小樽市議会 令和2年第2回定例会 2020年6月16日
新型コロナウイルス感染症対応と市財政、今後の取組について
2020年6月16日、小樽市議会の一般質問で、佐々木秩議員が「新型コロナウイルス感染症対応と市財政、今後の取組について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 佐々木秩 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 17番 佐々木秩
立憲・市民連合を代表し、質問いたします。それに先立ち、このたびの新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々へのお悔やみと、罹患された皆様にお見舞いを申し上げます。それとともに、その御家族や周囲の皆様の御心労をお察しいたします。また、感染症対応に携わる医療関係者をはじめ、様々な支障が出る中で、黙々と市民生活や家庭を支えるためにお仕事を続ける皆さん、また、不安が募る中、非常時のルールを守り、我慢と工夫-68-でステイホームを続けていた子供たちや家族の皆さんに改めて敬意を表するものです。これまでの皆さんの忍耐と御努力のおかげで、ようやく本時点で曙光が見えつつあります。コロナ以前の生活を取り戻すために、今少しお互いに頑張りましょう。それでは、質問に入らせていただきます。新型コロナウイルス感染症対応と市財政、今後の取組について伺います。去る4月 10 日、小樽市産業港湾部から議員に向けて、新型コロナウイルス感染症の拡大による小樽市内経済への影響等についてという資料が示されました。東日本大震災や北海道胆振東部地震以上に経済への影響は深刻という声が聞こえています。内容的にも、宿泊業や飲食業などの観光関連事業を中心に、大変な事態であることが痛感させられますし、現在は一層拍車がかかった事態となっています。そこでお聞きしますが、市内における経済的影響を総合すると、具体的に昨年と比較してどの程度になるのか、何らかの方法で示せないでしょうか、できればお答えください。次に、経済的影響と直結する小樽市財政への影響について伺います。新型コロナウイルス感染症の影響により、納税が困難な方へ徴収猶予の特例制度が総務省から示されています。令和2年2月1日から3年1月 31 日までに納期限が到来する個人市民税、法人市民税、固定資産税など、ほぼ全ての税目が対象となります。この制度そのものは、困っている方を支えるために有効とは思いますが、市の税収減は避けられません。小樽市財政への影響はどうなると考えられますか。また、税収減以外にも財政に影響を及ぼす事項があれば、影響額とともにお示しください。これらの結果、ただでさえ大変な市財政への影響が、さらに深刻で不透明なものになると考えざるを得ないのですが、例えば市の今後の収支見通しや収支改善プランへの影響はどのようにお考えになりますか。前回の臨時会、今回の定例会には、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使った対策が数々示されました。今後も追加の臨時交付金が来る予定ですが、果たしてその交付金範囲内の対策で今回の危機を乗り越えられるでしょうか。不幸にも第2波、第3波の感染拡大がないとは限りません。財政調整基金とは、年度間の財政不足に備えるための基金です。災害等により歳出が多くなったり、不況により税収が少なくなったときの備えです。実際に、東京都はこのたび、財政調整基金の 95%を取り崩し、コロナ対策を打ち出しました。一方、小樽市は財政が豊かな東京都と違い、そもそも財政調整基金が積み上がっておらず、むしろ財政再建団体への転落の可能性すら議論される状況です。そこで小樽市では、財政再建団体への転落を防ぐために、収支改善プランを平成 31 年に策定し、必死に立て直しを図っている最中です。その状況下で百年に一度と言われるこの非常時がさらに続いた場合、収支改善プランを見直すくらいの覚悟でコロナ対策を打ち出していくのか、あくまでも収支改善プランの範囲内での対策とするのか。つまりコロナ対策、財政規律のどちらを優先するのか、二つの選択肢があります。いざという際にリーダーシップを問われる選択だと思いますが、市長のお考え、決意をお聞きしておきたいと思います。国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、地方公共団体が地域の実情に応じて必要な事業を自ら考えて使えとのことできています。そこで、市への交付額5億 4,000 万円を使って、感染拡大防止、雇用の維持と事業の継続、経済活動の回復、強靭な経済構造の構築などの分野に沿って、各種事業が提案され進められています。もちろん、全ての分野で大切なのは理解できますが、予算には限りがあります。例えば今後、ようやくコロナ禍を脱したという時点で財源がつき、回復のための投資はできないというのは困ります。国の緊急事態宣言は終結したとはいえ、多くの市民は今も先の見えない不安の中で手探りで生活している状態です。今こそ市長がしっかりとこの危機脱出の道筋を示すべき-69-です。小樽市では、新型コロナ対策について、どの分野に、いつ重点的に配分するのかなどの戦略・構想に基づいて、これまでも策を立てていることと思いますが、いかがでしょうか。また、市民生活も含めたコロナ禍からの回復に向けた今後の取組について示してください。以上、1項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
佐々木議員の御質問にお答えいたします。ただいま、新型コロナウイルス感染症対応と市財政、今後の取組について御質問がありました。まず、市内における経済的影響につきましては、本年3月の観光入込客数は前年比 71%の減、主な宿泊施設の5月の宿泊者数は前年比 95.9%の減となり、訪日外国人旅行者をはじめとした観光客の激減により、宿泊施設や観光関連の飲食店、土産店に非常に大きな影響が及んでおります。加えて、道外での物産展の中止が相次ぎ、食料品製造業者などが販売機会を喪失したほか、感染の広がりに伴う外出自粛や会合等のキャンセルなどにより、市民を顧客とした飲食業や小売業、生活関連サービス業にも影響が拡大をしております。こうした状況の下、業況が悪化した際の資金繰りに必要なセーフティネット保証制度の認定件数は、今年は5月末時点で 403 件と、昨年同時期の3件に対し大幅に増加しているとともに、ハローワーク小樽が発表した北後志管内の4月の雇用情勢によりますと、事業主都合による離職者数が前年比で 38 人増加しているほか、有効求人倍率は3か月連続で前年同月を下回る状況となっております。次に、本市財政への影響につきましては、新型コロナウイルス感染症は、個人や法人を問わず経済全体に大変大きな影響を与えており、市税においてはその影響が今年度から生じる可能性があるほか、徴収猶予制度の特例により、さらなる市税の減少が見込まれますが、新たに創設される猶予特例債や減収補塡債の借入れにより一時的な税収の減に対応する予定であります。また、税収減以外にも、市財政に影響を及ぼす事項としては、水道事業会計、下水道事業会計及び病院事業会計における収支の悪化や公共施設の休館による使用料などの減少が見込まれますが、影響額については感染症の収束が現時点では見通せないことから、お示しをすることはできません。次に、市の今後の収支見通しや収支改善プランへの影響につきましては、国の緊急事態宣言は解除となりましたが、現時点において経済が感染症拡大前の状況に回復する時期を見通すことが困難であり、今年度のみならず来年度以降においても税収減などの影響が長期に及ぶことが予想される中、さらなる感染症対策の実施や今後の公共施設の更新費用など新たな財政需要を考慮すると、これまで以上に厳しい収支状況になることが見込まれます。このため、収支改善プランの計画期間中に予定されている事業の実施や収支改善に向けた取組の進捗が計画どおり進まない可能性もあるものと考えております。次に、今後の新型コロナウイルス感染症対策に取り組む私の姿勢につきましては、私といたしましては、感染症の収束が見えず、地域経済や市民生活に重大な影響が及んでいる状況下において、感染症対策は最優先に取り組むべき課題であり、財政調整基金や国の交付金などの財政措置の活用に加えて減額補正を含む事業予算の組替えを行うなどにより、財源を確保し、時期を逸することなく対策を行う必要があるものと考えております。そのことにより、先ほどお答えしましたとおり、収支改善プランの期間内に計画どおり進まず、変更が生じることもあるかもしれませんが、本市財政の健全化も最優先課題であることから、プランに掲げ-70-た収支の黒字化と、財政調整基金の確保の目標実現のため、必要な取組の見直しも検討しながら着実に収支改善を図っていく必要があるものと考えております。次に、これまでの新型コロナウイルス感染症対策につきましては、感染拡大防止策と医療体制の整備、雇用の維持と事業の継続を図る経済対策、子育て世帯の暮らしを支える生活支援を柱に据え、第1弾として、飲食店への事業継続を支援する家賃補助など、第2弾として、子育て世帯、事業者に事業継続の支援などを行ったほか、さらに第3弾として、医療機関支援、経済復興支援、教育環境整備などに必要な予算を今定例会に上程させていただいております。今後につきましては、国や北海道の支援策を考慮しながら、国からの交付金や市民の方々から頂いた善意の寄附を活用させていただき、これまで行き届かなかった分野での対策を講じてまいりたいと考えております。このほか、現在の閉塞感を打破するためには、感染症の拡大防止に配慮しながら、市内経済を循環させることが大切だと考えておりますので、そのバランスを取りながら、スピード感を持って取り組んでいくことで、市民の皆さんや事業者の方々が少しでも早く、以前の生活や事業を営めるように努めてまいりたいと考えております。