小樽市議会 令和元年第4回定例会 2019年12月10日
野外彫刻等について
2019年12月10日、小樽市議会の一般質問で、髙橋龍議員が「野外彫刻等について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 髙橋龍 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 6番 髙橋龍
続きまして、第2項目の質問です。野外彫刻等についてお聞きいたします。市民、観光客の集まる場所や公園または学校などに多く設置されている野外彫刻は身近でありながらもアートに触れることができ、芸術的素養の醸成に寄与しているものと感じます。設置される場や、そこに来られる方に合わせた作品の展示がなされることは、まちとしても文化の底上げにつながるものであり、見る人の目を楽しませています。しかしながら、他方で、そこにあることが当たり前になってしまっていることも事実で、風雨にさらされ、汚れてしまうものも少なくありません。台座の表面にまでクラックが入ってしまっているものもあると聞き及んでおります。それは、本市に限ったことだけではなく、他の自治体においても同様のケースは散見されています。テープカットがゴールで、その後は文字どおり放置の状態とやゆされているのが現状なのです。いわゆるパブリックアートとして親しまれるべきものですが、そこにあることが当たり前になってしまうと、ともすれば、管理・保全がおざなりになってしまい、前述のとおり、行政の中ですら重要視されないということが起きてしまいます。ですが、本来は道路などのインフラと同じように適宜手を入れていかなくてはならないのだと専門家の方からもお聞きしたところであります。野外彫刻はさまざまな材質でつくられていますが、一例として挙げると、ブロンズ像は本体については堅牢なつくりであり、よほどのことがなければ破損はしないものと認識しています。ただし、問題はその台座部分及び固定をするための鉄筋などの老朽化です。一般的なブロンズ像の台座の材質は、見かけ上、-53-花崗岩、つまり御影石であるのがポピュラーです。それは、石材として高価なため、多くは外側のみ化粧板のように御影石を張りつけ、その中は鉄筋コンクリートであるケースが少なくありません。鉄筋コンクリートの耐用年数は 50 年程度とも言われる中で、土台のコンクリートの破損もしくは中の錆びた鉄骨が破損してしまうと像が倒れてしまうおそれもあり、大きな事故がいつ起きてもおかしくないわけです。現に、札幌市にある札幌市立本郷新記念札幌彫刻美術館においても、1963 年に製作された「鳥の碑」という作品が倒れて、職員の方が大けがをしたという痛ましい事故が起こっています。地震を初めとする自然災害が頻発している昨今においては、防災の観点からも本市の一刻も早い対策が望まれます。以下、質問をさせていただきます。まず、確認として伺います。市域には約 40 の作品は確認できましたが、それより多くのものがあるのかを把握し切れておりませんので、野外彫刻等が幾つ展示されているのかをお示しください。また、銭函駅前の「炎」という作品に関しては、寄贈を受けてから 35 年がたち、撤去の方針から一転して補修を行うということが報じられていました。同様の作品は小樽公園にもあるものと認識をしています。前者の銭函駅前に置かれているものとしては、北海道新聞の取材に対して、建設部用地管理課がコメントを出しておいででした。ここでお伺いをしたいのは、管理等に関しての担当はどこの部署が担っているのかということです。幾つかお聞きいたしますが、個人のアトリエなどは除き、市内のパブリックスペースに設置されているものは、どの程度、何基が小樽市の管理なのでしょうか。そして、それら彫刻等のデータは一元管理されていますか。制作年、設置日、作者名、材質、作品名などはアーカイブ化されているのでしょうか。また、データ管理をしている担当部署はどこになるのかもお示しください。加えて、補修及び維持管理についての担当も同じ部署であるのかお示しください。つまり、公園に置かれているものは公園緑地課、学校のものは教育委員会などといった形なのか、全てどこかの部署が一括で管理をしているのかということですが、いかがですか。若干、話の本筋を逸れてしまいますが、移設等についてもお聞きします。学校の中にもブロンズ像は設置されています。定番のもので申し上げますと、二宮金次郎やロダンの考える人などが浮かびますが、再編で閉校になった学校に置かれていたものなどはどうなっていますか。跡利用などで校舎を売却した際に移設は行われているのでしょうか。さて、ここからが今回の質問の本題になる部分です。彫刻等に関して、清掃や点検は定期的に行われているのでしょうか。やっているとすれば、その頻度及び点検の手法についてを示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。もし、やっていないもしくはその頻度が極端に少ない場合はその理由をお示しください。ぶしつけな言い方で申しわけないのですが、仮に点検を行っていても、それが万一目視のみであった場合はきちんとした点検作業には当たらないのではないかと考えます。というのも、先ほども申し上げたように見えない箇所が破損しているケースも多いからです。見てとれるのは、直接的な汚れや外側にも及ぶほどの大きな破損です。問題なのは、表面上見えずに実際にさわってみてふらつきが判明することがあるという事実です。化学の勉強を思わせますが、ブロンズ像の場合、台座から固定する鉄と本体であるブロンズが接しています。そこに電位差が生まれます。その電位差により、異種金属腐食が引き起こされるということです。つまり、それぞれの金属を単体で置いた際の酸化などによる経年劣化よりも早く限界が訪れてしまうことも考えられます。先ほど申し上げた本郷新美術館で倒れてしまった作品も、像の本体と土台とを固定する鉄製の棒が腐食により折れてしまったということです。要するに、頑丈そうには見えます-54-が、その後の経過をきちんと確認し続けなくては、安全性を担保し続けることは当然ながらできません。それを踏まえて質問をいたしますが、ここ数年で市民からの通報なども含めて、危険が認められたものはありましたか。銭函駅前の作品「炎」の場合は、建設部で予算計上をして今後補修を行うような報道がありましたが、この作品は鉄製で補修にはかなりの費用がかかるとの印象を受けました。今後補修に向けて小樽市としてどのように進めていくのかお示しください。この項最後に、ここまで申し上げてきた問題点などをもとに、改めて野外彫刻等のデータベース化及び調査・点検と必要に応じた補修を行っていくべきと主張をいたします。もちろん一気に全てできるものでないのは理解をいたしますが、建立の年次や材質、または展示の環境などにより優先順位をつけた上で見直しを図っていただくよう要望いたしますが、その点において本市のお考えをお示しください。手入れを怠らなければ、後世に残る身近な文化、芸術として今後も生き続けるものです。ぜひ、前向きな御答弁をいただけますようお願い申し上げます。以上、第2項目の質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
ただいま、野外の彫刻等について御質問がありました。まず、市域で展示されている野外の彫刻等につきましては、市で把握しているものとしましては、像や歌碑、句碑等を合わせ 125 件となっております。次に、パブリックスペースに設置されている彫刻等につきましては、市が維持管理をしている彫刻等は65 件あり、材質の情報はありませんが、名称、所在地、建立年月日、建立者などの項目について企画政策室でデータを一元的に管理しております。また、維持管理はそれぞれの作品の所管部局で行っております。次に、閉校になった学校に置かれていた彫刻等につきましては、跡利用の決定に伴って敷地内で移設した例や、民間事業者にそれらを含めて跡地を売却した例もありますが、多くはそのままの状態で現存をしております。次に、野外の彫刻等の清掃や点検につきましては、一部では定期的に年2回、触診による点検を行っているものなどもありますが、ほとんどは目視によって不定期に確認をしている程度であります。頻度が低い理由としましては、彫刻等の清掃や点検の必要に対して、職員の意識が十分に行き届いていないためであると感じております。次に、ここ数年で危険であると認められたものにつきましては、先ほど議員からお話のありました銭函駅前の「炎」というモニュメントについては、市民から補修の要望を受けて市が調査したところ、危険であると認識したものであります。このほかの彫刻等については点検によって危険と認めたものはありません。次に、「炎」の補修に向けた進め方につきましては、現在、具体的な補修方法のほか、新設などの場合も含め、耐久性や経済性などについて比較検討を行っております。これらの結果をもとに、市としての考え方を整理した後、寄贈していただいた方や地域の皆さんの御意見を伺った上で最終的な判断をしてまいりたいと考えております。なお、いずれの方法におきましても、現地での補修は難しいことから、危険回避のためにも一時的に撤-55-去することを考えております。次に、野外の彫刻等の点検や補修につきましては、今後はこれらの材質や劣化なども含めて調査の上、データベースに登載することで状況を把握するとともに、所管における維持や保全への意識づけをしながら、改めて管理を徹底させてまいりたいと考えております。