小樽市議会 令和5年第2回定例会 2023年6月20日
デジタル産業に関する対応について
2023年6月20日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「デジタル産業に関する対応について」質問し、市長 迫俊哉、教育長 林秀樹が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、教育長 林秀樹
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 10番 横尾英司
次に、デジタル産業に関する対応について伺います。令和5年2月28日、ラピダス株式会社が次世代半導体工場の建設予定地として北海道千歳市を選定することが決定されました。ラピダス株式会社が技術開発・量産製造を目指す次世代半導体は、量子、AIなどを含む様々な分野で大きなイノベーションをもたらし、日本の半導体産業の再興、発展、日本全体のデジタル化、北海道のゼロカーボン北海道と日本のカーボンニュートラル、さらには経済安全保障の鍵となる極めて重要な中核技術です。その製造に加え、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の北海道立地の実現は、北海道が振興してきたものづくり・デジタル産業の飛躍はもとより、メイドイン北海道の次世代半導体を通じた日本経済・社会のイノベーションや経済安全保障への貢献、さらには世界中から研究者や技術者が集うデジタル人材拠点の形成につながることが期待されています。そのような中、5月30日には、経済産業省は、半導体やデジタル産業の成長戦略を検討する有識者会議を開き、2021年に策定した半導体・デジタル産業戦略の改定案を示し、また、今後、生成AIなどの開発で膨大なデータ処理が必要になることが予想されることから、デジタル拠点を地方に分散させてインフラ網の強化を図るとしました。また、国内のデータセンターは首都圏や関西圏に8割超が立地しており、海外からの海底通信ケーブルの陸揚げ拠点も道外の一部地域に集中しているため、災害時のリスク分散に加え、地方の再生可能エネルギーを活用する観点から、道内と九州で優先的に整備する方針が明記されました。そんな中、次世代半導体開発・製造のラピダス株式会社が掲げた北海道バレー構想では、千歳市に建設する最先端の半導体工場や半導体関連産業を軸に、太平洋側の苫小牧市から札幌市、日本海側の石狩市へと至る一帯をデジタル産業の一大集積地とするもので、巨大IT企業が集まる米シリコンバレーがモデルとされています。苫小牧市では、北米などを結ぶ国際海底ケーブルと接続して大型データセンターなどを展開し、道内のヒト・モノ・情報が集まる札幌市には、データセンターを利用する多くのIT企業の集積、石狩市では、洋上風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーを活用したデータセンターの立地、千歳市では、ラピダス株式会社の半導体により、今後のデータセンターの高速データ処理や低消費電力を実現するなど、デジタル分野で相乗効果と産業集積を狙い、北海道経済の底上げを図るとされています。北海道もデータセンターや国際海底ケーブルの整備、再生可能エネルギーの活用、次世代半導体製造といった環境変化を捉え、今後のデジタル政策のポイントとして、データセンター・海底ケーブルの整備、最先端半導体工場の建設、デジタル関連技術の社会実装、デジタル人材の育成・供給を挙げています。2023年末に北海道石狩湾新港地域から秋田間に大規模・大容量の海底光ファイバーネットワークが開通し、北海道-本州間の光ファイバーネットワークが強化される予定です。北海道でこれまで不安視されていたネットワークの冗長性やコスト面の課題が大幅に改善されることが見込まれ、まさしく本格的なIT産業の集積地としての環境も整ってまいります。このような環境変化の中、まずお聞きいたしますが、北海道バレー構想に石狩湾新港地域を有する小樽市が含まれていると考えていますか、お聞かせください。これらの動きに関連し、IT関連企業等の立地についても市にも相談は来ていますか。相談があった場合は、どこの部署で、どのように対応することになっていますか、お示しください。今後の重要インフラと考えると、データセンター、海底ケーブル、インターネットエクスチェンジ等のデジタルインフラに関する構想などを小樽市でも策定し、今後の誘致や産業の振興などを計画的に進める必要性があるのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。次に、デジタル人材の育成について伺います。経済産業省北海道経済産業局では、3月14日、産官学の連携による、北海道デジタル人材育成推進協議会を立ち上げました。これは、北海道内におけるデジタル人材の育成・確保を推進するとともに、北海道をデジタル人材創出の先進地とし、また、デジタル人材の活躍の場を拡充するために新産業の創出、既存産業の成長をはじめ、IT企業やユーザー企業のデジタル部門やデータセンターの誘致、デジタル系スタートアップ起業家の創出、育成などの取組も強化していくことを目的としています。技術を使いこなし、新たな付加価値を生み出すためにも、半導体や蓄電池、情報処理基盤、高度情報通信基盤等のデジタル産業基盤の整備・強化を迅速に進める必要があるとしているものです。ICT人材育成等を起点に、地方で最先端の教育や仕事に向き合える環境をつくることで、小樽市が強みを有する、ものづくり産業の競争力を伸ばし、小樽経済の巻き返しを図る絶好機ともなり得るかと思います。ものづくりの現場では、効率化、合理化のために最先端の技術の導入が進むとともに、高度な技術・技能を持つだけではなく、ITスキル等を駆使し、創造的活動を担う人材を確保していくことが急務となっており、小樽市にとっても今後重要となる産業を担う人材を配置することにつながります。そこで、市内にある北海道小樽未来創造高等学校にAIやIoTを活用するITスキル等を習得することができる学科の導入などを北海道に要望したり、市と連携協定を締結している大学などにデジタル分野における協力を求めるなど、デジタル人材育成に関する取組が必要ではないかと考えますが、見解をお示しください。また、義務教育終了段階では比較的高い理数リテラシーを持つ子供が約4割いるにもかかわらず、高校段階では文理別のコースを選択するシステムも契機になり、理系が2割と半減しています。文系・理系への志向の変化としては、中学校から高校への進学の段階では、理系志向の割合は増えず、中学生のときに分からないと答えていた層が、高校生になると文系志向に移行しているという状況です。理系の人材育成の観点からも、中学校でも理数の博士号取得者などの専門的な知見のある教師による教科本来の深い学びや実社会につながる学び、そして、探求活動を展開したり、産学双方からのロールモデルの発信、職業に関する情報を積極的に発信するなどし、理数はできるが楽しくない、理数を使う職業に就きたいとは思わない、理系の職業にイメージが湧かないなどといった課題を解消させる取組を実施してはいかがでしょうか、見解をお示しください。最後に、デジタル産業についてお伺いします。国内企業で半導体を生産するようになれば、スマートシティー用の半導体が生産されるなど、まさにスマートシティーが実装されることが進む可能性がさらに加速することが見込まれます。そうなると、全国に先んじて人口減少が著しく進む小樽市で様々な挑戦に取り組むことで、日本全体の課題を乗り越えるような、また、新たな産業や技術が生まれる可能性もあります。これを千載一遇のチャンスと捉え、産官学や市民等と協働し、現在の小樽市の産業の課題などをしっかり協議し、デジタル社会を担うICT人材育成等を起点に、デジタル産業の集積、先端プロジェクトを誘致、推進し、新たな人の流れを生み出す取組を検討するなど、この社会をしっかりとものにするためデジタル産業に関する対応ができる体制を組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。今まで述べてきたような国や北海道との連携を深め、常日頃から情報交換をし、小樽市としての意思を明確に伝えて意欲を見せるとともに積極的に情報発信していただきたいと考えますが、見解をお示しください。また、このチャンスをつかむために必要な制度等について、国や北海道に対し要望する事柄があればお示しください。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、デジタル産業に関する対応について御質問がありました。初めに、北海道バレー構想についてですが、まず、石狩湾新港地域を有する小樽市が含まれているかにつきましては、この構想は太平洋側の苫小牧市から日本海側の石狩市へと至る一帯を半導体関連産業の一大集積地とするものであると認識しておりますが、具体的に小樽市が含まれているかどうかは示されておりません。次に、立地企業の相談の有無や担当部署につきましては、現段階では本市に対し、ラピダス株式会社の半導体工場建設などに関連したIT関連企業等からの相談はありません。また、本件については、産業港湾部企業誘致担当が対応をするものであります。次に、デジタルインフラに関する構想などを策定し、企業誘致や産業振興を計画的に進める必要性につきましては、国や北海道で、デジタルインフラに関連する戦略や構想を策定していることは認識をいたしております。本市におきましては、市内に関連企業の集積がなく、デジタルインフラに関連する情報も不足していることから、引き続き情報収集に努めるとともに、今後の関わり方について関係機関や市内企業などの意見を伺ってみたいと考えております。次に、デジタル人材の育成についてですが、まず、デジタル人材育成の取組の必要性につきましては、IT関連企業のみならず、市内事業者のDXへの取組は時代の要請であり、デジタル人材の育成は必要なものと認識しており、市教委や団体が実施しているプログラミング事業を支援するとともに、連携協定を締結している大学などと連携しながら、その取組について検討を進めてまいりたいと考えております。次に、デジタル産業についてですが、まず、デジタル産業への対応ができる体制につきましては、本市では、市内経済団体等の参画により、まちづくりの現状と課題を議論する、小樽スクラムミーティングや、中小企業の振興策を議論する、小樽市中小企業振興会議などを設置しておりますので、このような会議の場を活用し、提案のあった体制づくりの必要性などについて、市内企業や経済団体等の御意見を伺ってみたいと考えております。次に、国や北海道との連携、情報発信につきましては、これまでも北海道などが主催する、半導体産業セミナーや次世代半導体プロジェクトに関する説明会に職員を参加させておりますので、今後も情報収集や情報交換に努めるとともに、小樽の産業を取り巻く状況や立地環境などについて情報を発信してまいりたいと考えております。次に、北海道や国に対しての要望につきましては、このたびのラピダス株式会社による次世代半導体プロジェクトは、国策として実施され、その事業規模など道内ではこれまでにない規模であり、近隣自治体への経済波及効果も相当なものであると認識をしており、その経済波及が地域間格差を生むことなく、本市をはじめとする北海道全体の活性化につながることを期待いたしております。(「議長」と呼ぶ者あり)
答弁 教育長 林秀樹(教育長は2024年3月まで)
横尾議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、デジタル産業に関する対応について御質問がございました。デジタル人材の育成についてですが、理系の人材育成に対しての見解につきましては、児童・生徒の発達を踏まえ、小・中学校の段階から、創造性や探求心を育み、チャレンジする個性を伸ばして、高等教育につなげていくことが大切であり、これを実現させるためには、理数好きの子供の裾野を広げる取組が重要であると認識しております。本市においては、子供たちの理数に対する興味、関心を高め、探求心を持たせるため、小樽市総合博物館において、ジュニア科学講座や青少年のための科学の祭典を開催するとともに、理数の授業改善に向け、外部講師を招聘した研修講座を行い、教員の指導力向上に取り組んでいるところであります。今後は、これらの取組に加え、企業や大学による出前授業等を通して、職業のイメージを持たせることにより、理系の人材育成につなげてまいりたいというふうに考えております。(「議長、10番」と呼ぶ者あり)
再質問 10番 横尾英司
何点か再質問させていただきたいと思います。保健所についてですけれども、保健所設置のことについて検討していますかということで、検討はしていないということだったのですけれども、今後、庁舎をどうするかということも考えなければならないですし、もし違うところに、どこかに入るといったとしても、その後、検討して、いざ継続して維持していくことが難しいとなったときには、庁舎も影響が出ますし、例えば、もし違うところに場所を借りて入るとしたとしても、そちらにも影響が出るということで、早めに一度はしっかり検討したほうがいいのではないかというお話をさせていただいたつもりでございます。福岡県大牟田市は、現在も、もう少し小樽市よりも今は人口が多い段階ですけれども、さらにその2年前に検討したということですので、同じような状況になっているのではないかということで、検討はしたほうがいいのではないかということで確認をさせていただいたのですけれども、このことについても、今後も検討しないという、考えていないという、住民サービスを維持するためということはありましたけれども、検討は一度してはどうかという思いがあったのですが、これについてもう一回確認させてください。あと、北海道バレー構想について確認させていただきましたけれども、石狩湾新港地域という部分と、石狩ということは言われておりますけれども、これは相手方が含んでいるという話ではなくて、小樽市として含まれていると考えているのかという小樽市側の姿勢として聞かせていただいたのですけれども、相手が言っているところでは何も言っていませんので、この地域一帯として小樽市が含まれているとして考えるのであれば、また次の対応があると思うのですけれども、考えていないというのであれば、またその対応が違ってくるのかというふうに思いますので、小樽市として自分たちの捉えとしてどういうふうになっているのかというのを確認させていただければと思います。この2点だけお願いします。
答弁 市長 迫俊哉
横尾議員の再質問にお答えをさせていただきます。1点目につきましては、保健所の設置について今後どのように検討していくのかというお尋ねでありますけれども、御存じのように大変老朽化をしておりますので、現状のままで存置していくということは非常に難しいというふうに認識しております。ただ、現地で建て替えるのか、別の場所にするかということは考えていかなければいけないというふうに認識をしておりますので、今後のそういった方向性ですとか、スケジュールについては、検討していかなければいけない問題だというふうに認識をしております。それから、北海道バレー構想について、小樽市が含まれるかどうかということでございますけれども、報道等を拝見しておりますと、先ほどの答弁でもお答えさせていただいておりますとおり、苫小牧市から石狩市一帯ということでありますけれども、石狩市ということになりますと石狩湾新港地域の工業団地につきましては、行政界としては小樽市のエリアにありますので、そういった意味では、小樽市も含まれているというふうに考えたいと思いますし、このバレー構想の恩恵を受けるために、そういうふうな意識を持ちながら、これからの施策を考えていきたいというふうに思っているところでございます。