小樽市議会 令和4年第3回定例会 2022年9月13日
ヒグマに係る本市の対応と今後に向けた施策について
2022年9月13日、小樽市議会の一般質問で、前田清貴議員が「ヒグマに係る本市の対応と今後に向けた施策について」質問し、市長 迫俊哉、産業港湾部長 渡部一博が答弁しました。
- 質問者
- 前田清貴 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉、産業港湾部長 渡部一博
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 25番 前田清貴
これから秋の行楽シーズン本番を迎えます。第3回定例会が始まるこの9月以降は、小樽市民がキノコなどの山菜取りや紅葉狩りなどで野山に入る機会が多くなります。同時に、出来秋となり農作物の収穫時期とも重なってきます。この時期怖いのが、野山でのヒグマとの遭遇です。同時に心配なのが、毎年繰り返されている農作物のヒグマの食害による被害です。過去、道内各地の農地や家庭菜園で、ヒグマによる農作物の食害が報告されています。あわせて、農作業中にヒグマに襲われ大けがをするなど、死傷事例も報告されています。小樽市も近年は例外ではなく、ヒグマの出没が相次いでいることから、以下ヒグマに関わる本市の対応と今後に向けた施策について質問します。初めに、過去5年間の道内でのヒグマによる家畜被害と農業被害の状況についてお聞かせください。また、道内の人身被害数と農業被害の傾向も含めお聞かせください。市民などからのヒグマの出没通報と、そのうち農地への出没について、過去5年間の件数を示してください。また、通報受理後の対応フローについて説明してください。令和4年度の直近までの市内の状況はどのようになっていますか、前段同様お聞かせください。現地調査はどのようにされておられますか。目撃地、足跡、農業などの被害現場の調査に出向く方はどなたになりますか、お答えください。被害現場の調査の主体は小樽市でよろしいですか。小樽市であれば、窓口はどこになりますか、お聞かせください。また、ヒグマから市民を守るため、通報受理後、出没確認後、小樽市は市民への周知、注意喚起などはどのように行っていますか、お聞かせください。小樽市のヒグマによる農業被害、食害について、2019年、2020年度はゼロ、2021年度に1件と報道されています。過去5年間のわなの設置箇所数とヒグマ捕獲数についてお答えください。仮に過去5年間について、農業者からの出没通報とヒグマ捕獲の実態があった場合、農業被害、食害とも重なってくるかと思いますが、被害件数と食害に遭った農作物名及び被害金額についてお示しください。農業者が露地栽培する農作物は1年に1度しか収穫できません。その大切な農作物がヒグマの食害にあった現場を目視した農業者の心境を思うと心が痛みます。一刻も早く現場に駆けつけ、状況を確認し、対策・対応を講じていただきたいところですが、実際はどのようになっていますか。通報から現場確認までの所要時間や準備についてお聞かせください。また、前段は平日の対応についてお聞きしていますが、市民の安全・安心の観点から、夜間、深夜あるいは土曜日、日曜日、祝日等の休日の対応方についてお聞かせください。-88-令和4年度のヒグマ出没に関わり、既に捕獲目的で箱わなが設置されたとお聞きしています。箱わな設置に関わる経緯と、どのような場合に箱わなを設置するかについてお聞かせください。小樽市所有の箱わなは、現在、合計何個ありますか。複数の個体が同時に広域で出没した場合、箱わなの数に限りが生じると考えますが、対策、対応についてお聞かせください。小樽市にはヒグマ防除隊が組織され、隊員が小樽市非常勤職員として任命されています。ヒグマ防除隊の組織上の責任者はどなたになりますか、体制を含めお示しください。原課の窓口はどこで、主たる担当者はどなたになりますか、お聞きします。また、ヒグマ捕獲に関わる本市の過去5年間の予算額と支出額及び防除隊員の出動人員数についてお示しください。加えて、令和4年度の予算額と直近までの支出額について、出動人員数も含めお示しください。ヒグマ防除に関わる出動には、出動報酬が支払われます。この出動報酬を取りまとめる事実上の責任者はどなたになりますか、お示しください。昨年札幌市にヒグマが出没し、男女4人が襲われ重軽傷を負った事例を踏まえ、ヒグマの市街地出没に備えて北海道は自衛隊職員などによる机上訓練を行うとあります。本市職員は参加されていますか。参加されていると仮定してお聞きします。訓練内容は、机上訓練からヒグマの出没経路を予測する検証も行うとしています。机上訓練と検証を踏まえ、今後、小樽市民の安心・安全に向けた対策にどのように生かされますか。マニュアル作成や施策について具体的にお答えください。以上、再質問を留保して、質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
前田議員の御質問にお答えいたします。ヒグマに関わる本市の対応と今後に向けた施策について御質問がありました。まず、過去5年間の道内でのヒグマによる家畜被害と農業被害につきましては、北海道の統計が令和3年度の数値は未公表のため令和2年度までとなりますが、家畜被害は平成29年度なし、30年度、4頭、令和元年度、28頭、2年度、7頭。農業被害につきましては、平成29年度、1億9,800万円、30年度、2億2,800万円、令和元年度、2億2,300万円、2年度、2億万4,900万円となっております。また、人身被害につきましては、平成29年度、4人、30年度、3人、令和元年度、3人、2年度、3人、3年度、12人となっており、農業被害額及び人身被害ともに増加傾向となっております。次に、過去5年間と今年度のヒグマの出没通報と、そのうち農地などへの出没の件数につきましては、平成29年度、出没26件、うち農地など11件、以下、同様にお答えいたしますと、30年度、43件、13件、令和元年度、24件、11件、2年度、22件、12件、3年度、14件、7件、今年度は21件のうち9件となっております。また、通報受理後の対応フローにつきましては、まず、目撃情報や出没場所、時間帯について教育委員会や町内会などへの情報提供するとともに、ヒグマ防除隊員、小樽警察署へ通報者と現地立会いについての連絡調整後、合同で現地の立会いを行い、ヒグマ防除隊員の調査報告を基に出没個体の有害性を判断し、その後の経過観察や痕跡再調査、わな駆除準備などの対応方針を決定していきます。次に、現地調査の方法や対応者につきましては、まず現地調査は目撃や被害の通報があった場所にヒグ-89-マ防除隊の隊員と事務局である市、警察の三者が集まり、現地の被害状況や足跡、歩幅などを実地検分いたします。その後、ヒグマの移動した山中での痕跡調査などはヒグマ防除隊が行いますので、被害現場の調査の主体はヒグマ防除隊となります。次に、出没確認後の市民への周知や注意喚起につきましては、まずは第一報として、出没地周辺の住民や学校などへの注意喚起を図るため、町内会や教育委員会に情報提供を行っております。次に、出没地付近に看板を設置したり、市のホームページによる情報発信により、広く市民に対する周知や注意喚起を行ったりしているところであります。次に、過去5年間のわな設置箇所数等につきましては、年度ごとにわな設置箇所数、ヒグマの捕獲数、農業などの被害件数、食害に遭った農作物名、被害金額を順に申し上げますと、平成29年度、わな1か所、捕獲2頭、被害7件、主な食害トウモロコシ、被害額約19万円。30年度、わな4か所、捕獲2頭、被害なし。令和元年度、わな2か所、捕獲5頭、被害1件、食害プラム、被害額約1万5,000円。2年度わな3か所、捕獲5頭、被害なし。3年度、わな1か所、捕獲2頭、被害1件、食害トウモロコシ、被害金額約7,000円となっております。次に、通報を受けてから現場確認までの所要時間や準備につきましては、まず平日については、ヒグマ出没の通報を受けた後、目撃者とヒグマ防除隊、警察と連絡を取り、現地確認のための待ち合わせ時間の調整を行います。所要時間は出没場所により異なり、また、それぞれの都合で即座に集合できない場合もありますが、できるだけ速やかに現場到着ができるよう調整しながら対応しており、夜間や休日などの対応についても同様であります。次に、箱わな設置に関わる経緯につきましては、令和4年8月11日から30日にかけ、蘭島2丁目と忍路2丁目農地の同一耕作地で連続した食害が発生し、問題個体と認識されたことから、今後の被害拡大と農業者の生活への影響を考慮し、早急に排除する必要があったため8月12日に1か所、8月23日に2か所、計3か所の設置に至ったところであります。また、どのような場合に箱わなを設置するかにつきましては、北海道が策定したヒグマ出没時の対応方針に基づき、熊の有害性判断から行動形態が人家付近や農地に頻繁に出没する場合や農作物への被害など人間生活に実害を及ぼすことが想定される場合など、対象熊の排除が必要と判断され、銃器による捕獲が難しい場合にわなを設置することとしております。次に、箱わなの所有数につきましては、市が所有する1基のほか、市や北海道猟友会小樽支部など関連団体で構成される小樽市鳥獣被害防止対策協議会が所有する3基の計4基となります。また、複数個体が同時に広域で出没した際の対応につきましては、現在は4基の箱わなを工夫しながら設置しておりますが、今後の状況によってはヒグマ防除隊内で必要数等を協議の上、追加購入についても検討する必要があるものと考えております。また、緊急的に不足した場合の対応策につきましては、現在仕掛けている箱わなのうち、移設しても支障のないものを防除隊に確認し、緊急の設置が必要な場所に仕掛けるほか、近隣の自治体等に相談し、箱わなの一時的な借用についても事前に協議しておく必要があるものと考えております。次に、ヒグマ防除隊の組織上の責任者につきましては、平成11年4月5日施行の小樽市ヒグマ防除要領により、隊長は産業港湾部長とされております。以下、副隊長及び総括班長、3名の班長が隊員の互選により決定され配置される体制となっております。また、市の所管は産業港湾部農林水産課で、主たる担当者は森林整備担当主幹と農林水産課主査の2名体制となっております。次に、過去5年間の予算現額、予算額等につきましては当初予算額、支出額、出動延べ人員を順に申し-90-上げますと、当初予算額は平成29年度、10万円、30年度、10万円、令和元年度、100万円、2年度、100万円、3年度、100万円となっております。支出額につきましては、平成29年度、99万円、30年度、176万円、令和元年度、162万円、2年度、188万円、3年度、92万円となっております。また、出動延人は平成29年度、97人、30年度、174人、令和元年度、157人、2年度、183人、3年度、90人となっております。また、今年度は予算額103万円、8月末までの支出額16万円、出動延べ人員62名となっております。次に、出動報酬事務の責任者につきましては、出動要請と実際の出動状況などの突合や検収、出動報酬の支出など事務を取りまとめる実務上の責任者は、森林整備担当主幹となっております。次に、北海道が実習をする訓練につきましては、北海道では今年度、道内の8都市でヒグマ保護管理人材育成研修会を開催しており、本市からも10月21日、22日に札幌市で実施される研修に担当者1名が出席をいたします。この研修では、ヒグマの基礎知識や被害対策などの座学に加え、市街地の出没をテーマとしたシミュレーションも行われると聞いております。研修の受講後は、その内容についてヒグマ防除隊や関連団体にもフィードバックを行い、本市におけるヒグマ対策で活用してまいりたいと考えております。(「議長、25 番」と呼ぶ者あり)
再質問 25番 前田清貴
再質問させていただきます。最初の質問です。初めに、過去5年間の道内でのヒグマによる家畜被害と農業被害の状況についてお聞かせくださいということで、この後段もありますけれども、道内の人身被害、農業被害の傾向の中で、前段の答弁で令和3年度については、まだまとめられていないのでというような答弁があったかと思いますが、後段の答弁で何か3年の答弁らしきものが何か出てきたように私は聞いていたのですけれども、再質問にはなるのですけれども、確認はそういうことです。それで、令和3年度はまだ取りまとめられていないということで、2年度まで答弁していただいたかと思うのですけれども、3年度というのは昨年のことであり、死傷者12名、死亡4名ということで、もう新聞テレビ等含めて皆さん記憶に新しいことです。私、最後の質問で札幌市での丘珠空港周辺での熊が出没して4人が重軽傷を負った、こんなニュースが記憶に新しいところなのですが、その辺の3年度はないのですけれども、答弁的にはいただいていないのですがこの辺の認識、小樽市が押さえている認識はどのような認識なのかについてお聞きします。
答弁 産業港湾部長 渡部一博(産業港湾部長は2026年3月まで)
前田議員の再質問にお答えいたします。最初の道内のヒグマの家畜被害、農業被害と人身被害数の件なのですけれども、北海道で公表しているヒグマ捕獲数・被害の状況という資料がございまして、家畜被害と農業被害については令和2年度までの数字が公表されていて、人身被害については3年度の分の数字が出ているので、先ほど市長が御答弁したとおり、家畜被害と農業被害については2年度まで、人身被害数については3年度までの12名というところまで御答弁さしあげたというところでございます。それに伴って、今、小樽市の置かれている認識というお話でしたけれども、今のこの5年間の道内のヒグマの出没状況、あるいは小樽市においても8月末までで昨年1年間の出没件数をもう超えているという状況でございますから、当然、ヒグマの出没件数なりが増えているということで小樽市としても認識して-91-おりますので、農業あるいは家庭菜園等の市民の安心・安全ということを守るためにも、ヒグマ対策についてはしっかりと行っていく必要があるというふうに認識してございます。