小樽市議会 令和3年第2回定例会 2021年6月15日
まちづくりについて
2021年6月15日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「まちづくりについて」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 髙橋龍
二つ目の項目では、まちづくりについて伺ってまいります。まちづくりという表現は、ハード整備とソフトの充実の両側面があることは御承知のとおりでありますが、それらはさらに各分野に細分化されて進められ、相互に影響しながら小樽のまちが成り立っています。しかし、ともすれば、事業実施の段で行政の機構に左右されてしまい、他の事業と分断されてしまうという点は、本市のみならず全国的な課題として対処に向かわなくてはならないと感じます。ここでは、部・課を横断したまちづくりの全体最適に加え、少数派の尊重ということについて議論をさせていただきたいと思います。まず、歴史まちづくりについて伺います。歴史文化を生かしたまちづくりについては、本市に暮らす方々の郷土愛の醸成、基幹産業である観光、建物の改修などの建設分野など様々な面でも影響が及ぶものと認識しています。その中でも目下の懸案事項である北海製罐第3倉庫については、今後のまちの在り方、産業構造に及ぼす影響も少なくないと考えます。初めに伺います。北海製罐第3倉庫のガバメントクラウドファンディングに関してです。6月8日時点で861万4,000円と目標金額536万円に対して160%超の寄附額となっています。この時点で残り日数が30日あり、この後もある程度上積みも見込める状況ですから、振り返るにはまだ早いのかもしれませんが、まずは目標達成を受けて市の所感をお聞きしたいと思います。このガバメントクラウドファンディングで頂いた御寄附は、北海製罐第3倉庫活用ミーティングが実施する劣化調査などに充てられると認識しております。次にお聞きします。劣化調査に関して今後のスケジュールをお示しください。第3倉庫活用ミーティングは、日頃まちづくりに関わって活動されている団体や法人、経済団体、有識者からなる第3倉庫の今後の活用について御提案をいただくこととされています。これまでに幾度も話合いが持たれている中で議論された内容について確認させていただきます。活用ミーティングには本市もオブザーバー参加をされています。同ミーティングでは、まさに今後の活用策を議論されていることと思います。活用ミーティングが考える活用の方向性についてお示しいただけることがありましたらお答えください。また、同ミーティングから活用についての提案をいただいた後は、本件について小樽市が主体的に関わっていくと認識してよろしいですか。活用ミーティングはその名が示すとおり、これから先の保存と利活用を主な目的としていると受け止めております。つまり行政あるいは民間がいかにしてこの建物を使いながら残していくかを考えていただいていると捉えておりますが、現状がメディア等で周知される中で興味を示していただける企業が現れることも可能性としてはあり得るのではと思います。この間、様々な媒体で解体の件について取り上げられています。そうしたことも受けて、本市に問合せのあった民間事業者の有無などについてお答えください。-49-現行の第7次小樽市総合計画では、歴史を生かしたまちづくりについて大きな方向性としてベクトルが示されています。総合計画にも関係がありますが、北海製罐第3倉庫の保存だけではなく、日本遺産の候補地域の申請や日本銀行旧小樽支店、旧三井銀行小樽支店の国指定重要文化財に向けた動き、歴史的風致維持向上計画など複数の歴史まちづくりに関連した事業が現在パラレルで進んでいる状況です。今申し上げた例について、本年第1回定例会以降で進捗が見られたものをお示しください。明示した事業については担当部署がそれぞれあるものと認識しています。ただ、この項、冒頭で申し上げたとおり、実際にはそれらの事業は有機的なつながりを持ち、相互に影響し合っているものと考えます。この各事業の状況を総合的に捉えて、全体感を把握し、調整しながら進めていく役割がキーとなるということです。これら歴史まちづくりに関しての全体を把握しながら進めていくということについて、市の認識を伺います。次に、防災分野におけるまちづくりに関しての質問に移します。小樽市避難所運営マニュアルについてです。幸い、これまでに災害の直接的な被害が少ないことは本市の特徴として挙げられます。しかし、迫市長も備えの重要性を説いてこられているように、いつ大きな災害が起こるかは予測できませんし、ましてこの新型コロナウイルス感染症拡大下においては、従前の対策では補い切れない部分もあろうかと思いますので、それらは適宜アップデートしていかなくてはなりません。ここで避難所運営マニュアルの改正についてお聞きします。現在その改正作業が行われていることと認識しています。市のホームページで現状閲覧できる平成30年3月版から変更される点としては、昨今の状況を鑑みれば当然に感染症対策に関しては見直されることと思います。その部分で改正を考えている内容について御説明ください。その他、この改正によって改められる事項にはどのような点がありますか。特徴的な部分をお答えください。加えて、以前、質問の中でペットの同行避難についてお聞きしました。ペットは外での避難となっていたことについて、厳冬期や激しい風雨を伴う場合などもあり、室内へも避難ができるよう御配慮いただきたいという旨の質問でした。御検討いただけるとの御答弁があったと受け止めておりますが、今回の見直しでどのような対応となりますか。ペットの避難については、鳴き声や衛生面、アレルギー等の観点からも避難者と同じ場所にいられないことは存じております。それを踏まえた上で、例えば避難所が学校なら、ふだん児童・生徒の利用が少ない一室を使うなど対応できる余地を記載していただきたいという趣旨であります。ペットが避難所に入れないことで自家用車に避難し、エコノミークラス症候群を引き起こした例もあります。まして家に残したままであれば、ペットの生命に関わることも大いに考えられます。温情ある御対応をぜひともお願いいたします。次に、自主防災組織について伺います。自主防災組織とは、災害対策基本法第5条において規定されている地域住民による任意の防災組織であると認識しています。独力では避難が困難な方を発災時に備えて把握しておくためにも、例えば町内会などが自主防災組織としてその役割を担っていただくことの重要性は、今後さらに大きくなると考えます。以前、委員会でも議論しましたが、個人情報保護法により自主防災組織化されていなくては災害時に支援を要する方のリストアップが困難という御答弁をいただいたと記憶しています。権利の保護と災害時の支援、双方を鑑み、やはり自主防災組織の周知と拡大も望まれます。まず確認ですが、その自主防災組織がある地域とそうでない地域で、避難行動要支援者の把握から避-50-難までの流れの違いについてお答え願います。また、それを踏まえてこの組織の重要性について市の認識を伺います。市のホームページによると、市内で組織される自主防災組織は、令和元年度末のデータで6件でありました。その後、変動はありますか。この組織についてそもそも存在自体の周知が広まっていないようにも感じます。新型コロナウイルス感染症の影響はあるにせよ、収束後には拡大に向けて取り組む必要があるとも考えます。令和元年度末でその数6件であったと申し上げましたが、活動のカバー率で言うと何%になりますか。町内会の加入数など個々の組織のつくり方によって規模は違うと思いますが、6件という数字からすると市内を広くカバーできていないことが推察されます。その拡大に向けてはどういった点が課題となるのでしょうか。同時に解決に向けた策についてもお考えをお示しください。ここまでまちづくりについて、分野限定的ではありますが伺ってまいりました。この項で取り上げた質問だけでも、総務部、産業港湾部、建設部、教育部、福祉保険部、生活環境部、保健所、そして室や課の単位で言うとさらに多くの部署が関係してくるわけです。これらが幅広な連携の上、全体の把握と調整が望まれるものと考えます。まちづくりに関わり、ほかの分野についても今後、委員会等を含めて質疑を深めてまいりたいと思います。以上、この項の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、まちづくりについて御質問がありました。初めに、歴史まちづくりについてですが、まず北海製罐第3倉庫ガバメントクラウドファンディングの所感につきましては、この短期間で多くの企業や市民及び市外の皆さんに目標額を大きく上回る御寄附を頂いておりますことは、この問題への関心の高さの表れであると考えております。次に、劣化調査につきましては、第3倉庫活用ミーティングが本年4月に建設コンサルタントに発注をし、これまで建物の内外部の目視による破損状況のほか、サンプル採取による鉄筋コンクリートの劣化状況などについての調査を終え、現在は劣化度の判定を行っており、7月中には報告書が受注者から同ミーティングに提出されるスケジュールであると聞いております。次に、現時点での活用ミーティングが考える活用の方向性につきましては、同ミーティングでは現在、活用形態として、文化財として活用するのか、また一般建築物として活用するのか、それぞれメリット、デメリットなどを整理するとともに、同倉庫の周辺エリアの中での位置づけなどについて議論されており、本年9月をめどに保全・活用プランとして取りまとめ、市へ御提案いただけると聞いております。次に、活用ミーティングから御提案をいただいた後の市の対応につきましては、昨年10月に本市がホッカンホールディングス株式会社から第3倉庫の解体について1年間の猶予をいただいていることから、本件について同ミーティングから御提案いただいた後は、同倉庫の存廃も含めて市が主体的に関わっていくものと考えております。次に、本市に問合せのあった民間事業者等につきましては、第3倉庫の現状などについて日用雑貨全般を扱い全国展開している事業者から問合せがあったほか、ホッカンホールディングス株式会社から御紹介のあった遊休資産活用を提案する東京のNPO法人に説明を行っております。次に、歴史まちづくりに関連した第1回定例会以降の事業の進捗につきましては、日本遺産候補地域の申請については、小樽市日本遺産推進協議会において申請に必要な地域活性化準備計画などを協議し、-51-本年3月23日に北海道教育庁を通じて文化庁に提出をしております。また、歴史まちづくり法に基づく、歴史的風致維持向上計画の策定については、国土交通省から助言をいただきながら計画策定に必要な諸条件の整理を進めているところであります。次に、歴史まちづくりに関して、全体を把握しながら進めることにつきましては、本市の歴史的なまち並みを生かしたまちづくりの方向性を共有して進めていくことが重要と考えていることから、建設部、教育委員会及び産業港湾部で歴史を活かしたまちづくり庁内検討会議を組織し、現在、歴史的建造物、文化財及び日本遺産などの各事業の課題整理や調整をしながら連携して取り組んでいるところであります。次に、防災まちづくりについてですが、まず避難所運営マニュアルの感染症対策に関する改正につきましては、令和2年9月に避難者等の健康管理や避難所の衛生管理などの感染症対策を取りまとめた避難所運営マニュアル別冊版、「当面の感染症対策」を先行して公表したところであります。今後におきましては、この内容に感染症対策を意識した、指定避難所の収容想定人数や、避難所のレイアウト例を追記する形で避難所運営マニュアルを改正し、年内の公表を予定しているところであります。次に、感染症対策以外の特徴的な改正につきましては、段ボールベッドの活用などによる冬期間の寒さ対策や車中泊の避難者への対応を盛り込む予定で考えております。次に、ペットの屋内への同行避難につきましては、令和元年第2回定例会後、他都市の状況を調査するため、さっぽろ中枢連携都市圏の12の市町村が集まる防災担当課長会議において、ペットの同行避難について確認をさせたところ、条件付きで屋内での飼育が可能との回答は1件のみでありました。本市でも避難者の動物アレルギーの問題、ペットの鳴き声や排せつ物による臭気の発生、避難所内における感染防止対策の徹底の面から直ちに屋内を可とすることは難しいものと考えておりますが、一方で屋外での飼育は厳寒期などは厳しい気象状況となるため、動物愛護の観点から好ましくないとの認識を持っておりますので、今後もどのような対応が可能か引き続き検討してまいりたいと考えております。次に、地域における避難行動要支援者の把握から避難までの流れにつきましては、避難行動要支援者には避難支援等関係者が決められており、災害時には避難支援を行っていただくことを想定しておりますので、この点においては自主防災組織がある地域とない地域で大きな違いはないものと考えております。一方で、自主防災組織を設立している地域においては防災意識が高く、避難訓練なども行っていることから、災害時においては避難誘導、避難支援など、より円滑な対応が行えるものと考えております。このことから、自主防災組織は災害時に共助をしっかりと担う重要な組織であると認識をしているところであります。次に、令和元年度末以降の自主防災組織の変動につきましては、令和3年6月に石山町会が自主防災組織を結成しておりますので、現在7件となっております。次に、令和元年度末の自主防災組織の活動カバー率につきましては、総務省消防庁の調査における自主防災組織活動カバー率の算定方法は、自主防災組織が結成されている地域の世帯数を市内の全世帯数で除した数値と示されており、本市においては令和元年度末時点で22%となっております。次に、自主防災組織の拡大に向けた課題につきましては、本市から各地域に対する組織結成の重要性の周知が十分ではなく、地域によって防災意識に温度差があること、また、地域コミュニティーが年々希薄となる傾向にあるため、地域全体で共助という防災意識が育ちにくいことが挙げられます。このような状況に対する解決策につきましては、本市といたしましても、あらゆる機会を見つけて住民に対し、防災活動の必要性を丁寧に説明し、町内会の防災訓練等に積極的に関わることで、共助の意識を少しず-52-つ浸透させることが大切な取組であると考えております。