小樽市議会 令和元年第3回定例会 2019年9月10日
市長公約の検証について
2019年9月10日、小樽市議会の一般質問で、松田優子議員が「市長公約の検証について」質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 松田優子 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 2番 松田優子
令和元年第3回定例会に当たり、公明党を代表して質問させていただきます。よろしくお願いいたします。迫市長が就任してからちょうど1年がたちました。先日来、定例記者会見や雑誌のインタビュー、報道機関を通して、さまざまな形でこの1年間における迫市政の検証が行われています。その中には、前市長時代の混乱からの市政立て直しに労力を割き、特に人口減問題や産業振興に目立った成果はなく、迫カラーが見えないという指摘もありました。それに対し市長は、市民生活の安定が一番大切で、あえてカラーを出す必要はなく、着実に市政を進めていけばいいと答え、1年を通しての自己採点は 70 点だと評価しました。この 70 点が高いか低いかの判断は人によってさまざまだと思いますが、私たち議員も公の場であるこの本会議場で、市長みずからの言葉でこの1年間を総括していただくことで評価させていただきたいと思いますので、最初に伺います。市長は、市長就任に対し、この4年間で重点的に推進したい四つの政策の柱を述べていますので、まずはそれに沿って主な公約の進捗状況をお聞かせ願いたいと思います。最初の「次世代をつくる」についてです。安心して子どもを産み育てることができ、全ての子どもたちが能力や可能性を発揮できるまちづくりを目指すとして、不登校問題や障害を抱える子供がいる家庭に寄り添い、支える体制を整えるとともに、経済的困窮を抱える家庭などの子供への学習支援体制を整え、学力や家庭学習の向上を支えますと示されています。これには、経済格差が教育格差になってはいけない、生活が苦しい大変な家庭の子供たち、将来を担う子供たちへ学習機会を提供していきたいという市長の思いが込められており、我が党も高く評価している施策です。その具体的な施策として、ひとり親や生活保護世帯、生活困窮世帯の中学生を対象としての学習・生活支援事業おたる子ども未来塾を実施していますが、この事業の内容と実績、そして現状の課題をお示しください。なお、この事業は現在中学生が対象となっていますが、いずれ対象を小学生まで、もしくは小学生高学年まで広げることは考えていないのかお伺いいたします。同じく、この事業は学習塾に委託して実施していますが、同様の事業を実施している室蘭市では、社会福祉協議会に委託し、教員経験者や大学生などのボランティアが個別学習の支援を行っています。小樽市としても小樽商科大学との連携などは考えられないのか、今後の方向性についてお聞かせください。次に、「安全をつくり、安心を生む」についてですが、全ての方々が健康で生きがいと夢を抱きながら、安心・安全に暮らすことができるまちを目指すとして、中でも市民の皆さんの要望が多い除排雪問題については、近年降雪期が早まっていることから、市長は、これまで 12 月1日に設置していた除雪対-53-策本部を例年よりも半月早めて 11 月 15 日に前倒しで設置し、計画排雪量を 1.5 倍に拡大しました。その結果、平成 30 年に寄せられた除排雪に対する市民の声の総数は 1,532 件で、前年より 1,000 件以上も減少し、過去5年で最も少ないものとなったとお聞きしています。この総数が過去5年平均を下回った理由については、気象状況が毎年異なることがあるものの、適切なタイミングで排雪作業に取り組めたためであり、それが除雪依頼で約5割減、除雪後の苦情で2割減につながり、特に排雪依頼が6割以上も少なくなったものと考えているとのことですが、今後もさらに持続的な除排雪体制の構築のため、雪対策基本計画の策定をすると伺っていますが、改めてその目的、内容、進捗状況をお聞かせください。また、市長に就任して 11 日後に起きたあの忌まわしい北海道胆振東部地震では、今まで誰もが経験したことがない長時間にわたるブラックアウトに全市が見舞われました。現在市が進めている災害対策の主なものとして、指定避難所へのポータブル発電機や投光器などを配備する非常時停電対策、地域住民に対する情報伝達が不十分だったという批判を受け、FMおたるの難聴地域を解消するための送信局増設に係る調査及び実施計画を行う防災情報通信設備整備、沿岸の住民や観光客等への避難情報を迅速、確実に伝達するための防災行政無線設備整備などが挙げられますが、これらの進捗状況についてお示しください。三つ目の「にぎわいをつくる」についてですが、豊かな自然や歴史・文化を活かし、市民に根ざした観光のまちづくり、地域経済を支える中小企業が元気に事業を続けることができるまちを目指すとしております。歴史的な町並みを生かし、旧国鉄手宮線、北運河と第3号ふ頭を一体的に整備し、日本遺産に認定された北前船寄港地としての魅力を発信し、小樽の新しい観光拠点づくりを進めると示されていますが、新しい観光拠点としてどのようなことを考えているのか具体的にお示しください。また、外国人向けの多言語表示やホスピタリティ意識の向上、観光地周辺の除排雪の強化などにより、安心で安全な国際観光都市を目指しますとありますが、その具体的な取り組みについてお聞かせください。今、小樽駅前を歩いていると列車からおりてくる外国人の方をたくさん見受けます。昨年度の観光入込客数の概要を見ても、延べ人数で約 30 万人の海外の方が訪れてくださっています。その中で、韓国の方が6万人以上で、中国に次いで2番目に多い人数ですので、韓国の日本旅行自粛による影響が今後出てくるのではないかと懸念しますが、御見解をお聞かせください。最後に、四つ目の「未来をつくる」について伺います。これについては、公共施設や小樽駅前、小樽港の整備、新幹線の活用など、人や物が活発に交流するまちを目指しますと示され、このため市役所本庁舎を初めとした、老朽化し耐震強度が不足している公共施設を市民の皆様の御意見を聞きながら、計画的に再編整備を進めるとともに、廃校や用途が廃止された施設、土地などの市有財産を地域の発展のため有効活用を図りますとしておりますが、具体的な内容は別枠でお聞きいたしますので、この項では公共施設再編計画の考え方のみお聞かせください。また、北海道新幹線が札幌に延伸するのは 2030 年の予定で、あと 11 年となっていますが、まちづくりの観点で言えば非常に短い期間です。新駅周辺のまちづくりをどうするのか、中心市街地との連携、現在の小樽駅とのアクセスの問題もあり、課題は山積しており、時間をかけて議論する必要があります。今後の新幹線新駅周辺のまちづくりの計画の進め方についてのお考えをお聞かせください。記者会見では、自身の公約として掲げた 30 項目のうち、就任1年間で実現できたのは公約1と2の中の5項目で、新聞の取材に対しては、30 項目を4年で割り返せば年間 7.5 項目で、そのうち5項目が実現したと言われ、それを1年間の点数に換算すれば3分の2プラスアルファで 70 点と評価の根拠を示されました。まずは、実現した5項目とは何かお聞かせください。また、2年目はどのような項目の実現-54-を目指すのか伺います。市長として、現時点で一番困難な項目として挙げられるのは何かを示し、今後その目標に向かってどのように取り組むおつもりかお聞かせください。ある会合で市長は、1年目は前市長との比較で評価されたが、市長就任2年目、3年目となると、今度は市長として何をしてきたか、自身が問われるとして決意を述べられていました。公約は単年で実現できるもの、複数年かかるもの、他の機関との連携、民間企業の協力を要するものなど、さまざまで課題も山積しています。ともあれ自身が掲げた公約実現に向けて、今後もしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、再度その決意をお聞かせください。以上で1項目めの質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
松田議員の御質問にお答えをいたします。ただいま、市長公約の検証について御質問がありました。初めに、公約の進捗状況についてですが、まず、おたる子ども未来塾の事業内容などにつきましては、事業内容は、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯や経済的にお困りの世帯の中学生を対象に、民間事業者に委託し、毎週土曜日、午後の2時間、勤労青少年ホームを会場として参加費無料で学習支援を行っているものです。実績は、本年5月の事業開始当初は 11 名の申し込みでしたが、8月末時点では 17 名となっております。6月に簡易アンケートを実施したところ、参加生徒からは、教え方がわかりやすい、勉強が少しずつわかるようになった。保護者からは、子供が未来塾で勉強したことなどを話してくれるようになり、意欲を感じるようになったとの感想をいただいております。課題としては、30 名程度の参加を想定していることから、参加者をふやすため、さらに周知に取り組む必要があると考えております。次に、対象者を広げることにつきましては、今年度から開始した事業でありますので、当面は現状のまま継続していきますが、今後、参加生徒数の推移や保護者の意見などを踏まえ、対象者の拡大などについて検討してまいりたいと考えております。次に、この事業の今後の方向性につきましては、本事業は学習支援と生活相談をあわせて行うことを目的としていることから、今後においてもその両方に対応できる事業者に委託することが望ましいと考えております。次に、小樽市雪対策基本計画につきましては、近年、人口減少、高齢化の進行など社会環境の変化に加え、除排雪作業を担う建設業の人材不足など、このままでは将来的に除雪体制の維持が困難になる可能性があることから、将来を見据えた中で、今後も継続して冬の安全で安心な市民生活や経済活動を支えるため、将来における雪対策の方向性を示すことを目的に策定するものであります。内容につきましては、効率的な雪対策、協働による雪対策及び雪堆積場などの確保を重点施策として、それぞれの取り組みを位置づけするものであります。現在の進捗状況は、学識経験者、交通事業者などの委員で構成する懇話会を2回、連合町会などの地域の代表者で構成する分科会を2回開催しております。今後のスケジュールにつきましては、年度内に懇話会と分科会をそれぞれ3回程度開催し、令和2年2月に雪対策基本計画の素案を取りまとめ、第1回定例会でお示しをし、4月にパブリックコメントの-55-実施後、6月に本計画の策定を予定しております。次に、現在本市が進めている主な災害対策の進捗状況につきましては、指定避難所における非常時停電対策については、10 月中をめどに 35 カ所の指定避難所に対してポータブル発電機や投光器、赤外線ヒーターなどの配備を予定しております。防災情報通信設備の整備については、FMおたるの難聴地域解消に向けた電波伝搬調査を9月末までに行い、その後実施設計に着手する予定です。防災行政無線については、今年度から2カ年で工事を行い、蘭島から銭函までの津波浸水想定区域内に拡声子局を 38カ所設置することとしておりますが、今年度につきましては、12 月までに蘭島から手宮まで 13 カ所に設置をし、緊急放送を行うための親局を災害対策室に、副局を消防本部高機能消防司令センターに、来年2月までに設置する予定としております。次に、新しい観光拠点づくりにつきましては、歴史・文化、海・港は、ほかのまちにはない小樽ならではの強みであり、それらを一体的に活用していくことが必要であると考えております。このため、散策路として整備された旧国鉄手宮線、日本遺産の構成文化財などが集積している北運河周辺地区及び陸と海との結節点として新たなにぎわい空間づくりを目指す港観光の拠点となる第3号ふ頭及び周辺地区など、豊かな自然や歴史、文化などの資源と本市の強みを関連づけながら、観光を基軸とし歴史的な町並みを生かした観光拠点づくりを進めてまいりたいと考えております。次に、安心で安全な国際観光都市につきましては、多言語表示については、近年外国人観光客が増加しているメルヘン交差点から南小樽駅への案内看板を3カ所設置するなどの整備を行ってまいりました。また、ホスピタリティの向上については、おたる案内人ジュニア育成プログラムの継続実施による郷土愛を醸成する人材育成などに努めております。さらに、観光地周辺の除排雪の取り組みについては、昨年度までの小樽駅周辺に加え、今年度は南小樽駅周辺の観光に配慮した除排雪作業の強化を図ることで、観光客の安心・安全な歩行者動線を確保してまいりたいと考えております。次に、韓国の日本旅行自粛による影響につきましては、団体客を受け入れている宿泊施設など一部の施設に影響があり、観光案内所の案内件数の減少も見られると聞いておりますが、現時点では、聞き取りをしたそれ以外の観光事業者からは、それほど営業に影響はないものと伺っております。また、9月6日には、小樽商工会議所が設置したインバウンド対策会議に、小樽観光協会、小樽銀行協会、北海道信用保証協会とともに出席し、1回目の情報交換を行ったところであります。今後も新千歳空港への直行便の運休の影響を見定めるとともに、運休が長引いた場合には、少なからず韓国人観光客の本市への入り込み客数に影響を及ぼす可能性がありますので、市内観光事業者はもとより関係機関からの情報収集に努め、その動向について注視してまいりたいと考えております。次に、公共施設再編計画の考え方につきましては、全国的に人口減少と少子高齢化が進展している中、地方自治体の財政も厳しい状況が続き、現在保有する多くの公共施設等の老朽化対策が課題となっております。本市も同様の課題を抱えていることから、将来の市民に過度な負担を残さず、持続可能な市民サービスの提供が図られるよう公共施設の再編を行い、施設総量の削減、市民ニーズの変化への対応、安全性の確保を図ることを方針として、公共施設再編計画を策定するものであります。次に、今後の新幹線新駅周辺のまちづくり計画の進め方につきましては、昨年 12 月に立ち上げた官民連携組織である北海道新幹線活用小樽まちづくり協議会において、新駅により多く停車させるための戦略を検討するとともに、新駅と中心市街地などを結ぶ2次交通対策や、国内外からの観光客誘致促進を図るためのソフト対策等について議論を進め、具体的にいつまでに何をするかを明確にした行動計画、いわゆるアクションプランを策定し、実践してまいりたいと考えております。次に、今後の公約実現への取り組みについてですが、まず、実現した項目などにつきましては、この-56-1年で実現した5項目といたしましては、生活困窮世帯などの子供に対する学習支援、中学校に部活動指導員を配置した学校教育における外部人材の登用、市内の小・中学校における学校規模・学校配置適正化基本計画の見直しの議論、除雪対策本部の設置時期の前倒しとバス路線などを優先した除排雪、非常時停電対策などの防災力の強化であります。また、2年目で実現を目指す項目といたしましては、市民の足を守るためのふれあいパスの継続と公共交通ネットワークの維持、日本遺産を生かしたまちづくり、廃校などの有効利用について取り組んでまいりたいと考えております。次に、現時点で一番困難な項目につきましては、喫緊の課題でありながら多額の事業費が見込まれる公共施設の再編整備であると考えております。この推進に当たっては、市民の皆さんの御意見を伺いながら、市民ニーズと財政負担のバランスを考慮した最適な再編手法を判断し前に進めていく考えであります。次に、公約実現に向けた決意につきましては、私が掲げた公約は 30 項目ありますが、その中では本市の最大の課題である人口減少対策について直接は触れておりません。しかし、各分野にわたるこの 30項目の公約を一つ一つ実現することが人口減少の拡大に歯どめをかけ、まちの活力を維持することになり、ひいては持続性のあるまちづくりにつながると考えております。ただいま困難を伴う項目について申し上げましたが、公約の実現に当たっては困難を伴うものもありますが、できる限り困難を排除し、持続性のあるまちづくりに道筋をつけたいと考えております。