小樽市議会 令和5年第3回定例会 2023年9月13日
(1)若年層の予防医学について/(2)胃がん対策について
2023年9月13日、小樽市議会の一般質問で、佐藤奈緒美議員が「若年層の予防医学について」「胃がん対策について」について質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。
- 質問者
- 佐藤奈緒美 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 14番 佐藤奈緒美
自由民主党の佐藤奈緒美でございます。第3回定例会に当たり、一般質問を行います。第1項目めの若年層の予防医学についてお尋ねいたします。18歳から39歳までの健康診断を少額の自己負担金で行っている自治体があります。愛知県蒲郡市で実施されているヤングエイジ健診では、健診内容は医師による診察、身体測定、尿検査、血液検査など9,800円相当の健診が500円で受診できます。蒲郡市だけではなく、鳥取県鳥取市でも社会保険が、本人の方は除きますが、18歳から39歳までの方は500円で健康診査を受診できます。三重県津市では19歳から39歳までの若年層を対象に自己負担金1,600円で、また、兵庫県神戸市では39歳以下の職場や学校で健康診断の機会がない市民は血液検査、尿検査は無料で実施しています。若い方でも健康に気をつけている方は多くいらっしゃいますが、毎年約1万円を払って健康診断を受診する方はあまり多くはいらっしゃらないのではないでしょうか。まして、子育て中の親御さんであれば、なおさら自分の健康診断に1万円は高額だとちゅうちょされる方がいらっしゃるのではないでしょうか。早期発見、早期治療のおかげで大事に至らずに回復した人も多くいらっしゃいます。若い世代の予防医学は非常に大切だと考えるのですが、本市の若年層に向けた健康診断についての所見をお聞かせください。本市では、19歳から39歳までの方を対象とした健康診断を実施されておりませんが、そのことについてどのようにお考えでしょうか。他都市で実施されているような健康診断を今後、本市でも実施する予定はあるのか、お示しください。続きまして、中学生の学校健診についてお尋ねいたします。令和5年版全国都市の特色ある施策集の中で紹介されていました愛知県蒲郡市では、中学生の学校健診にヘモグロビンA1cとピロリ菌の検査を追加いたしました。子供の頃から生活習慣病を予防し、健康寿命の延伸と健康で生き生き暮らすことを目的とし、学校、地域医療、行政が連携し、学校健診を生かした取組を実施しています。戦後、国民の生活スタイルが急激に変化した影響で、生活習慣病と呼ばれる病気が増加しているのは、皆様も御存じのことと思います。その影響は成人だけではなく、子供にも及んでいます。一般的には成人の病気と言われていたメタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧、脂質異常などの病気が子供たちの間でも増えているということです。生活習慣病は、自覚症状に現れないまま長い時間がたってしまうことが多い病気です。子供の頃に生活習慣病を発症すると罹患期間が長くなることから、成人後に合併症の起こる頻度が高い傾向にあります。小児の糖尿病は、1型と呼ばれるタイプが一般的です。膵臓から分泌されるインスリンを作る細胞が自己免疫やウイルスなど、あるいは原因不明の破壊により起こります。これに対し2型は、主にカロリーの取り過ぎや運動不足などが原因で発症します。最近では、この2型を発症する子供が目立って増えているそうです。糖尿病は発症すると薬を服用しても完治が困難です。血糖値が高い状態が数年から数十年続くと失明を招く網膜症や腎機能の低下、足の切断につながり、何もしないと二十歳前後で早くも合併症を招きます。成人病が分かれば、本人、保護者の健康意識が高まり、深刻な事態にならないよう抑制できます。将来を担う子供の健康は、家庭だけではなく行政も一緒に考えて対応することが大切であると考えます。その点につきまして、本市の所見をお聞きいたします。まず、令和5年度の本市の中学生の学年別生徒数をお聞かせください。また、現在、中学生が実施している学校健診の内容及び今後、学校健診項目の変更、またはヘモグロビンA1c検査の追加の予定などがあればお示しください。次に、胃がん対策について伺います。本市の胃がん対策、予防対策の取組についてお伺いいたします。胃がんは、かつて日本人における死亡者数の第1位でした。2013年から慢性胃炎についてもピロリ菌の除去治療が保険適用になったことや、診断方法、治療方法が向上したことで、現在では男性は第3位、女性は第5位となっております。しかしながら、死亡者数は毎年、男性が3万人、女性は1万8,000人にも上ります。今からおよそ9年前の2014年9月に、世界保健機構、通称WHOの専門組織である国際がん研究機関は、全世界の胃がんの約8割がピロリ菌の感染が原因であるとの報告書を発表いたしました。胃がんの検査は、胃部エックス線検査や胃内視鏡検査などがありますが、このピロリ菌検査を併用することで早期発見でき、早期の治療が可能となります。今後、胃がんによる死亡者数を減らすことができるのではないかと考えられるのですが、本市の胃がん対策の現状をお示しください。また、胃がん検診の勧奨方法をお聞かせください。本市では、現在、胃がん予防のためにピロリ菌検査受診者はいますか。私は、胃がん検査と併せたピロリ菌検査の勧奨は必要と考えるのですが、本市では今後、勧奨の予定がありますでしょうか。続きまして、中学生のピロリ菌検査についてお聞きいたします。日本ヘリコバクター学会が、2023年4月に改訂した中学生ピロリ菌検査と除去治療自治体向けマニュアルでは、2016年より胃がん予防を目的として中学校でのピロリ菌検査と除菌を推奨しています。なぜかというと、5歳までにピロリ菌に感染すると胃炎が長期化します。それが原因で胃の粘膜が薄く痩せてしまう萎縮性胃炎になり、さらに胃の萎縮が進行することによって胃がんへと進展するケースが多いと言われています。胃がんの危険度は、胃の粘膜の萎縮の程度に相関します。そのため、萎縮の程度が強くなってから除菌をしても完全に予防はできません。中学生は萎縮がほとんどないことが明らかになっており、中学生の時期に除菌を行うことで胃がんの予防効果が非常に高く、さらに、胃潰瘍などのピロリ菌が関連する病気の予防にもなるからです。ここ数年で、中学生のピロリ菌検査を行っている自治体は全国にどんどん広がり、北海道でも函館市、帯広市、室蘭市、砂川市や鹿追町、日高町など増えてまいりました。学校健診の項目の中に組み込んでいる自治体もありますが、道内では、本人、保護者の希望、同意があれば学校健診の際に提出する尿検査の一部を使い、無料で検査を行っている自治体がほとんどです。このように、中学生の段階でピロリ菌検査を行うことで、その御本人はもちろん、その御家族にとっても将来的に安心が保てるのではないでしょうか。本市では、まだ中学生のピロリ菌検査は実施されておりません。ぜひ実施していただきたいと考えますが、本市の今後の見解をお示しください。以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
佐藤議員の御質問にお答えをいたします。初めに、若年層の予防医学について御質問がありました。まず、若年層の健康診断についてですが、若年層に向けた健康診断に対する所見につきましては、40歳未満の若い世代を対象とする健康診断の実施は、生活習慣病発症のリスクの軽減、疾病の早期発見や早期治療を進める観点から有効なものであると考えております。次に、若年層を対象にした健康診断の実施につきましては、ただいま申し上げましたとおり、若年層を対象とした健康診断の有効性については認識いたしておりますが、多くの方の健康診断を行うには多額の費用を要し、国の地方財政措置もないことから、本市においては、実施は難しいものと考えており、現時点では予定いたしておりません。次に、胃がん対策について御質問がありました。まず、本市の胃がん対策、予防対策の取組についてですが、本市の胃がん対策の現状につきましては、胃バリウム検診と胃内視鏡検診を実施いたしております。胃バリウム検診は、40歳以上の希望者を対象に、年1回1,000円の自己負担で実施をしており、胃内視鏡検診は50歳以上で年度内に偶数年齢になる希望者を対象に、2年に1回3,000円の自己負担で実施いたしております。いずれの場合も70歳以上の方、生活保護世帯の方、市民税非課税世帯の方は無料となっております。次に、本市の胃がん検診の勧奨方法につきましては、市で実施しているがん検診の日程などを冊子の形でまとめた「小樽のけんしんまるわかりブック」を毎年5月に新聞折り込みで配布をするとともに、市のホームページにも掲載しているほか、広報おたるで次回の検診や予約受付の日程を毎月お知らせするなど、多くの方が検診を受けられるよう周知を行っております。次に、胃がん予防のためのピロリ菌検査の受診者につきましては、市内においてピロリ菌検査を実施している医療機関があることから、検査を受けている方が一定程度いるものと考えられますが、検査実績を市に報告する義務はないため、具体的な人数等は把握いたしておりません。次に、胃がん検診とピロリ菌検査を併せた勧奨につきましては、本市では国が示す、がん検診実施のための指針に基づき、胃がん検診として胃バリウム検診と胃内視鏡検診を実施しているところであり、本指針には、ピロリ菌検査の推進について位置づけられていないことから、現状では、胃検診とピロリ菌検査を併せた勧奨を行う予定はありません。次に、中学生のピロリ菌検査についてですが、今後の検査実施につきましては、ピロリ菌は主に乳幼児期に感染することが多く、胃がん予防のためには感染期間の短いうちに除菌することが効果的とされていることから、中学生のピロリ菌検査が注目されているものと認識いたしております。今後、関係学会から示される知見や他都市の状況などを見ながら、実施について検討してまいりたいと考えております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
佐藤議員の御質問にお答えをいたします。若年層の予防医学について御質問がありました。中学生の健康診断についてですが、まず、令和5年度の中学校の学年別生徒数につきましては、令和5年5月1日現在で申し上げますと、1年生が687人、2年生が726人、3年生が729人で計2,142人となっております。次に、中学生の学校健診の内容及び今後の健診項目変更等の予定につきましては、現在行っております学校健診の内容は、学校保健安全法施行規則第6条に基づき、身長、体重の測定、視力、聴力、尿などの検査や内科、歯科、眼科の専門医による診察などを実施しており、問診などの健診結果を基に必要に応じて病院での2次検査や受診を勧めるなどの対応をしているところであります。また、定められた項目以外を実施する場合は義務づけでないことを明示し、保護者の理解と同意を得る必要があることや、ヘモグロビンA1cの検査を追加するためには新たに採血を行う必要があることから、現状としては学校健診として追加することは難しいものと考えております。