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小樽市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月12日

職員減少時代の人事戦略について

2022年12月12日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「職員減少時代の人事戦略について」質問し、市長 迫俊哉、財政部長 上石明、産業港湾部長 渡部一博が答弁しました。

質問者
横尾英司 議員
答弁者
市長 迫俊哉、財政部長 上石明、産業港湾部長 渡部一博

議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。

質問 1番 横尾英司

次に、職員減少時代の人事戦略について伺います。今まで述べてきたSociety5.0に向けた先端技術であるAIやITなど新たな行政改革に生かすこととなりますが、そのためにも業務改善が求められます。基礎データの収集、検索、定型的な問合せや処理業務への対応、手のかかるマッチング、計算負荷の重い分析、労力を使う現場作業などをできるだけAIやIoTに任せて、時間に追われ単純作業に忙殺される状況を解消し、住民とのコミュニケーション、問題を抱えた人たちへの支援、柔軟な財務等の運営や計画づくり、官民協働のための計画づくりや調達、政策評価といった付加価値の高い業務にできるだけ職員の業務時間を割くという本質をしっかり示すことが大事です。しかし、これから日本全体でも少子化が要因となり、労働供給量の大幅な減少は避けられず、さらに公務員の場合は国籍要件などが必須となるなど様々な制約があることから、民間企業と比べると労働力不足は深刻となります。人口減少が進む小樽市も当然職員が減少する時代を見据えた人事戦略が必要となると考えます。そこで、人事評価についてうまく機能しているのかという観点で伺います。平成26年の地方公務員法改正により、新たな人事評価制度の導入による能力及び実績に基づく人事管理が徹底されることになりました。つまり、能力評価と業績評価の二本立てです。能力評価は、職員の職務上の行動等を通じて顕在化した能力を把握して評価され、業績評価は職員が果たすべき職務をどの程度達成したかを把握して評価されます。人事評価を活用する場合、評価される側が納得できる評価基準がなければ、評価結果を信頼できず、処遇に対する不公平感を抱くことになります。そこで、人事評価の実効性を確保する上で、最も大切なのは評価する側の上司が評価される側の部下に対し、何のために、何を、どのような基準で評価するのかを明確に示すことであるとされています。現在行われている人事評価制度の目的と、能力評価と業績評価の目的をお示しください。また、小樽市における人事評価制度は、コストに見合った成果が出ていると思いますか。見直しの必要性はありませんか。市の見解をお示しください。次に、人事異動のパターンについて、今のままでよいのかという観点で伺います。人事異動をなぜ行うのかについては、自治体の視点から見た役割としては、「一般的に組織の活性化」、「適材適所の配置による組織力の向上」、「人的交流によるネットワーク財産の蓄積」、「部門間セクショナリズムの打破」、「長期同一職場による不正な防止」などが挙げられます。また、職員の視点からすると、「適正の発見」、「能力開発」、「マンネリズムの打破」、「過度の専門家の防止」などの役割があるとされています。特に、事務職の異動パターンは、短いスパンで様々な部-33-署への異動を繰り返すジェネラリスト型が一般となっています。しかし、一つの職場の在籍期間の短いジェネラリスト型の異動パターンでは、特定分野の専門性を高めることは難しいのですが、近年は住民ニーズの深化、複雑化が進み、自治体職員にもこれまで以上に高度な専門知識が必要とされるようになってきています。しかし、似たような分野の職場ばかりを異動するスペシャリスト型の人事異動にすれば、専門性は確保できるものの、それ以外の分野のことが分からなくなってしまい、問題構造が複雑で複数の政策分野にまたがることも珍しくない現代の政策課題への対応は、専門家だけでは難しくなっています。また、特定の分野の専門家の場合、充てることのできる管理職ポストも限られるため、幹部人事の停滞にもつながるなどの課題も抱えています。職員の能力開発には三つのフェーズがあるとされており、第1段階は採用から10年程度までの能力育成期、第2段階は採用から10年から20年程度の能力拡充期、第3段階は採用から20年以降の能力発揮期となっています。第1段階は職員の適性を見極めるため、短いスパンで異なる業務分野での配属を繰り返します。第2段階は、能力育成期に見極めた適正を拡充するため、その期間に経験した職場を再び経験することもあります。第3段階は第2段階までの期間に培った能力を遺憾なく発揮してもらうため、過去に携わった業務分野を中心に人事異動が行われるというものです。そこでお聞きいたしますが、人口減少が急速に進む本市として、全員の異動パターンをジェネラリスト型にするのではなく、途中からスペシャリスト型の異動パターンを希望する者には、スペシャリスト型を適用することによる順次の複線化を進めてよいのではないかと考えますが、見解をお示しください。また、職員本人にとっても、自分のやりたい仕事に従事したいと思うのは当然ですが、異動の決定権は多くの場合、自治体側にあり、職員一人一人が自らのキャリアパスを考え、実現していくような仕組みにはなっていません。人事異動はその役割からも明らかなように、本来、職員個人の能力の開発・活用と意欲の向上を図り、同時に組織力の向上を図ろうとするものです。しかし、多くの場合、職員に異動の意図が伝わっていないため、命令されるまま異動し、やらされ感を抱えながら仕事をこなすことになってしまいます。どのような考えの下に、どのような異動するのかを理解させることや、当該職員に係る異動の意図等についても、面談等の機会に知らせるなどの対応を行うことで、職員の意欲向上も図られるかと思いますが、このような取組に対しての見解を伺います。次に、副業、兼業を希望する職員への対応について伺います。働き方改革の一環として副業、兼業的な働き方の導入が促進される中、自治体においても職員の副業、兼業を後押しする動きが見られるようになり、兵庫県神戸市や奈良県生駒市などが、職員が地域貢献活動等に係る副業、兼業に従事することを明確に認めたのは、記憶に新しいかと思います。地方公務員法には、職務専念義務や営利企業等への従事制限が規定されていますが、任命権者の許可があれば、勤務時間外の副業、兼業は可能であり、公益性が高い業務で営利目的でなければ許可が下りることも多いものです。地域社会の運営に当たっては、自治会、町内会などの地縁組織が多くを担ってきましたが、近年その担い手が減少してきたことを受け、新たな地域活動の担い手として自治体職員に熱い視線が注がれています。そういう意味で副業、兼業が促進されている側面は否めませんが、役所以外の組織で働くことは職員の能力開発につながると考えられます。頻繁に会っている人が持つ情報は、類似したものになりがちですが、たまに会う人からは目新しい情報を入手できる可能性が高いということからも、役所組織外における副業、兼業は、組織外のつながりを広-34-げ、ふだん入手できない知識や情報の入手に役立ち、新たな政策アイデアを生み出すきっかけにもなり得ると考えられます。所属する組織の枠を自発的に飛び越え、自身の職場以外に学びの場を求めることを越境学習と言われますが、副業、兼業には副次的かもしれませんが、越境学習と同じような効果が見込まれます。加えて、自主的な活動であることから、育成コストを負担せずに済むメリットもあります。また、自治体は幅広い業務を保管しており、必ずしも自身の望む業務に従事できるとは限らないですので、離職を考える可能性もありますが、業務外で自己実現の可能性を認めることで離職を踏みとどまらせる効果も期待できます。このように職務外に報酬を得て、地域活動に従事する際の基準を明確化するなどし、職員が副業、兼業などを通じて積極的に地域課題の解決に関わるとともに、人材育成する仕組みを検討してもよいかと思いますが、見解をお示しください。次に、定年延長でどう変わるのかについて伺います。令和3年6月、地方公務員法改正案が成立しましたが、これは令和5年度から国家公務員の定年を引き上げる国家公務員法の改正に合わせたもので、地方公務員の定年についても60歳から65歳まで年1歳ずつ段階的に引き上げられることになります。これに伴い、定年延長によって昇進のペースが遅くなり、職員の士気の低下を招くことが危惧されます。そこで、今回の改正では、組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため、役職定年制が導入されることになりました。したがって、管理職である60歳の職員は、翌年度に非管理職である係長職などとなって異動することになるとお聞きしています。そこで伺いますが、今回の法改正による定年延長と従来の再任用の違いについてお示しください。また、今回の法改正により、管理職の降任による係長職の実員過剰、役職定年によるモチベーションの低下などが懸念されます。これらの問題に対して、人材育成の強化による昇進ペースの見直しや、人事評価による昇進管理の厳格化、早期退職の支援など、何らかの対策が求められると思いますが、どのような対策を考えていますか、見解をお示しください。次に、中途採用職員や任期付職員の活用について伺います。公務員の世界では、公務の中立性の確保、職員の長期育成を基礎とする公務の能率性の追求等の観点から、任期の定めのない常勤職員が基本とされ、長きにわたってそれに基づく人事運営が行われてきました。資格職など一部の職種を除き、その多くは採用試験を経て採用されますが、受験資格が30歳前後までとされていることが多く、実質的には新卒者が多数を占めるのが一般的でした。しかし、近年は民間における雇用形態の多様化の動きを追うように、多様な任用形態の職員、つまり公務員としては例外的な任用形態の活用が広がってきています。また、副業、兼業を前提にした採用も進んでおり、給与水準が高くて常勤ではとても雇えないような人材を、非常勤で活用することも可能となるものです。副業、兼業であれば、必要なときだけ来ればよいため、移住を伴う専門人材の活用が難しかった部分があった東京など大都市圏の人材を起用することも比較的容易になります。組織の活性化にも期待が持てる副業、兼業を前提とした職員の採用について、本市ではどのように考えていますか。ほかにも妊娠、出産、育児または介護を理由として退職した方が、再び就業可能になった際に、退職前の勤務経験が適切に評価・処遇される再採用制度などを導入している自治体もあると聞きますが、このような制度の導入についての見解についてお聞かせください。以上、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)

答弁 市長 迫俊哉

ただいま、職員減少時代の人事戦略について御質問がありました。初めに、人事評価についてですが、まず、人事評価制度の目的につきましては、職員が職務を遂行するに当たり発揮した能力と上げた業績を公正に把握することで、職員の主体的な職務の遂行を促し、職員の能力を高めるとともに、能力、実績に基づく人事管理を行うことにより、組織全体の士気高揚を促し、公務能率の向上につなげ、市民サービス向上の土台をつくることを目的としております。また、能力評価は、職務に取り組む意欲や姿勢等を評価し、業績評価は職務遂行に当たり設定した目標に対し、どの程度達成できたかを評価するものであります。次に、人事評価制度の成果と見直しの必要性につきましては、人事評価で上位評価がつくことで、職員のモチベーションの向上につながるほか、評価者と被評価者との面談がコミュニケーションを促進し、業務の進捗状況の把握や相談を受けたり、助言を行ったりする機会となっておりますので、確かに手間暇はかかりますが、主たる目的以外にも職場の活性化の一助になっているものと考えております。一方、国家公務員においては、人材育成機能の強化などを目的に、職員の能力、実績をよりきめ細かく的確に把握するための評価の細分化等の見直しが行われておりますので、本市においても今後、見直しを検討する必要があるものと考えております。次に、人事異動のパターンについてですが、まず人事異動の複線化につきましては、職員にとっては人事異動を通じて幅広い知識や経験を積むことも大切でありますが、特定の部門においては業務に精通した職員も必要であると認識をしております。私といたしましても、これまで専門性が必要とされてきた税務や福祉部門のほか、デジタル化、災害対策、港湾行政などにおいてもスペシャリストを育成したいという思いがありますので、職員本人の希望なども踏まえ、スペシャリストの育成を意識した人事異動は行ってまいりたいと考えております。次に、人事異動の意図などを伝えることにつきましては、人事異動の考え方については職員が幅の広い知識を習得するとともに、自己の適性を発見することなどを小樽市人材育成基本方針に明記し、職員への周知を図っているところであります。また、人事異動に当たっては、所属長が職員と面談をし、希望等を聴取することとしておりますが、必ずしも本人の希望等に沿った人事異動とはならない場合もありますので、異動の意図を理解してもらうことも含め、職員が異動後の職務に意欲的に取り組み、資質能力の向上が図られるよう努めてまいりたいと考えております。次に、副業、兼業を希望する職員への対応についてですが、職員が副業、兼業を行うことにつきましては、国からも地方公務員が社会貢献活動等に関する兼業を行うことについて許可基準を明確化し、公表するよう通知をされております。私といたしましても、職員が職務外で地域貢献活動等を行うことは、人材育成や、地域活動の活性化という点で有意義であると考えますので、他の自治体の例も参考にしながら、兼業許可の基準の明確化について検討をしてまいりたいと考えております。次に、定年延長でどう変わるのかについてですが、まず定年延長と従来の再任用の違いにつきましては、定年延長は少子高齢化が進む中、複雑高度化する行政課題に的確に対応するため、能力と意欲のある高齢期の職員に最大限活躍をしてもらい、豊富な知識、技術、経験などを継承していくことを主たる目的としているとされております。一方、再任用は、公的年金の支給開始年齢が65歳へと引き上げられたことに伴い、60歳で定年退職する職員に無収入となる期間が発生をしないよう、雇用と年金の接続を主たる目的としているとされておりま-36-す。次に、役職定年に伴う対策につきましては、役職定年で管理職から降任する職員は、既存の係長職ポストに降任するのではなく、新たに設置をする係員から振り替えた役職定年者用の係長職ポストに就くこととし、新陳代謝と将来管理職となり得る若年層の育成に配慮したいと考えております。また、管理職からは降任しますが、係長職にとどまり、積み重ねた豊富な知識、経験を生かした指導的な役割を担うこととなりますし、給与も相応の水準が保障されることとなりますので、一定程度モチベーションは維持されるものと考えております。次に、中途採用職員や任期付職員の活用についてですが、まず副業、兼業を前提とした職員の採用につきましては、現在、総務省の地域活性化起業人制度を活用して任用しているデジタル推進アドバイザーのように、民間企業勤務で専門性の高い人材を非常勤で任用する場合などに有効な任用形態の一つであると考えております。ただいま申し上げました起業人制度は、国の財政措置もあり、ICT分野に限らず有効なものと考えており、起業人制度以外の副業、兼業人材の活用については、他の自治体の例などを参考に検討を進めてまいりたいと考えております。次に、再採用制度につきましては、新陳代謝や人材育成の観点から、新卒者などの新規採用を優先したいと考えておりますが、特に免許、資格が必要な職種においては、職員採用試験の応募者数が不足している状況もあることから、今後、人材確保の方策の一つとして、再採用制度について、他の自治体の例を参考にするなど検討をしてまいりたいと考えております。(「議長、1番」と呼ぶ者あり)

再質問 1番 横尾英司

二点だけ再質問させていただきたいと思います。私が財政についてということで質問させていただいた中に、予算要求の中で具体的に見直しをするという部分でお話しさせていただきましたけれども、なかなかその仕組みがない中で、できていないというところを再三議会の中でも質問させていただいたのですが、これは具体的に何か今までと違う仕組みはつくっていないということでよかったのかという確認だけさせていただきたいと思います。あともう一点、データセンター戦略についてですけれども、国・道との連携というのは本当に必要になると思いますし、ここは積極的にやっていただきたいと思うのですが、具体的にこの連携というのはどういった形のものとなるのか。例えば、定例でそういったものがあるものなのか、随時こちらから向かっていく形になるのか、そういったものの具体的な例を少し示していただきたいと思います。

答弁 財政部長 上石明(財政部長は2023年2月まで)

横尾議員の再質問にお答えいたします。私からは、予算要求に当たっての具体的な新たな仕組みがあるのかという点でございますけれども、これについては別に特段新たな仕組みはございません。ただ、市長からも御答弁ありましたけれども、予算要求に当たって、これまでもずっと新年度予算編成については、各部に限られた予算の中で、しっかりと選択と集中の位置づけの中でやっていただきたいという形では、これまでも繰り返し通知をしてきたところでございますので、確かに今、本市においては事業評価というものは行ってはございませんが、予算要求に当たって、そのような事業もしっかり検証しているということであり、決して何もしないで予算要求をしているわけではございませんので、改めて財政部から具体的に詳細を例示して、今回通知をしたというものでございます。-37-

答弁 産業港湾部長 渡部一博(産業港湾部長は2026年3月まで)

横尾議員の再質問にお答えいたします。私からデータセンターの関係で、国や道との情報交換というところですけれども、基本的には私どものほうから、そういったデータセンター誘致について必要な情報を、国や道に確認するということになろうかと思います。先ほど横尾議員から質問がありました国際回線の関係なども、我々も少し不明なところもございますので、こちらから働きかけていろいろと情報を取りたいなというふうに思っています。また、一方では答弁の中にもありました北海道ニュートピアデータセンター研究会にも参加しておりまして、そちらで勉強会なども行われていますので、そういったものにも参加しながら必要な情報を取って、データセンターの誘致に向けていろいろと進めていきたいというふうに考えてございます。

出典:小樽市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月12日 議事録 PDF(51ページ) 間違いを知らせる