小樽市議会 令和2年第1回定例会 2020年2月25日
経済と生活の好循環と経済政策ついて
2020年2月25日、小樽市議会の一般質問で、中村吉宏議員が「経済と生活の好循環と経済政策ついて」について質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 中村吉宏 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 15番 中村吉宏
経済と生活の好循環と経済政策について伺います。この項目は、さきに述べた経営的発想を必要とする項目であります。経営的観点に立ちながらの御答弁をお願いするものであります。まず、今後の市内の産業への対応について伺います。近年、年間 800 万人前後の観光客の方々が小樽を訪れる状況が続いており、日本屈指の観光都市である小樽にとって、このたびの新型コロナウイルスによる影響は甚大であると考えます。近年の観光需要を支えるインバウンドの渡航者数は激減し、宿泊施設もキャンセルが相次いでいるとのことです。先日行われた小樽雪あかりの路は、冬の小樽観光の繁忙期を形成してきたイベントですが、その来場者数は昨年対比で 34%の減少とのことでした。伺いますが、新型コロナウイルス発症以降、市内経済はどのような状況となっているのか、市として把握している状況をお示しください。こうした状況を踏まえ、市としても観光産業の企業を中心に相談等の対応をしているものと思いますが、具体的にどのような対応を講じているのかお示しください。次に、DMO設立について伺います。今定例会に提案された予算案の中に、地域DMO設立に向けて、小樽観光協会に専門人材の派遣に要する費用の一部を補助するとのことで 550 万円が計上されております。この専門職員について、どのようなスキルをお持ちの方なのか、また、DMO設立に当たりどのような業務に当たる方なのかお示しください。そして、設立後はどのような業務を担うことを予定しているのか示してください。次年度予算では、その財源について基金繰入金と記されておりますが、現状の厳しい一般会計予算の中で、今後同様の財源からの支出は困難であるかと思われます。戦略的観光施策の実現に向けて、財源の確保は急務であると考えますが、財源についてどのようにお考えか、見解をお示しください。次に、観光税、本市においては宿泊税の導入について伺います。最近になり北海道が宿泊税の導入を具体的に検討し、道内各都市も導入を検討している中、本市もおくれをとるわけにはまいりません。現在、有識者会議が2回ほど行われておりますが、その議論経過をお示しください。市では、本年第4回定例会を目途に宿泊税に関する条例案を提案する予定であるとのこと。市内では、これをもっと短縮してほしい、少しでも早く導入してほしいという声が多くある中、この期間短縮に努めていただきたいと考えますが、見解を伺います。次に、域際収支の把握について伺います。この問題も以前から議会議論で提言をしてまいりました。迫市長が掲げる経済と生活の好循環を目指すに当たり、市内経済の循環を把握する上で非常に重要なことであります。まさしく経営的観点から言えば、経理の経の部分であると考えます。今定例会に示されている予算案で観光基礎調査事業費 600 万円が計上されており、観光が地域に及ぼす経済効果を分析するため、産業連関表を作成するということであります。-29-そこで伺いますが、この産業連関表はどのようなものをベースに作成するのか、そして、具体的にどのような項目を対象として実態把握を行うのかお示しください。また、産業連関表から導き出された情報はどのように活用し、その後の観光施策展開につなげていくのかお示しください。また、この産業連関表を運用するに当たり、観光だけでなく市域内経済におけるヒト・モノ・カネの域内における動向、つまりは出入りを把握して初めて有意義な情報収集が行えるものと考えます。今後、観光以外の分野でも活用するお考えの有無をお示しください。次に、経営支援策について伺います。まず、市内企業の事業承継に関する事業について伺います。この問題は、小樽市中小企業振興会議でも指摘されている重要な課題と認識しております。市内の中小企業や個人経営店で長年にわたり経営を続けてきたけれども、後継者がおらず近い将来廃業を選択するところが少なからずあることを耳にしております。明治以降、小樽で独自性を発揮し、市民はもとより近隣住民や観光客になじまれてきた老舗の看板が後継者不足でおろされてしまうということは、市域内の経済的活力の減少のみならず、まちの魅力低下にもつながりかねない問題であります。本市では、この問題に対し、小樽商工会議所が市内経営者に対しワンストップの相談窓口を設け、日々、足しげく企業、店舗を訪問しながら状況を把握し、アドバイスを行う取り組みを行っております。伺います。行政としては、これまでこの課題に対しどのような取り組みを行ってきたのかお示しください。今定例会には、中小企業等実態調査事業費 55 万円が計上されております。事業承継等の課題把握のためアンケート調査を行うとしておりますが、どのような内容を予定しているのかお示しください。昨年 11 月、当議会経済常任委員会は、この課題に対し、取り組みの先進事例となる兵庫県尼崎市を視察してまいりました。尼崎市では、市と商工会議所が連携し、中心となって金融機関や専門家と連携し、ワンストップ窓口を開設してサポートに当たっているとのことです。ここまでは本市や他都市でも類似の事業となりますが、尼崎市の担当職員の方が核心をついたお話をしてくれました。それは事業承継の相談をお勧めするに当たり、いきなり企業、店舗を回っても本音の回答を引き出すことはできない。日ごろから経営上のこと、地域の情報などを持ちながらコミュニケーションをとり続け、信頼関係を構築できなければ、事業承継に関する本音を引き出すことはできないということでありました。事業承継の問題をうかつに他者に話すことで、取引先との信頼や対金融機関の信用に関わることになる、経営上不都合が生じるからとのことです。このことを踏まえて伺いますが、本市では、企業、店舗への訪問、情報提供や課題収集など、どの程度行っているのかお示しください。小樽商工会議所では、この取り組みを行っております。今後は商工会議所に協力をいただきながら、訪問、情報収集の行動を行い、信頼関係を築くこともアンケート収集と並行して行うべきと考えますが、見解をお示しください。次に、創業支援について伺います。予算案では、創業支援事業費として 1,600 万円が計上されております。新規創業希望者への家賃や内外装工事費の一部を補助するものであるとのことであります。まず伺いたいことは、新規創業希望者が本市にどのような補助、サポートを望むのかを調査したことがあるのか。あるとすれば、どのような手法で行い、どのような希望が挙げられたのかお示しください。最近、市内中心部の古民家を利活用して営業を目指す新規創業希望者のお話を伺うことができます。古い建物は家賃も低廉で魅力的ではあるものの、そこに立ちはだかる障害は行政の規制であるというこ-30-とを耳にいたします。それは、一つには用途の問題であり、利用したい建物が目指す用途に合致しない、また、消防に関連する規制も大きな課題で、利用したい建物の用途で消防関連法規に従うと、複数の消防設備を設置しなければならず、時にそれが高額になるというものです。このハードルのため、新規に起業する希望者が二の足を踏むという状況も伺います。こうした課題を解消するため、補助するべき幅を広げ、創業希望者が利用しやすい補助メニューに仕立てることが必要と考えます。御見解を伺います。次に、港湾について伺います。港湾関連予算が計上され、港湾の整備が促進されることに期待感を持っております。中でも、港観光拠点の創出について、第3号ふ頭関連の整備促進について、一刻も早く実現されることを望みます。その第3号ふ頭ですが、周辺開発について、市内でも民間の方々がビジョンを持って取り組みたいということを耳にしております。以前より議会でも議論されている、みなとオアシス認定に向けて取り組むことも第3号ふ頭及び周辺開発を促進する一助になるものと思います。我々自由民主党小樽市議会議員会は、11 月、みなとオアシスとウオーターフロント開発に取り組む山口県下関市を視察してまいりました。下関市では、港の中で利便性のよいところに商業施設や観光施設、市民の憩いの場を集約し、みなとオアシスの認定を受けております。その際気になったのは、対アジア中心の貿易港である下関港で、開発の際、分区指定の規制等が開発を妨げることにならなかったのかということです。本市について見れば、第3号ふ頭及び周辺の分区指定について、これから目指す姿にかなうのかが気になります。商港区の指定である第3号ふ頭及び周辺について、現状のままで商業施設や観光施設、市民の憩いの場を建設できるのかお示しください。また、今後の小樽港を考えると、漁港区や工業港区、商港区などの分区指定について、臨港地区全体の利用の増進をするべく、今の現状に見合った見直しを行う必要があるものと考えます。見解を伺います。以上、第3項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、経済と生活の好循環と経済政策について御質問がありました。初めに、今後の市内の産業への対応についてですが、まず新型コロナウイルス発生・発症以降の市内経済の状況につきましては、さきに実施したヒアリングによりますと、宿泊施設では中国人観光客を中心に多くのキャンセルが出ていると伺っており、一部の商店街では訪日外国人旅行者の減少により売り上げへの影響が生じているほか、市民も外出を控えるなどの動きがあり、影響の拡大を危惧しているとのことであります。また、製造業でも訪日外国人旅行者の減少に伴う需要の減により一部に影響が見られるほか、海外との取引がある企業を中心に今後の動向を懸念する声をお聞きしているところであります。次に、市内経済への対応につきましては、商工会議所や金融機関など関係機関との情報共有に努めるとともに、資金繰り等の相談に対応するため、2月3日には産業振興課内に中小企業向けの金融等相談窓口を設置したところであります。今後においても現在の状況が長期化することによる影響を懸念しておりますので、定期的に状況を把握するとともに、国が行う支援策などの情報収集に努め、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。-31-次に、DMO設立についてですが、まずDMOの専門人材につきましては、現在、観光協会が株式会社ANA総合研究所と専門人材の派遣について調整中でありますが、データ収集・分析等を専門的に行い、民間での豊富なネットワークを活用し、訪日外国人を含む旅行者の増加に向けたアドバイスなど、観光戦略を策定する能力をお持ちの方を3年間の派遣期間で要請していると聞いております。また、DMO設立に当たっては、観光戦略を策定するために必要なデータやターゲットの選定、KPIの設定など、小樽版DMO形成・確立計画の策定に対するサポート業務を担っていただく予定であると聞いております。次に、DMO設立後の業務につきましては、先ほどお答えしたスキルを生かし、本市の観光振興によるまちづくりに関するさまざまな地域課題に対応し、DMOが実施すべき具体的な事業の企画立案に関する支援を担っていただく予定であると聞いておりますが、私といたしましては、観光人材の育成にも御尽力いただきたいと考えております。次に、戦略的観光施策の実現に向けた財源の確保につきましては、今後も国や北海道などの補助金を活用するとともに、現在議論していただいております観光振興を図るための法定外目的税である宿泊税も重要な財源であると考えております。次に、宿泊税の導入についてですが、まず、有識者会議の議論経過につきましては、昨年 11 月開催の第1回の有識者会議においては、本市における新たな観光財源の確保策について、本市の考え方を説明し、宿泊税導入について議論を進めていくことで合意をいただき、本年2月の第2回の会議では、宿泊施設へのアンケート調査に関しての御意見をいただいたところであります。なお、今後につきましては、アンケート結果をもとに課題を整理し、今年度内に第3回有識者会議を開催し、委員の皆さんから御意見をいただいた上で制度設計の素案を作成してまいりたいと考えております。次に、宿泊税導入の時期につきましては、現時点では令和2年第4回定例会に条例案を提出する予定であり、特別徴収義務者となる宿泊施設に対して丁寧な説明をしていくことなど、時間を要する課題も多いと考えておりますが、できる限りスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。次に、域際収支の把握についてですが、まず産業連関表の作成につきましては、平成 28 年度に公表された北海道産業連関表をもとに事業所調査による補正を行い、本市の産業連関表を作成するものであります。また、事業所調査の具体的な調査項目につきましては、今後、具体的な調整を行うことになりますが、人件費、総売上高、原材料の調達先など、企業活動を行う上での収支に関わる項目になるものと考えております。次に、観光施策への活用につきましては、産業連関表により観光消費が地域にもたらす経済波及効果を把握することで、観光客の消費が地域にどのような効果をもたらしているのか、観光客の消費によって生み出される雇用、所得などが分析でき、各産業の関係者に当事者意識を持ってもらえるだけではなく、各産業の特徴を踏まえたビジョンを構築し、さらなる経済波及効果向上のための観光施策に取り組んでいけるものと考えております。次に、産業連関表の観光分野以外での活用につきましては、産業連関表の作成は本市にとって初めての試みであり、他分野への活用のためには別途アンケート調査などを実施する必要がありますが、公共投資やイベント開催などの特定の施策による本市産業への経済波及効果を把握できることから、今後、積極的に活用してまいりたいと考えております。次に、経営支援策についてですが、まず、事業承継に対する本市の取り組みにつきましては、事業承継相談窓口事業において連携した取り組みを行う商工会議所や金融機関と情報共有を図るとともに、市-32-のホームページや広報誌において国の支援制度や相談窓口の周知を行ったほか、本市が事務局を担う小樽地域雇用創造協議会において事業承継の早期取り組みの重要性や必要な知識の習得を目的としたセミナーを開催してまいりました。次に、事業承継に関わる調査の内容につきましては、潜在的に事業承継問題を抱える事業者の掘り起こしを行い、課題解決に向けたきっかけとするため、後継者候補の有無や事業承継に向けた意向とその要因などを調査するものであります。次に、企業や店舗への訪問の状況につきましては、北海道技術・ビジネス交流会やスーパーマーケット・トレードショーへの出展など、市が実施する販路拡大の取り組みや、市内企業や経済団体との会議などを通じ情報提供や課題の収集を行っているほか、商店街などにおいては、市の支援施策の説明や経営状況の把握などを適宜行っているところであります。なお、令和2年度に実施する中小企業等実態調査においても企業訪問を予定していることから、さらなる情報の提供と現状の把握に努めてまいりたいと考えております。次に、企業訪問等による信頼関係の構築につきましては、事業承継に関する調査の実施は、商工会議所が金融機関や本市と進める事業承継相談窓口事業と連携する取り組みとして、企業訪問を通じて状況を把握するものであります。この事業承継の問題につきましては、後継者不足などにより廃業が進むことで、伝統ある産業の技術の伝承や市民の皆さんの雇用の場が失われることとなるため、市としても重要な課題であると認識しておりますので、アンケート調査を通じた企業訪問により、事業者との信頼関係を構築するとともに、商工会議所や経済団体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。次に、創業支援についてですが、まず、新規創業希望者に対する調査につきましては、これまで補助やサポートのニーズについて調査を行ったことはありませんが、今後は創業支援セミナー参加者へのアンケート調査や市へ創業希望者が相談に訪れた際の面談により、ニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。次に、創業支援補助金の補助内容につきましては、令和2年度予算において利用者へのアンケート調査の結果を踏まえ、利子補給を廃止するとともに、市内中心部の4商店街の空き店舗解消によって観光客等の市内中心部への回遊性向上を図るため、内外装工事費補助の見直しを行ったところであります。今後とも御指摘のあったニーズの把握を含め、効果的なメニューとなるよう検討してまいりたいと考えております。次に、港湾についてですが、まず、第3号ふ頭及び周辺での商業施設や観光施設などの建設につきましては、この地区は分区条例上、商港区となっており、港湾関連企業の施設やその従事者のための休憩所、宿泊所、飲食店などの施設、また、緑地や広場などの建設は可能でありますが、広く一般の利用者のための観光施設や商業施設などの建設はできないものであります。次に、小樽港の臨港地区の分区指定の見直しにつきましては、臨港地区全体については、現在令和2年度末をめどに進めている小樽港港湾計画の改訂作業の中で将来の港湾空間の利用方針を整理し、改定後、必要となる分区の見直しを進めてまいりたいと考えております。なお、第3号ふ頭及び周辺地区については、平成 26 年度に策定した第3号ふ頭及び周辺再開発計画に基づき既に事業着手しており、岸壁等の供用開始を見据え、できるだけ早期ににぎわい空間を創出するため、先行して部分的に分区の見直しを検討しているところであります。