小樽市議会 令和4年第4回定例会 2022年12月12日
Society5.0・超スマート社会に向けた戦略について
2022年12月12日、小樽市議会の一般質問で、横尾英司議員が「Society5.0・超スマート社会に向けた戦略について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 横尾英司 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 1番 横尾英司
次に、Society5.0、超スマート社会に向けた戦略について伺います。人類は狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、そして情報社会(Society4.0)と社会システムを進化させてきましたが、現在はその次の社会システムであるSociety5.0の実現を目指しています。そこでデータセンター戦略について伺います。Society5.0の意味するところは、ネットワークとコンピューターが社会の最重要インフラとなる社会です。20世紀までは国家インフラと言えば、道路・水道・食料・エネルギーといった物理的システムを意味しましたが、Society5.0の社会では、物理的なインフラは情報インフラの上に構築されるようになります。今でも交通やエネルギー流通は、情報システムがなければ機能しません。現在、既に国家機能から私たちの生活までが情報システムによる最適化によって支えられており、最重要インフラが情報ネットワークと情報処理基盤であるというこというのは明らかです。そして、Society5.0の世界では、エネルギー・食料・医療・物流など国を支える全システムがデジタル基盤の上に構築されます。ネットワークとデータセンターが機能を停止することは、社会システムの停止を意味します。だからこそ、日本の未来には速い、太い、そして強いネットワークとデータセンターが必須となります。視点を変えて、現在の世界の情報通信網を見ると、大きく北米西海岸、北米東海岸、ヨーロッパ、そして東アジアを結ぶ光ケーブル網を中心につくられています。日本の中で北海道は北米大陸、ヨーロッパに近い地点に位置しています。もしも北海道とそれら地域とを結ぶ直通光回線が存在したら、北海道は日本でそれらの地域と通信する際に、遅延時間が最小の地域になります。近年の北極海域の気候変動は、この状況を変える可能性を見せています。ヨーロッパとアジアの間を北極海経由で直接接続する光海底ケーブル事業の構想が、2016年にフィンランド政府の提言として発表され、その後の国際情勢の変化もあり、北極海光海底ケーブル事業はアークティックリンクとして事業計画を再構築して続いています。北海道は日本海、太平洋、オホーツク海の3海に面しており、どの海域にも物流拠点庫があります。特に、日本海側の石狩湾新港と苫小牧港は直線距離で約75キロメートル、しかもその間が平野部なので、高速道路経由なら1時間強で移動可能な距離であるのに加え、その経路上に拠点空港としての新千歳空港が位置し、国内外の主要都市に直行路線を持っています。この地製的な構造は物流、人流だけではなく、情報通信の面でも特徴的な位置にあると言えます。日本海側の石狩湾は、国内の日本海側の都市、ロシア極東地域への通信路のゲートウェイになり、苫小牧沿岸は国内の太平洋側の主要都市及び北米向けた通信路のゲートウェイになります。この2点は、陸上で経路が結ぶことができ、その間に札幌市と千歳市が位置することになり、このような地勢的特性を有する地域は国内でも稀です。また、北海道は日本で唯一の亜寒帯気候であり、冷涼な気候特性があります。SDGsで重要なテーマである再生可能エネルギー資源も風力、水力、太陽光、地熱、バイオマスと資源量が豊富です。北海道の地域特性を活用したネットワークとデータセンターの立地計画は、日本全体の国土強靱化とSDGsに貢献できると考えられています。Society5.0化する日本を考えるとき、北海道が持つリソースはその位置と資源を最大限活用するネットワーク拠点と、データセンター立地の理想郷になれる条件を備えています。最もデータセンターに適した土地はどこかという議論になると、データセンターが発する熱を効率的に冷やせるエネルギーコストの低い場所となるそうです。発展が急速なアジアの利用者に向けたデータセンターをどこにつくるかという議論になったとき、有力な候補として浮上するのが北海道です。北海道に改めて注目すると、気候が寒冷であることに加え、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い-29-こと、電力が十分に供給されていること、土地を確保しやすいことや自然災害による首都圏などとの同時被災リスクが少ないことなど、様々なアドバンテージに行きつきます。高速大容量で強靭なインターネット網とデータセンター拠点は、Society5.0を支える最重要なインフラとなり、日本のみならずアジアの経済や安全保障に大きく貢献できるものとなる可能性を秘めています。このようにデータセンター戦略を考えた際には、北海道の中でも注目される地域を有する小樽市ですが、国のデジタル田園都市国家構想で「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」として、3年程度で日本を一周する海底ケーブルを完成させ、データセンターを地方に5年程度で十数か所整備するとしています。日本海側を周回するケーブルやサーバーなどを置くデータセンター設置も基金で支援し、地方活性化につなげたい考えがあると聞いています。そこでお聞きいたしますが、国内の光海底ケーブル陸揚げ局については、災害のリスクを考慮し地方へ分散されることが求められており、石狩湾新港地域に建設予定されていますが、現在の小樽市における陸揚げ局の有無と稼働状況についてお示しください。また、北海道と本州をつなぐ国内光海底ケーブルや陸揚げ局を取り巻く状況はどのように進んでおりますか、お示しください。次に、データセンター用地の確保及び誘致について、現在まで市の取組をお聞かせください。また、今後のインフラと考えると、データセンターは非常に重要なものと考えますが、小樽市として今後の誘致についてどのように考えていますか。誘致を考えているのであれば、データセンター拠点形成に資する税制優遇など、支援策についてどのような見解を持っているのかお伺いいたします。また、データセンター誘致に関しては、データセンターへの電力の供給がキーワードとなると言われていますが、世界的なミッションとなっているカーボンニュートラルという視点で考えると電力の中でも再生可能エネルギーの供給が求められることになります。そこで確認ですが、データセンター誘致に伴う再生可能エネルギーに対する小樽市の見解や取組はどのように考えていますか、お示しください。北極海域からの短遅延、大容量の国際回線の北海道陸揚げの誘致について、もし実現するのであれば、北海道だけではなく、日本や東アジアにとっても重要なインフラとなり、陸揚げ局を設置した地域に新たな展開も期待されるものと考えられますが、陸揚げ局の候補とされる地域やポテンシャルを持つ小樽市として、国際回線の陸揚げ局誘致についてどのようにお考えですか、お聞かせください。今まで述べてきたような国や北海道と連携した事業を行うためには、常日頃から情報交換をし、小樽市としての意思を明確に伝えて意欲を見せるとともに、積極的に情報を発信していかなければならないかと思います。北海道のホームページなどでデータセンター候補地を紹介するとされていましたが、この候補地である市町村に小樽市は入っていますか。また、この候補地となるにはどのような条件が必要となりますか。もっと国や道との情報交換などを深める必要があると考えますが、見解をお示しください。次に、デジタル技術の活用についてお伺いいたします。「未来投資戦略2017-Society5.0の実現に向けた改革-」では、長期停滞を打破する鍵は「近年急激に起きている第4次産業革命(IoT、ビッグデータ、人工知能AI、ロボット、シェアリングエコノミー等)のイノベーションをあらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決する「Society5.0」を実現することにある」とされました。このSociety5.0を社会実装することが社会や地域の課題を解決する鍵となるということです。そこで、ビッグデータの活用についてお伺いいたします。-30-EBPM(根拠に基づく政策立案)に取り組むには、何よりもエビデンスを取得する必要があります。それはある事象についての因果関係を見いだすことにほかなりません。しかし、今までの行政が保有しているデータは、因果関係を分析するには粗すぎたり、鍵となるデータがなかったりします。それはデータの取り方に問題があったと思われます。今はIoTの時代となり、各種センサーの値段も下がり、あらゆるもののデータが集めることができるようになったことで、これまでには知られなかったエビデンスが発見されることもできると思います。そこで大事なのは、どういうデータをどのように取り、どのように利活用するかを考える想像力と、創り出す力、創造力です。そのようにして取ったデータを公開し、様々な専門家などに自由に使ってもらえれば、これまで知らなかった因果関係やエビデンスが見いだされることが期待できます。例えば、観光客がコロナ禍前には800万人も訪れていた小樽市ですが、小樽市の中心部にある商店街など多くの人が通行する場所にセンサーなどを設置し、通行量などのデータを取り、人の流れについてのビッグデータとして活用し、またはオープンデータとして活用してもらうことができれば、新たな地域への回遊を誘発することが期待できると思います。この例に限らず、市でビックデータを政策立案に活用されていますか。また、今後の活用についてどのように考えていますか。具体的なものがあれば、そちらもお示しください。次に、AR・VR技術の活用について伺います。VR(バーチャル・リアリティー)などの先端技術を活用する自治体も増えており、AR(拡張現実)技術を活用したリアル感を強く感じられる新しい形の災害体験、防災訓練も導入され始めています。近年異常気象や災害が多発し、日頃の訓練の必要性が一段と高まっているのに、防災訓練の内容は昔とほとんど変わっていません。AR技術は、いつも通っている職場、学校、自分の部屋などの慣れた場所で、なおかつ災害に遭う危険性が高い場所である今いる場所での災害を体験し、訓練することができるのが特徴です。また、端末を用意するだけで、どこでも手軽に体験することが可能で、今いる場所が映し出され、そこに煙、炎、浸水が現れます。いつも見慣れている場所が変化してしまう様子をこれ以上なくリアルに体験できるものです。また、煙ハウスのような大がかりな設備も、実際に炎を起こさせるような広い場所も、消火器も必要なく、自分が今いる場所に火災が発生したらどうなるかを危険がなく、人的なコストもかからず疑似体験できます。これは、現場の状況をイメージする手助けとなり、直感的で現実感のある防災訓練や防災教育などが可能となり、学校や町内会での活用も期待できるものです。私も火災による煙の体験をさせていただきましたが、実際に見える景色が白い煙から黒い煙となって広がり、前が見えなくなって、床に這いつくばらないと部屋から脱出できないという状態となり、今までに味わったことのない災害体験でした。このようなAR技術を活用したリアル感を強く感じられる新しい形の災害体験、防災訓練の導入についての見解をお示しください。以上、2項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、Society5.0・超スマート社会に向けた戦略について御質問がありました。初めに、データセンター戦略についてですが、まず、小樽市における陸揚げ局の有無につきましては、現在銭函5丁目に1か所設置をされており、常駐者はおりませんが、KDDI石狩海底線中継所として稼働しております。-31-次に、国内光海底ケーブルや陸揚げ局を取り巻く状況につきましては、国ではデジタル田園都市国家構想のデジタル基盤の整備項目として、データセンター及び海底ケーブル等整備を掲げている状況であり、本市と秋田県秋田市を結ぶ大容量光海底ケーブルが通信会社4社の共同で建設をされ、令和5年末に完成する予定であると認識をしております。次に、データセンターの用地の確保につきましては、データセンターの立地は一般的に広大な敷地が必要となりますので、石狩開発株式会社が分譲する石狩湾新港地域の未分譲地が候補地となる可能性があるものと考えております。また、データセンター誘致の市の取組につきましては、誘致に向けた必要情報収集を図るために、北海道へのデータセンター立地活動を行う北海道ニュートピアデータセンター研究会に令和3年4月に加入しているほか、道内のデータセンター視察を行うとともに、関連する産業展で市の優遇制度や立地環境のPRなどの取組を進めているところであります。次に、データセンターの今後の誘致につきましては、データセンターの立地は、一般的に投資規模が大きいため、固定資産税などの増収効果や情報通信産業など関連企業の立地が見込まれ、取引拡大や新たな雇用増など市内経済への波及効果も期待できることから、引き続き誘致に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。また、本市の税制優遇などの支援策につきましては、要件はありますが、本市の企業立地促進条例に基づき、固定資産税などが3年間課税免除となりますので、初期の設備投資に対する資金面での負担軽減が図られるものと考えておりますが、引き続き国や北海道、他都市の財政支援の動向についても注視をしてまいりたいと考えております。次に、データセンター誘致に伴う再生可能エネルギーに対する市の見解や取組につきましては、データセンターは機器の稼働や冷却などで大量の電力を使用することから、企業価値の向上につながる再生可能エネルギーの活用が必要となっております。また、データセンター誘致に特化したものではありませんが、本市では現在、市域全体の再生可能エネルギーの導入の方向性や基本方針を定める小樽市温暖化対策推進実行計画(区域施策編)を策定中であり、この計画に基づき、脱炭素の実現に向けて取組を進めることとしております。次に、北極海域からの国際回線の陸揚げ局誘致につきましては、国内だけではなく海外からの投資や固定資産税などの増収効果も見込まれると思われますが、設置条件など不明な点もありますので、国や北海道などの関係機関から情報収集を図り、誘致の可能性を探ってまいりたいと考えております。次に、北海道におけるデータセンターの候補地につきましては、現在、北海道データセンター関連情報統合ポータルサイトに候補地として小樽市は掲載をされておりません。また、掲載させる条件について北海道に確認したところ、これまでデータセンターの立地を検討されている企業から問合せがあった地域で、特別高圧電力や通信網が十分に整備されているなどの条件に適合した自治体を候補地として掲載しているとのことでありますが、今後、本市の掲載の可能性について北海道と協議をしてまいりたいと考えております。次に、国や北海道との情報交換の必要性につきましては、データセンターの誘致は先ほど御答弁したとおり、税収増や関連企業の立地など市内経済の波及効果も期待できることから、国や北海道はもとより、北海道ニュートピアデータセンター研究会などとも情報交換を深めてまいりたいと考えております。次に、デジタル技術の活用についてですが、まず本市におけるビッグデータを活用した政策立案の状況と、今後の具体的な活用につきましては、現在ビッグデータを活用した政策立案は行われておりませんが、EBPM、証拠に基づく政策立案をデジタル技術を活用し進めることは必要と考えており、大手検索エン-32-ジンメーカーが提供する、検索ワードと位置情報などの行動ビッグデータを分析できるシステムなどの導入を検討しております。次に、AR技術を活用した新しい形の災害体験・防災訓練につきましては、AR技術は自身に起こる危機が疑似体験できますので、災害に対する市民の皆さんの危機意識の向上が期待できる普及啓発手法の一つであると認識をしております。しかしながら、防災訓練等への導入に当たりましては、スマートフォン等のアプリをそのまま視聴するものや、専用のゴーグルも使用して複数人でリアルに体験するものなど、様々な方法があると聞いておりますので、効果的な方法や所要経費などについて、他都市の事例を調査してまいりたいと考えております。