされ、限定的な試行をしてきました。引き続き、テレワークを実現するICT利活用に係る検証や対象業務の洗い出し等を実施し、導入に向けた検討を進めていきます。」とありました。柔軟な働き方の推進として、在宅勤務、テレワークとあり、導入に向けた検討をされているかと思いますが、現時点では部門限定試行のスケジュールとなっておるようですが、実際にはどのような部門で、どのように試行されておりますでしょうか、お聞かせください。現時点での試行によって、どの程度、今後の運用や効果ができそうでしょうか。実際に試行した部署や職員の反応も含め、今後の導入見込みと見解をお聞かせください。様々な取組を並行して進めていく中で、最終的には国で定められた対象期間が徐々に見えてきてしまうのが現実でありますが、自治体における行政手続のオンライン化については2022年度末まで情報システムの標準化、共通化については2025年度末までと目標時期も示されています。この各対象期間に対して、本市として現時点での進捗状況と今後の進め方についての考え方をお聞かせください。「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」、このビジョンは市民の皆さん、そして市役所で働く職員の皆さんも取り残されてはいけないデジタル化にしていくことが重要であると考えます。日々の業務に加えて先を見据えた計画の推進をしていただき、日々の御尽力に感謝を申し上げます。以上、3項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、小樽市における自治体DXについて御質問がありました。初めに、各ステップについてですが、まずステップ0、庁内における認識の共有・機運の醸成につきましては、これまで職員に対する説明会や研修を実施しているほか、私からも幹部職員に向けてDXの重要性や推進の必要性について伝えてきております。さらには、小樽市自治体DXに関する全体方針の策定にデジタル行政推進本部を中心に取り組む中で、本市のDX推進のビジョンについて共有が進み、具体的な取組を進めていく機運が高まってきているものと考えております。次に、全体方針案の策定につきましては、令和5年2月の第1回デジタル行政推進本部会議において、全体方針のベースになる考え方をまとめ、これを基にデジタル推進室で全体方針原案を作成いたしました。この原案を各部の次長級職員による調整会議に諮り、内容確認を行ったものを8月の第2回推進本部会議において審議し、9月に全体方針案を決定したものであります。次に、ステップ1まで進んだ後のステップ0につきましては、ステップ0はDX推進の前提となるものであり、継続して実施する必要があるため、今後においてもステップ0、認識の共有・機運の醸成については取り組んでいくべきものと認識しております。次に、パブリックコメントにつきましては、全体方針案において基本的方向性としている市民の利便性向上及び職員の生産性向上について、定量的に測定するための手段を掲載すべきといったものや、業務にAI・RPAなどを導入し自動化することについて、誤った処理をしないか心配であるなどの御意見がありました。次に、総合政策部の設置と自治体DXの推進体制整備との関連につきましては、令和4年4月のデジタル推進室の設置、5年1月のデジタル行政推進本部の設置により、ステップ2である推進体制整備を実施したところであり、このたびの総合政策部への位置づけにより、デジタル推進室と推進本部の体制は変わりませんが、今後も必要に応じ見直しを検討していくべきものと考えております。なお、DX推進の全庁的組織としては、引き続きデジタル行政推進本部が担うものであります。次に、今回の組織改革が本市のDX推進に与える影響につきましては、総合政策部の設置は政策形成機能と官民連携の強化を目的としたものであり、ますます社会のデジタル化が進展する中、政策とデジタルとのリンクはより重要なポイントとなるものと考えられることから、このたびのデジタル推進室の配置により、デジタルを重要な政策と位置づける全庁的な認識共有と取組の推進につながるものと考えております。次に、デジタル人材の確保につきましては、引き続き外部人材を活用するほか、専門職員の配置も含め検討してまいりたいと考えております。また、人材の育成につきましては、デジタル推進室においては実務経験を育成の基本としておりますが、各部職員に向けては、デジタル化への学びとして、管理職を対象としたDXマインド研修を実施したほか、地方公共団体情報システム機構が実施するオンライン研修の受講を促すなど、デジタル人材の育成に努めております。次に、現在、派遣を受けている地域活性化起業人につきましては、このたびの派遣は令和7年6月までであり、制度上、引き続き同一企業からの派遣を受けることはできませんが、制度を活用した外部専門人材の配置は、本市のデジタル行政の推進に有益であると認識しておりますので、以降も活用を検討してまいりたいと考えております。次に、RPAにつきましては、昨年度から委託事業者による導入に向けたシナリオ作成支援を実施しており、今年度は五つの業務に導入しております。また、RPA導入後の業務時間の削減効果につきましては、令和4年度の実績で申し上げますと、労働実態調査の報告書作成や年末調整業務など七つの業務に導入し、データ入力作業の自動化などにより約300時間の削減効果があったものと捉えております。次に、RPAと電子申請の業務数増加の検討につきましては、RPAは今年度、新たに学校開放事業や軽自動車税申告書新規入力など、五つの業務で導入を決めており、電子申請は入力項目数が少ない申請業務などで導入を増やしていく検討をしているところであります。次に、業務改善研修会につきましては、今年度は11月に開催して35名が参加いたしました。参加者からは、業務を可視化することで業務改善策が出やすくなると思うなどの意見があり、研修を通して業務フローから課題等を見つけ、どう改善していくかという意識づけが進んでいると考えております。次に、業務フロー作成の進捗につきましては、一部の業務にとどまっている状況ではありますが、今年度に実施した業務改善研修会には昨年度同様に各部署から参加して業務フローの作成方法などを学んでいるため、参加者がそれぞれの部署において取り組んでいくよう促してまいります。次に、電子決裁につきましては、意思決定の迅速化及び効率化を図るための取組として全体方針にも位置づけていることから、システム事業者からの情報収集のほか、導入に当たっての課題や仕様を検討しているところであります。次に、AIチャットボットの利用状況につきましては、運用を開始した令和5年10月の利用アクセス数は2,476件、11月は1,180件でありました。そのうち、AIによる回答率は10月が95.4%、11月が94.2%となっております。次に、自治体DXに関する全体方針(案)についてですが、まず、書かない窓口の進捗状況につきましては、窓口業務については、全体方針案にもありますとおり、市民の利便性向上と職員の生産性向上の視点から改革する必要があります。このことから、窓口手続の簡素化を図るため、可能な部分からでも実施するよう指示したところであり、現在、窓口を担当する庁内横断的な組織を立ち上げ、まずは死亡手続に係るおくやみ窓口の設置に向けて庁内協議を進めているところであります。書かない窓口については、おくやみ窓口を設置した後に、窓口の業務改革を図りながら進めてまいりたいと考えております。次に、全体方針案にある庁内ポータルサイトや庁内チャットにつきましては、いずれも職員の利用に制限はなく、庁内ポータルサイトにおいてはお知らせ等を各課のページに掲載することにより、庁内への情報発信が可能になります。また、庁内チャットにつきましては、グループをつくり、チャットでやり取りをすることで時間や場所に縛られず、意見集約や情報共有が可能となるものであります。次に、庁内ポータルサイトや庁内チャットの構築状況などにつきましては、いずれも今年度中に利用できるよう、現在、構築を進めているところであります。次に、テレワークの試行につきましては、令和4年6月から総務部広報広聴課で試行を開始し、本年6月からはその対象を総務部全体に拡大しております。テレワークの方法としましては、希望する職員に対し専用端末を貸し出し、自宅から職場の端末を遠隔操作する形で業務を行うものであります。次に、テレワークの導入見込みと見解につきましては、実際にテレワークを行った総務部職員の反応として、電話対応などがないため集中して業務ができたなどの肯定的な意見が多くありましたが、データ化されていない資料を参照できなかったなどといった課題も示されたところであります。今後、全庁的に試行を拡大し、テレワークにより実施可能な業務の抽出に加え、資料のデータ化や勤怠管理などについての課題整理を行い、将来的な本格導入について検討してまいりたいと考えております。次に、行政手続オンライン化につきましては、対象である特に国民の利便性の向上に資する行政手続について令和4度末までにオンライン化を完了し、今年度よりマイナポータルからマイナンバーカードを用いた子育てや介護の一部で手続が可能となっております。また、情報システムの標準化・共通化に対する本市の進捗状況につきましては、国が作成した標準仕様書を分析して、現在の業務フローとの違いを調査しているほか、現行システム事業者と情報共有を行いながら、システム構成を検討しております。今後につきましては、令和6度に事業者を選定し、システム構築を開始するほか、データ移行や運用テストを経て、令和7年度中の本格稼働を想定しております。