小樽市議会 令和元年第2回定例会 2019年6月18日
(1)地域医療構想について/(2)夜間急病センターについて
2019年6月18日、小樽市議会の一般質問で、中村岩雄議員が「地域医療構想について」「夜間急病センターについて」について質問し、市長 迫俊哉が答弁しました。
- 質問者
- 中村岩雄 議員
- 答弁者
- 市長 迫俊哉
議事録から機械で取り出したものです。正しくは会議録でお確かめください。
質問 4番 中村岩雄
それでは、一般質問をさせていただきます。昨年度は国の診療報酬・介護報酬の同時改定が行われましたが、高齢化社会での医療のあり方、今後の医療需要等を見据え、医療機能の分化・強化、連携を推進し、医療提供体制の転換を意識したものでありました。今後医療界での医師の働き方改革問題や医師偏在問題、それに地域医療構想などが複雑にかかわりながら地域の医療体制が大きく変わることが考えられ、小樽市も例外ではないと思われます。そこで、小樽市の医療について市長の御所見をお伺いしておきたいと思います。一つ目に、地域医療構想問題であります。小樽市の人口は毎年約 2,000 人減少しており、医療ニーズの縮小化は避けられず、また医療の進歩と高度化により入院の医療ニーズも確実に減少しております。市内医療機関における医師不足、看護師不足、患者不足も病院経営の現実的な脅威となりつつあります。そのような中、2015 年の受療動向から推測される 2025 年度の小樽市での急性期の医療ニーズは最大に見積もり 490 床との試算がありますが、市内各病院の意向調査では 870 床と 380 床過剰となります。一方、回復期病床の 2025 年の医療ニーズは 660 床ですが、意向調査では 340 床であり 320 床が不足状態となる予測です。東北大学の藤森研司教授が小樽で講演された際、高齢化の進んだ小樽のようなまちで重要なのは回復期病床の充実が地域住民の医療に貢献できる病床であると述べられており、小樽市においてはさらなる急性期病床から回復期病床への転換が必要と思われますが、いかがでしょうか。現在、日本の医療における最大の問題点は医療ニーズと医療提供体制のミスマッチであると言われており小樽市でも同様に思えます。これを解決するには病院間での競争ではなく協調し合うことが重要です。時代が求めるのは将来につながる医療の持続可能性であり、連携し効率的かつ効果的に医療が提供できる㸫71-仕組みづくりであります。地域内ではそれぞれの医療機関が協調して機能分化・役割分担し、協働して地域医療の責任を持続的に果たしていくことが重要と思います。個々の病院経営という点の視点からではなく、地域医療経営という面の視点への転換が各病院の管理者には特に必要ではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。次に、慢性期医療に関しては小樽市の 2025 年の慢性期医療病床の試算値と意向調査では 370 床不足していますが、将来的に医療療養病床の対象患者の減少や看護師不足、介護士不足が予測される中、既に慢性期病床から特別養護老人ホームへの転換や 2015 年の試算当時に比べさまざまな介護系入所施設の充実と訪問診療を行う医療機関の増加で慢性期病床の医療ニーズは減少してきていることが推察されます。これは小樽市における地域包括ケアシステムの充実と広がりが在宅療養の推進に寄与していることが影響しているものと思われます。今後は国の進める政策により入院から在宅復帰までの道筋が強化されるとともに、かかりつけ医機能の推進や在宅医療の拡大で慢性期医療のあり方がさらに変わる可能性も秘めています。また、昨年度創設された介護医療院は介護療養病床と医療療養病床の経過型の転換先として、病院内にサービス付き高齢者向け住宅的施設を設置する医療法上初めての施設概念であり、今後小樽市内でどの程度介護医療院への転換が生ずるのか経過に注目を要すると思います。以上、慢性期医療に関して市長の御所見をお伺いいたします。二つ目は、夜間急病センター問題です。以前より問題提起されていた土曜日当番の体制に関して、限られた医師に大きな負担をかけての外科1次救急体制が続いていました。この解決に急病センターを利用して外部の医師にも参画してもらい、さらに内科も同様の体制をとり、土曜日の1次救急を急病センターで行うことで市との協議、議会承認を経て、2019 年4月より急病センター出向による土曜当番制がスタートしています。また、薬剤師会の御協力で院外薬局での対応も同時にスタートしています。今後に向けてですが、開業会員の高齢化と減少が予測され、休日当番体制も急病センター対応を視野に入れておくべきと思いますが、いかがですか。次に、2019 年4月に働き方改革関連法が施行され、医師の場合 2024 年4月より開始されますが、急病センター出向の大学医局の医師の方に影響が出てくる可能性があります。急病センター出向の深夜帯の医師には連続就労と判断され時間外労働時間問題がかかわってきますが、それ以上に関連法案の中の 追加的健康確保措置が大きな問題となってきます。一つは連続勤務時間 28 時間問題と、二つ目は勤務間インターバル9時間の確保問題であり、これが適用されると急病センターで勤務した後、大学での仕事につけないことになってしまいます。この問題に関しては日本医師会の緊急調査結果を見ても全国の救急病院の半数が派遣医師の引き上げによる懸念を示しており、今後大学医局から出向される医師の兼業扱いがどうなるのか注視する必要があります。追加的健康確保措置に抵触する可能性が高ければ、急病センターの運営にも影響を及ぼすと考えられますが、市長のお考えをお示しください。再質問を留保し、質問を終わります。
答弁 市長 迫俊哉
中村岩雄議員の御質問にお答えいたします。ただいま、地域医療構想について御質問がありました。初めに、本市における急性期病床から回復期病床への転換につきましては、本市を含む後志圏域における地域医療構想の達成を推進するために必要な協議を行う場として、後志総合振興局が設置した後志圏域-72-地域医療構想調整会議があり、この会議の専門部会や市内医療機関関係者で構成されるワーキンググループにおいて地域の実情を示すデータや構想を踏まえた取り組み状況について情報共有するとともに、地域の課題や確保すべき機能等について意見交換を行っているところであります。この中で毎年実施される病床機能報告の状況を踏まえ、回復期病床の確保の必要性など医療提供体制に関する状況を共有した上で必要に応じて急性期から回復期への転換が図られていくべきと考えております。次に、個々の医療機関が協調して機能分化・役割分担し地域医療の責任を持続的に果たしていく地域医療経営という面の視点への転換が各病院の管理者に必要ではないかにつきましては、各病院の管理者に対して、先ほど申し上げました後志圏域地域医療構想調整会議において情報共有や意見交換を行う中で、医療機関相互の役割分担と連携の促進を働きかけていきたいと考えております。次に、慢性期医療につきましては、後志圏域地域医療構想における圏域内の必要病床数に対して現時点で約 300 床不足しておりますが、毎年実施される病床機能報告の状況や医療機関の動向などを注視しながら適切な病床数の確保に向けて、後志圏域地域医療構想調整会議において北海道とともに取り組んでまいりたいと考えております。次に、夜間急病センターについて御質問がありました。まず、今後の休日当番体制を急病センターで対応することにつきましては、市民の利便性の向上と各医療機関の負担軽減を目的に今年度から土曜在宅当番の診療体制を見直し、急病センターで診療を始めましたので、その効果と課題の検証を行いながら今後医師会の御意見もお伺いして検討してまいりたいと考えております。次に、働き方改革による急病センターの運営への影響につきましては、急病センターの運営には大学医局からの出向医師数が平成 30 年では延べ 730 人、実 116 人となっており、大学医局に大きく依存していることから、今後影響があることが予想されます。現状では、医師会が医師確保に努めていただいておりますので、本市といたしましては、北海道が設置しております北海道医療勤務環境改善支援センターからの情報収集に努めるなど今後の動向を注視してまいりたいと考えております。